13.《ネタバレ》 舞台は1938年のナチス勢力下のウィーン。主人公はユダヤ人画商の息子。この画商が行方不明のミケランジェロ作のデッサン画を所有していることを、ナチスが嗅ぎつけ、総統閣下からムッソリーニへのおみやげにちょうどよくね?と没収しようとします。画商一家は、永世中立国スイスになんとか亡命を図ろうとするも、出国は認められず、それぞれ別々の収容所に送られることに。移動時に主人公が乗った飛行機が墜落事故を起こし、主人公とナチス親衛隊員1人が生き残るという映画的な展開となり、主人公はいかに立ち回るのか?主人公の命運やいかに?!と言った内容です。話は史実を背景にした完全なフィクションで、二転三転して、サスペンスとしては面白いのですが、史実の重さとどうもうまく馴染まないような気がして、モヤモヤ感が残ります。バランスの取り方が本当に難しいと思うのですが、もうちょっと生きる死ぬの切実感があった方が、メリハリが効いたのかなと思いました。失敗するリスクも高いですが。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 5点(2023-10-03 18:25:37) |
《改行表示》12.関係はともかく(というと良くないのだろうが) 私はあなた、あなたは私、という関係性の中で 戦争が別つと、急激にパロディめくのは映画だからではあるまい。 ある種の資本および権力への魅力というものが 満天にあるように見え、 それを負い続け、さながら銀河鉄道に乗って次の駅に到達したような、 そんな状態を慈しみ、哀れみ、そして持ち上げるのである。 この映画に関してはユダヤ云々以上に 個人のリアリティという幻想をうまく扱っているように思う。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-12-25 22:49:05) |
《改行表示》11.ドイツ映画でしかもナチを扱うとなると、どうしても重たくなりがちで、観るのにもそれなりの心の準備が必要なんだけど、この映画はそんな心配はほぼ必要なし。 嫌な将校は出てくるけど、そこまで悪く描いてないから、純粋に映画としての筋立てを楽しめる。 ラストも予想に違わず、だけど、いつもいつもどんでん返しのある映画を求めてるわけじゃないから、問題なし。 ちょっとハラハラして、スッキリして終演。 いや、佳作。 |
《改行表示》10.《ネタバレ》 中盤以降はそれなりによくできたサスペンスだと思います。しかし序盤、どうにも腑に落ちないのが心変わりの経緯。小さいころから兄弟のように育てられ、一緒に留置場に入るほど親密だったのに、なぜ突然その無二の友人をナチスに売ろうと考えるようになったのか。ヒトラーの思想に心酔したとか、軍服がカッコ良かったとか、もともとコンプレックスを抱いていたとか、薄く理由は述べられていた気がしますが、薄すぎませんかね。ここが最後まで尾を引くキモだと思うのですが。 私はてっきり、何らかの意図があってSSに入ったのかと思っていました。例えばSSの情報を入手して友人とその家族を逃がすためとか。そうでなければ序盤の親密なシーンと辻褄が合わないんじゃないかと。どこかでネタバラシが始まるだろうと。しかしそれは完全な勘違いだったようで。「戦争が友情を引き裂いた」といえばそれなりの体裁は整いますが、おかげで最後のシーンまでモヤモヤが残ったままでした。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-08-29 23:05:57) |
9.しかし、この邦題は的外れでいただけません、推理サスペンスを思わせるような暗号解読などないです。原題は最大の敵という意味で、友人だったルディとの確執の意味だと思いますが。ルディは当初、伍長だったのに後半では大尉になっていて、有能な親衛隊員だったのですね。 【毒林檎】さん [インターネット(字幕)] 5点(2020-08-24 23:39:29) |
8.うまくまとまってると思う。けど、これだけ色んな要素を取り込むよりも、例えばミケランジェロの絵にテーマを絞った方が良かった。 【noji】さん [インターネット(字幕)] 6点(2018-09-05 00:06:44) |
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7.自分が、ユダヤとナチスの関係や、あの時代のヨーロッパ事情に疎いために、印象としてはいまひとつ・・・という感じになってしまいました。おそらくもっと、心理的な葛藤などが表現されていたんでしょうねぇ。ミステリーとしての内容は薄く、ラストも期待したほどではありませんでした。悪い映画ではないと思いますが、自分には合わなかった、そんなところです。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-11-11 18:18:29) |
《改行表示》6.《ネタバレ》 友人、いやそれ以上の関係で子供のころから育ったユダヤ人の画廊の息子と、その使用人の息子のSS将校。その立場が2人の置かれた状況を変えながら度々入れ替わる。 そこに、この2人から愛された1人の女、母の命、ドイツとイタリアの2国間の関係、本物のミケランジェロの絵の行方を常に時間的制約をもたせながらスリリングに巧く絡めています。なかなか良く練られた人間ドラマでした。 一方、本物のミケランジェロの絵は一体何処へ?というミステリでもあるのですが、こちらの方はかなり分かりやすくなってしまっています。この邦題も良くない。本物の絵の行方は何か暗号化されていると言っているようなものであり、そうなるとかなり的は絞られてしまいます。 ナチスとユダヤの関係を描いたヨーロッパ映画は実話ものを中心に非常に重く辛い作品が多いのですが、近年ではユダヤ人教授とヒトラーをコミカルに描いた「わが教え子、ヒトラー」という作品もありますが、本作もその重さがかなり抑えられた作品となっています。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-28 00:43:04) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 サスペンスとしてはなかなかの出来。ユダヤ人とナチスの将校が入れ替わるというシチュエーションに、同じ家で育った幼馴染、主人の息子と使用人の息子、女、などなどのシチュエーションが絡んでスリルを盛り立てる。 しかし! このタイトルはダメ! ミケランジェロの暗号なんて欠片も出てこない。というか、ミケランジェロの画すら話の切っ掛けの一つにしか過ぎない。謎解きやミステリーなんて物は皆無です。 それにしても、この手の映画を観るといつも思うことがある。この映画も、ユダヤ人は誠実で情深く、賢く勇敢。ドイツ人は少々マヌケである。う~む……。戦争の良し悪しはともかく、一旦『戦争』というモノを始めたら、何があっても、どんな手段を使おうとも、負けちゃいけないんだな。 【TERRA】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-27 18:17:26) |
《改行表示》4.《ネタバレ》 ミステリー仕立てだが、ミステリーとして見ると拍子抜けする。でも人間ドラマとして見ると、従来的な「ナチス・ユダヤ人もの」とは違っていてなかなか面白い。 ■チャップリンの「独裁者」のように、ナチスとユダヤ人の立場が入れ替わってしまう話。ではあるのだが、入れ替わる二人が小さいころからの友人でありながら、雇い主と使用人というこれまた微妙な関係であるところがなかなかに難しい立場にしている。「金持ちのユダヤ人」は「使用人のドイツ人」を雇って、ユダヤ人の側はとても友好的にやっていて、また面倒を見ているつもりでいる。しかし一方で使用人の側からすればどことなく常に屈辱を感じ続けてきたのではないか。それがナチスによって立場がひっくり返ってしまう。ここに一つの立場転換がある。 ■もう一つの立場転換はもちろん入れ替わりなのだが、この二重の入れ替わりを経ることで、お互いがお互いを見る目というのがかなり複雑になっており、その辺の人間関係はなかなか面白い。ラストの展開はすっきりしすぎていて逆にあれだったが 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-27 00:47:56) |
3.ハリウッド作品のようにストーリーをこねくりまわしてなくストレートに描いているので、非常に分かりやすい。結末はさておきストーリー展開の意外性もあり楽しめた。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-01-05 21:57:31) |
《改行表示》2.《ネタバレ》 脚本が良く練られているので、面白く見られた。ただ終戦後、一枚の写真で主人公がナチスの残党に間違われるくだりは必要だったかなァ。すぐに間違いは正されるし。 それに、残念ながら、ラストのオチも途中から推測できた。その辺が甘いと言ったら甘い。でもユニークなナチスとユダヤ人映画としては楽しめたので、この点数で。 【love】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-10-10 16:51:58) |
1.紋切り型のナチス×ユダヤものに変化が見られたのは、「バティニョールおじさん」? 戦後6、70年もたてば、新しい表現も出てくるのだな、と。 でも本国ドイツではさすがにおちゃらけたナチスものなんか作れないはずだから、これも「ヒトラーの贋札」のオーストリア製。 一応ミステリー仕立てだけれど、贋作が2枚あるのをあらかじめ見せてたり、本物はそこにありと指さしてるような明白さで、そちらの方は形だけ。 メインは兄弟のように育ったヴィクトルとルディの関係。 彼らの立場をナチスの軍服一枚で逆転させ、「軍服がナチスを作った」とでもいいたげ。 心の弱いルディはもとより、ユダヤ人ヴィクトルでさえもそれが持つ力に魅了されながら、彼の軸がブレないのに安堵する。 従来の戦争映画でのユダヤ人の弱者のイメージを、ヴィクトルの控えめながらも底力のあるキャラクターが覆しており、ある意味ヒーロー的でもある。 邦題(同タイトルのシスティーナ礼拝堂の天井画関連の本があって、そっちからつけた?)とはちがって「ミケランジェロと軍服」といった感じで、主演のモーリッツ・ブライプトロイはドイツ映画でよく見かける俳優さん。 ちょっとコミカルでそんなにお金もかかっていないけれど、好ましいスタンスの作品。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-08 07:00:01) |