9.話としては面白くない、映像としては見る価値がある。
こんな印象の映画でした。
これは宮崎駿に求める物が、ラピュタの冒険心であり
もののけ姫のスペクタルである為だと思います。
現在の日本の長編アニメーションにおいて、エンターティメント性の高い映画を
うまくまとめれる人が少ない為、宮崎駿監督にはより一層ソレを期待してしまいます。
ただ、過去の作品の焼きまわしを作られても、面白くない。
ですが、千と千尋あたりから今までのわかり易い起承転結の流れから
どうも宮崎駿監督の独特の、キャラクターの心情に特化した物語展開みたいな物を
感じていたので、それがどういう方向に進むか期待していました。
ところが、今回はそういった話の展開の整合性とかよりも
映像表現として新しい試みに挑戦したかったという印象で
誰からも支持される脚本を書く宮崎駿監督というよりは、アニメーターとして
今までとは違った表現がしてぇんだ!っという職人宮崎駿の方を強く感じました。
つまり、僕の期待していた方向とは別方向で進んだ宮崎駿監督の作品を
今までの映画の脚本や、一般的な起承転結の尺度でしか測れない僕には
話的な面白さを、どうしようと思ったのか?が理解できず
面白くない、という結論に至ってしまいました。
が、どうもそんなにすんなり終わらせてしまっていい映画でない気がする
ハリウッドにはないオリジナルな映画である事は確かだと思います。