3.大切な人の死に面した時、「ああしておけばよかった」「あんなことしなければよかった」と後悔しないことなんてないと思う。
その後悔は、時に自己嫌悪に陥るほどに大きくなり、自身を苦しめる。
でも、もし「西の魔女」からのようなメッセージが届いたなら、どれほど救われることだろう。
ラスト、そのあたたかさに涙が溢れた。
映画作品としては、決して完成度が高い作品とは言い難い。
原作は未読だけれど、おそらく、文体で表現された世界観を充分に表現出来ているとは言えないだろうと思う。
それはこの物語が、あまりに繊細で理屈ではない人間同士の心の交じり合いを描いたものだからだ。
映画を観ていて、そのテーマ性自体は伝わってきたけれど、映像表現や演技がそれを伝え切れているかというと、疑問は残った。
“おばあちゃん”を演じたサチ・パーカーが、女優シャーリー・マクレーンの娘だということを、今作の観賞後に知った。
先日、「アパートの鍵貸します」を初めて観て、若かりし日のシャーリー・マクレーンの魅力に触れたところだった。親日家の彼女が、娘の名前に「サチコ」とつけたということを思い出した。
面白い偶然に何だか感動し、この奇遇は、母と娘と孫娘の関係を描いたこの映画にふさわしいようにも思えた。