未知への飛行のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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未知への飛行

[ミチヘノヒコウ]
Fail-Safe
ビデオタイトル : 未知への飛行/フェイル・セイフ
1964年上映時間:112分
平均点:8.07 / 10(Review 55人) (点数分布表示)
ドラマサスペンス戦争ものモノクロ映画政治もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2018-12-23)【イニシャルK】さん
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監督シドニー・ルメット
助監督ハリー・フォーク
キャストヘンリー・フォンダ(男優)米国大統領
ダン・オハーリヒー(男優)ブラック准将
ウォルター・マッソー(男優)グローチェル教授
ラリー・ハグマン(男優)通訳バック
フランク・オーヴァートン(男優)ヴォーガン大将
ドム・デルイーズ(男優)コリンズ軍曹
ダナ・エルカー(男優)フォスター
エド・ビンス(男優)グラディ大佐
フリッツ・ウィーヴァー(男優)カシオ大佐
チャールズ・タイナー(ノンクレジット)
有本欽隆米国大統領(日本語吹き替え版【DVD】)
楠見尚己ブラック准将(日本語吹き替え版【DVD】)
佐々木梅治グローチェル教授(日本語吹き替え版【DVD】)
原作ユージン・バーディック
ハーヴェイ・ホイラー
脚本ウォルター・バーンスタイン
撮影ジェラルド・ハーシュフェルド
製作コロムビア・ピクチャーズ
製作総指揮シドニー・ルメット(共同製作総指揮)
美術アルバート・ブレナー(美術監督)
衣装アンナ・ヒル・ジョンストン
編集ラルフ・ローゼンブラム
字幕翻訳高瀬鎮夫
あらすじ
時は冷戦。核の自動報復装置が配備されている中、機会が故障を起こし、モスクワ爆撃指令が核を搭載した戦闘機に出される。故障に気づいたときにはすでに遅く、戦闘機を呼び戻すすべはなかった・・・核の恐怖をシリアスに描いた、傑作ポリティカルサスペンス
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55.《ネタバレ》 前半はすこしだるい演出。
しかしこれが後半効いてくるんだから見事な演出。
それにつけてもヘンリー・フォンダの演技の素晴らしさよ。
「十二人の怒れる男」と同様、密室でのソ連書記長とのやり取りは息を飲む臨場感だった。
モスクワが消えたことに対する償いとして、ニューヨークに自ら核を落とす。
核戦争による人類の滅亡を防ぐ手段として、確かに他に手はなさそうだ。
しかし、なんと愚かな。
現在の映画なら、モスクワやNYに核が落ちるさまを映像にして観る者を絶望の淵に追いやるのだろうが、脚本と役者がちゃんとしてれば、そんなものは必要ない。
モスクワとのホットラインから伝わる核着弾の際の絶望感たるや、筆舌に尽くしがたい。
映画としてのクオリティはもちろん、核戦争のバカバカしさを考えさせられる映画。
いや、素晴らしい。
roadster316さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-01-02 19:09:33)
54.「博士の異常な愛情」の生真面目版とも言うべき内容。タラタラした序盤にウツラウツラしそうになったのをヘンリー・フォンダに活を入れられました。苦手な人ですが今作では魅入ってしまった熱演振り。ただ、彼の決断の無理筋さに白けたのは残念。
「博士の・・」には及ばない作品でした。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 6点(2023-12-06 23:13:51)
53.強烈な鮮烈な反戦メッセージや、国家というシステム自体への否定と捉えるべきなのでしょう。こういう事態の発生に備えるのではなく、事前に回避しなければならないよと。そして、国家は常に棄民策を取る、と。例えばアラスカを割譲するとか、それこそ全土占領を認めるとか、市民を犠牲にするのではなく国家が責任を取る選択肢は幾つもあるわけで。日本でも、太平洋戦争やフクシマでも民衆の犠牲は切り捨てられているような。今時点で言えば、フクシマからの避難者への住宅支援が打ち切られている。こうした今現在に身近で起こっていることを見据えて初めて、本作品の真価が理解できるのでしょう。最後に国側や軍は「起こりえない」と主張しているとう字幕が流されるますが、りゃそう言うだろう以上のものではないでしょう。何かの忖度?。
傲霜さん [地上波(字幕)] 10点(2022-12-04 11:15:12)
52.《ネタバレ》 似たような作品に「博士の異常な愛情(米国での公開は同じ1964年)」があるが、本当かどうかわからないが、脚本を書いた者同士は双方ともお互いの映画のことは知っていたらしい。あちらはコメディ。こっちはくそ真面目。
様々な問題で、この作品は日本公開が結構遅れたと言われている。

冒頭の闘牛の牛の夢。それが何を意味するのか。闘牛士の手によって牛に槍が突き刺さる。倒れ込む牛。
牛とは我々なのか? 闘牛士とは神なのか?それとも我々自身なのか?

いけ好かない教授がマッソー兄い ソ連に向かう爆撃機を見て、顔は落ち着いているが、なんとなくヒャッホー状態。
当然のごとく「いま、攻めるべきよ」といい、好戦派の将軍(なんとなくルメイ氏に似てる 知らない人は調べてね)が「やりましょうよ」という
「良識派」の軍人が「何を考えているんだ?」と問いただす がこの人が最後に命令されることが、、、

その中、通訳と二人で秘密の通信部屋にこもる大統領。事故であることを伝え、書記長に話すが、どこか少し軽めに話す。
が、その態度は相手と対応に柔らかく話すための作成。通訳の「雰囲気解説」がこの電話会談をさらに緊密なものにしてゆく。
脚本が良いねぇ
電話会談はさらに緊張をしてゆき、在モスクワ米国大使 ソ連国連代表 戦略爆撃指令室 ホワイトハウスの戦術会議室 そして爆撃機隊長機 と電話が順々につながって行き、緊張度が増してくる。

戦略爆撃指令室の内で、ソ連攻撃機撃墜で喜ぶ管制官 すかさず大声で叱る司令官 彼と電話相手の通訳将軍だけがその場の良識人であり、悲痛な指示を心を殺しあいながら出していたのだった。

爆撃機からの最後の通信。その時隊長の奥さんが話をするが、お話はもう結論が見え見え。周りの人物にも焦りはあるがあきらめが見え隠れする演出。

モスクワは「消えた」 アメリカの良識と謝罪と意志を示すため。NYへの爆撃を自国で行うという選択。
それはないがな他にアイデア無かったのか?
結局「戦死者の数」ありきなのか? 戦死者減らすために核を作ったという言い訳の裏書か?
そうぢゃないだろ? と被爆国の小市民は叫ぶが、物語は淡々と終了に向かう。

エンドクレジット前に「こんなことは今は起こらない」と言う但し書き出るけど、
クリムゾンタイドでもそんなの書いてあったけどなぁ
偶発核戦争は確かに起こっていないが、あわや寸前は数多くあるようだ
原子炉についてはもう言わずもがな だ

「十二人の怒れる男」との対比も考えれば面白い 正義とは真実 真実とは正義 が、この映画での真実・正義とは何なのだ?
と言う 密室劇 長いよ暗いよオネエチャンほとんど出ないよ

東欧で、東アジアで 核が出るや出ないやら の時代にゆっくり見ることをお勧めします

映画の続きを作るとしたら、どうなるんだろうねぇ
亜輪蔵さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-10-25 15:46:36)
51.《ネタバレ》 作品のテーマ、制作時期、その他のゴタゴタによって、『博士の異常な愛情』と比べられがちですが、刻一刻と迫り来るタイムリミットに向かってそれぞれがそれぞれの立場で足掻き続ける姿を克明に描いている辺りからの連想でいくと、「日本のいちばん長い日」なんかも思い出したりします(勿論、リメイク版ではない方)。
誤ってソ連への水爆投下命令を受け取った米軍爆撃機がモスクワへと向かい、米大統領ですらそれを止められない事態に。このままではソ連の報復により米ソが互いに全面核攻撃に踏み切り、いよいよ人類最終戦争が勃発するのか。
「いやいや、ソ連が報復すれば自らの破滅を招くだけだから、報復は不可能、よって何も問題なし」という謎のパラドクス。信じる気があればどんなことでも信じられるかもしれないけれど、問題は、何も信じられない、ということ。
映画は密室劇の様相を呈し、わずかな情報源といえば、壁のパネルに簡略表示される米軍機の様子と、モスクワと繋がったホットライン。
こちらが混乱しているように、電話の向こうでも混乱しているのだろうけれど、その様子は映画では直接描かれず、米大統領が感じるもどかしさを、映画を見る我々も共有することになります。
絶望的なまでにそこに横たわる不信感。相手を信じることより、相手に信じさせることの難しさ。我々は、「相手が自分を信じている」ことを、信じることができるだろうか?
さらには、アメリカが米軍機を撃墜せねばならない矛盾。ソ連が米軍機を撃墜することをアメリカが支援する矛盾。平和の代償はどんどん大きくなり、ついには。
ラストに出てくる、「こんなコトは実際には起き得ません」風のテロップ、これをここで出さなきゃならないということ自体に、かえって不安を感じてしまったり。
鱗歌さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-09-11 13:41:26)(良:2票)
50.《ネタバレ》 主にアメリカ政府の高官たちによる舞台劇仕立てになっています。しかし、この低予算な作りにして、そのスケールはあまりにも壮大。また全編通してソリッドな作りで、非常に硬派な映画だと感じた。 1964年当時、めざましく高度成長を遂げる軍事力のシステム化、そしてその成長に置いてきぼりになりつつある人間の頭脳と体制の限界、その歪みを鋭く捉えているように思う。もちろん、当時は現実の世界も米ソ冷戦の真っ只中であり、その時代性を鑑みても、本作の存在意義は大きい。 終始、怒号が飛び交う迷走ぶりのなか、米大統領 (H・フォンダ) と教授 (W・マッソー) の正反対ながらも人間臭い二人のキャラクターが印象に残る。 大きな混乱のなかで聞こえてきたやり取りに、こんな台詞があった。 「故障警報器が故障したと思われます」・・・大欠陥じゃないか (笑) 気づいた時にはもう手遅れというやつだ。システム設計における人間の盲点、また安全で完璧なシステムなど存在しないことを、とてもよく代弁しているように感じた。 ・・人間もシステムも完璧がない、だから何が起ころうとも、それは「必然」かもしれない。
タケノコさん [DVD(字幕)] 8点(2020-09-23 17:01:30)(良:1票)
49.《ネタバレ》 「博士の異常な愛情」とそっくりな事象を扱っているのに、態度が真面目か、皮肉を交えるかでこうも違うんですね。
苦労してパイロットとの直接交信にこぎつけたのに、「口頭での命令変更は受け付けない!」と拒否されるなんて
本当にあるんでしょうか。大統領相手なのに!恐ろしい・・・。
次郎丸三郎さん [DVD(字幕)] 7点(2019-10-09 22:48:19)
48.《ネタバレ》 ソ連との戦争が人類の破滅に直結すると言う危機感を世界が共有していた時代の作品。「機械」の誤作動を正そうとする「人間」のフェイル・セイフ機構が結局働かず、最後のミニマムダメージの選択が「ニューヨークに自国の爆撃機で水爆を落とす事」というのが余りにも悲しい。「論理的に最良の選択がこれなのです」という厳しいメッセージを当時の米国市民達はどのように受け止めたか。最近の米国における、安易なロシアとの敵対をあおる風潮に危惧を感じます。もう一度世界、特に米国民はこの作品の重み、何度も人類を滅ぼせるだけの核を持っている自分達への厳しさを確認するべきだと思います。
rakitarouさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-04-09 23:05:59)(良:1票)
47.《ネタバレ》 とてもシリアスかつ硬派な映画でルメット監督さんらしい。娯楽性は全くないが機械によって始まってしまう戦争・殺りく兵器の恐ろしさを確信犯的な映像構成でみせた手腕はやっぱりスゴイ。そして別の面から描かれた、何を言ってもきかない任務を遂行することに一直線な軍人=訓練された人間はもう人の心を失ってる姿を映し出す・・・いろいろな恐ろしさを描いた秀作でゴザイマシタ
Kanameさん [DVD(字幕)] 7点(2015-11-04 07:46:41)
46.《ネタバレ》 この時代、アメリカ映画界にまだ良心が残っていた時代かなと思わせる内容。
アメリカ大統領にヘンリーフォンダですね。この役は、彼しか出来ないかもしれません。
現実のアメリカ大統領より、人間として信頼される人しかリアリティが出せない役。
映画の中で、教授が先制攻撃をかけるべきとの発言に対し、准将の「先制攻撃する側の方が、生きる価値があると
言うのか」との反論は、現在、安保法案で先制攻撃できる国になろうとしている日本に対するメッセージかもしれない。
モスクワに水爆を発射したパイロットは最後まで人の声を信じず、機械の命令に従った。
そして水爆が爆発したときの高音が、絶望の音として耳に残ります。この映画を作った人々に敬意を払いたい。
cogitoさん [DVD(字幕)] 9点(2015-08-12 00:33:19)(良:2票)
45.いい映画なんだけど
つくりがクソ真面目すぎて、少し退屈。
aimihcimuimさん [DVD(吹替)] 6点(2015-06-28 07:35:05)
44.《ネタバレ》 怖い映画。今になって見るとほぼほぼ有り得ないマシントラブルだけど、事実は小説よりも奇なりと言うように何が起こるかわからないのもまた事実。高音の「キーーーーーーン」が流れたときの絶望感たるや。
悲喜こもごもさん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-21 22:53:52)
43.《ネタバレ》 人間が如何に愚かな生き物なのか?自分の事しか考えていないか?という強烈批判が伺える。一億人の命が危ない。6000万人を救う為には残りの4000万人には悪いが犠牲になってもらうというウォルター・マッソ-の台詞は国の為なら人の命なんて何とも思ってないという不愉快極まりない人物像からは国民の気持ちなんて無視している姿しか浮かばず、腹が立って仕方ない。その一方で国の安全、国民の安全を真剣に考えているヘンリー・フォンダの大統領の苦悩が凄く伝わってくる。敵のミサイル、兵器、戦いに対してどうするか?皆の意見を聞きたいと会議の場に集まる人間に決定は私がするが諸君の助言が欲しいと答えを求める姿は国のトップとしての本来あるべき姿である。国のトップであるならば何よりも国の安全だけでなく国民の全ての人々を守る為にはどうするか考えるべきだというシドニー・ルメット監督のアメリカに対する思いの強さと人間としての本来あるべき良心を感じることができる。こういう映画こそ地球上の全ての人間に見て欲しい。そうすれば戦争なんて如何に馬鹿げているかてことが解るはずだ。
青観さん [DVD(字幕)] 9点(2013-08-13 19:31:56)(良:2票)
42.核戦争の恐怖を描いたものは作品は結構あるけど、これはなかなかの力作。
両首脳のホットラインでの交渉がリアル。
アメリカ大統領の決断は実際には大批判を浴びるようなものだが、一番現実的な妥協案でもある。
それにしても、邦題と映画の内容がまったく合っていない。
結構いいかげんなものなんだな。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 7点(2013-07-08 22:19:34)
41.《ネタバレ》 この作品がすごいのはたぶん作品の中で
本気で問題提起が行われるからであろう。
兵器とは悲劇しか生まない。
機械や兵器の威力はすでに人間のコントロールの範疇を超えている。
それを人間が持つこと自体が間違ってるのではないか。
抑止力として兵器を持たねば維持できない国どうしの関係、対話。
もう悲劇の結末がすぐそこに見えているかのようだ。
ゴシックヘッドさん [DVD(吹替)] 9点(2013-03-12 20:51:46)(良:1票)
40.《ネタバレ》 あえて限られた密室内で世界規模の危機を描くという手法に挑み、それを貫き通した心意気は称賛されるべきだが、やっぱり、導入部の単調感が何となく後まで引きずって、描写対象の重大さの割に、手法が説明的になってしまってるんだよね。終盤の反則的なほどのインパクトでかなり回復しているとは思いますけど。
Oliasさん [DVD(字幕)] 4点(2013-03-07 00:57:28)
39.《ネタバレ》 怖い映画です。誰しも戦争は怖いものだと思っています。しかし怖いと思わずに、戦争したくてしょうがない人が登場しています。核という、人類がコントールできないくらいの大きな力の恐怖も描かれています。命令系統の複雑さや、制御不可能な機械化人間の行動、そういった恐怖も描かれています。結論から考えると、誰だって戦争なんてしたくないはず。双方でどれだけの犠牲がでるのか考えれば分かることです。しかし、そうは単純にいかないんですね。
VNTSさん [インターネット(字幕)] 6点(2012-12-03 20:04:26)
38.一つ間違えは世界戦争、地球崩壊になりかねないだけの原水爆がボタン1つで乱れ飛ぶ、そういう恐ろしさを後世に伝える映画である。映画は低予算のモノクロ映画でありながら、迫真迫る演技と演出によって、その怖さを見事に描いている。
同年に製作されたキューブリック映画とは違い、正真正銘、正攻法1本のシリアスな映画だ。特に大統領と通訳二人だけ(相手は見えない)のシーンがすばらしい。
この映画は同年に制作されたキューブリック映画とは違い、日本公開が18年も遅れてしまったが、被爆国日本としてはそれほど強烈な影響を与える映画だったからかもしれない。
ESPERANZAさん [映画館(字幕)] 9点(2012-05-10 21:32:03)(良:1票)
37.《ネタバレ》 核兵器の悲惨を描くのではなく、その「恐怖の均衡」という発想の狂気を描く。この均衡が崩れかけたとき、全面核戦争を回避するためにはどういう「最少の犠牲」が必要になるのか。丹念に不信の構造を見せつけられると、ラストの大統領の決断が突飛でなく、いやメチャクチャ突飛なんだけどこうする以外証明できないんじゃないか、と思わせられる、そこのところが怖い。大局的な世界にひたっていると、ニューヨークという大都会でも、全体を救うための「小さな犠牲」になってしまう。この恐ろしさ。その「最少の犠牲」の大きさに、核の均衡という発想の狂気、そもそもの核兵器を所持しないと不安でいられないところまで来てしまった軍事力に頼る人類の病理、がはっきり感じられた。戦争が終わると国家はいつも「犠牲者は平和への尊い礎です」と黙祷するだけで、その「礎」は戦争が繰り返されるたびに大きくなっていった。そしてこの映画ではニューヨークという都市がそうなる。なんかツインタワービル跡地のモニュメントを皮肉に予言したような映画でもあるな。冒頭にW・マッソーの教授がちらっと見せた黒い心、利益とか権力とかを別にして純粋に核戦争を望む心が存在するということのリアリティ、これはあまり突っ込まれてはいなかったけど大事なテーマで、これを観たときはまだ存在しいていなかったが、オウム真理教なんかを予告してたんじゃないか。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-01 09:50:32)(良:1票)
36.《ネタバレ》 先日亡くなられたシドニー・ルメット監督追悼レビュー。確かこの映画って、長い間未公開で、丁度自分が映画ファンになった1982年か83年あたりに日本では初公開された記憶があります。今これを観てどうのこうのって意見を言うより、冷戦真っ只中だった製作当時のアメリカでの反響がいかばかりだったのかって興味がありますね。言ってしまえば「双方痛み分け」でのH・フォンダ扮する大統領苦渋選択の結末が、いかにもこのリベラル派の監督さんらしいなと。遺作「その土曜日、7時58分」の邦題を付けた担当者の方は、この作品のファンだったんでしょうか?何故かDVD化されてないこの監督の第二作目「女優志願」が、もう一回観たいなあ・・・。
放浪紳士チャーリーさん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-04 20:52:26)
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【点数情報】

Review人数 55人
平均点数 8.07点
000.00%
100.00%
200.00%
311.82%
411.82%
523.64%
635.45%
7814.55%
81629.09%
91527.27%
10916.36%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.60点 Review5人
2 ストーリー評価 7.20点 Review5人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review3人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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