13.《ネタバレ》 原作スティーブン・キング、監督フランク・ダラボンのコンビの新作は、これまでの「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」などとは路線が変わり、キングが本来得意としているモダンホラーとなった。それもただのホラーではなく、ガツンと衝撃を食らわされる傑作となった。特にラストシーンで受ける衝撃はすさまじい。この映画の表向きのテーマは「襲いかかる未知のものからいかに逃げおおすか」という典型的なホラー映画のそれだが、裏テーマはズバリ「神・宗教」である。主人公は、現代的な、神の存在を気にしない人物として描かれており、そういう考えのもとに行動する。その結果、あのラストシーンを迎えるわけだ。一方、強烈なキリスト教信者の女性は途中で殺されてしまうが彼女の発言に従ってスーパーから出ていかなかった人たちは最終的には救助される(その様子は描かれていないがラストシーンから考えるとそうなるはずだ)。スーパーに居残った人たちが助かるのはあくまで結果論でしかないが、キリスト教信者の女性の言うことに従うこと、つまり神に従うことが正解(生き残るとこ)につながってしまうのは皮肉としか言いようがない。 【MASS】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-27 18:05:02) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 『リーピング』と『es』を思い出します。 蟲もおっかないですが、神に救いを求めるために、人間が豹変していく様がやはりおっかない。自分もあのスーパーにいたら、おそらく主人公と一緒に行動するだろう。 教祖が撃たれ、撃った連中が店を離れたあと、スーパーではどうなっていたのだろう。そこが見てみたい。カトリックとプロテスタントみたく2つに分かれて、殺戮が始まるのかもしれない。とても恐怖であるが、映画としてははなはだ滑稽で楽しめそうだ。 【no_the_war】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-05-31 00:58:41) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 最初、テンポが悪く、タコの足が出てきたときはどうなることかと思ったが 中盤から加速。恐怖。隣の男性は震えていました。 傑作です。ラストが秀逸。 ポセイドンアドベンチャーの逆か。 ぼ~っと見てたら、ただのモンスターパニック映画ですが、 考えれば考えるほど全ての行動と結果がものすごく深い意味を持ちます。 神とは?信仰とは?どっちが正義なのか?正当な殺人は存在するのか? 特にラストのトラックにあの主婦がいたのにはびっくり。なんという皮肉! 因果応報もくわわって、様々な問題を私たちに問いかけてきます。 これぞ映画。 【うさぎ】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-05-11 00:02:45) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 まずパニック系ホラーとして怖かったのが評価点。デカい奴は襲われたら即死なのでまだいいが、じわじわ苦しんで死ぬのは嫌だ。特に昆虫に卵を産み付けられて卵嚢にされるのはキツイ。私が虫が好きでは無いのもあるが、「単体なら勝てる可能性があるから諦めがつかない」「数が多くて倒しても限が無い」「一撃食らっただけで取り返しがつかない」と言う条件が効果的で、昆虫系のクリーチャーがとにかく怖かった。 もう一つ、生存者同士の争いも恐怖を掻き立てるのに効いている。パニック映画で萎えるのは「状況を悪化させるために馬鹿な奴に馬鹿な行動をさせる」展開なのだが、宗教女とその一派はもうその域を超えている。お互いに正しいと思った上での行動であり、思想の対立であれば不自然ではない。いつ敵になるのか分からず、殺人すら厭わない集団と同じ空間に居るのは怖い。主人公たちがここには居られないと判断するには十分な理由であっただろう。 そして結末である。凄く後味が悪い事だけは聞いていたが予想を超えて来た。正直な所、スーパーから出発する前の息子との約束のシーンで息子を殺す羽目になるのは予想出来ていた。これまでに見た数々の無残な死を鑑みれば、あの状況で主人公たちが自殺を選んだのは自然に思う。もし私が同じ状況になったら同じ行動を取っていただろう。だが主人公の行動は最後まで裏目だった。もし5人の結末が全員生存・全員死亡のどちらかだったらここまで印象には残らなかった。よくぞこれほどキツイ結末を思いついたものだと感心してしまった。 ホラー映画として傑作。この強烈な結末は一生忘れる事は無いだろう。 【alian】さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-07-20 03:23:06) |
9.《ネタバレ》 一度、真面目に観てなくて、意味がわからなかったんです。そんなに怖くないのに、なんで、評価が高いのかなって、思っていたくらい。今回たまたまパソコンで見直ししたら「あら、びっくり」私の大好きなサドラーさんが出てるじゃないの。で、主人公の仲間たち、無意味に死亡・・・すごく人間の心理を利用した、なかなかの映画だなって、改めてびっくりしました。 【新しい生物】さん [インターネット(字幕)] 9点(2015-07-05 04:30:32) |
8.《ネタバレ》 未曾有の嵐に見舞われたメイン州西部。やがて謎の濃い霧によって街は覆い尽くされ、住民はパニックに陥る。脱出を試みた人々は次々と何者かに襲われていき…。霧の中に潜む謎の生物や窮地に迫られた時の人間の残酷さなど、心理的な恐怖を存分に味わえます。見終わった後、他人の意見を聞きたくなります。 【nyaramero】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-04-24 15:01:26) |
|
7.《ネタバレ》 クリーチャーの陳腐さが気になるので、やはり白黒にするべきでしたね。と言えども、個人的に好きなストーリー。ラストの衝撃の結末&巨大なクリーチャーには圧巻!!主人公演じるトーマス・ジェーンよりもマーシャ・ゲイ・ハーデンの印象の方が遥かに強いです(焦)ただ、クリーチャーに構い過ぎる点やガソリンを補給しない点等、突っ込みどころは多いが全体的に評価して高めの点数を献上します。それにしても始めに脱出した人が子供と共にいる姿絶望中の主人公にを見せ付けるシーンは悪趣味。 【マーク・ハント】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-03-24 11:14:52) |
6.《ネタバレ》 あんまりなラストなので「こんな気分になるために金払ったんじゃな~い!」と叫びましたが、将来自分が自殺なり心中なりしそうになったら、この映画のラストを思い出して「もうちょっと待ったら、いいことあるかも」とか思うかも?? 人が殺されて(カルトおばさんズドン)「やった!」と喜ぶ自分を発見させられた映画も初めてで、その点では優れていると思いました。しかし、あのラストに向かうなら「そうするしかないよねー」と説得させるだけの絶望感をもうちょっと演出してほしかったです。僕なら怪物に襲われる直前まで決行しないなぁー。外に出たら誰も無事でいられないかのような内容を延々と見せながら、あのおばさんが外へ出て行きのびたのを見せつけるラストは気づいてない人も結構いるし不親切。どうせならスーパーに残った人々があの軍の車に乗ってて「なんでじっとしてなかったのー?」みたいな顔見せた方が、よほどショックだろうに。【追記】初めて観た時はラストにかなり腹立たしい気持ちになったのに、この作品のバッドエンドは時間が経つと許せるようになったのが不思議です。たとえばイーストウッド映画のバッドエンドなんか僕は絶対許せないのに、この映画はそれ以上に後味悪いのに許せる。なんでだろうと考えてみると、悪人が健気な善人をダメにして平然と過ごすような終わりではないし、自殺を美化もしてないからだと思う。この映画のバッドエンドは自分の手で引き起こしているから、自分の気持ち次第で運命を変えられるというのが大きいのだと思う。この話には宗教が強く絡んでいるけど、キリスト教は自殺を認めないんですよね。それまでどんなに懸命な生き方をしていたとしても。ずいぶん昔、体に損傷が起きたのに医者にも原因が見つけられず見捨てられた。歩けないうえに苦痛に苦しむ生活を終わらせるために自死を考えたことがある。それを一日延ばしてダメ元で行った最後の病院で、ようやく原因を発見され、僕は今こうして生き続けている。この映画のラストはものすごく後味悪いけど、意地悪なのではなく「早まるな! 一寸先に希望がないって誰に言い切れる?!」って呼びかけてる良心があると思います。だから許せるんだと思う。もしかしたらこの映画で命拾いした人がいるかもしれない。というわけで7から9点に変更。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 9点(2009-01-31 06:08:29) |
5.《ネタバレ》 最高でした。性悪説派の方は見てて納得する映画でしょう。性善説の方は目を背けてしまう映画だと思います。人を信じたい気持ちは分かりますが本能的に人間は、生きることに対してどん欲です。こういう危機的状況で冷静に判断するためには、人に頼らず自分を信じるべきですね。トーマス・ジェーンの最後の選択は間違ってはいなかったと思います。ただ、子供が気付く前に引き金を引いて欲しかったです。 |
4.《ネタバレ》 前半はB級的にみていたものが、後半に近づくにつれ、緊迫した人間心理に恐怖を感じ、ラストにこれまでのアメリカ映画であまり感じたことのない哀しみを感じました。自分が家族を抱える者として(母としてですが)、伴侶を亡くした悲しみ、わが子の命を自ら断たなければいけない辛さ、それが早まった決断だと解った時の・・・・胸をつらぬくような絶望感・虚無感・悲壮感・・・この時の気持ちはきっと言葉にはできないでしょう。 見始めた時は4点。見終わったら9点な作品です。 【Hicks】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-01 01:45:45) |
3.《ネタバレ》 霧の中に化け物がいるという発想はB級そのものですが、それだけの発想でこれだけのおぞましい化け物と、醜い人間を次々と映し出す手法は悪趣味のプロフェッショナルと言えましょう。これだけ落ち着かない気分になり、一人で阿鼻叫喚した映画は初めてかもしれません。怖すぎ。 チビハゲのおっさんが大活躍するところなんかは気持ち良いんですが、基本激鬱です。ホント嫌になります。狂信者の女には心から不快にさせられましたし。散々いやな気分にさせたところで、最後にはいまだかつて見たこともないほどの酷すぎる結末。これをショーシャンク、グリーンマイルのコンビの最新作とかって宣伝するのはマズいでしょう。二度と見たくない吐き気がするほど最低最悪な映画です。…お見事。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-10-06 00:45:08) |
2.モンスターパニックですが、中心は集団内での人間心理。上手いなぁ~~って思いました。疑心暗鬼って言うか、恐怖のあまりイっちゃってる感。死ななそうな人が死んじゃったり。何が正しい選択肢なのかってのが結局結果論だったり。驚愕のラスト15分の歌い文句。観ながら「あれがあれって事はきっとあぁなるな・・」って感じにあたしオチ一歩手前は読めてたんだけど、そこは流石の脚本。その先にあったのは絶望、またはある意味で希望なのかな。う~~ん。とりあえずあたしが主人公でも絶叫するしかないです。 【ネフェルタリ】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-07-10 21:06:41) |
1.《ネタバレ》 ストーリー展開が最近観たクローバーフィールドと似ているが、こちらの方が衝撃的。霧に包まれる外界から避難しスーパーマーケットに閉じ込められる人々の人間模様がイタイ。最後は余りに救いがない結末。キング=ダラボンのこれまでの作品にないテイストだっただけにショックを受けた。 【kaaaz】さん [DVD(吹替)] 9点(2008-05-18 23:36:52) |