1.《ネタバレ》 父と息子、息子と父親の映画。
では、あらすじを。
両親のいない小学男子が家出して、異界の強いおっさんの弟子になり、父子関係ができた。
脚本を書くのは難しい。
長編映画の脚本なんて、才能がない人が書いちゃダメだ。
でも細田監督は、オリジナル脚本を書きたいらしい。
その時点で、自分を客観視できない人だと分かる。
的確な判断ができないのは監督としてダメだよ。
何よりダメなのは、一人も魅力的なキャラがいないこと。だからドラマが全くない。こんな退屈な映画がヒットするなんて、明らかにおかしいよ。魅力的なキャラなら、フィギュアが欲しくなる。だけど、このアニメ映画でフィギュアが作られてヒットしたか。『ラピュタ』のフィギュア、『999』のフィギュア、『銀河鉄道の夜』のフィギュアなら需要があるだろうが、このアニメ映画のフィギュアに需要はあるか?
冒頭から、わざとらしくセリフで説明してばかりだが、長々と説明するシーンが何度もあった。もし脚本の学校の指導官が読んだら、「不合格!」の赤い印を押される、間違いなく。
細田監督の作るビジュアルは好みだが、それはもしかしたら、いつもの相棒のレイアウトマンだけのチカラなのかも(コンテの絵は重要だけど)。
それにしても、これが日本のトップのアニメ映画なのか。
後半、突然に闇に支配された人物が登場。設定としての伏線は確かにあったが、伏線として機能していない。もうムチャクチャだよ。子供と父親だけに焦点をしぼるなら分かるけど、人間の闇や恋愛や、人間社会の進学とか、余計な部品が多過ぎる。
熊鉄(?)のキャラにも、キュータにも全く魅力がない。どんな人物かまったく分からなかった。
なんて退屈な映画なんだろう。
ジョーズ、エイリアン、チャンプ、ロッキーなどの映画に比べたら、この『バケモノ』は世の中になくてもいい映画。
だからゼロ点を差し上げる。