2.蝉丸さんに全面的に同意です。ヴィム・ヴェンダースや小津安二郎
の映画は、何の事件もない日常を描きながらも心に強く訴えるものがある。
しかし、エレファントは映画としては格好のネタを題材としておきながら、
心に訴えるものがない。政治的、思想的なメッセージを押し付けずに、
観客の判断に委ねるのは大いに結構です。しかし、それでも映像や音楽の力を
駆使して心に訴えることは必要でしょう。本ではなく映画で表現しているのですから。
映像はテクニックに懲りすぎて芸術性とインパクトに欠け、音楽もただ淡々とした
映画に合いそうな綺麗な名曲(エリーゼのために)を選んだだけで残念ながら手抜きでありミスマッチだというのが個人的な感想です。