7.見ていて目を背けたくなるような人の醜さが描き出されていました。原作未読ですが、じゅうぶん楽しめました。 【K】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-01-10 18:15:58) |
6.なんといっても子供を虐待する岩下志麻が演技とは思えぬほどに狂気に満ちていて恐ろしい。「愛を乞うひと」の原田美枝子もすごかったが、ここまでではなかったと思う。緒形拳はそんな岩下志麻の尻に敷かれたダメ亭主という感じなのだが、東京タワーで娘に「自分の名前言えるか。」とか質問する姿に気持ちがすごく伝わってきてやりきれない気分になった。ラストシーンの解釈はいろいろあるみたいだが、どっちにしても悲しすぎるラストシーンだ。見終わってこんな凹んだ映画も久しぶりだが、映画製作当時よりも児童虐待が社会問題化している現代においてもう一度、再評価されるべき映画だと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-04-26 15:36:30) |
5.結婚して所帯を持つまでは今ひとつピンとこなかったが,子の親になった後で観ると一気にくる,私にとってはある種の時限爆弾的映画。緒方拳扮するダメ親父の行為は許し難いとはいえ,父性を確立できなかったその弱さに同情心をかき立てられるのも,父親の目線で観ているからだと色々な意味で思う。他の方が書いておられるように,私も東京タワーに置き去りにされた少女の行く末を案じている。娘を置いて立ち去った父親が夕暮れの街中でふと振り向くと,夕空に浮かび上がる東京タワーに照明が灯るシーン。はっと胸を衝かれた。野村芳太郎の演出は残酷で美しい。8点献上です。 【Roxy】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-07 09:53:16) |
4.子供に対する母性という幻想が確立したのは、日本では明治以降のことだと言う。親が子供を思いやる気持ちというのは、ある意味で作られていくものなのだ。しかし、子供にとってはそうではないだろう。この映画を昔何度となくテレビで観た。ラストシーンでの少年の赦し、父親の懺悔には、毎度必ず涙したものだ。しかし、少年が本当に父親を赦せるのは、ずっと先の話だろう。いや、実際、そう簡単には赦せるはずがないのだ。社会の中で、子供は親を必要とするものである。ただそれだけのことかもしれないではないか。人が自らのエゴを抱えながら、生きていく原理としての「優しさ」を掴む為には、あなたが私と同じ弱い人間であるということを認めることから始めるしかない。だから人は人を赦せるのである。少年もいつかは大人になる。生き難さを生み出す様々な生の捩れに身を裂かれながら、いろんなことを徐々に赦していくのであろう。そうであれば、少しは救われるのだが。。。ということを今では考える。 |
3.よくこんな後味の悪い映画を創ったものだ。ちょっと前にタケシと黒木瞳でテレビドラマ化してたけど、こっちには全然敵わない。邦画の傑作。 【マックロウ】さん 8点(2004-06-09 10:52:00) |
2.真夏のうだるような暑さの中、生活苦に追われる印刷屋夫婦のもとに、夫の隠し子3人を引き取るハメになる。松本清張原作の同名小説を映画化したものなんですが、問題提起であり戒めとも受け取れる作品です。突然襲ってくる最悪の事態に対して、貴方ならどう受け止めどのように解決しますか? …と、作り手は提示しているようだ。気弱な主人公・宗吉は突然の出来事で気が動転してしまい、とんでもない解決策をとる。子供達には何の責任も罪もないのに…。この映画では、(見方にもよるかも知れないが)救いようのあるラストで締めくくってくれる。やはりこういう時はまず冷静になり、受け皿を広くして、ひとつひとつ問題を解決していくべきであろう。うーん、何だか身が引き締まる思い。社会派サスペンスの秀作です。 【光りやまねこ】さん 8点(2004-02-18 15:54:04) |
1.イヤな話ですが、邦画の中では好きな作品の一つです。緒形拳のダメ男ぶりも、岩下志麻の悪妻ぶりもなかなかの見ものだと思います。最近観てないのではっきり覚えていない部分も多いですが、ラストシーンでは胸の詰まるものがありました。この頃の日本映画って評価される機会が少ないですが、ちゃんとアメリカンニューシネマに対する日本なりの回答になってるような気がします。小粒ながら、訴えるものはある作品です。 【anemone】さん 8点(2003-12-13 00:40:42) |