2.ロナウド・ハーウッドの同名の舞台劇を映画化したので、登場人物の二人だけのガチンコ勝負になってしまうのは仕方ないことでしょう。でも、アルバート・フィニー演じるシェークスピア劇団の座長”サー”といい、トム・コートネイ演じる付き人のオカマ”ノーマン”といい、どちらも魅力たっぷりに好演しています。舞台は第二次世界大戦中のロンドンです。空襲によって街が破壊され、演劇の公演自体も中断されがちなため、”サー”は精神的にも疲れ果て、付き人の”ノーマン”にも当たり散らすのですが、長年付き添った経験から、”ノーマン”は”サー”を軽くいなして操縦し、なんとか公演を成功させようとするわけです。この二人の掛け合いが絶妙で、日本でも柄本明が”ノーマン”役で舞台をやっていましたが、こちらの方がやはりうまいなあと感じました。舞台裏を描く舞台劇として、かなり楽しめます。ただし、はまればね(微笑)。