4.《ネタバレ》 パロディにしては、むしろリメイク版の「ドーン・オブ・ザ・デッド」よりも「ゾンビ映画の本質」をきちんと捉えている作り。
ただ、これでは余りにも基本的なストーリー展開や演出、テーマのすべてがオリジナル版そのままで、あえてパロディとしてリメイクしている必然性が見当たらないほど。
コメディとシリアスの比率が3:7くらいで、コメディにしてはシリアス過ぎるしで、その配分が中途半端。特に後半は完全に真面目なゾンビ映画そのもので、独自の解釈や意外性のある展開は皆無。もっとクイーンの曲に合わせて楽しそうにゾンビを殴りまくるシーンのように、コメディとして徹底した方が良かったのでは。死と滅びを受け入れて、とことんまで「崩壊していく世界」を楽しんでしまうような、「滅びのハイテンション」や「死のカタルシス」ってのが見たかった。
ラストもどうせなら、あの友人だけでなく、ゾンビになった母親や恋敵とも仲良く暮らして行くという暖か味のある終わり方にして欲しかった。近所のコンビニのレジ係をゾンビがやっているとか、そうしたオリジナルには無い、お茶らけた中にも、日常を生きる人間の強さや優しさを表現して欲しかった。