71.様々な映画の舞台となってきたニューヨーク。夢と希望に溢れた街でもあり、お洒落な恋が芽生える街でもあります。 しかし、本作のニューヨークは何とも孤独で病んだ街に映ります。これはまさにトラヴィスの目に映るNYの風景。 デ・ニーロ演じるベトナム帰りの不眠症に悩む社会に溶け込めない孤独なタクシードライバー、トラヴィス。小さな出来事の積み重ねとデ・ニーロの危うさをはらんだ演技で、社会への不満感や孤独感が次第にエスカレートしていく様を追っていく。 冒頭に「雨は人間のクズどもを洗い流してくれる」という台詞がありますが、自身がその雨になろうとしたのか・・・。彼のそんな行動を新聞は英雄扱いしますが、「新聞は大げさだからな」と言いながら、以前と変わらずタクシーで夜の街を流す孤独なトラヴィス=デ・ニーロの目が印象に残るラストでした。 このラストもそうですが、全編に渡りデ・ニーロの目が強烈に印象に残るとともに、バーナード・ハーマンの憂いを帯びた音楽も効いている作品です。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-08 20:09:37) |
70.《ネタバレ》 トラヴィスを演じるデニーロの演技が素晴らしい。 孤独な魂が狂気を養っていく様が、非常にリアル。 「漠然とした毎日が長い鎖のように続く」という台詞通り、全編に漂うやりきれなさを、けだるいサックスが増幅する。 ベトナム帰還兵という設定だが、現代社会にも通じる普遍的なテーマで、今日の若者の中にもトラヴィスに共鳴する者もいるであろうことは近年の事件をみれば明らかだ。 ラストのデニーロの表情は、再びこの街から排除するべき「汚物」を見つけたのではないかと思う。 歪んだ正義感に駆られた彼は、もうベッツィの愛を必要としない。 しかしそれは、彼女に振られた時よりももっと孤独が深くなっただけのような気がする。 【poppo】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-12 16:45:58) |
69.思い込み、一歩進みだすと、あーもうどうにでもなあれと思うその気持ち、よく分かります。これリア充の人は共感できるんですかね? |
68.ニュー・シネマの中で一番好きかもしれない。 デニーロ演じるキチガイ帰還兵がとにかくカッコイイ。 そして奇妙。世界も、人間も。誰がヒーローで誰が悪なのか。 トラビスはヒーローのようで、アンチヒーローでもある。不思議な矛盾。 それらの答えはラストのシビル・シェパードの視線に集約されているような気がした。 【せかいのこども】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-12 10:34:44) |
67.《ネタバレ》 これは若者の成長を描いた青春映画。 自分の湧き出る劣情や正義感(かなり歪んでますが)を抑えきれずにこれまた歪んだ 行動を起こさざるを得ない。 ラストは色々な経験を経て、いちタクシードライバーとしてシビル・シェパードを 「客」として乗せる。 なんと言おうとすがすがしい青春映画です。 【おざおざ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-12 01:45:55) |
66.《ネタバレ》 これほど退廃的に描かれたニューヨークを観た事がありませんでした。この映像を観れただけでも満足です。更に孤独を抱えるトラヴィスを演じるロバート・デニーロの演技力の凄いこと!(私を含める)他人と付き合う事にコンプレックスを抱え、しかし他人にも愛されたい人間をこれだけリアルに演じられるのは、ホントに素晴らしいと思います。もしかして、デニーロも元来そういう人なのかも。そして精神的に追い詰められたトラヴィスが引き起こすホテルでのカタストロフィ。その後ニューヨークに溶け込んでるトラヴィスを見るに、人間何かを成し遂げず、過去のトラヴィスの様に世界に不満を垂れ流している間は、本当の大人になれていないという事でしょうか。う~ん、難しい。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-11-03 18:47:48) |
65.初見で5点にしていたけど、2回目で面白さに気づいた。1回目は見方を誤っていたのだろう。変に感情移入せず最終的にあんな事をしでかすトラヴィスって男の妙な行動や変化をシンプルに楽しめば良かったんだ。そうやって見ていくと結構笑えたりもする。そしてデ・ニーロの演技とクールなBGMに酔いしれる。 【リーム555】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-04-27 18:48:28) |
【シトロエン】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-29 18:10:54) |
63.《ネタバレ》 不思議な魅力があり、一度見ただけでは全て理解できたと言い難かった。 ラスト10分であんなに印象の変わる作品も珍しいし、 おそらく最も重要な問題提起をそこでしてくるセンスにも脱帽。 堕落した街に身を投じた男が、次第に退廃していく様が丁寧に作りこまれていて、 あの独特のBGMや、けたたましいサイレンの音が危険な趣を与えていて良かった。 今でこそ病んでいく人間が凶行を、という事件は国内外問わずよく耳にするようになったが、 この時代にそれを題材にしたスコセッシ監督の先見の明にも拍手。 【チートイ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-28 21:01:09) |
62.《ネタバレ》 十年前よりもトラヴィスが身近に感じられた。純粋で繊細で自意識過剰。しかも突然キレる。僕が一番苦手なタイプだ。彼の近くにいたとしたら、僕は真っ先に殺されそうだ。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-05 23:50:08) |
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61.《ネタバレ》 ものすごく久しぶりに観ました。 ラストがこんなにめでたしめでたしな映画だっけ?とちょっとびっくり。現実的に考えるとあんな危険な人物をふつうに野放しにしちゃいけない気がするんですが…。何の解決にもなってないし。 ただ、作品としてはすばらしいと思います。音楽も、あの夜の色彩も。タイトルやエンドロールもかっこいい。そしてジョディフォスターがすごい。 それにしても、デニーロのモヒカンは何度みても笑えます。 【Catherine】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-08-23 21:37:59) |
60.《ネタバレ》 遠い昔に一度観賞したのですが、改めて観賞。一度目の観賞当時とは大分印象が違いました。『海軍の栄誉除隊』がそもそもどういう事を意味しているのか、とか詳細が良く判らない箇所も在りますが、最後まで飽きずに観る事が出来ました。これはハッピーエンド…なの?全然話は変わりますが、KMFDMのサシャはトラビスみたいですナ。 【キノコ頭】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-25 09:21:58) |
59.《ネタバレ》 閉塞した時代の、閉塞した生活を送る人間にとってのヒーロー像を、デニーロが見事に演じています。ラストの展開も非常に素晴らしいと思います。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-24 19:52:04) |
58.映像の格好よさに惚れ惚れします。 しかし狂人と英雄は紙一重かぁ・・・。 【njld】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-05-08 17:58:45) |
57.《ネタバレ》 全体的に静かでゆっくりとした展開だった分、ラストの銃撃戦は衝撃を受けました。 カメラワークもセンスがいい。 でもさすがに女性にポルノ映画を見せたらいかんでしょう。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-20 00:56:15) |
56.素晴らしいです。全編に漂う気怠さ、退廃的な世界に漂う湿気臭さなど不思議と惹かれる自分がいます。何度観てもこの作品にしか無い独特の空気感に魅了されます。サントラも最高。オープニングから一気に引き込まれます。 心に傷を持つトラビスの、相手との笑顔や怒りを見せるまでの表情の変化や「間」が凄すぎて何度観ても鳥肌が立ちます。トラビスの心情や葛藤、犯行に及ぶまでの変化は理解できないですが、戦地から帰ってきて緊張感のない夜の街にいたら、複雑な気持ちにもなるかなと。 シビル・シェパードもいい女だったし(最後にタクシーに乗ってきた時のトラビスを見る瞳がまた印象的)、ジョディの存在感もやっぱり凄いですね。 2023年現在、ロシアの戦争、物価高など明るい未来が描ききれない日本において、物には満たされているのに、心には闇を抱えてる現代の日本人にも、トラビスに似た鬱屈とした心持ちでシンクロしてる方がいるのではないかと怖くなります。 |
55.《ネタバレ》 冒頭のタクシー会社での面接からわかるよう、トラヴィスという男は世間一般の感覚からいうとかなりズレている。ベッツィを誘った時もそうだったし、シークレットサービスとのやり取りなんてほとんどイカレている。ベトナム帰りで不眠症という設定もそうだが、ロバート・デ・ニーロがこのアウトロー的な役に大いにハマっておりアブナイ雰囲気充分である。このような性格の持ち主が、社会に受け入れられず孤独と疎外感にさいなまれるとなると、常人では理解し難い行動に出るのであろう。オレはこのままでは終らない、何かひとつ大仕事をやってやる…。この映画のように一躍ヒーローに躍り出るか、狂気じみた犯罪者になるかどうかは両刃の剣。つまり何かが引き金となり、ゴミのような連中を拳銃で片っ端から一掃することだってあり得る。普通の感覚の持ち主だと、そんなものは都会の産物なのでしょうがなく、警察や政治家にまかせればよい事だと納得する。ところで、何事も無かったかのようなエンディングシーンからすると、この出来事はあくまでもトラヴィスの願望であり妄想として見てもおもしろい。またスコセッシ監督の夜のニューヨークを演出する、映像と音楽による巧みな雰囲気作りも、この孤独な男のストーリーによく似合っていた。 【光りやまねこ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-19 21:07:51) |
54.《ネタバレ》 トラヴィスは結果的には英雄となったが、本当なら大統領狙撃犯となっていた。英雄なのか犯罪者なのかとそういう見方をする映画ではなかった。ひとりの男の孤独を描いた重厚な映画で印象的なシーンが多かった。アメリカの怪しげなネオン、車中のトラヴィスの寂しげな表情、鏡に向かい凄む表情などなど。映画館で見たいと思った。 【マサ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-07-28 20:39:06) |
53.正直よくわからないんだけど、なぜかすごくすきになりました。音楽がいいと思います。 【十人】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-09 01:34:46) |
52.《ネタバレ》 トレーニングによって鍛えられた肉体に自己満足しながら鏡の前で色々とポーズをとって悦に浸るシーン。この映画に高い評価を下した人はこのシーンで「カッコイイ!」と思ったか「いたたまれなさすぎて涙が出てくる」と思ったかに、だいたい二分できると思います。社会に対する不満を持ち、何らかの形でそれに抵抗したいという気持ちは凄く純粋なところから出てきているし、好きな女性に精一杯尽くしたいという思いも極々自然な感情であり、彼の心から生じている気持ちそのものは一般の人が持つそれとなんら変わりない。ただ「価値観」のあまりにも大きなズレから行動すればすればするほど、その感情はどんどんと明後日の方向に飛んでいってしまうという、このどうしようもないほどの疎外感と世の無情さ。悲惨すぎて、だけどあまりにも滑稽でもう泣くしかない。最後に少々救いがあってもいいじゃないか。本当にテーマ性が素晴らしい作品でした。 【bizen】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-23 01:48:13) |