2.“ニック・フューリー×デッドプール”のコンビによる殺しまくり、喋りまくりの暴走ロードムービーとくりゃ、そりゃあエキサイティングに決まっている。
ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソンの主演コンビが、それぞれ世界屈指のボディガードとヒットマンに扮し、激しすぎる珍道中を繰り広げる。
職業柄の積もり積もった因縁を抱えた二人が、運命を共にするというプロットはありがちなネタではあるけれど、ノリに乗っているこの二人のスター俳優が躍動することで、押しも押されもせぬ王道的なコメディアクションに仕上がっている。
「マザー○ァッカー!」の連呼や、“デッドプール風”の一人語りなど、両俳優お決まりのメタ要素も随所に散りばめられ、細部の小笑いから大迫力のアクションシーンに至るまで、この種のエンターテイメントとしてのバランスも非常に良い。
監督を務めているのは、「エクスペンダブルズ3」の監督に抜擢され、シルヴェスター・スタローン、メル・ギブソンらハリウッドきっての豪傑共を纏め上げたパトリック・ヒューズ。あの濃くて熱苦しい映画の後だけあって、今作では極めて手際よく求められた仕事をこなしている。
久しぶりに完全なる悪役としてキャスティングされているゲイリー・オールドマンの極悪ぶりも、映画ファンとしては嬉しいポイントだった。
こんなドル箱企画を、全米公開から間髪入れずに全世界ネット配信でリリースするNetflixの存在性は、いよいよ映画業界の根本的な在り方を一変させてしまいそうだ。