2.《ネタバレ》 『記憶探偵と鍵のかかった少女』という邦題は、ミニシアター系でひっそり上映されていそうなタイトルだなぁと思いました。人の記憶の中に潜入できる探偵。それが社会的に認められた存在で、政府から承認を受け、高い証拠能力を持っているという設定は面白い。記憶というのは曖昧で、自分の都合の良いように解釈していたり、事実と違う事を事実と思い込んでいる場合が多々ありますからね。その思い込みで、小悪魔の雰囲気を持つ天才少女に翻弄され取り込まれ、「彼女を信じたい」と強く思い込んでしまい、記憶をいじった際に出る繕った部分に気づきながらスルーしてしまった心にトラウマのある探偵。ウォーミングアップと楽勝の仕事のつもりでやって来たんでしょうが、彼女にとっては鴨が葱を背負って来ただけでしたな。記憶に潜るセッションすら操るようになった少女はかなり狡猾な策士ぶりでしたわ。妻を自殺で亡くしたトラウマありの探偵にはちょっと酷な相手でした。ただ、彼女のおかげで主人公は過去のトラウマを払拭できたし彼女は自由を手に入れた。ハッピーエンドで良かったなと。少女を演じたタイッサ・ファーミガはまだ20歳ですが、画面に映えてて存在感たっぷりで良かったです。