1.《ネタバレ》 ピカソの絵画の良さなど1ミリも分からない私ですが、本作を観て何となくその凄さの仕組みが理解できたような。多分、おそらく、いや間違いなく研二は天才なのだの思います。彼の天賦の才能に、古武術や古美術のメンバー、フェスの観客たち、そして私は魅了されました。天才の暇つぶしに心震わされるのが最上クラスの芸術の姿ではないかと。いやこの言い方だと語弊があるかもしれません。暇つぶしだとしても決して手抜きではありません。それが証拠に研二だって陰で努力をしていました。天才は天才なりの誠意?拘り?を持って自己表現をしているのです。ただ、我々凡人とはスケールが違うだけ。凡人に出来るのは天才のパフォーマンスの恩恵を有り難く頂戴すること。更に言うなら、多少なりとも感化され己が人生の暇つぶし方法を見つけること。無駄な時間をいかに使うか。それが暇であることを許された生き物「人間」に与えられた人生の課題であります。30分で収まる物語を、延々と間を取り70分超にまで引き伸ばしたことも「人生」を表現する為に必要なことであったと思います。余裕の無い時に観るのは辛いかもしれませんが、逆にそんな時ほど観る価値がある作品。青春の本質とは何かを描く映画でもあります。