SCAT/くちずさむねこ(2007)

 

プレアデス国際短編映画祭の最終日に行ってきた件

小規模な映画祭である、鎌倉発のプレアデス国際短編映画祭。
元はフランスの企画というだけあって、セレクションはしっかりしてました。
華はなかったけどな…これは本数の関係上、仕方がないかなぁ。
ブラジル特集と銘打っただけあり、南米独特のあの空気感はしっかり味わってきました。

さて、札幌国際短編映画祭のオールレビュー以降、短編映画祭では必ず全作コメントを残すようになってしまったオイラですが、今回は…とりあえず短評のテンプレートだけ用意しとくか(笑)。

『サプライズ!』(フランス/2007年)
多数の人物が交錯する、かなり複雑なバニシング・ポイント系のストーリーを20分弱でわかりやすくまとめた手腕が凄い。でもそれだけなんだよなぁ。

『TIMPE ME』(ドイツ/2001年)
人形劇作品。なのにアップが多いのはどうした事か。人形の表情に、川本喜八郎作品くらいの気合がなければやってはいけないよこれは…。

銀杏の樹の下で』(日本/2007年)←ずるいぞ!傑作!
これはもう、札幌的傑作。後半、会場で鼻をすする音が一斉に発生しました。

『プレゼントが街にやってくる!』(ブラジル/2006年)←ワンダホー!
ブラジルの『スタンドバイミー』はこんなにも明るく、こんなにも切ないのか…映画における「子供の力」で押し切った、ブラジル貧困層の躍動感あふれるスケッチ。

『ひとりぼっちの夏』(ブラジル/2007年)
ゴーリキーの『外套』の南米版ですな。ブラジル、というか南米ならではのこの空気感。乾いた笑いの残酷な喜劇。

『青い夜』(ブラジル/2006年)
17歳の夜…暴走してるような、エンストしてるような、微妙すぎる青い性…。

『鳥』(ブラジル/2006年)←秀作!
ブラジルの日系の少女の日常を綴った小品。フランス人の少女ムシェットに比べ、日本人の少女はもっと寡黙で、奥が深い。

『マリアの一生』(ブラジル/2006年)←怪作!
技術的にはかなりヘボい3DCG作品ですが、ワンカット長回しのとんでもない作品。まるでタル・ベーラ作品のような、計算されたカメラワークが、一人の女の一生を追っていきます。

観客投票は、感動度では『銀杏』なんですが、その画的感性の素晴らしさから『鳥』に入れました。誰が観ても損のない作品である『銀杏の樹の下で』を素直に誉められない理由は、後日追加します。

水曜日になった…まだちゃんとしたレビューを書くひまがない…月曜は終電、昨日は泊まりだったという…。
この窮状は来週末まで続く予定…。
あ、公式ブログを覗いたら、観客賞は『サプライズ!』、グランプリは『プレゼントが街にやってくる!』だったとの事です。『プレゼント』は予想の範囲内だけど、『サプライズ!』は全くサプライズだったぜ。