1.西部劇への目配せからしてヘイリー・スタインフェルドを抱き上げる
ケヴィン・コスナーはなるほどナタリー・ウッドを抱き上げるジョン・ウェインなの
だが、スーツ姿への衣装変化と故ホイットニー・ヒューストンを抱え上げた
『ボディガード』も経由して重ね合せるなど、ポイントごとに
映画的感慨を刺激してくるのも悪くない。
父娘が『明日に向かって撃て』的に自転車を二人乗りする坂道や、
ラストの白い崖と入り江の別荘に至るまで
勾配や高低をドラマに活かしたロケーションの数々が印象的であり、とりわけ
父が娘に自転車を教えるシーンは高台から見下ろす街並みの景観と自然光あっての
情趣だ。
そして開始早々は彼女が主役かと思いこまされる、アンバー・ハード。
以降、思い出したように登場するのみでありながら、それでいて彼女の放つ妖しさ・
クールビューティぶりも鮮烈だ。
携帯の着信音のギャグなど、何とか携帯電話を映画的に活用しようとする意欲も買う。