1.原作の昭和な世界から現代(近未来)へと舞台を置き換え、しかし原作の持つ骨太で硬派な世界観はそのままに巧く映画化されていると思った。
とにかく菅田将暉の熱演が素晴らしく、スクリーンへくぎ付けになった。
ヤンイクチュンの役柄は原作では主役のはずだが、映画では脇役というかちょっと印象の薄い感じだったので後編での活躍に期待したい。
ユースケ・サンタマリアは胡散臭いいかにもなハマり役だし、でんでんの「冷たい熱帯魚」以来の怒りキャラも適役。
ただ、原作で自動で自殺を可能にする機械を開発した連中が出てくるのだが、それが何故か”自殺を防止する会”になっていて、そいつらは何がしたいのかよくわからず、映画の流れをぶった切っているので唐突な感じが否めない。白塗りの男のパフォーマンスはシュール過ぎて笑った。「TOKYO TRIBE」に出てくる家具の男を思い出した(笑)
あと、無理矢理東日本大震災を絡めてくるのもどうかと思った。
とはいえ、原作に比べて菅田将暉演じる新宿新次のキャラ付けが厚みを増しており、過去もしっかり描かれているので感情移入しやすいし、敵となるキャラもより明確になっていて、これは後編への期待も高まる。