5.今のところスピルバーグ監督作品では最も好きな作品です! というか同監督作品ではダントツに好きな作品です! これ以降のスピルバーグ作品はどうでもいい感じしかしないけど、この作品だけはもう・・・感情が正常に反応できて心が揺さぶられます。常人では到底真似できない、反吐が出るほどの良い子ちゃんの話しでもなければ、冷徹すぎる悪人の醜行を淡々と映すよな、感情が擦り切れた感じもなく、わざとらしくギャーギャーわめくだけのバカ生意気ガキが終始進行をぐちゃぐちゃにすることもありません。人間の愚かさや温かさの描き方が適切なレベルを保っている感じです。要するにこの頃はまだ監督が映画ファンをナメ切っていなかったと思えます。この映画が全くオスカーを穫れなかったことがアカデミー賞の七不思議と言われたのもうなづけます。本作は原作者の熱い勧めでウーピーがデビューを飾った作品ですが、僕個人はテレビ番組の司会者オプラ・ウィンフリーのソフィア役の演技も強く印象に残しています。またジョン・ウィリアムズが音楽を担当しなかったスピルバーグ映画というのも珍しく、クインシー・ジョーンズの音楽もなかなかでした。とくにカミソリのシーンの音楽と妹の手紙のシーンの音楽は強く印象に残ってます。 【追記】オスカー狙いだとかよく言われるみたいですが、どこかで読んだ情報では、監督はこの作品を作ることにかなり躊躇していたそうです。それまで自分がSFやファンタジーの路線で走ってきた人間であることを十分承知していて、そんな自分が全く毛色の違うこの話を監督できるのか戸惑いもあったとか。音楽を担当することになるクインシー・ジョーンズが監督の背中を押したそうですよ。スピルバーグ今は嫌いですが、これを作った後の言われようだけは、監督を可哀想に思います。レズビアンたちからもかなりバッシングされたとか。この作品を周囲がまともに評価してたら、監督はもっとマシな大物になってくれたのではと思って仕方ないです。彼はきっとこれ以来感情を擦り切らしたのだと思います。自分だったら、ふてくされるだろうし、作品作りが怖くなるだろうと思う。それを乗り越えて「どうせ好き勝手しか言わないんだから、そいつらからテキトーに金出させりゃ良いんだ」となってしまった気がしてなりません。 【だみお】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-12-26 06:27:11) (良:1票) |
4.重たいテーマだが登場する女性達を明るく逞しく描くことによって必要以上に重くなっていない。そのことが余計に涙を誘う。黒人であるが故に起こるどうしようもない憤りを乗り越え、年を負うごとに強くなっていく彼女達が素晴らしい。ラストシーンは何度見ても泣ける。しかし彼女達は明るい色がよく似合う。 【カリプソ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-25 02:27:46) |
3.あらすじに書けなかったことを淀川長治さんの言葉を借りて言うと「この映画は映像の詩」です。加えて音楽が雰囲気にぴったりですばらしい。この映画のサントラ盤(なぜかクインシー・ジョーンズの音楽ということになっていますが、これどういうこと?)のCDは私の宝物です。「おまえは黒人だ!」という言葉が「自分の文化に誇りを持て!」という意味で発せられるのは黒人ジャズ・ミュージシャンなどが輩出した後、しかも都会でのことで、この時代アメリカ南部では黒人を馬鹿にするために発せられていたようです。(主人公の夫も主人公に向かって馬鹿にする意味で言っています。)平凡な黒人を描いてこれほどのパワーのある作品ができるのだから非凡な黒人を描いてオスカーをどんどん狙ってほしいです。芸術家ならチャーリー・パーカーかマイルス・デービス、社会運動家や政治家ならノーベル平和賞を受賞したキング牧師やラルフ・バンチ博士・・・黒人俳優よがんばれ! 【かわまり】さん 9点(2004-03-02 02:15:53) |
2.《ネタバレ》 主人公はもちろんだけど、オプラの人生を思うとやり切れなさにつらくなった。救いようがない理不尽な仕打ちを見せ続けられたので、ラストはほんとに嬉しくて涙が止まらなかった。やっぱり生きてこそ、です。 【桃子】さん 9点(2003-11-11 19:07:56) |
1.友人にも薦められていたけど黒人映画だしテーマも暗いし今ごろになって見たのですが。見終わった後いい映画だなと思える映画です。アメリカのTVで見たのですが原作者の女性がシュガーレイを知的にしたような綺麗な人でした。 【スノーホワイト】さん 9点(2002-06-08 12:25:59) |