1.《ネタバレ》 男を描き続けたウォルターヒル。
女性の時代にあっての監督の答えが本作なのだろうとうかがえる。
ウォルターヒルの監督作品を丹念に観ていけば、
彼が女性に対して敬意を表していることがわかる。
なのにその彼をして、このような映画ができてしまうという
時代は何を意味するのか?
女性の時代は暴力反対ということである。
ウォルターの映画では、喧嘩の暴力は一種の自己表現、愛情表現でもあった。
そういう男から、根こそぎ暴力を奪うことは何を意味するのか?
これは主人公が、手術によって男性シンボルを取られることに象徴的に描かれている。
エンドロールでの最後の言葉。
「45口径は善行にも悪行にも使える。45口径は嘘をつかない。」
45口径とは、「男」ということである。
この言葉は彼の男の美学からの、今の時代に対する正直な気持ちだと思う。