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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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261.  ゴースト・イン・ザ・シェル 《ネタバレ》 
そこはかとない敷居の高さを察知し、原作漫画もアニメ映画も未見です。最近本サイトで作品登録が必要なマイナー映画ばかり観ていたため、たまにはメジャーな映画も観ようと本作を選んだ次第。ド迫力ボディスーツの少佐がデザインされた劇場ポスターは承知しておりましたので、スカヨハの恵体(こんな熟語を書いたらダメだな)を拝めれば御の字くらいのつもりでしたが、なかなかどうして、面白いじゃないですか!未来の世界観の構築は見事ですし、『甲殻機動隊』の代名詞ともいえる『迷彩』表現も素晴らしいです。視覚効果で、ある程度の満足感を得られるのは大作SF映画の強みであります。タイトルでありテーマでもある『ゴースト(魂)とシェル(魂の器)』については、難解な哲学思想(きっとこれが敷居の正体なり)に踏み込まず、主人公のルーツ探で帰結しているため、私のような物知らずでも安心して楽しめる仕様でした。とはいえ、逆に言うなら浅瀬で遊んでいるようなもの。原作世界が持つ奥深さを味わうためには、原作漫画なりアニメ映画の鑑賞が必須なのでしょうが、本作が甲殻ワールドの入り口として機能している作品かどうかは分かりかねます。それにしても北野武は、自身が監督出演する映画以外では全く輝きませんね。魔訶不思議。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-08-25 19:48:36)
262.  マッド・ナース 《ネタバレ》 
脚本の質、演者の面子、映像表現等々、いわゆるB級カテゴリーで間違いありません。ただ、捨て置けない魅力があるのも事実。その一つは主演女優さんのキャラクター造形にありました。巷ではTVドラマ『M-愛すべき人がいて』の田中みなみ譲の役作りが話題ですが、それに通じるような正確かつ特濃な味付け。悪くて、エロイ。発注どおりの妖艶な悪女ぶりに感心しました。主演女優のお名前は、パス・デ・ラ・ウエルタさん。エキゾチックな顔立ちは、いわゆる正統派の美人顔とはまた異質な印象。それでいてスタイルはプレイメイト級。シリコンではなく天然もの(ですよね)のオッパイが素晴らしい。髪量も多いんだなあ。気になるなあ。杉本彩さんを3日間陽の当たらない蔵に閉じ込め(でもご飯は腹いっぱい食べてもらい)、料理スキルを抜いた感じとでも申しましょうか。ちなみに、本作の撮影中に負った怪我の賠償で66億円を請求したとか。こちらも濃いですなあ。なお、私は日本語吹替え版を鑑賞したのですが、声が大堀恵さん(元AKB48、SDN48)としか思えなくて。いつ『イチャまんグランプリ』(@ゴッドタン)の名台詞「元気ね~」が飛び出すかと勝手に冷や冷やしておりました。※調べたところ、実際の声優はキュア・パッションさんでした。もう一つの長所はクライマックスの傍若無人展開。当初掲げていたはずの信念や理念は何処へやったの?と問い詰めたくなる、やりたい放題です。本来はマイナス査定ですが、突き抜ければむしろ爽快感さえあり。「ご利用は計画的に」とはよく耳にしますが、これは返済する気のある一般人向けの話。そもそも返す気がないなら、限界まで借りて豪遊すりゃあいいんですものねえ(何のこっちゃ)。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-05-15 19:54:30)(良:1票)
263.  イット・カムズ・アット・ナイト 《ネタバレ》 
『家族のために』は魔法の言葉。おそらく人類史上、最も汎用性が高く、最も魅力的で、最も強力な行動原理となりうる概念と言えましょう。『惚れた弱み』『お国のため』『神のお告げ』なんて目じゃない最強呪文と考えます。当然ながら、免罪符としての効果は覿面です。例えば、空き巣狙い、万引き、病院立て籠り。“家族を守るため”という枕詞がつくだけで、犯罪行為が感動ドラマに早変わりするではないですか!しかしその一方、完璧な正義や、圧倒的な肯定力は、両刃の剣でありました。使い方を間違えると、とんでもないしっぺ返しを喰らう羽目に。坂道を転がるが如く、一直線に最悪の結末へ進む物語に震えました。それは主人公が思考を停止させ、可能性や選択肢を排除していたからに他なりません。我に正義ありと確信のある時ほど、自身の姿を省みる必要があるのかもしれません。予備知識も無かったため『モンスター映画』か『ゾンビもの』と高を括っていたところ、超シリアス鬱ドラマで、大いにへこみました。鑑賞の価値のありの見応えある作品ですが、緊急事態宣言が発出しているこんなご時世にわざわざ観る映画ではなかったと後悔しております。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-04-10 19:24:18)
264.  アルカディア 《ネタバレ》 
いきなりネタバレしています。ご注意下さい。  本作で採用されているSFギミックは、限定空間における時間のループ。特徴的なのは、集団(場所)によってループの間隔が異なること。数日(特定できませんが3日以上?)から、最短数秒(!)と幅広いです。恐らく死がループの終点としてセーブされる仕組みなのでしょう。脱出を試みて失敗した分だけ、ループ間隔が狭まる危険性あり。となると、下手に抗わずループ間隔を確保する方が、快適な生活を送れるワケです。ものは考えよう。衣食住足りて、病気の心配もなく、永遠の若さを保てると捉えるならば、そこは理想郷(=アルカディア)なのかもしれません。ですから囚われの身になろうとも、弟が村に残りたいと希望したのも無理からぬ話。それほどまでに、兄弟の現実は辛く厳しいということ。しかし、自由なく、成長なく、未来に対する希望のない場所に、幸せはあるのでしょうか。少なくとも“生きる”とは、自由や成長を欲し、未来に希望を持つこと。この場所を統べているのが神なのか宇宙人なのか分かりませんし、天国か地獄かも判然としませんが、いずれにせよ生きている人が居てよい場所ではないでしょう。ループ空間から脱出直後の兄弟のやり取りが秀逸です。たとえガス欠でも走り続けよう。今までだってそうだった。でも意外と走れるものなのよ。クソみたいな現実を生きていく為に必要なのはバイタリティ。そして生き方を自分で決める主体性。己が人生と向き合う覚悟ができた兄弟は、しぶとく現実を生き抜いてくれるはずです。もちろん彼らの置かれた状況は、以前と何ら変わりません。進む道の傍らには、あの杭が無数に見てとれます。そう、ループに入るのは簡単なこと。私たちは何時だって、死と隣り合わせに日々を生きているのですから。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-01-20 19:26:48)
265.  ペット 檻の中の乙女 《ネタバレ》 
いわゆる“監禁もの”ではありますが、胸糞指数は低めです。一般的なサスペンスとしてお楽しみいただけるかと思います。以下ネタバレ含みます。  本作は被害者の立場で恐怖を味わうケースでもなければ、サイコキラーが主役でもありません。いや、どっちものパターン。途中で視点が切り替わるばかりか、加害者と被害者の立場も入れ替わるトリッキーな仕立て。なかなか凝ったつくりで見応えがありました。そんな中、特筆すべきはキャラクター造形の素晴らしさ。リアリティー抜群で腹立たしいくらい。そう、主人公の馬鹿っぷりがリアルなんです。皆さんの周りにも居ませんか?この手の困ったちゃんが(私の周りでは、『ちょっとちょっと』と言います。ザ・たっちか)。ごく最近まで同タイプの同僚に頭を悩まされました。仕事が出来ないのに、当人はその事実に気付いていません。高い自己評価もミステリー。ある意味本物なワケです。本作の主人公もまさにそう。監禁する場所も確保出来ていないのに、一体何をしてくれているのでしょうか。最悪なのは相手の方が一枚も二枚も格上だったこと。時給9ドルに甘んじているボンクラに、シリアルキラーの監禁洗脳なんて大仕事が手に負えるはず無いんですよ。それが解らないから馬鹿なのですが。迷惑するのは巻き込まれる周りの方々。同僚のおデブさんは、本当にお気の毒なことでした。これ以上書いても、元同僚に対する愚痴で埋まりそうなので、この辺りで切り上げておきます。話は変わりますが、彼女はノーメイクの方が美人ですね。
[インターネット(字幕)] 7点(2019-12-25 19:26:29)
266.  トランセンデンス(2014) 《ネタバレ》 
究極のIOT(インターネットオブシングス)、シンギュラリティ(人口知能の技術的特異点)がもたらす人類にとってのネクストステージとは一体どんな世界か。同じテーマを扱う『ターミネーター』と比べると、その技術進化のスケールは、本作の方が二歩も三歩も先を行きます(製作年が違いますから当然ですが)。特徴的なのは、単に“人類滅亡”の恐怖を描くのではなく“人類の進化”を提示した点。ナノテクノロジーの恩恵は、“何かを手放したとしても”手に入れたくなるほど魅力的なものに思えました。人としての幸福と、人が人であることの証明。どちらを優先させますか?いやー考えれば、考えるほど面白いです。かなり興味深く観させていただきました。満足度は高めですが、最終的に“夫婦の愛”に落とし込むあたりは、やや陳腐な印象を受けます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-11-10 00:58:31)
267.  マザー!(2017) 《ネタバレ》 
ネタバレ厳禁映画であり、難解映画であり、問題作でもある本作。鑑賞後にお読みいただければ嬉しいです・・・  ・・・日本公開が中止されたとの情報、およびジェニファー・ローレンスのポスター(肖像画verはともかく、心臓差し出しverは強烈!)で、期待を膨らませて本作を鑑賞いたしました。率直に言いまして、スゲエなあと。不穏なサスペンス調から、ラストは怒涛のカオス展開。まるでドリュー・ゴダード監督の某作品(『○ャ○ン』)が思い起こされます。さて、本作は明らかなメタ映画。正解はすでに先輩レビュワー様が提示しておられますので、私は私なりの別解釈を試みてみましょう・・・森の一軒家に住む歳の差夫婦。夫の方は物書き(小説家?詩人?)のよう。夫人は出版社の女社長?から「インスピレーションさん」と呼ばれておりましたね。ということは、赤ちゃん=物書きとインスピレーションさんの間に生まれたもの=『作品』と見て取れます。さらに言うなら、インスピレーションさんの心臓=クリスタルのような光る宝物=作品=栄光(世間の評価)とも言えそうです。芸術家の創作した作品は、世に出た瞬間に、自分のものであって、自分のものではなくなります。小説でも、絵画でも、映像作品でも、何でも。それが芸術作品の宿命。優れた作品は、社会の共有物となります。人々に熱狂的に愛されることもあれば(まるでカルト教団のように)、激しい批判にも晒されることもあります(それはまるで戦争)。その様子をメタファーとして表現した映画だと感じました。私の解釈は間違っていたようですが、受け取り手の解釈次第で“生まれ変わる”のも芸術作品の楽しみ方のひとつと考えます。サスペンスとしての雰囲気は抜群ですし、理不尽に我が家が占拠されていく様は、得も言われぬ恐怖を感じました。終盤の展開があまりに無茶苦茶なので、困惑すること頻りですが、良くも悪くも振り切れている作品は嫌いじゃありません。
[DVD(吹替)] 7点(2018-08-15 19:22:47)(良:1票)
268.  激流(1994) 《ネタバレ》 
“逃走中の強盗に脅されながら、大自然の中を川下り”という、トリッキーな設定を有するサスペンスは、恐怖度1コワの甘口仕様で家族揃って楽しめる娯楽作品でした。ハイライトは、ガントレットと呼ばれる激流をゴムボートで乗り越えるシーンで、普通にアクティビティを楽しむ感覚。ノーCGの迫力ある画が楽しめますが、クライムサスペンスのハラハラドキドキとはまた別の種類のもで、ネイチャーアドベンチャー要素の比率の方が遥かに高いと考えます。それにしても、途中から別行動となったお父さんの動きが謎過ぎました。家族救出を試みるなら、(絶対に越えられないと散々アナウンスしていた)ガントレットの前じゃなきゃ駄目なんじゃないでしょうか。まあ、そのあたりも“お約束”と捉えて、ゆるく楽しむのが正しい観方なのでしょう。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-02-25 22:58:16)
269.  ソルト 《ネタバレ》 
最早ハリウッドいち女スパイ役が似合う女優、アンジェリーナ・ジョリー。派手過ぎる顔立ちは、決してスパイ向きとは思えませんが。さて、ストーリーの方は二重スパイの嫌疑をかけられた主人公の逃亡劇をメインとしたサスペンス。そもそもハズレの少ないカテゴリーではありますが、ミスリードが上手く、それでいてヒントもフェアに出されており、脚本は上質だったと思います。展開にメリハリもありましたし。ただしヒロインの無敵感は、やや過ぎたかもしれません。これなら、エイリアンVSプレデターのノリでイーサンハントVSイヴリン・ソルトもアリじゃないかと思ったりします。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-02-15 00:23:53)(良:1票)
270.  ドクター・ストレンジ 《ネタバレ》 
小難しい理論は差し置いても、この映像美は大ご馳走。折りたたまれるビル群、歪む次元、私たちの知る法則の外の世界。映画館の大スクリーンで鑑賞したら、さぞや楽しめた事でしょう。それにしてもティルダ・スウィントン。『コンスタンティン』の大天使役のときも感心しましたが、年齢性別を超越した存在感は素晴らしいですね。折角魔法を題材とした物語ですから、よくわからない念の縄みたいな攻撃だけでなく、様々な種類・属性の魔法を見たかった気がしますが、続編に期待ということで。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-01-10 18:21:15)
271.  ジャスティス・リーグ(2017) 《ネタバレ》 
映画の日に劇場で映画を観ないワケにはいかないと本作を鑑賞(スミマセン。つく必要のない嘘をつきました。たまたまです)。物語の背景は知りません。関連作品では『マン・オブ・スティール』を観たくらい(後から調べて関連を知りました。もち偶然です)。でも支障はありませんでした。何故ならストーリーはオマケみたいなものだから。”皆で協力して敵を倒しましょう”という目的さえ理解していればOK。『プリキュアオールスターズ』や『仮面ライダー・戦隊もの大集合』と同じお祭り映画との認識です。(注:ただし『バットマンvsスーパーマン』は観ておいた方がいいかも知れません。本作の前日譚にあたりますので、BvSの結末がネタバレしています。)本作のメインディッシュは、バトルアクション。その観点で充分な満足度を得たなと。スピード感、重量感、戦闘の視認性、破壊のカタルシス、どれも標準以上。足りないのは、”痛み”くらいでしょうか(キャラの能力にばらつきがあるため、その攻撃でどの程度のダメージを受けたのか?が解りにくいです)。劇場の大画面と重低音で体感するタイプのアトラクション映画でした。『2012』とか『インディペンデンス・デイ』と同様のディザスター映画の側面もあります。それにしても、ダイアナちゃんが魅力的なこと。知的な大人セクシー。最強で最高です。後れ馳せながら、『ワンダーウーマン』も観ることにしますね。(以下余談)スーパーマンが横綱級としたら、ワンダーウーマン、アクアマンが関脇、サイボーグやフラッシュが十両ってとこでしょうか。バットマンは、序二段?谷町?パワーバランスが取れているような、取れていないような。このアンバランスの妙が、本シリーズの魅力かもしれません。
[映画館(字幕)] 7点(2017-12-05 00:24:10)
272.  ガール・オン・ザ・トレイン 《ネタバレ》 
“アルコール依存症に由来する記憶の曖昧さ”を犯人捜しミステリーのギミックとする手法は、決して目新しいものではありません。多少捻くれた見方をするならば、主人公が自身を疑うに足る怪しい状況であればあるほど、逆に主人公はシロなんだろうなと勘繰るワケです。かといって、裏をかいて“やっぱり主人公が犯人でした”ではツマラナイので、ある程度筋書きが見え隠れしても、なお観客を惹きつけるだけの魅力が作品には必要だと考えます。本作からミステリーの要素を排すると、それはもうドロドロの愛憎劇。あっちで不倫、こっちで不妊、至る所にトラウマ地雷。幸せな人が誰も出てこないという(苦笑)。とことん人間の業の深さを描きます。とっても濃いです。お話も役者の顔も。これは、これで見応えがあったなと。ネタバレを考慮して結末はボカしますが、ハイライトは今妻の“ダメ押し”でしょうか。エグいっすねえ。ポップコーンとコーラを片手に観るような映画ではありませんので、ご注意ください。
[DVD(吹替)] 7点(2017-09-15 22:21:07)(良:1票)
273.  ドント・ブリーズ 《ネタバレ》 
勧善懲悪、白黒ハッキリ付いているお話は分かりやすくて好きですが、感情の置き場所に困るような複雑な要素を孕む物語は、もっと好物です。“自業自得だけど情状酌量の余地はある”vs“境遇に同情はするがやってるコトがキチ過ぎる”。う~ん、どちらに感情移入しようかしら。ウソです。同じ犯罪でも感覚的な罪の重さ(法で規定する量刑の重さに比例しない)には、大きな差異がありました。“セキュリティ会社の内部犯+視覚障害者の弱みにつけこむ窃盗”も相当悪質ですが、“拉致監禁+強姦罪”は、それを遥かに上回ります(侵入者に対する過当防衛は不問としても)。つまり、観客は窃盗犯サイドに肩入れし、この自業自得な悪夢と対峙する羽目になります。 暗闇、室内閉鎖空間、番犬、銃、格闘スキル。弱者と強者の立場を逆転させるマジックはお見事で、命懸けの目隠し鬼ごっこを堪能させていただきました。後味も秀逸です。ほぼ真相は藪の中ということ。それでいいのでしょうか。いえ、良いはずがありません。しかし、主人公には自らの手札を切る勇気は残されていないでしょう。大金を手にした代償は、ある種の呪い。選択肢を奪われるのは恐ろしいことです。トリッキーかつテクニカルな”技あり“ホラーで、王道サスペンスに飽きた御仁には特にオススメの一作であります。
[DVD(吹替)] 7点(2017-08-25 01:41:59)(良:1票)
274.  死霊館 エンフィールド事件 《ネタバレ》 
『死霊館』の感想でも書きましたが、“実話もの”は個人的にはマイナス要素(可能性の幅が狭まるので)。それでも本格派オカルトホラーとして堅実なつくりで好印象です。やはり脚本は一級品でしょう。悪魔に操られていた幽霊からのメッセージの件は痺れました。後味の悪くないホラーというのも逆に新しいかもしれません。信頼できるシリーズ映画との認識です。
[DVD(字幕)] 7点(2017-06-20 21:52:53)
275.  ヘイトフル・エイト 《ネタバレ》 
本作を楽しめるか(受け入れられるか)の試金石は、“床下からの狙撃”シーンと考えます。ミステリー的には完全にアウト。終盤に初登場したキャラが犯人なんて反則技もいいところでしょう。でも「嘘つきだらけ」を公言している映画である以上、「そんなのズルイ」という批判は門前払いです。監督が一番の嘘つき。そもそもタイトルに偽りあり。なんとまあ卑怯な映画でしょうか。でも会話劇のマニアックさ、無駄とも思える長回し、刺激過多の残虐シーン、徹頭徹尾「馬鹿映画」の体裁ゆえ、観客の方がバカ負けしてしまうのです。良い映画ではないけれど、決して嫌いじゃない。褒める気はないものの、貶す気もない。胸糞悪いストーリーなのに、妙に清涼感あり。そんな不思議な映画でした。2時間50分という尺を知らず夜中に観始め、完全に明日の仕事に支障が出る時間を過ぎても途中で止められなかったくらいですから、私の趣向に合っていたのは間違い無さそうです。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2017-04-10 20:43:41)
276.  ヴィジット 《ネタバレ》 
(激しくネタバレしておりますので、未見の方は閲覧ご注意ください……) サスペンスに慣れた人なら真相を見破るのは難しくありません。伏線と呼ぶにはあまりに“あからさま”なフリばかり。それでもなお、本作に“観る価値”があるのは、人物造形が見事だからです。老夫婦は、ただの狂人、あるいは殺人鬼でしょうか。いいえ、違います。確かに病んでいますし、社会規範や善悪の判断がつかなくなってはいますが、悪意の人ではありません。偽爺の言から汲み取るに、孫のいる人生を羨み、カウンセラー夫婦の身分を盗んだと。限定1週間、孫のいる人生を味わうため。子供たちを殺める気などハナからありませんでした(オーブンの奥を拭いて~のシークエンスが、子供たちへの殺意が無いことの証拠です)。それに事件を隠ぺいする気力も能力も備えていません。ですから見方によっては、2人の最期は巧妙な「自殺」とも見て取れます。子供たちの殺意が自らに向くように仕向けたと。姉弟2人のトラウマ解消のプレゼント付き(もちろん結果論として)。物悲しい後味と僅かな救いが本作の魅力と解します。
[DVD(吹替)] 7点(2017-03-25 23:24:34)
277.  ズーランダー NO.2 《ネタバレ》 
前作『ズーランダー』から実に15年の歳月を要したファン待望の(?)続編。カメオ出演のセレブの悪ノリと、心底クダラナイギャグのみで構成された、毒になっても決して薬にはならないお下劣お馬鹿コメディは、ファンの期待に違わぬ、待ち焦がれた「懐かしの味」でありました。個人的にツボだったのは、一瞬の油断が生んだ悲劇の自動車事故。その激しすぎるカークラッシュは前作のガススタンド爆破シーンを彷彿とさせる「やり過ぎ感」に溢れており、某ラーメン○郎の如き狂った(演出の)さじ加減に腹を抱えました。ジャスティン・ビーバーに打ち込まれた銃弾の数然り。ジャック・バウワーの無駄な存在感然り。一度ハマってしまえば、どのギャグもイチイチ面白いのがアメリカンコメディの強みかと。とはいえ、本作で真に感銘を受けたのは、ペネロペ・クルスの異次元の美しさであり(作品登録要望を出すまでアン・ハサゥエイだと本気で勘違いしていたのは内緒だ!)、ベン・スティーラーは監督特権で乳を揉んだに違いありません。
[DVD(吹替)] 7点(2016-11-30 19:28:16)(笑:1票)
278.  10 クローバーフィールド・レーン 《ネタバレ》 
主人公には、2つのターニングポイントが用意されていました。ひとつ目は、「世界は滅びたと喚くオッサンに拉致軟禁されました。どうしましょう?」これについては、迷う余地無し。逃げる一手(一応事実確認も)。勿論、オッサンはイカれているという前提です。早速鍵を奪い、オッサンの頭部をビンでガツン!行動力あり。思い切り良し。ところが、予想に反してオッサンの戯言は真実であることが判明します。それも拍子抜けするくらいアッサリと。物語的には、この部分(オッサンの言い分は正しいの?嘘なの?)で、もう少し引っ張っても良かった気がしますが、メインは二つ目の分岐点ということなのでしよう。「オッサンはマジキチ誘拐殺人犯であることが分かりました。さて、この生活を続けますか?」コチラの方は、結構悩みどころです。さしあたり、実害はありません。モラハラ気質は窺えるものの、基本的に関係は良好。外界の惨状を鑑みれば、この文化的な生活を手放すのは勇気が要ります。しかし、ここでも彼女の"思い切りの良さ"と"行動力"がモノをいいました。防護服をハンドメイドして外の世界へ。結果論から言えば、まあ微妙なところ。幸いにも希望ゼロではないものの、修羅場突入決定。曲がりなりにも、衣食住足りていた今までの生活とは雲泥の差です。とりあえず、人類がエイリアンを駆逐するまで、現状を維持する方が利口だったかもしれません。私なら、そちらを選んだでしょう。でも多分これは小賢しい愚かな考え方。面倒ごとが片付いた頃にはオッサンに洗脳済、あるいは社会復帰絶望状態。人生を腐らせてからでは遅いのです。能動的に生きてこそ価値あり。人様の役に立ってナンボ。『逃○中』でミッション全スルーの挙句の自首で大金を得ても、虚しいだけじゃないの?そんな某ドランクドラゴン鈴木拓批判が、本作の隠された裏メッセージでありました。なお、DVDパッケージは史上最低レベルのネタバレをしていますので、見ないように注意してくださいね。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2016-11-10 19:58:00)(良:1票)
279.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
ハリウッド版『ゴジラ』というよりは、ロボットの出ない『パシフィック・リム』な印象です。予想通り怪獣の質感がリアル過ぎて、和製怪獣映画特有の侘び寂びはありません。もっとも『ゴジラ』ブランドに郷愁を感じていない私のような一般客からしてみれば、全く問題ありません。これだけのスペクタクル映像を頂戴できれば充分に御の字です。人間の力が全く及ばぬ結末のつけ方は非常に好みです。
[地上波(吹替)] 7点(2016-08-10 22:51:11)
280.  ジャッジ 裁かれる判事 《ネタバレ》 
法廷劇の要素よりハートウォーミングな家族愛を描いた印象が強いです。親を思う子の気持ち、子を思う親の気持ち。親は老い衰え、子もまた人の親となっても、基本の親子関係は変わりません。ただ、ただ、“父親に認めてもらいたい”主人公の心情が心に沁みました。『ビッグフィッシュ』もそうですが、父子関係を描いた作品には、どうにも弱い私です。事件の真相は結局闇の中でした。私個人の感覚ですと父親は“クロ”という気がしますが、被害者が正真正銘のクズ(母親も同類)であった事から、判決は妥当なものと感じました。晩年を獄中生活に費やしながらも最期の時を息子と過ごせた事は、判事にとって十分なご褒美でしょう。善悪・懲罰のバランス感覚が良い物語は安心して観ていられます(その分、物足りないと思ってしまう部分もありますが…)。長男役の役者さんは影のMVP。彼の演じた“挫折した田舎者のリアリズム”が物語の深みに繋がっていると感じます。
[映画館(字幕)] 7点(2015-01-27 20:59:21)
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