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ゆすり(1929)

[ユスリ]
(ヒッチコックの ゆすり/恐喝(ゆすり))
Blackmail
1929年上映時間:85分
平均点:5.64 / 10(Review 11人) (点数分布表示)
ドラマサスペンスモノクロ映画犯罪もの戯曲(舞台劇)の映画化
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タイトル情報更新(2023-05-06)【TOSHI】さん
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監督アルフレッド・ヒッチコック
キャストアニー・オンドラ(女優)アリス・ホワイト
サラ・オールグッド(女優)ホワイト夫人
ジョン・ロングデン(男優)フランク・ウェバー刑事
アルフレッド・ヒッチコック(男優)地下鉄の乗客(ノンクレジット)
原作チャールズ・ベネット〔脚本〕(オリジナル戯曲)
脚本アルフレッド・ヒッチコック(脚色)
マイケル・パウエル(ノンクレジット)
撮影ジャック・E・コックス
ロナルド・ニームアシスタントカメラマン(ノンクレジット)
マイケル・パウエルアシスタントカメラマン(ノンクレジット)
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1
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11.《ネタバレ》 ヒッチコック初のトーキー作品、ですが、冒頭の警察車両が急行して容疑者を逮捕するシーンや、クライマックスの逃亡~追跡シーンなど、部分的には、いかにもサイレント映画。両方の要素が楽しめます。セリフ無しで盛り上げる手法自体は『知りすぎていた男』なんかでも再現されていますが、その先駆となっているだけではなく、冒頭シーンとクライマックスとが、サイレントという手法を通じて対になっている(一種の「再現部」になっている)のが、構成の面白さ。もちろん、ただ同じことを再現するのではなく、舞台となる大英博物館の異様な雰囲気が目を引きます。特に、巨大な顔面の石像(これ、何?)の前で人間がロープにしがみついている場面、『逃走迷路』『北北西に進路を取れ』などを思い起こさせますが、空間にポツンとぶら下がる人間と、背景に写るその影が、像の巨大さと人間の小ささを際立たせて、異様さの点ではまさに随一。博物館の屋根の場面などでも、人間の小ささが、異様な雰囲気をもたらします。
という風に、多分に実験的な作品になっていて、その後の作品に大きな影響を与えた手法もあれば、たいして影響を与えなかった手法もあると思うのですが(笑)、それらひっくるめて大いに楽しめるのは、ストーリー自体はシンプルにズバリ要点を突いて、90分弱にまとめ、スリリングな娯楽作に仕上げられているから、でしょう。実験的な手法が自己満足に陥らず、作品を彩る「面白さ」に繋がってます。また、ただただスリリングであればよいという訳ではなく、緩急をつけることで後半盛り上げていくのも、お見事。もっとも、映画を倍速で見る(見たことにする)ような人たちなら、間違いなく「緩」の部分は早送りで飛ばされてしまうんでしょうが・・・勿体ない。
後の作品への影響の有無、という事で言うと、「わざわざ見せなくてよいものを見せる」「普通なら見せてしまうところを見せない」という両面があって、この作品、色々とやり過ぎ感があるのが、ご愛敬。だけど、間接的には、様々な影響を与えていそうな、いなさそうな。
ヒロインが男に連れられ、アパートメントの階段を上っていく。その階段にはカメラ側に手すりが無く、要は建築物の巨大な断面図。これだけのシーンを撮るために、こんなセットをわざわざ作るのか、というのがまず驚き。なるほど、街路から空間的に隔てられた危うい世界に足を踏み入れようとしている、という意味あいはあるのかも知れないけれど、それは例えば後のシーンで登場する「窓からはるか下に見える路上の警官の姿」などでも充分に伝わる訳で、一体どこにカネかけてるのよ、と思っちゃう。けれど、確かに印象には残ります。
自分を部屋に連れてきた男との気だるいやり取りのうちに、次第に男の態度が変わってきて、襲い掛かってきた彼をヒロインはナイフで刺殺してしまう。その後、彼女の目には、ネオンサインのシェイカーが、振り下ろされるナイフに見えたり、彼女の耳には、他人の喋る言葉の中の「ナイフ」という言葉だけが強調されて聞こえてきたり。この辺りも、わざわざそれを画面で見せるか、音声で聞かせるか、というシーンではありますが、サイレントの手法、トーキーの技術というものにそれぞれ、正面から向き合ったからこそ、生まれたシーンとも言えそうです。
一方、肝心の殺害シーンは、これは「見せない」方の典型。もみ合う姿は壁にうつる二人の影で示され、さらに現場はカーテンの向こうへ。その後の顛末は、カーテンの隙間から伸びる「手」だけで暗示され、むしろ静かに描かれはするのですが、何と言っても目を引くのが、事件前後で一変する、ヒロインの表情。このこわばった表情が、事件の恐怖を物語り、映画の空気感そのものを一変させます。さらに、現場を立ち去る彼女の後、建物に近づく怪しい影。
もちろん、殺害シーンを見せる方がよいとか、見せない方がよいとか言う話ではなく、例えば見せない手段をとった場合にはどういう表現があり得るか、ということ。ヒロインの凍り付いた表情が、より恐怖を持続させ、また恐喝者が現れて以降の彼女のモジモジした素振りによる「この先、どうなるのか」というサスペンスにも繋がっていきます。
事件の後、彼女が家に帰り、二階に上がると、外から鳥の声が聞こえてくる。こういうアンバランスさが、印象的。
一方で、再三登場する肖像画、それをダイナミックに捉えるカメラが、何やら象徴的。
シンプルだけど、盛り沢山。面白い。
鱗歌さん [インターネット(字幕)] 9点(2024-05-04 06:41:18)
10.見始めて、あれこれもしかしてサイレント?と意表をつかれた。
もうヒッチコックのサイレントは大体は見たはずなのに、あれ?
だけど、途中から音声が入り二度目のびっくり。

内容としてはなかなか入り組んでいて面白いが、展開の遅さで少しイライラしてしまった。
しかし終わり方は完全に予想を外された。
にじばぶさん [DVD(字幕)] 4点(2020-09-20 19:42:46)
9.《ネタバレ》 冒頭からサイレント映画の様相だったのが、8分過ぎからいきなり喋りだしたのにはビックリ。鑑賞後に分かった事情に歴史的価値ある作品である事を知りました。アリスが殺人を犯す迄は退屈でしたが以降の展開は手に汗握るもの。腕の描写を始めとした監督ならではの映像演出にアシストされてのアリスの心情を表すアニー・オンドラの演技が素晴らしい。なので、尻切れトンボの結末の歯痒さに身悶えしました。これは製作者の意向で変更させられたそうで、巨匠も当時は悔しさで身悶えしたのではと想像します。私でも直ぐに分かった結構な長さのカメオ出演シーンはクスッとさせられた出来栄えです。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 7点(2019-06-09 00:26:13)
8.《ネタバレ》 これがヒッチコック初のトーキー作品なんですか。あとから音入れをした(というか最初はサイレント映画として撮った)ということですが、確かに冒頭のシークエンス辺りは、これはサイレント映画なのかなといった画面展開のような感じがします。でもトーキー映画としてはまだ未熟な部分があるかもしれませんが、サイレント映画としてはこのジャンルとしては最高点に到達したといえる超絶的な技巧で、そのままトーキー移行できたのも当然という仕上がりだと思います。ストーリーテリングも完全にヒッチコック印で、単なるハッピーエンドで終わらないところも、後年の甘いロマンチックな作風のサスペンスよりシビアなところがあって興味深いです。ラストでまた出てくるちょっと不気味な道化の絵が、原罪を犯してしまったヒロインをあざ笑っているみたいです。 どうも今まで撮られたことはなかったみたいですが、現代の視点でリメイクして欲しいかなと思う次第です。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-31 23:41:26)
7.元々サイレント映画として撮られていたらしい。それが途中で刑事たちの会話が入ってびっくりした。サイレント映画の場合、印象に残る映像や心理状態すら音楽で表現する巧みな効果などが見られる。この映画もそうだ。ところが台詞が入るとどうもそっちの方に神経がいってしまって、せっかくの緊迫感が薄らいでしまったように感じられた。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 5点(2014-04-25 06:13:04)
6.例えば、灰皿のタバコを使って見せる時間の経過であるとか、電飾を錯覚してナイフに見せるとか、絵画やダラリとした腕の記憶であるとか、犯人追跡で見せる緊張感を煽るカットバックであるとか…、今日では当然であるような手法をヒッチコック監督は当時から正確無比に使っています。さらに初のトーキーであるものの、ただ台詞を話させるだけに留まらず、早速お喋りのおばさんにナイフと連呼させ脅迫観念を募らせたりと、常に効果的な方法を模索している感じが窺え、その発想力は凄いとしか言い様がありません。
ミスター・グレイさん [DVD(字幕)] 8点(2011-11-09 18:27:46)
5.《ネタバレ》 制作された年を考えれば、まあ致し方ない部分はあるものの当時としてはきっとかなりサスペンスフル(?)な出来で、ヒッチコックの記念すべきトーキー第一作(DVDパッケージより)ということを含みつついろんな意味で感慨深い内容であったかと思います。
Kanameさん [DVD(字幕)] 3点(2010-01-05 21:09:56)
4.サスペンスにしてはほぼ全くといっていいほど緊張感がない。殺人をするまでの前半が長く、そのわりに終盤にかけてがあっさりしている。ヒッチコックの映画技法は多少楽しめるが、面白くはなかった。
TOSHIさん [DVD(字幕)] 3点(2008-01-30 15:39:19)
3.大英博物館のシーンなどなど、ヒッチの源流を感じます。
みんな嫌いさん [DVD(字幕)] 5点(2007-01-03 20:15:45)
2.電話ボックスの内外など音の生殺に自覚的な作品ですが、殺人シーンにおいては殺される者の悲鳴や呻き声といった“音”を消すことで、殺した者の心理、臨場感を盛り上げています。そしてニョキッと出た腕と道化のような絵が視覚的に殺人者の心理を支配し、その緊張感に音がまとわりついてきます。大英博物館での追跡シーンは、後年の自由の女神やラシュモア山を想起させ嬉しくなってきますね~。ラストの絵はBlack Mailに添付された画像のようで、向けられた刃は彼女に、見る者に深く突き刺さり、差出人名を確認するとヒッチコックとなるのです。
彦馬さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-15 12:48:08)(良:2票)
1.録音状態がひどくて映画として楽しめるレベルじゃないですね。なんといっても台詞が聞き取れないレベルなのは致命傷です。これは日本語字幕はおろか英語字幕すらないDVDのせいなんですが、台詞以外にも音があったりなかったりするので、TVの故障かと思いました。古い映画を楽しむためには、映像効果や効果音をある程度は我慢する必要がありますが、これはちょっとひどすぎでした。主演の女の子は(二の腕が逞しかったけど)可愛かったです。
USS_Barcelonaさん 3点(2004-02-09 17:19:38)
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【点数情報】

Review人数 11人
平均点数 5.64点
000.00%
100.00%
200.00%
3327.27%
419.09%
5218.18%
600.00%
7218.18%
8218.18%
919.09%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review1人
2 ストーリー評価 6.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 2.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人
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