13.古臭い不倫ドラマかなーと思って見ていたらあーそういうオチなんですね。これはむしろ現代の視点で見た方がより高く評価されるタイプの作品だと思います。単にファシズムによる弾圧という範囲を超えた男らしさや女らしさにまつわる抑圧がテーマとなっているからです。二人の個人的な出会いと対比させるためとはいえラジオのプロパガンダ放送が序盤からずっと流される演出にはちょっと単調さも感じてしまいました。冒頭5分近くも記録映像を見せる必要性もあまり感じません。舞台のもぬけの殻となった街の光景はヒッチコックの裏窓も想起させるところもあり単純にワクワクするものがありますね。何かが変わってしまったが変わらない日常を生きていくしかない、余韻を残すラストも素敵です。 |
12.全体的にはありがちな(不倫もの)ストーリーだが、個々の場面ではちょっと意外な展開も多い。 退屈そうなのに飽きずに最後まで観てしまうのは、そのちょっとした意外性とソフィア・ローレンの時々はっとさせられる美しさかも。 【simple】さん [地上波(字幕)] 6点(2014-09-15 21:19:18) |
11.細かく計算されているあらゆるシーン、思い返すとどれも必要不可欠で繊細な作品ですね。この日はほぼすべてのイタリア人にとっては「特別な一日」であったわけですが、主人公二人にはより特別な、スペシャルな日になったわけで、その心境の変化も巧みに切り取ってあり、感動しました。すばらしいです。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-02-12 09:40:11) (良:1票) |
10.結構ひきこまれてみてしまった。彼女以外の配役だったらどうだったろう。ソフィアローレンの存在って大きいな。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-10-31 06:56:47) |
9.変にひとけがない感じがいい。『黒いオルフェ』では、カーニバルの賑わいの裏道の静けさってのが生かされてたけど、あれを思い出した。ファシストの集会にみなが出払った後のアパートの静まり。この設定がファシストおばさんとホモおじさんの出会いに必要だった。自分で女は劣っていると思い込んでいるほど素直にファシストの言葉を信じているヒロイン。公園でムッソリーニを見かけて気絶しちゃったってんだもの。あの当時のこういう素朴な一般庶民てのはなかなか映画で主役をやらせてもらったことなかったんだよな。ムッソリーニは貧困をもたらす敵だったのではなく、彼らにとって希望の象徴だった。小道具、九官鳥からルンバの足形、砂のオモリつけた電球、などなどが生きている。管理人のおばさんも重要。世間そのものといったような無垢な残酷さ。ラジオによる沿道の賑わいの中継が生きる。管理人のおばさんが大きな音で聞いているの。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-20 09:46:40) (良:1票) |
8.これは、奥の深い作品なんだと思う。ファシズム批判は特に描かれていないのだけれど、ガブリエレがゲイであることで、しかもそのゲイが異端であるとして連行までされてしまうという現実を描くことで、体制批判以上のマイノリティ排斥への憤りを表しているのでは。ともかく、『ひまわり』では感じなかったソフィア・ローレンの美しさと色気を堪能させていただきました。同じ主婦の不倫モノなんだけど、駄作『マディソン群の橋』の肉欲先行の陶酔不倫とは違って、こちらは現実逃避のヒリヒリするような切羽詰った痛みを分かち合う。これはキツイ。前半ガブリエレの電話のシーンが印象的。もちろん屋上のシーンも。「三銃士」の本と直ってしまった電灯が、切ない。 【すねこすり】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-30 15:50:23) (良:3票) |
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7.子供6人を抱える母親が、家事に追われ、刺激を求めたというソフィア・ローレンの心理は理解できたものの、同性愛とやらのマルチェロ・マストロヤンニが、ソフィア・ローレンを執拗に誘う心理がどうも理解できなかった。 反ファシズムの党員として、アパートメントから出立する前日の「特別な一日」にそういう行動に出たともとれるが、それにしてもシックリはこない。 前半から中盤にかけての、男性から誘われる側の女性の心理を緻密に描いた部分は良かったのだが、後半にかけていまいち乗りきれない作品だった。 ただし、淡々と描写される室内の登場人物達の動き、屋上での男女二人のやりとりなどは、とても印象に残るシーンだった。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-06-29 00:10:57) |
6.たった半日で終わる不倫でも、紛れもなく恋をしていたんだな・・・ 【mimi】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-05-04 03:33:28) |
5.誰もいなくなった団地。管理人のおばちゃんが大音量で流すナチスの集会の放送だけが聞こえるその団地での、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニとの出会いは、既に諦念によって包まれており、そこにはあらかじめ決められたかのような不可能性があるばかりだ。ラジオから流れる「軽さ」と、カメラの前で繰り広げられる特別な一日の「重さ」が同時進行していく、その緊張感は見事としかいいようがない。 ラスト、少しずつ電気が消され暗くなってゆく室内は、特別な一日が終わりを迎えた事を示すだけでなく、さっきまで「軽さ」であったはずの戦争は生活に直接影響する「重さ」へ変わり、二人の出会いは風船のような「軽さ」へと変わる。ソフィア・ローレンに残されたのは三銃士と修理された電球だけだったが、それは消えてしまいそうな軽さの為に欠かせない、錘なのだった。屋上でのシーンとともに忘れられない映画。 【Qfwfq】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-12-07 01:22:26) (良:2票) |
4.ソフィア・ローレンって美しいな~。高いところ目指してて・・・ああ収めてしまうのも、なんだかもったいない。でもそう捕らえる自分、そこが青いんだな。 【ジマイマ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2004-11-14 17:06:35) |
3.何よりも雰囲気がすごく良かった。式典の模様がラジオ放送される中での男女のやりとり、式典が終わり騒々しい日常へと戻るソフィア・ローレンの姿、そして三銃士の本を大切な思い出をしまうかのように戸棚にそっとしまうラストシーン、どれも心を締めつけられる思いで鑑賞していた。そして状況は違えどもこんなシーンって誰の心にもあったり、これから経験したりするものなのかななんてことを考えたりもした。自分にはこういう経験はまだないが、これからの人生恋愛だけでなく色々な面で特別な一日となるような経験が待っているのだとしたら人生捨てたもんじゃないなって思う。(ラストの文章臭すぎました。すいません(笑)) 【ゆきむら】さん 7点(2004-11-14 17:05:52) |
2.何事につけ鈍感な自分には、熟年男女の心の機微をちゃんとつかめてるかどうか大いに怪しいのだけれど、そんでもこの作品がものすごく丁寧に作られているのは、分かる。冒頭の流れるようなカメラワークから始まって、垂れ下がってしまう電灯やボタンで作った絵など、小道具の巧みな使い方(小道具といえば、あの手動のコーヒーミル、欲しいなーって思った)、さり気ない台詞や表情で見せる登場人物の心の動き、なんと言っても名優二人の名演技(実は「ひまわり」で初めてソフィア・ローレンを見た時は「うわっ、怖い!(ソフィアファンの皆様、ごめんなさい)」と思ってしまったのですが、この作品で見た彼女は、とても綺麗に思えたのでした)。ラスト、アントニエッタがガブリエレから貰った「三銃士」を戸棚にしまい、電気を消して床につくシーンは静かな感動を呼びます。あと、この作品は(それが主眼ではないのだろうけど)当時のファシズムの文化的・風俗的な影響、あるいは何故ファシズムが人々に支持されたのかということも描かれていて興味深かったです。人は時に、不安定な自由よりも統率の取れた抑圧を求めてしまうものなんだな(別にファシズムを肯定するつもりは毛頭ないけれどね)。【かーすけ】さんも仰るとおり、年を重ねてから観るとより感動できる作品だと思うので、10年後位に見直してみたいです。<追記>決して宣伝ではないけれど、先日この「知られざる名作」のDVD発売を知った僕はすぐさま近所の二軒のレンタルビデオ店にリクエストした。一軒は「発注したらお知らせします」と言ったきり音沙汰がないが、もう一軒の方は先日ちゃんと入荷してくれた。偉いじゃん、ツ○ヤ。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-10-22 18:12:13) (良:1票) |
【仮面の男】さん 8点(2004-02-28 13:16:11) |