あおげば尊しのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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あおげば尊し

[アオゲバトウトシ]
2005年上映時間:82分
平均点:6.22 / 10(Review 9人) (点数分布表示)
ドラマ小説の映画化
新規登録(2007-03-21)【TM】さん
タイトル情報更新(2013-10-21)【イニシャルK】さん
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監督市川準
キャストテリー伊藤(男優)
薬師丸ひろ子(女優)
大倉孝二(男優)
絵沢萠子(女優)
加藤武(男優)
麻生美代子(女優)
山中崇(男優)
原作重松清「あおげば尊し」(新潮社刊「卒業」より)
脚本市川準
音楽岩代太郎
プロデューサー鍋島壽夫
美術山口修
録音橋本泰夫
照明中須岳士
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【クチコミ・感想】

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9.《ネタバレ》 市川準監督初期の三作品『会社物語』『ノーライフキング』『病院で死ぬということ』、その集大成のような映画である。俳優とは無縁のイメージのテリー伊藤だが、彼の無造作なたたずまいがなんともいい。そして劇中の役柄さながらに真摯に内助の功に徹するプロフェッショナルな薬師丸ひろ子がまた、いい。二人が寝室で会話するシーンが印象的だ。それぞれベッドに横たわる二人を両端に捉えたカメラはやがて薬師丸をゆっくりと画面から外し、沈思黙考するテリーのその姿だけを延々と捉えようとする。天下の薬師丸ひろ子をぞんざいに扱うかのようなそのカメラワークはしかし、素人ながら一人画面を支えるテリー伊藤に立派にその大役を務めさせ、なおかつ画面から外れてもなおきちんとそこに在りつづける女優薬師丸のその控えめでいて見事な存在感をも、あざやかに写しとっている。人の死を捉えるこの物語は、当たり前のこととして陰鬱だ。薬師丸ひろ子が語るように、本当に悲しむ人間以外は、死に向き合ってはいけないのだ。この映画が観るものを限定するほどに重く厳粛なのはそういうことだ。そうして市川は最大の敬意をもって死を描く。およそ市川準らしからぬ声高に涙を誘う葬儀の場面は、それでいて同時に限りなく市川準らしい。デビュー作から一貫して、まるで道ばたの樹々のように街の風景に溶け込みひっそりと生きるそんな人々を描く彼が、いつもそこにかさねて見せるのは、世界から忘れられたその樹をそれでも決して忘れることなくじっと見守る人々がいる、そんなささやかな光景だからだ。裸の蕾を冷たい雨に打たれやがて咲き誇る梅の花、それを待ち望み慈しむまなざし。それは常にどこか乾いた距離をとりつつも、静かな愛情をもって主人公たちを見つめる市川準の視線そのものでもある。梅の花を決して忘れなかったものたちが斎場のそこここに集うさまは感動的だ。暗転に続くエンドロールは、死にゆく老人を演じた名優加藤武の、劇中ほとんど表情もなく寝たきりであった彼が闊歩する、その在りし日の後ろ姿だ。すれ違う生徒たちとさよならの挨拶をかわすその背中に、最後まで教師として生きそして見葬られる彼の、襟を正したその美しい生き様がかさなる。生徒たちは歌う。今こそ別れめ、と。いざさらば、と。あおげば尊し我が師の恩。すばらしい歌だ。心をこめて手向けられるこの歌はこんなにも哀切で、そしてこんなにも美しいものなのか。
BOWWOWさん [DVD(邦画)] 8点(2009-11-25 10:00:02)
8.《ネタバレ》 死=タブーな学校教育のなか、生徒と真摯に向き合い、戸惑いながらも実際の死に触れさせようとする教師の姿には、妙に納得させられました。何事もそうだけど、近づいてみて観察することの方がより理解を深められるのは明白です。慣らすというと語弊があるかも知れないが、自身の感情をコントロールする意味でも、死の予習があってもいいような気がする。堤防で見つけたグズグズのエロ本を、ダンゴ虫を掃いながらめくっていた時代ならいざ知らず、これだけの情報に晒されながら成長する子供たちには、常に身のまわりのアナログ世界を認識させておく必要があると思うし、死に対する無防備な感情(思考)をじわじわといたずらに麻痺させてゆくことのできる感覚的情報世界との境界をつくるためにも、早いうちから死を教え、知っておくべきなのかも知れない。そんな風に考えてみると、この作品はとても有意義に思えました。市川監督らしい、晴れた冬の日のような澄んだ映像に彩られた、実に奥深い作品です。しかし、このタイトル曲が歌われなくなった現状からすると、まだまだ学校教育は難しいのかも知れませんね。
カリプソさん [DVD(邦画)] 7点(2008-12-05 00:17:39)
7.《ネタバレ》 自然な空気感、繊細なカット割りは流石です。棒読みで下手するとぶち壊しかねないテリー伊藤を、ギリギリの台詞廻しで使いこなし、魅力的な主人公として描いています。余計なものの様な会話や出来事も、全て観客を映画の世界に引き込んで、テーマへと向かわせてくれる、繊細で秀逸な映画でした。自分の子供に生と死を教える時に見せたい一本。
ポテサラ頂戴さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-03 10:51:28)
6.テリー伊藤が意外にもはまり役だったと思う。芸能界のジャンクな部分の象徴のような彼が、こういう静謐な演技を見せるとは意外だったが、妙にリアルな存在感があった。ざっと流し見した後、小学校高学年の子供と一緒に改めて観た。大人には若干退屈かも知れないが、この年頃の子向けの道徳の教材としては秀逸だと思う。
lady wolfさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-07-21 08:38:33)
5.《ネタバレ》 入江雅人さんに泣かされた。
エムラ兄妹さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-20 00:04:02)
4.いい内容とは思う。だけど題材が好きになれない。観ても気分がよくなるわけではないし何のために作品を作ったんでしょうかね。
たかちゃんさん [CS・衛星(邦画)] 1点(2008-02-24 20:18:49)
3.原作を読んで映画を観たんでテリー伊藤が主人公に合ってないような気がしました。映画としては丁寧に作られている印象で出演者の演技もいいですがテーマがテーマだけに淡々と進んで、盛り上がりとかが無いんで時々退屈になります。
ポドルスキさん [DVD(邦画)] 5点(2008-01-25 20:43:00)
2.《ネタバレ》 テリー伊藤が初主演ということで、違う意味で期待して、冷やかし半分で観ることにした。
でも、初主演とは思えないテリー伊藤の好演ぶりに正直関心した。
死をテーマにした重い映画だが、とても考えさせられるものがある。
自分の教え子に、末期ガンにかかった自分の親に接しさせることで「命の重さ」を伝えようとする。
教師という立場上問題があるが、ここまでして何かを伝えようとする姿勢を評価したい。
茶畑さん [DVD(邦画)] 6点(2008-01-25 20:02:17)
1.《ネタバレ》 良い映画でした。テリー伊藤と薬師丸ひろ子がまるでドキュメンタリーのように自然な演技を見せていて、作品の世界にすぐ入り込むことが出来ました。
まあ、親の死というものはいずれ必ずやって来る訳で、結構真剣に考えさせられました・・・・・。

ただ、この作品の中で問題視されていた小学生が死体などグロテスクなものに興味を持つ事については、今に限った事ではないですよね。我々が小学生の頃も、インターネットは無かったけれど、ホラー映画やマンガとか流行ってましたからね・・・(みんな残虐であればあるだけ面白がって見ていましたし。)。

実際、学校で「死」について教わることなんて殆どない状況(せいぜい、命を大切にしようと言う位でしょう。)で、子供たちにただ「死体を見ちゃだめだ」といっても、逆に好奇心を煽るだけでしょうから、テリー伊藤が取った方法(実際に死というものを見せる)も有りなんじゃないかと個人的には感じましたね。
しかし、「仰げば尊し」という曲は素晴らしいですね。
TMさん [映画館(邦画)] 8点(2007-03-23 18:29:20)
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【点数情報】

Review人数 9人
平均点数 6.22点
000.00%
1111.11%
200.00%
300.00%
400.00%
5111.11%
6222.22%
7222.22%
8333.33%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 5.00点 Review1人
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