1.「マッチ売りの少女」ならぬ「魚売りの若後家」。ビッグネームになってからの作品しか観てなかったので、ソフィア・ローレンがなぜ大女優になったのかが積年の疑問(チトおおげさな表現だ)だったのですが、この作品を観て、なんと馬鹿げた疑問を持ったのかと後悔しました。彼女はほとんど最初のころからすでに大女優だったとしかいいようがありません。百聞は一見にしかず、といいますが、まさにしかり、です。彼女の生まれは1934年、ということは、この映画は20歳か21歳のとき。それなのに、寡婦(役名もなんとソフィア)という設定(笑)。しかもその若さで圧倒的な存在感。まだまだモノクロ作品が多かった頃のカラー作品なので、彼女のすべてがもの凄くまばゆいものに映ったことは想像に難くありません(実際今みてもまばゆい)。そのうえ、邦題から想像される物語よりも、実は軽妙かつ洒落た脚本なので、ラブコメファンなら観て損はしない作品であることは請け合いです