1.《ネタバレ》 楽しみにしていたウェイン・ワン監督の新作です。アメリカで暮らす娘に会いに北京からアメリカにやって来た父。母は既にこの世を去っており父と娘、離れて暮らすたった二人の家族の再生の物語。よくあるテーマですが非常に静かな映画で、その静かさが心に残る映画でした。昔から寡黙だが娘の幸せを心から願っている父、亡くなった母にも自分にも話をしてくれないそんな父が不満で、更にある事情から父に心を開かない娘、そんな父と娘であっても、言葉が通じあわず片言の英語で会話するアメリカに来たばかりの中国人とイラン人であっても、心を開いてじっくりと語り合えば必ず分かりあえる。最初は顔をつき合わせて話ができずに壁越しの会話であってもいい。本当の事を語り始めた父、そして娘。この父と娘の対話はまだ始まったばかりですが、そのラストには父と娘の今後に確実に希望を感じさせてくれる映画でした。非常に地味で静かで90分にも満たない小品。苦味はあるけれど、その苦味も深い味わいのある佳作。