20.評価が高いようですが、それほどでもなかったです。特に最後はそれでいいのか? と思います。ドラマとしては十分見られますが、どうも私はこういう夫婦間の心理の綾にうといようで……。ユーモアもあって面白いし、当時の大阪の風景を知ることもできて良いのですが、あまり引き込まれる話ではなかった。小林桂樹が、出番は少ないながら光っていました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-01-02 19:17:48) |
19.大傑作。意味のないシーンが一つもなく、心情の機微というもののお手本。 ライスカレーという呼び方が時代を感じさせる。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-09-19 18:06:32) |
《改行表示》18.倦怠期を迎えた、ひと組の夫婦の心の機微を描いたドラマ。 主に原節子扮する妻側の心理描写でお話が進む展開で、 もちろん設定などに時代の違いこそ感じるが、男と女の中身だけはあまり変わらぬようで、 どこの家庭でも見られるような夫婦のちょっとしたすれ違い、心の内が丁寧に描写されている。 といっても、日本のテレビなどでよく見られる、いかにもホームドラマといったクドさはなく、 さっぱりしていて、鑑賞後の後味は爽やか。小津や向田邦子作品に通ずるような雰囲気で、 大阪や東京の古い街並もいいけど、やはりセンスのいい演出が光る映画だった。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-08-12 05:36:14) |
《改行表示》17.何とも思い切った題名だ。「めし」つまりは日常生活そのものを意味するのだろうか。名女優原節子も、ここでは炊事洗濯に明け暮れる普通の女性、今まで見たどの原節子よりも所帯じみている。 私の子どもの頃はお米はスーパーで売っているものではなく、お米やさんからの「配給米」であった。だから1人でも家族が急に増えれば、「お米たりるかしら」と心配をしなければならなかった。(小学校の修学旅行は米持参だった) この炊事洗濯に子育てが加わり、日常生活は女は家事に男は仕事にと忙殺される。(この映画の主人公夫婦にはまだないが、それ故に危険度大) そしていつしか平凡な生活の中にある幸せが見えなくなってしまうのだ。 この映画は成瀬監督の映画だけあって、大上段に振りかぶってはいないが、倦怠期を乗り切る夫婦の姿がある。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-08-05 15:32:29) (良:1票) |
16.成瀬にとって本作は、49年の『不良少女』から組み始めたカメラの玉井正夫との最初の代表作であると同時に、上原謙と組んだ最初の作品でもあるんだよね(ザッと調べただけなんで間違ってないといいんだけど)。私は戦後の上原・とりわけ成瀬映画での彼はもっと評価されていいと思ってるもんで、そういう意味で意義深い作品。上原は戦前の二枚目から、戦後はどちらかというと「ダメな男」を積極的に演じた(私なんかは東宝特撮ものの白衣の科学者も忘れ難いな)。とりわけそういうダメ男の役で彼を使ったのが成瀬、妻や父を幻滅させる男を演じていく。そのスタートが本作だった。似たタイプの森雅之だと、ダメな男を演じても「やつれの色気」のようなものを漂わせ、演技者としてちゃんと観客を唸らせるが、こちらは「投げやりな衰え」とでも言うか、ただただ元二枚目が中年になったやつれだけが漂う。大阪に一人残されて来客にバタバタしているシーンなど、その個々の動作は滑稽味を出す意図的な演技なんだけど、その演技に上書きされるように、「愛すべきダメな男」が、演技者の意図を越えて画面に匂い立つ。映画俳優の演技って、こういうとこを生かすのが大事なんじゃないか。それでもまだ本作はいい役な方で、これからだんだん、よそに女を作ったり昔の女に金を無心したり、情けない役を好演していくんだ。彼、決して森雅之のような名優ではなかったかもしれないが、いい映画俳優だったんじゃないかな。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-04-27 09:48:32) |
15.ただの世間話みたいなやりとりを延々と見せられても・・・どうも面白みが感じられませんでした。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-04-21 00:50:45) |
14.あまり面白くなかった。この当時の風景や台詞、情緒感は好きなんだけど。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-04-18 22:39:00) |
13.なかなか面白いが、三千代が東京で何を感じて、どう心変わりしていったのかがあまり伝わってこない。旦那さんはお気の毒な…。モノクロでもビールが美味しそうってことはわかる、それが発見でした。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-26 21:14:02) |
《改行表示》12.成瀬作品の中では比較的評価の高い本作ではあるが、個人的にはそれほど抜きん出ているとは感じなかった。 それはただ単に、主演の原節子という女優がそれほど好みではないという理由だけかもしれないが。 それよりも、杉葉子がますます好きになった。 とにかく表情が明るい。 彼女の笑顔を見ていると、明るい気持ちになれる。 夫役の小林桂樹に嫉妬した。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-23 00:40:05) |
11.エンディングで原節子のモノローグが定義する女(=主婦)の幸せに、現代の女性たちのどれほどが素直に頷くかは甚だ疑問だけど、形態だけを見ると主婦のポジションの本質はあまり変わっていないのだと思います。正直に言うと、普通に始まって、ゆるい夫婦喧嘩とゆるい家出をして、さしたる理由も無く元の鞘に納まっただけの印象で、それ以上のものを感じなかった。原節子の容姿が全く自分のタイプじゃないからだと思う。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-01 22:25:27) (良:1票) |
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10.自分と生理的に一番波長が合う大好きな監督、成瀬巳喜男の夫婦物ジャンルものの秀作。小津映画での折り目正しい居住まいで、約束事のように静かに微笑み、涙ぐみ、たたずんでいるだけの原節子よりも、この映画や『驟雨』での、ごく自然な感情のままに振舞う「倦怠期を迎えた妻役」の彼女が、数十倍魅力的だと思う自分はやはり少数派なんでしょうか?成瀬映画の「原節子」が語られる事があまりないのは、ちょっと寂しい。彼女の映画、結構数多く見てきたけど、この二本の彼女が人間くさくて好きなんだよなあ・・・。あ、あといま一本、木下恵介監督「お嬢さん乾杯!」の彼女もメチャクチャ素敵でしたね。この映画にも、成瀬映画の紋章みたいに登場してくるチンドン屋と、常連オバサン女優中北千枝子の顔が出てくるだけでなんか嬉しくなる。女流シナリオ作家の脚本だけあって、ところどころに女性目線の台詞が散りばめられていましたね。特に知り合いの娘(島崎雪子)が家に滞在する事になった時の「・・・お米足りるかしら?」と、米櫃を覗き込む原節子の台詞に妙に感心。なんて事はない一言台詞なのになあ・・・。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-11-07 11:25:11) (良:1票) |
9.相変わらず成瀬巳喜男監督の描く世界には人間が生活している空気というものがあって良い。ごく当たり前のことのようだが、そういう当たり前のことを描くのには余計な描写やうるさい音楽や無駄な台詞はいらない。流石はこの監督はその辺のことがよく解っている。平凡な暮らしをしている夫婦の間に東京からやってきた夫の姪が入ってくることで二人の関係がどこかおかしな方へと進んでいく中で、原節子の見せる表情がこの作品のピリピリした空気に合っている。この映画は空気を感じて見せる映画だと思う。あの綺麗な空の下で生活している夫婦の感情を「めし」というタイトルで表すなんて、いかにもこの監督らしい。それにしてもどうしてこんなにも女性の心理を描くのがこの監督は上手いんだ?いつもながら感心させられる。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-01 12:50:32) |
8.人間の幸せっってなんだろうか。この問いに「○○のような生活ができることを幸せという」という形で答えようとすれば、すくなくとも時代的な背景・影響を逃れることはできない。この映画で語られる夫婦の姿は戦後間もない時期のものだし、男性観、女性観についても現在にくらべるとずいぶん違和感が感じられる。その点で、現代の感覚をもって鑑賞した場合、すなおに共感できない部分をこの映画が持っていることは致し方ないだろう。ただ、この映画が普遍的な意味を持つすれば、複数の人間が一緒に暮らしていくって事が、思いのほか、そういう「共同生活」を快適なものにしていこうという構成員各自の努力が必要であるということだ。また、そういう努力をすること自体がある種の幸せであるという「思い込み」あるいは「暗示」を「価値観」という名のもとに集団として共有しているのが「家族」であるということだ。そういう幻想が初めて「幻想」であるということにきづかれだしたのが戦後ということなのだろう。 |
7.やはり女性を描く天才です、成瀬巳喜男監督は。全てが女性中心に回り、男はその全ての引き立て役に過ぎず、喜びも悲しみも結局は、気まぐれで繊細な女性の心理で変化する。その変わり目、変わる瞬間、変わっていく心情。それらの繊細な心理は男にはわかるはずがないのです。でも、そのわからないはずの心理描写を、映像の中に切り取って、描いてしまう成瀬監督。すごいとしか言いようがないです。歩く様、眠る様、ご飯を装う様。その全てから、女性の深層心理がひしひしと痛いくらいに伝わってきます。辛く退屈な日々から逃げ出し、全ての荷物を降ろしたとき、軽くなったその頭と身体から眺めた景色の中の生活は、何気ない平凡な姿に過ぎなかった。柔らかく自然な俳優たちの演技、平凡を絵に描いたような淡々とした暮らし。時代は違うが、そこにある日本と日本人に深い共感と、爽やかな感動を味わいました。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-06-25 01:32:36) |
6.この映画が大好きな人はきっとこう叫ぶであろう、「わしゃ、三度のメシより『めし』が好きだあ」。←意味はわからんが、どうやらかなり好きらしいということは、わかる。さて、昔の梅田~中ノ島~道頓堀の光景にのけぞってしまった本作。家庭ドラマなのにちょっとサスペンス、それは、「そろそろ原節子がブチ切れてヒステリー起こすんじゃないか」というドキドキ感。⇒つまり実は家庭こそがサスペンス、なんだな。⇒しかし時代が時代なので柔らかく描かれており、彼女の心境と彼女をとりまく人たちとの関わりが、物語の推進力。⇒しかししかし、いくら時代とは云え、こんな終わり方でいいのか~、とは思ってしまいました。多分、何の解決にもなってない(笑)。ま、人生、そんなもんなので、解決しなくてもいいんですけどね。とにかく、このラストについては、広く女性の皆さんの意見を伺ってみたいところ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-14 23:07:58) |
5.日常的なものを描いただけなんだけど名作。上原謙が原節子を迎えに来たシーン。こういう再会の場面はやっぱりいい。言葉が少なめなのもGood。 【バカ王子】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-14 19:07:44) |
4.原節子のイメージが、若干変わりました。奥さんらしい態度、嫉妬に小言。なるほど、美人で他人から見るとうらやましがられる夫婦でも、こういう感じなんですね。この歳になるとわかるなあ。これが夫婦生活なんですね。最後は良い方向に向かっているけど、また繰り返すような感じもしました。まあ、それでも生きていかなければ、という事なんだろうな。「おい、腹減ったな。めし」って、言ってみたい。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-13 23:38:27) |
3.成瀬巳喜男はこれを含め5本しか見ていないけど、これが一番好きです。題材がわりと身近なものを扱っていて取っ付き易いし、笑いの要素も多くて楽しく見れます。成瀬監督の作品はこれに限らず、キャラクターがみんな魅力的ですね。小林圭樹と杉村春子がホントに良かったです。これを見終わったあとはしばらく「めし!めし!」・・・って感じで、頭の中はめしのことでいっぱいでした(笑)。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-08-22 09:22:45) |
2.地味ながら情感豊かな良作だと思う。ただ、成瀬は女を撮るのに長けていたと聞くが、僕はその点では小津の方が上だと思う。本作での原節子は何かゴツい。強そう。今の時代こういう話を作るとフェミニストがうるさいんだろうな。良くも悪くも日本的な妻像ですね。 |
1.うーむ。「めし」という題名からしてすごいな。成瀬巳喜男という男にやるせなさを描かせたら天下一品だな。時として、悲し過ぎることもあるが、人間の本質が浮き彫りになる。 【たましろ】さん 9点(2004-02-08 18:28:57) |