63.見飽きることのない、よく整った作品だと思います。、、、、、ただ、見終えて、何か素直に感動できないものが残るのです。、、、どうしてだろう。、、、、前半で最も印象的だったのは、集められた広場で父親がビスケットか何かを家族に切り分けるシーンです。それが家族にとって、いわば最後の晩餐であり、戦争と迫害で、何が失われてゆくのかを痛切に感じさせてくれました。、、、、、しかし、その家族について、その先は映像として触れられていません。シュピルマン氏が、家族をどのように思い、どう追悼したのかが描かれないと、どこか綺麗に話しが完結した感じがしないように感じられます、、、、、、。それとどうしてドイツ人将校が、ショパンを弾くユダヤ系ポーランド人を救おうという気になったのか、それもしっくりきませんでした。、、、、、ショパンといえばポーランドナショナリズムの象徴といっても良い存在です。あの緊張した場面で弾きはじめる嬰ハ短調ノクターンは、ポーランドの人達にとっては、国歌にもきこえるのではないでしょうか。、、、、それをどうしてドイツ人将校が許すのか。、、、ドイツ人将校の命乞いのシーンを重ねると、何か、ポーランドナショナリズムの勝利宣言にも受け取れてしまうのです。、、、、、、、、というか、監督や制作者に、ナチスとそれに荷担した人達を、絶対に許さない、という強い意志があり、その攻撃的な強い意志に、どこか同感できない部分が私にあるのかもしれません。 【王の七つの森】さん 7点(2004-06-15 10:24:12) |
62.《ネタバレ》 ユダヤ人の虐殺を綴った映画は結構有りますが、この映画はかなりリアルに表現されていて、行くも地獄、残るも地獄という表現があり、感動と言うよりも、恐ろしささえ感じます。ドイツ将校に見つかったときはもう駄目か、とおもいましたが、彼のピアノの腕が彼の命を救ったのでしょう。おそらくドイツ将校も荒れ果てた戦場下でピアノの曲により救われた部分があったのでしょう。 【みんてん】さん 7点(2004-06-10 01:04:20) |
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60.《ネタバレ》 ナチスにも良い人がいたんだね。 【ゲソ】さん 7点(2004-06-04 02:32:38) |
59.私を含め、戦場を生き延びて誰かに会いたいとか、もう一度ピアノが弾きたいとか、主人公にそういう「生きる目的」を期待してしまう人は大勢いるだろうけれど、彼からは全くそういったものを感じ取ることが出来なかった。極限の状況下ではもはや「生きること」そのものが目的であって、「死んだ方がマシ」という甘えた感覚はなくなるらしい。平和に生きてきた私にとってはまったくの未体験ゾーンなため感情移入もへったくれもなく、作品としては(将校とのやりとりを除けば)ドラマティックでも何でもないけれど、こんなふうに「考える時間」を与えてくれる映画というのは好きです。 【ぽめ】さん 7点(2004-06-03 18:45:23) |
58.本作は戦争と人種迫害を俯瞰で描かこうとせず、一人の普通の人間の目の届く範囲だけから描いていく。しかし、その一人の人間の目線から戦争の全体像から細部までが明瞭に炙り出されていく(手抜かり無いディティールが見事)。日々のごく普通の営みが、ある日を境に死と隣り合わせの日常へと変化し、死が当たり前となった数年間はシュピルマンにとって生きることが全て。そこに余計な怒りや悲しみ、ましてや名誉や諦念など存在しない。地獄の中でのサバイバルは全てが余りにも幸運な、文字通りの奇跡でしかなかった。あと、ロマン・ポランスキーがここまで堂々とした演出をしていたことにも驚きました。劇的効果を極力抑えてありながら劇的な作品となって結実しています。これも一つの奇跡でしょうか、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2004-06-03 15:04:18) |
57.《ネタバレ》 戦争の悲惨さ、非情さをよく描いてる。ストーリーは占領下におけるサバイバルだね。 【くうふく】さん 7点(2004-06-02 12:57:09) |
56.様々なドキュメンタリーで、ユダヤ人虐殺の映像は目にして来た。そこには更に生々しくショッキングで残酷な映像がある。この映画は歴史に刻まれた真実の再現フィルムである。収容所に移送される人々、強制労働の日々、道に横たわる死体の様子などは、ドキュメンタリーと比べても忠実に描かれているように感じた。一人のピアニストの目を通して、民族の根絶という狂気に晒された数年間を追体験させる。民族の根絶、こんな表現がまかり通る時代があったという事実を忘れてはいけない。これを観てから数日間、私は寝不足に陥った。虐待とか戦争とか生と死とか、ひいては自分の存在とか、いろいろな思いが頭の中をよぎり、気づいたら明け方になっていたこともあった。相当心に刻まれた作品であることを認めるしかない。 【やすたろ】さん 7点(2004-05-20 23:55:28) |
55.皆さんのレビューを見てこの映画の色々な考え方がわかりました。文字で語ることは、難しいです。皆さんすごいです。 この映画は、死者に贈る映画じゃなくて生きた者に贈る映画。まさにそのとおりだと思いました。 【はりマン】さん 7点(2004-05-17 23:37:47) |
54.…フムフム、なるほど。原作を読むと何故ドイツ人の将校がピアニストを助けたか分かるのか………ふざけるな!文句があったのはこれだけかな。 【魚弱】さん 7点(2004-05-16 16:49:51) |
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53.自力の努力が生死を分けるのか、分けないのか。それすらもわからない状況で人間はただひたすら生きるしかない。そのうちしだいに動物的本能のような感覚が研ぎ澄まされてくるのだろうが、それはまさにヒューマンな次元とは異なるものだろう。主人公がピアニストという芸術家であることは動物と人間という対比を明らかにする点でわかりやすい。もっともこうした二分法そのものがよいかどうかは別問題だが。強制収用所から解放されたものは、解放後何十年もしてから自殺することがある。主人公のその後が気になるが、事実としては総じて平穏な日々を送ったらしい。それは良いことだと思う。では実際に自死を選んだ人間を題材としていわゆる商業映画を作れるのか。表現を超えた表現として。たとえば『ショアー』とはまた別なタイプの。。。 まあ、いまはこうしたジェノサイドを題材として作品を作ろうとすることだけでも十分意義があると思う。 【バッテリ】さん 7点(2004-04-04 15:00:00) |
52.戦争(ナチス)という巨大な悪の前では、人は誰しも卑小で無力な存在であることを、この映画で改めて思い知らされた。ホロコーストを生き残った人たちは、「いい人は帰ってこなかった」と戦後口々に語ったそうだが、誰が善で誰が悪であったか、割り切って語れるものではない。災禍に陥った時、正気と理性を失わず「人」としてあるべき行為がとれるか、自分自身が試されている気がし、そのためにも、正視できないような残酷な場面も、目を見開いて観る必要があると感じた。 【トバモリー】さん 7点(2004-04-04 13:22:25) |
51.後半はほとんどセリフがなかったのだが、すごく入り込めた。 今までの戦争映画で、ナチは悪いように描かれていたが、中には正しい人もいたということが分かった。 必死で生き延びようとするシーンには胸をうたれた。 【すごろく】さん 7点(2004-03-27 20:23:18) |
50.主人公は運が良すぎますね。まあ、それはこの人の今までの人徳というのものだろう。ユダヤの差別を淡々と描いてるおかげで、さらに一層残酷さが伝わってきました。 【アルテマ温泉】さん 7点(2004-03-18 18:43:29) |
49.普通に楽しめました。どこがと質問されれば難しいのですが・・・ 【ゆきむら】さん 7点(2004-03-17 08:53:16) |
48.《ネタバレ》 友人に薦められて見てみました(おすぎではないです)。実話ものって基本的に山場が少なく淡々と進むものが多いのですが、これも実話を着実に消化してる感じでした。想像していた内容とはずいぶん違く、邦題とイメージが一致しませんでした。周りの人に助けられ、崇高に、誇り高く死んでいった者たちとは対照的に貪欲に、なにがなんでも生き延びていくピアニストの話。生きることの意味、価値観についてとても考えさせられました。自分がこの主人公の立場だったらここまでして生きるのか?いっそ死んでしまった方が楽なのではないか?と考えずに入られませんでした。実際は自分がその状況になってみないとわからないですが。主人公を助けた人たちがみんな捕まったり、死んでいったのがとても印象的で悲しかったです。人生なんてそんなものでしょうか。。。残酷なシーンが多く、目を覆いたくなる場面が多いのですが、中でも、車椅子のおじいさんを窓から落とすシーンが衝撃でした。 【グングニル】さん 7点(2004-03-15 04:09:52) |
47.《ネタバレ》 最初の数十分は、第二次世界大戦中にポーランドでユダヤ人の迫害が進んでいく様子が描かれており、映画ではよくある展開ですが、その悲惨さに引き込まれます。そのままドラマチックな展開を期待して見るのですが、主人公の家族は収容所に送られるのに、主人公一人が運良く逃れることができ、そのあと延々と主人公が国内で一人隠れている話が続きます。爆撃にあったときに爆音で一瞬耳が聞こえなくなったようだったので、「爆撃で耳が聞こえなくなった悲劇のピアニストの話か?」とドラマチックな展開を想像しましたが、すぐに聴覚が復活し、また逃げ隠れるストーリーが続きます。最後の30分で、ピアノを通じたドイツ人将校との交流が描かれ、少しドラマチックになりますが、このエピソードにはあまり深く入り込みません。結局これといったドラマチックな展開もなく、ラストを迎えます。ほかの方も書いていらっしゃいますが、実話の映画化ですので、ドラマチックさを要求するほうが酷かと思います。主人公がピアニストである必然性が感じられませんが、実話ですから、しかたがないでしょう。貴重な史実の記録とは思いますが、ドラマチックな映画を好む方にはおすすめできません。 【チョコレクター】さん 7点(2004-03-13 21:50:22) |
46.《ネタバレ》 才能があり、むしろ弱いために生きながらえ、そしてスポットライトの元に戻ってきたピアニストを通じて文化文明と言うものは平和の上に成り立っているということを強く感じた。そしてそれがない世界のなんと味気なく殺伐としたまがまがしいものか。 平和な世界を手に入れるということは人間としての尊厳を守ること、それは全ての人間を尊び愛することに資している。 |
45.実話ものとして良く出来ていると思います。本当は泣く事を期待して観たんですが、実話を元にしているのでドラマティックさは影をひそめ、リアルな話を見せられ「こんな事があったのだ」と考えさせられました。歴史を語る上でも貴重な作品だと思います。 【ゆうしゃ】さん 7点(2004-03-03 12:57:51) |
44.見ている間じゅう、ずっと眉間にシワが寄っていたと思う。主観的なものを一切排して、主人公の目の前で起こった出来事を、ただただ淡々と描いていく。うろうろと逃げ回る主人公の姿には嫌悪感すら覚えるが、それをも淡々と描き出す冷徹な視線がリアルで壮絶。主人公がドイツ人の将校の前でピアノを弾くシーンで、背筋をピンと伸ばしてピアノの前に座る姿に胸を打たれた。 【あさ】さん 7点(2004-02-23 12:00:59) |