23.『Whiplash』。原題になっているジャズの名曲(らしい)「Whiplash=鞭撻」は、まさに物語の本質を端的に表していた。主人公アンドリュー・ニーマンは偉大な音楽家を目指して名門音楽大学に通う学生。そんな彼がドラムの練習中、指揮者で教官のテレンス・フレッチャーの目に留まり、彼の楽団に招かれる。だが、フレッチャーの苛烈なまでの指導に、アンドリューは次第に俗世を捨てドラムの世界に没頭していく...。野心と傲慢さをさらけ出し、音楽に執着するアンドリュー。一貫して苛烈な指導を続けるフレッチャー。熱狂と狂気の果てに、彼らの戦いは思わぬ終着点を迎える...。全編通して明度の低い映像の中、火花を散らすような二人の狂気。アンドリューは、手を血だらけにしながら常軌を逸したドラムの練習を重ねる。観客はその「痛み」から彼の孤独と狂気を感じる。二人がともに転機を迎えた中盤、フレッチャーが本心を吐露する。「危険なのは、"上出来"という言葉だ」。本物の天才は「才能が無い」というレッテルを貼られても、常にそれを跳ね除ける努力を重ねて来たのだ。そこで諦める者は、成功者にはなれない。彼の指導者としての哲学が、非常に印象に残るシーンだ。異常なまでに苛烈な指導が、一握りの天才を世に出すためには正しいのではないか?...と観客に思わせ、その狂気に「説得力」を与えている。そして狂気の師弟は、その関係を変化させながら奇妙な絆へと昇華させ、ラストのセッションシーンへ突き進む。「ねじ伏せる」。この言葉がこんなに合うシーンは観たことが無い。そのシーンは是非自分の目で確かめてほしい。ハナマル! 【しぇんみん】さん [DVD(吹替)] 8点(2017-03-20 11:53:33) |
22.演奏者が追い求める完璧な形が凡人にはなかなか理解できないけど、映画の「上出来」感は強烈に伝わってくる。フレッチャーに言わせるとこの言葉がこの世の中で何よりも危険らしいけど。 【ProPace】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2017-03-09 22:21:40) |
21.圧倒的な緊迫感と緊張感、そして迫力のある映像に圧倒される。 内容はスポ根。ただ、実際にはスポーツではなく音楽がテーマなので、もっと精神的なものの方が強い。 恋愛も少し絡むが、ドラムに青春を捧げるストーリー展開が潔い。 音楽の知識とかうんちくとか、ジャズは苦手とか、そんなものは度外視し、映画として十分に楽しめる作品でした。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2017-02-16 17:54:42) |
20.狂気の塊の様な二人の男の戦い、音楽に対しての気持ち、考え方の違いがもたらす食い違い、確かに最後の演奏シーンの凄まじさと予想を覆す展開には映画としての面白さを感じる事が出来る。只、復讐の仕方、どうせならあの胸糞悪いフレッチャーを二度と指揮者として生活出来ない位に叩きのめして欲しかった。音楽の素晴らしさと映画としての完成度の高さに高得点付けている人が多いのもよく解る映画ではある。しかし、好き嫌いで言うとそれほど好きにはなれない。つまらない映画ではないからこの点数は付けてはみるものの手放しで絶賛する気持ちにはなれず。 【青観】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-02-11 18:48:02) |
19.評判通りの良作。冒頭からラストまで惹きつけられた。手に汗握る演技とサウンド、そしてどこか息苦しさを感じさせる撮り方。2人の世界にどっぷりはまります。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-12-31 11:17:07) |
18.音楽系は好きだが、これはそれを超えて凄い映画、と言える。 分かりやすく展開していくが、単純に想像した通りでもなく意外性もある。ジャズを聴くのもいい感じだが、作品としての完成度は高い。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-12-10 12:23:14) |
17.飽きさせず予定調和でいかない脚本が素晴らしい。彼女との関係とかもリアルでグッド。 【すたーちゃいるど】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-07-11 21:41:15) |
16.「この演奏が好き」という場合、ミュージシャンの人柄や人生とは関係なく「演奏自体が良い」というのが聴く人の本音だと思います。そこが絵画や小説のようにある程度作者の人間観と共鳴する部分を持つ芸術と音楽の違いでしょう。だから「究極の良い演奏」を追求するには奏者の日常生活や感情を切って捨てて音楽そのものに全身全霊のめり込む必要がある、というのがフレッチャーの思想なのではないかと思います。音と譜を極限まで追求して指揮する者と演奏する者の時空が完全に共有されて初めて満足のゆく演奏に至るという考えなのでしょう。フレッチャーの悪い点は「こいつは行ける」と見込んだ相手をとことん追いつめて潰してしまう所です。主人公のアンドリューも追いつめられながらも必死に反発して答えようとして遂に壊れてしまいます。多くのカリスマ的ジャズミュージシャンが薬などに溺れて短命であるのはそういった純粋さから来るものかも知れません。米国のジャズ奏者は即興部分を徹底的に練習してから演奏する(もはや即興とはいえない)と言われていますが、一見自由に演奏しているように見えるジャズもそういった厳しさがあるから素晴らしい演奏に繫がるのだろうと思います。仕事への情熱や厳しさを改めて見直してみるという気持ちにさせる映画でもあります。その点音色が複雑な管や弦でなくあえてドラムスを主題とした事で訴えかける内容が解りやすくなったと思います。しかし最後の演奏は周りのミュージシャンも含めて鬼気迫る名演と思いました。 【rakitarou】さん [DVD(吹替)] 8点(2016-06-07 00:44:11) |
【fujicccoo】さん [映画館(字幕)] 8点(2016-04-20 00:41:24) |
14.完璧を求める師弟関係。彼はあの後燃え尽きなければいいが。 【Yoshi】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-03-17 16:41:15) |
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13.こんなに音楽の心地良さを感じない音楽映画を初めて見た気がする。 まさに音楽を武器に殴り合う音楽バイオレンスとでも言うべき映画。 片時も途切れない緊張感。サスペンスとしても一級品の作品だと思います。 最後の公演でフレッチャーに嵌められたニーマン。しかし、今度はニーマンが逆襲にうって出る。 その武器もやはり音楽しかない。2人の鬼気迫るバトル。 音楽モノのラストによく見られる、奏者への拍手喝采もスタンディングオベーションも無い。 しかし憎み合いながらも認め合う。複雑な感情が入り混じる見事なラスト。不思議な爽快感がありました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2016-03-11 22:47:08) |
12.胃が痛い。なにかとんでもないものを見てしまった感覚だ・・・狂気。 【ようすけ】さん [DVD(字幕)] 9点(2016-01-31 23:00:28) |
11.フレッチャーの狂気をニーマンの狂気が上回ったんですね。良くできた映画だと思います。 【東京ロッキー】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-11-01 17:13:44) |
10.前知識無しで見ましたが、これは面白かったです。引き込まれました。偉大なドラマーになると言う野心を持つ音大の学生・ニーマンと、JAZZの極みへ到達する者を生み出さんとするスパルタ教師・フレッチャーとの・・・殴り合い、と言うべきでしょうか。狂気と情熱の紙一重、そんな映画です。 BDで観賞しましたが、音楽が素晴らしいので映画館に見に行きたくなりました。サントラを検索したのは言うまでもありません。 フレッチャーのキャラクターが良いですね。終盤の予想外の行動には驚かされました。役者さんの鬼気迫る演技も良いです。 一つ不満があるとすれば、邦題を「セッション」に変えた事です。原題は「Whiplash」で「鞭で打つ」の意味や、頸椎捻挫の「むち打ち」の意味があります。そして劇中で演奏するJazzの楽曲の名前でもあります。非常に作品にマッチしたタイトルであったわけで、変えるべきではなかったと思います。 しかし邦題がイマイチだからと言って映画自体の面白さが損なわれたわけではありません。 ご覧になられる方は、ラスト9分19秒に息をするのを忘れないようにご注意下さい。 【alian】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-10-18 12:56:07) |
9.高橋名人に指で連射してもらえば良いと思います。 【マー君】さん [DVD(吹替)] 5点(2015-10-18 12:27:51) |
8.夢を持った時 そしてそれを本気で叶えるために努力している時。 余計なものはいらないと感じるようになる。 彼女も、どうでもいい飲み会も、服に使う金も。 ただひたすら、それだけに没頭する。 「俺はやる!」と口にすると、「お前じゃ無理だよ、クソが!!」と言われる。 どんなに罵倒されても、進み続ける。 正にそんな映画だった。 【OKfilms】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-10-09 00:59:07) |
7.いい映画。 先生の行動原理にもう少し説得力があれば、もう言うことなかった。 |
6.教授の感情についていけないところもあったけど、横浜か良かった。撮り方も上手。 【Yu】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-09-26 08:14:11) |
5.かなり面白い。ほとんど熱血スポ根ものと言えなくもないが、スポーツの盛り上がりを描かせたらアメリカ映画に優るものはない。 それと、ジャズがあそこまで精緻なプレイを要求されるとは、知りませんでした。 あらためてバンドの成否の鍵を握るのは、やはりドラマーなのかと実感。ジョン・ボーナムの偉大さも実感。 【風神】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-09-02 22:40:39) |
4.間違いなく映画史に爪痕を残す作品。若者の希望と絶望、葛藤とジレンマ、そして覚醒と昇天。確かにこの作品、例の先生が強烈ですが、最終的にこの先生は完全に脇に廻りました。その瞬間の痛快さがたまらないのです。(ドラムスティックの流血は、リアルだそうですよ。) 【ちゃか】さん [映画館(字幕)] 10点(2015-07-14 23:11:00) |