1.《ネタバレ》 「先生と生徒の恋愛」っていう、もう絶対NGな題材じゃ、私のご贔屓、さすがの三木孝浩監督でも、どうにもダメなんじゃ?って不安でした。
結果、もうずーっとキュンキュンが止まらない映画で。
全編、ヒロインの視点で描かれてるんですよね。なので彼女にずーっとキモチがシンクロして、先生を好きになってゆく過程がじんじんと伝わってきて。友達との関係も温かく、ヒールになりそうなヨカンな女教師にもドラマが与えられて、ああ、コレは間違いなく三木監督作品の味わい、って。
恋愛話としても、そのくらいにとどめておくのなら、ってバランスでラスト以外は上手く描けていたと思います。ラストシーンは余計だったかな。あと2分くらい手前で終わりにしちゃった方が良かったかも。最後まで行って、先生の価値ダダ下がり。結局そこに堕ちるんか、と。
とにかく広瀬すずがとても綺麗に撮れていて「それはない」ってカットが1つもありません。徹底してこだわって撮ってるんでしょうね。
三木孝浩監督と言えば光の使い方と風情あるロケーションですが、今回の映画もそれを目一杯活かしてます。神がかったライティングのカットがいっぱいあって、目に栄養たっぷりでした。
そして広瀬すずに確実に芳山和子の姿を見ましたわ。もちろん83年の原田知世版の『時をかける少女』。髪型とか弓道とか、そういう表面的な部分だけでなくて。映画の中の少女としてのイコンというかシンボリックな描き方というか。そういう意味で、彼女にとってとても重要な一編。
というわけで、その魅せ方で納得させられちゃうキラキラと素敵なラブストーリーでした。