さすらい(1976)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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さすらい(1976)

[サスライ]
Im Lauf der Zeit
(Kings of the Road)
1976年西独上映時間:176分
平均点:8.12 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
ドラマモノクロ映画ロードムービー
新規登録(2004-03-17)【藤村】さん
タイトル情報更新(2008-05-02)【にじばぶ】さん
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監督ヴィム・ヴェンダース
キャストリューディガー・フォーグラー(男優)ブルーノ・ヴィンター
ハンス・ジシュラー(男優)ロバート・ランダー
リザ・クロイツァー(女優)映画館のチケット係の女性、パウリーネ
ルドルフ・シュントラー(男優)ロバートの父
ヴィム・ヴェンダース(男優)劇場の観客
脚本ヴィム・ヴェンダース
撮影ロビー・ミューラー
マーティン・シェーファー
製作ヴィム・ヴェンダース
配給フランス映画社
字幕翻訳岡枝慎二
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6.「都会のアリス」「まわり道」に続く、ヴェンダース初期のロードムービー3部作の最後を飾る作品。

社会と距離を置くかのようにバスのような大きなバンを住処とし、町から町へ映画館を回る映写技師の男と、妻と離婚し人生から逃げ出してきたかのような男が出会う。

しかし何も起こらない。互いの名前を名乗る頃には映画が始まって30分ほど経過していた。妻と離婚した男がポツリポツリと身の上を語り出す頃には1時間ほどが経過していた。

彼らがどこに向っているのかも分からない。流れ行く旅の風景をぼ~っと見ていただけだったのかもしれませんが、鑑賞後の今、彼らとの長い旅を終えた充足感に満たされているかのような心地良さがあります。

「都会のアリス」も「まわり道」も登場人物がさすらう様を追い続ける作品。しかし本作は最終盤で「このままじゃ駄目だ、さよなら」の書き置きと、それを見て「いいさ、俺も頑張る」。それに続く列車とバンで2人が別れ行くラストからは、彼らが新たな一歩を歩み出そうとする確かな意志が感じられました。登場人物がさすらい続けた3部作の最後を飾るにふさわしいラストだったと思います。
とらやさん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-30 22:33:10)
5.野ぐそシーンが何と言っても強烈!
難しい話うんぬんの前に、それしか頭に残っていない。
にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-10 17:22:18)
4.この映画を見て以来、ヨーロッパ映画を景色に注目しながら見るようになった。ロード・ムービー3部作の最終章にして間違いなくロード・ムービーの一つの到達点だろう。これはもう映画の中の時間に身を任せてゆったりと見るべき映画。一度その流れに乗せられると終わるのが非常に勿体無く思えるこの感覚は映画でしか体験できない。製作は脚本よりも撮影重視だったというが、それは芸術家が一度は抱く夢ではないだろうか(この後、小説の映画化である「アメリカの友人」を撮るが)。これ一作あればヴェンダースは誰にも嫉妬する必要が無い、そう思える映画だ。
マイカルシネマさん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-28 22:39:46)(良:1票)
3.ワゴン車の窓からの景色が通りすぎてゆく。ガラスに映る景色もミラーに映る景色も時間とともに通りすぎてゆく。誰からも束縛されず、日々淡々と仕事をこなしながら長距離移動していく男と離婚をしてもそこから前へ進めない男。時が止まっているかのような二人の男の行く先々は、時の流れを象徴するものばかり。既に使われていない工場、誰も住まない男の生家、使用済みの国境見張り小屋、そして寂れた映画館、、。二人の男は気づいてゆく。変わらないと思っていたものが変わることを。いつまでも続くと思っていたものが終わることを。ワゴン車と列車にわかれ、去って行く途中、二人は一度交差してまた離れてゆく。心のどこかで長くて退屈だと思っていた映画に対し、終わらないでほしいという想いが込み上げる瞬間。離れてゆく二人から目をそらさないことで自分も少し変われたような気がするのは大袈裟、、、ですよね。
R&Aさん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-24 15:47:17)
2.先ず、この作品を創ってくれた事、出会えた事に感謝したい。 「さすらい」を観てから、自分の中の“映画を観るスタンス”を改めて軌道修正する切っ掛けになった。本来娯楽である『映画』をどこかで、堅苦しく考えがちだったから。理屈で映画を観るわけではなく、知識が無くては映画を楽しむ事が出来ないわけでもない。“頭で観る”のではなく、『感じる』..これが、この作品を観た事で、甦った。「さすらい」自体もまた、理知的に理解してゆく類の作品ではなく、人間の本来持った自然的な面を受け皿にするべき作品。 

序盤から、徐々に身体に染みてくる情景の素晴らしさ。過ぎるミラー越しの風景は不安も希望もモノクロームの色合いに柔らかに織り込まれている様だ。 
ブルーノの旅は紙に書かれたコースを巡回すること…最後の映画館を後にすれば、また振り出しへもどる。変化のない歪な円を描く旅路。ロベルトの旅は元いた場所から離れる..逃げること…どんなに離れようとしても、気持ちは足の向く方向とは逆に向いている。
2人は前進しながら、それぞれ前に進もうとはしていない。まるでゴールのない双六だ。 やがて、道は行き止まり..『分岐点』の出現。そして、再び動き始める。糸は一刹那一つに縒り合わさっただけ、元に戻るには程無い。旅は終わることなく、2人の軌跡は交差点を残して伸びてゆく…それは、あてどない行き道のほんの一部でしかない。
MAZEさん 9点(2004-05-28 00:35:43)(良:2票)
1.この作品は映し出すべき風景のみを事前に綿密に検討し、脚本は撮影しながら順次書き足して作られたものだそうで【STING大好き】様がおっしゃる通り、見ながらまるで自分が旅しているかのような、写真集の中に紛れ込んでその世界を疑似体験しているかのような究極のロードムービーだ。東西ドイツの国境地帯を移動する彼らのバックに流れる音楽はロバート・ジョンソンの「むなしき愛」をはじめ、ボブ・ディランや60年代アメリカのカントリーやフォークソング等のオールディーズ(しかもリュドガー・フォーグラーはシングルレコードをプレイヤーでかける!素晴らしい!)。映画全体が醸し出す空気は、アメリカの音楽や映画などのカルチャーに焦がれながらも、どこまでもドイツらしい映画を撮る、ヴェンダースの根源を感じる。見ながら途中で眠くなる方もおられるだろうけど、それでもいいのではないだろうか。眠くなったら寝る。そして起きたらまた続きを見る。部屋を暗くして、お酒でも飲みながら、映画に身を任せてゆるく見るのもまた良いと思う。
黒猫クロマティさん 9点(2004-05-26 14:27:26)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 8.12点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5112.50%
600.00%
7112.50%
8225.00%
9337.50%
10112.50%

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