2.《ネタバレ》 パゾリーニはフェリーニの「カビリアの夜」で素晴らしいシナリオを残しているが、コイツの映画だけは無理です。
ゲドゲドとかクソミソとかそんなレベルじゃない。もう吐くものが無えよ。俺を殺す気か。
が、そんなパゾリーニも物凄くまともな映画を残していたようだ。
「奇跡の丘」はキリストの受難を描いた典型的な聖書ものらしいが、パゾリーニ特有と言える謎の神々しさ。
「ソドムの市」まで行くと禍々しというか、おぞましいオーラになってしまうがこの「奇跡の丘」はイエス=キリストという神に近い人間の物語だ。
神に近いと言っても、神じゃない。普通に血を流す人間なのだ。
かといって、その教えは同じ人間から邪道視察され抹殺されようとする。そんな男の苦悩、地面を歩み続ける姿が出す眩しさというべきか。
案外このキリストはパゾリーニ本人なのかもな。
他者とは違う境地を見出し、それが受け入れられず抹殺されようとする・・・パゾリーニの人生を思うとちょっと切なくな・・・いやなるようでなんねえな。だってパゾリーニだし。
パゾリーニのクソ野郎は大嫌いだが、「奇跡の丘」は別だ。オススメです。