1.《ネタバレ》 まず老年スターの揃い踏みに驚かされます。軍に対する圧倒的な敬意の結果かなと。
どこまでが事実かはわかりませんが、たしかにいい話だとは思います。帰還兵の苦しみとか、忘れ去られた英雄譚とか、それを掘り起こして再評価しようという試みとか、いろいろ丁寧に描いています。しかし、出世しか興味がなかったはずの主人公がのめり込んでいくプロセスがよくわからない。英雄の両親を自宅に招くなんて、なぜそこまでするの?、という感じ。それに肝心の「陰謀」とその暴露についても、終盤に都合よくサラッと流された印象。結局、無理やり美しい話にまとめようとした感じです。
それはともかく、日本ではこの手の話は受けないでしょうねぇ。そもそも軍に対する敬意がないので。旧日本軍の話を蒸し返すのもタブー。だから戦時中、地獄のような戦場の中で英雄的な働きをする兵士もいたかもしれませんが、それを戦後に国家として讃えようなどという動きは皆無でした。全部まとめて封印しろという感じです。
アメリカでもベトナム戦争自体の評価は最悪のはず。しかしそのことと、現場で戦った兵士の話は別という率直な割り切りが、ちょっと羨ましく思えます。