2.《ネタバレ》 5つの都市でのタクシーを舞台にしたオムニバス。
①「ロサンゼルス」ウィノナ・ライダー扮する蓮っ葉なドライバー。
そのタレント性を見出した業界関係の女性客がオファーしても、生き方がブレずに素っ気なく断るのがカッコいい。
②「ニューヨーク」黒人客が拾ったのは、運転もろくにできない東独からきたばかりのドライバー。
業を煮やした黒人客が代わりに運転席に。
③「パリ」コートジボワール移民の黒人がドライバー。
黒人酔客二人の態度に我慢できずに途中で降ろし、次は盲目の女性を乗せることに。
ラストは事故って、盲目に引っ掛けたちょっとしたオチもついている。
④「ローマ」客の状況を考えずにやたらしゃべりまくるドライバー。
薬を落としてそのまま逝ってしまった老神父にやっと気づいてオタオタする、たいして面白くもないコメディ。
⑤「ヘルシンキ」不幸なことのあった客より、もっと不幸な身の上だったドライバー。
なんだか不幸自慢対決のようで。
5編通じてウィットが効いてちょっとオシャレな感じ。
でも、それだけといえばそれだけで心に残りそうなものはない。
夜のタクシーでの会話と雰囲気は独特のものが感じられるが、おもしろいとは思わない。
オムニバスを傑作にするには難しい。
この作品でもやっぱりそう感じてしまった。