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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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341.  ミッション:インポッシブル
元ネタ「スパイ大作戦」ありきとはいえ、このエピソードを1作目に持ってくるのはズルイ気が。タイムボカンシリーズ・逆転イッパツマンの名話『シリーズ初悪が勝つ』をいきなり持ってきたような。水戸黄門で言えば、1話目からニセ黄門様が出てきたような。それだけ刺激的だということ。まあ、面白ければノープロブレムです。緊張感のある展開。見ていて飽きません。本作最大の見せ場であり、以降のシリーズでも定番となる“床と平行スレスレ吊り”がたまらない。続編と比べるとアクションは控えめで、クラシカルなスパイ映画の趣を残しているのがイイ。ヒットしたのも頷けます。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-15 20:03:15)
342.  バーティカル・リミット 《ネタバレ》 
雪山の描写は迫力があり、迫り来る危機を回避していく様はスリル満点。エンターテイメント性バツグン。ただ設定は無茶過ぎた。ニトロなんて、アクシデントを呼ぶためのアイテムでしかない。アホバカ映画の烙印を押されても仕方が無いと思います。ただ「命の重さ」については真剣に考えさせられました。本作で一貫しているのは、命の重さは平等ではないということ。そこが興味深かった。3人の遭難者のうち、助かったのはたった1人。その一人を助けるために、救助隊4人の命が失われている。どうしても計算が合いません。では最初から見殺しにすれば良かったのか?二次遭難を避けるのは鉄則。爺さんが言う「雪山で死にかけているのは、死んだのと同じ」は正論です。常職で考えれば、救助に行くべきではなかったと言えるでしょう。しかし兄にとっては違う。妹が助かる可能性が残されているなら、自分の命を賭ける価値があった。もちろん遭難者の方は何としても助かりたい。雪山を知り尽くしたリーダーでさえ、自分が犠牲になることを拒否しました。ただ生きたい。それだけです。本音だと思う。“自分の命≧家族の命>>>他人の命”という図式が見えます。それはもう嫌らしいくらいに露骨です。生き残った兄妹の能天気ぶり。誰が死のうと、自分と家族が助かればよし。2人にとってのみ、この救助活動は意味があったということです。正直、いい気はしません。でも人間ってそんなものかもしれない。それだけに爺さんの偉大さが際立つ。冷静な判断力で2人の命を救った。雪山を知り尽くした男の決断でした。極限状態でこそ人間の本当の価値が見える。爺さんは誰よりも上等だと思いました。自分はハッピーエンドが好み。でも無謀な救助が成功しても白けてしまう。雪山の恐ろしさを明確にするためにも、この結末でよかったと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-12 18:43:42)
343.  キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 
奇天烈な展開は、「ナンセンス」の一言で片付けても問題無さそう。でも「意味がある」と考えたほうが面白い。以下自分なりの解釈です。本作を読み解くカギは、エンドロール後のワンカット。雑貨屋の爺さんが言う「やれやれ」という台詞。今回の騒ぎは初めてのことじゃない?そこへ考えが及ぶと、後は芋づる式に事件の真相へ辿り着けました。ズバリ“謎の伝染病の発端(オリジナル保菌者)は雑貨屋の少年”。これで不条理な展開全てが解決します。誰彼構わず噛み付く少年。なら、犬に噛み付いてもオカシクない。(現に雑貨屋の裏にいた犬の口元は赤かった。)父親は少年のことを「破傷風」と言っていましたが、それは違う。でも的外れでもない。破傷風はヒトにも動物にも感染します。謎の伝染病と類似している。最初に死んでいた犬は、少年から感染した。それが惨事の始まりです。しかも今回が初めてじゃない。雑貨屋に助けを求めにきた青年に対して父親が言っていた意味不明のもごもごした言葉も、かつてこの家族に同様の悲劇が起きたとすると頷ける。伝染病の疑いがあるのに、医師や警察がマスクひとつ付けていないのも、感染経路を熟知しているから。今回も町ぐるみで事件を隠蔽した。最も不可解な少年の行動も、「精神に異常をきたす」という特性がこの伝染病にあれば合点がいく。主人公が突如殺人鬼に変貌したこと、犬が好戦的な理由、主人公が病院で見た幻なども、全て説明出来ます。脚本はきちんと練られていると感じました。でも本作で大切なのはストーリーの解釈にあらず。キモはあくまで「パンケーキ」少年の拳法や仔鹿キック等のおバカ要素をどう受け取るか。このへんを楽しめると、結構イケるB級映画ではないかと。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-10 18:33:04)
344.  ラットレース 《ネタバレ》 
“大金に目がくらんだ参加者たちの醜態を笑ってやれ”が、このレース主催目的。それにしては、レースのライブ中継が無いのは解せないところ。もっとも、それをやってしまうと悪趣味さばかりが際立ってしまう。単純に彼らの珍道中を笑うために、あえて省略したのかもしれません。でも、ちゃんとレースの本質を忘れないように、小ネタを仕込んでいるのは抜かりない。参加者に迫り来る各種アクシデント。単にしょうもないものから下ネタ、際どいネタまでバラエティに富んでいます。特定のキャラに偏ることなく満遍なく見せているという印象。注目はお馴染みのローワン・アトキンソン。序盤は全く活躍なしですが、後半怒涛の巻き返しを見せてくれます。危険な“臓器ネタ”も彼だからOKなのだと思う。ただし、全編を通じて笑えるかというと微妙。ナンセンス寄りの笑いなので、好みが別れるところかと。ただ、そんなことを吹き飛ばしてしまうくらいオチは秀逸でした。オーディエンスの海に漂うレース参加者たち。いくらノリとはいえ、大金を棒に振ることなんて普通の人には出来ない。この判断力の“無さ”が愛おしい。みんなアホ。でも彼らほど上等な人間はそうはいない。まさに「終わり良ければ全てよし」。最後はニコニコでした。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-09 19:34:50)(良:1票)
345.  リーピング 《ネタバレ》 
“超常現象は存在する”という方向へ一直線に進んでしまうのが惜しい。科学的解釈とオカルト説の両天秤状態で引っ張る方が面白かったかも。いくら主人公が「私はオカルトを信じない」と言い張っても効果なし。“頭の硬い見解は覆される”のはお約束です。ただ、その頑なさは一途さでもある。意志の強さが彼女を魅力的なキャラにしているのも事実。致し方ないところか。“血に染まる川”に始まる厄災の数々。やはりTVスポットで再三目にした「イナゴ少女現る」の件が一番見応えがある。このシーンには圧倒されます。ただ「食われる」ではなく「窒息死」という感じなので、凄惨な印象はありません。やや物足りないです。クライマックスの畳み掛けやオチについては素直に納得しました。終わってみれば、オーソドックスなオカルトホラーという着地点。映像的にも満足しましたし観易かった。自分は結構好きです。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-07 18:17:01)
346.  バニラ・スカイ 《ネタバレ》 
単純かつ下世話な言い方をすると、「淫夢とセックスならどちらが良いですか?」という話。主人公が出した答えは「やっぱりセックスがいい!」というもの。自分も賛成です。ただ超イケメンのトム・クルーズに言われてもなぁと思う。素寒貧になったって、どうせモテモテでしょ、とちょっとやっかみ。怪我後の顔で復活を望んだのなら大拍手だったのに。冗談はさておき本題へ。本作の欠点は主人公の最後の決断に、感動が不足していることだと思います。まず問題なのが主人公の設定。トムは生まれながらの大金持ち。いわゆる“勝ち組”です。世間の厳しさを知らないから、簡単に現実を生きるなんて選択できるんじゃないの?と思えてしまう。さらに胡散臭いのが冷凍保存会社。何故トムは夢で混乱してしまったのか。会社の説明では、トムの潜在意識が作用したとのこと。確かにもっともらしい。でも本当でしょうか?冷凍保存の維持管理には大変な費用がかかるはず。トムに莫大な資産がある間ならともかく、資産が底を尽いたお坊ちゃんを繋ぎとめておく理由はありません。冷凍保存会社は、巧妙な手段で彼に目覚めを促したのではないかと推測します。何のことはない、彼は“自ら起きた”のではなく、“起こされた”だけ。だとすると、ますます決断の価値が薄れてしまいます。ビルの屋上から飛び降りるトム。フラッシュバックされる過去の記憶。このシーンは好き。胸が熱くなります。もっと大きな感動に繋がれば傑作になったのではないかと。それだけに惜しいと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-10 18:03:18)(笑:1票) (良:2票)
347.  デッドコースター
設定だけでなく、前作の流れを汲んだ正統派の続編。ショッキングシーンのえげつなさはパワーアップ。でもスッキリと見せる工夫をしているので、悪趣味ではありません。殺しのバリエーション豊富。フェイクもふんだんに取り入れられており、飽きずに観られました。生還要件が提示された部分が、前作と一番の違い。そして長所です。漠然と死の恐怖から逃げるよりも、生き残る希望があったほうが、恐怖が高まると思います。ただ難点もちらほら。死の予兆が無いトラップが散見されたこと。助かるための要件がいとも簡単に(何の根拠もなく)提示されたこと。仕掛けそのものの遊び心が弱まった点等々。それでもテンポの良さがこれら短所を目立たなくしています。概ね良好。個人的には前作よりも高評価です。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-05 18:10:54)(良:2票)
348.  ミート・ザ・ペアレンツ2 《ネタバレ》 
新郎側の両親が登場して、前作より豪華さアップ。それがそのまま物語の面白さにも繋がっています。続編としては意外と少ない成功パターンかと。家族同士の軋轢は、価値観の相違に基づくもの。正しいとか間違いとかいう類のものではありません。それでもフォッカー家のほうが共感できる。というか馴染みやすい。結末はフォッカー家スタイルの完全勝利でした。爽快です。でもバーンズ家(というよりデ・ニーロスタイル)が全部悪いわけじゃない。そのあたりのフォローがあるともっと良かった。それにしてもあの子の「あ~す ほーーる」は可愛かったなあ。ちなみにうちの子(2歳)は「おっぱっぴー」ばかり言っています(苦笑)
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-11-04 17:35:50)
349.  ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 
「夜の博物館」いい響きです。心をくすぐられます。「夜の学校」もいいですね。「夜の病院」もワクワクします。夜な夜な美人ナースたちが…おおっと、あらぬ方向へ妄想が膨らんでしまいました。失礼しました。軌道修正。本作の博物館は、等身大の蝋人形や動物、恐竜の化石からミニュチュアのジオラマセットまで幅広いジャンルと品揃え。正直コンセプトは不明ですが、見た目が派手で豪華なところが長所でしょうか。主人公の夜警初日はドタバタで終始しました。このあたりの展開はホントに子供向けです。でもこの後が本領発揮。2夜目は主人公のリベンジ戦です。なかなか爽快でトンチが効いていました。でも結果は惨敗で3夜目へ突入。今度は親子でチャレンジです。大人も子供も一緒になっての大冒険。胸がトキメキます。スリルは若干抑え目ですが、家族向け映画ゆえこれくらいで十分でしょう。最後はお父さんの頑張りが報われてちょびっとウルウル。素敵な映画でした。日本を舞台にするなら目黒の『寄生虫館』とか、『落合博満記念館』なんかも面白そうですね(嘘)。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-03 20:37:21)(笑:1票)
350.  リディック 《ネタバレ》 
前作の後日談としての設定は引き継いでいますが、ほとんど別物と言っていいくらいアクションや世界観がスケールアップしています。この系列の作品で最もよく見られる続編パターン。で、予算増に比例して評価も下がる。これまたお馴染の傾向が伺えます。それも分かる。前作はサバイバルサスペンスに比重を置き、コンパクトで分かり易い。それに比べて本作は、いっぱいに風呂敷を広げたはいいが、何を包みたいのか分かり難い。完成度は前作のほうが上だと思います。ただ本作には気楽に観られる面白さがある。娯楽大作の派手さがある。リディックのアクションは格段にパワーアップしましたし、灼熱監獄惑星からの脱出劇も見応えがありました。(このエピソードのみに絞れば、まさしく続編という感じ。)風呂敷の畳み方は強引だけど、伏線を張っているから納得できます。オチは気が利いていると思う。自分は十分楽しめました。前作の採点は5.9点で切り捨てて5点。本作は6.4点で切り上げて7点。その違いは満足度にあります。サスペンスとして今一つと感じた前作に対し、娯楽アクションとしてお腹いっぱいになった本作の方が、個人的には好みです。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-22 18:10:13)(良:1票)
351.  ラッキーナンバー7 《ネタバレ》 
最近は韓国映画のドロドロ怨念系ばかり観ていたので、本作のようなスタイリッシュな復讐劇はなんか新鮮でした。もっとも物語の体裁上、そのことは終盤まで明かされませんので、全体的な雰囲気は新訳『間違えられた男』といった趣。サスペンスとしては、至極真っ当なつくり。シンプルな構成ゆえ物語を深く理解できるのが良。ただ、ドラマ部分の掘り下げは十分ではないと思いました。とくにキーパーソン、グッドキャットについて。彼が幼い主人公の命を助けたのは、まあ理解できる。しかし彼が主人公の復讐に加担したのは何故でしょう。ボスやラビのやり方に我慢できなかったから?主人公の父親代わりだったから?プロの殺し屋が私情を挟む以上、其処に何らかの理由付けが欲しいと思いました。彼のキャラクターに肉がつけば、物語に厚みが出たと思います。復讐がなされてもイマイチ爽快感に欠けるのもマイナス。家族を皆殺しされた主人公には同情しますが、危険な賭けに手を出したオヤジさんにも非がある。また、序盤からボスもラビも顔を出しすぎ。手の届かない大物相手だからこそ凝った仕掛けが必要な訳で、こうも簡単に復讐相手に会えるならば、「いつでも殺せるのに」と思ってしまいます。6点か7点か迷うところですが、タイトルがタイトルだけに。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-14 19:52:02)(良:2票)
352.  インサイド・マン 《ネタバレ》 
逃亡プランは最初からネタバレしていますし、獲物の持ち出し方も、冒頭で示唆されています。ですから事件の外観はよく分かる。でも真相は不明な部分が多い。そこで自分なりの想像を含めて、事件の全貌を整理してみます。犯人の狙いは現金ではなく、会長のお宝でした。貸金庫に眠る大量のダイヤモンド。ナチスの資料は、立て籠もりとダイヤ窃盗を刑事事件にさせないための保険。弱みを握られている会長は、秘密保持のために事件にさせないはず。ただし人質が死んだら話は別。そのためのモデルガン。倉庫に隠れる発想は面白いですが、行員に気付かれる可能性は高い。にもかかわらず実行に移せたのは勝算があったから。トイレをつくる余裕まである。その自信の源こそが「インサイドマン」。貸金庫の存在と中身を知る人物で、計画の立案者。古参の会長側近で要職にある人物と推測します。彼の力があれば、倉庫は安全なスペースに変わります。ちなみに実行犯は4人。お宝を持ち帰った車の中は5人。多い1人が“彼”。会長のもう一つのアキレス腱は指輪です。「指輪を追え」は、会長の過去を追えということ。このメッセージを警察に送った理由。そこには“復讐”“制裁”の意味が垣間見えます。証拠を手にした犯人と、秘密を探る警察からの挟み撃ち。会長の精神的苦痛は甚大です。犯人の安全を確保するだけなら、ここまでする必要はありません。もっとも会長は、こんな日が来るのを待っていたのではないかと。書類や指輪を捨てられない。つまり自分の行為を割り切れていない証拠。そこに会長の良心が見える。なお、犯人が指輪の秘密を託す相手は“知りえた事実をマスコミに売ったりしない”真面目な警官でなくてはなりません。秘密が公になったら切り札の価値が無くなってしまう。そのお眼鏡に適ったのがデンゼル。結果彼は、スキャンダル回避と昇進と一粒のダイヤを手に入れます。彼が直接要求した見返りではないと思います。でも予想していなかった訳でもない。会長もジョディも、人の弱みに付け込んでのし上がった人間。残念ながら正直者はバカを見るのが現実です。デンゼルが受け取った報酬は正当とは思えません。でも彼ら“成功者”よりは随分マシ。インサイドマンの顔が明らかにされないのは、物語の欠点だと思います。でもその分解釈に幅はある。例えば“神”や“良心”と呼ばれる心の内にあるもの。それもまた、インサイドマンと言えないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-11 18:52:23)(良:3票)
353.  ハード キャンディ(2005) 《ネタバレ》 
2人のキャラクターが明確にならない序盤、男は被害者で女は加害者です。感情移入しやすいのは、当然男のほう。自分は男性なので尚更です。彼に自分自身を投影させて物語に臨みました。これが運の尽き。彼の身になってしまうと、もう大変です。悪夢としか言いようが無い。最初は猛烈な怒りに支配されます。とにかくムカツク。あの小娘、ただじゃ置かないと歯軋りします。次ぎに襲われるのが不安と恐怖。そして惨めさ。自尊心がズタズタにされます。最後に待っていたのは絶望。負の感情の大盤振る舞い。去勢手術の件なんかシャレになりません。本気で震えます。縮み上がります。得体の知れない汗がにじむ。出会い系サイト以外にも、各種ぼったくりや美人局等、男の下心に付け込む奸計は数多ある。でも自分は大丈夫。女遊びはしない(出来ない)し、怪しい場所には近づかない(近づけない)から。そもそも女がらみの危険なチャンス?に巡り合わないのです。(あ、なんか泣けてきた。笑)そんな自分でさえ、本作のシチュエーションに怯えます。自分にも下心はあるから。どんな聖人君子でも、男なら同じような状況に追い込まれる可能性はある。だから他人事ではいられません。ラストに明かされる男の本性。そして少女の目的。彼女は正義の味方気取りの異常者ではなく、正当な復讐者でした。男も復讐されて当然の人間だった。客観的にみれば少女のほうに理があります。でもこの期に及んで、男への感情移入を解くことなど出来ません。彼と同様に、やるせない感情にまみれて死にます。(以下、極めて個人的な事情)実は、あの娘の顔は自分が一番嫌いな上司(50代・女性)の顔にソックリ。少女とその上司の顔がダブって仕方ありませんでした。あの神経を逆撫でするイヤミな言い回しや、冷酷なところまで似ています。幸いにも今年の異動で、その上司と顔を合わせる機会は減ったものの、かつての記憶が蘇ってきてムカツキ度200%増し。とても冷静ではいられませんでした。その分のめり込んで楽しめたとも言えますが、心に負った傷はでかい。後味は最悪です。ホラー映画として7点。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-04 18:45:19)
354.  キンキーブーツ 《ネタバレ》 
経営危機を脱するために、老舗の紳士靴メーカーが打ち出した新たなビジネスプラン。それはドラッグクイーンのブーツの製作でした。180度(90度?)の方向転換。新しい試みは産みの苦しみ。また、異なる価値観を受け入れること。そういう感動のドラマだと思いました。最近の邦画でいえば『フラガール』に似ていると。でも観想を書こうと内容を整理していくうちに、『フラ』とは異なる価値観を持った映画であることに気付きました。国民性や資本主義に対する捉え方の違いに目が行きました。序盤の大量解雇。このエピソードで工場の経営状態の危機は、全体の共通認識になったものと思っていました。でも違った。解雇されなかった工員たちの意識は“自分がクビにならなくて良かった”という程度。危機意識はありません。それもそのはず。会社の経営は、自分とは関係のない話だから。定時になれば、仕事の途中でも帰ることが出来るのはそのため。労働者・資本家・経営者の明確な役割分担が、社会一般に浸透していることが見てとれます。そういえば、後にマネージャーとなる女性も「社長は皆とは違う」旨の発言をしていました。工員たちが態度を改めたのは、社長の家が抵当に入っている事実を知ったから。シチュエーション的には、先の大量解雇時とそんなに変わらない。少なくとも労働者にとっては。でも彼らは変わった。それは他でもない、社長の身を削った決断に心を動かされたからです。資本主義の原則からは外れるその決断に。でも結果“みんなが”幸せになれました。本作の靴工場の姿は、私たちが良く知る日本の中小企業の姿です。“愛社精神”とか“サービス残業”とかの世界。日本の資本主義は、欧米のそれとは別ものだと思います。労働者の意識のレベルでは特にそう。しかし今、物凄い勢いで変わりつつある。欧米の資本主義を目指そうとしています。勿論、今の日本の形態がベストだとは思いません。サービス残業なんてしたくないし。でも何でも欧米流が正しいのか?とも思う。その疑問に対する答えのヒントが本作には隠されている気がします。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-27 19:48:34)
355.  ライアー ライアー 《ネタバレ》 
主人公は決して悪い父親ではありません。「鉄の爪アイアンクローだ~」なんて、かまってくれる父親を、子供が嫌う訳が無い。それは元妻も認めるところ。彼自身も子供に好かれていることを自負していたと思います。でもそれだけに彼は子供の好意に甘えてしまった。約束を反故にすることがあっても、後からフォローすればいい。ウソも上手くつけばいい。それは利害関係の大人の世界では通用しても、心の繋がりが重要な家族の間では通用しません。だから妻と離婚に至ったのでしょう。そしてまた、息子との間でも同じ轍を踏むところだった。親子で、家族で、一番大切なことは何か。それが本作の主題となっています。子供の(妻の)顔を見て、話を聞いて、抱きしめる。主人公がすべきだったことは、多分それだけだと思いました。「お前を心から愛している」と伝え続けること。どうしようもない親でも、子に愛情を注ぐことは出来ます。それが出来れば、後は全部ダメダメでも、許してもらえる気がします。さて、ジム・キャリーについて。敏腕弁護士ぶりは見事でした。コメディのオーバーアクトが小気味いい。ウソをつけないシチュエーションに四苦八苦する様は笑えました。ウソを封印することで真実にたどり着く。それは同時に自身の真実(大切なもの)に気づく過程でもありました。流れとしては定番ながら、心地がいいです。それだけに最後の空港の件はやり過ぎ。裁判で散々ドタバタしているだけに、最後はキッチリ締めてほしいと感じました。誠に惜しい。でも親子のこういう話は大好き。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-17 18:30:24)
356.  デンジャラス・ビューティー
サンドラ・ブロックのキャスティングが絶妙。意外とこの役は役者を選ぶと思います。ブサイクでは勿論務まらないし、美人がその美貌を隠すのは難しい。美人にも見えるし、ブサイクにも見える“ふり幅”が必要になってきます。その点で、サンドラのバタ臭い顔はピッタリ。おめかしすれば、その美しさは際立ちます。逆にあれだけ下品に振舞えば、セックスアピールは消えて無くなる。ブタ鼻には笑ってしまいました。物語のほうは、予定調和でしたがまずまず。サスペンスの要素は低いですが、コメディとして笑えるポイントが多々ありで好印象でした。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-08 18:13:43)(良:2票)
357.  ニコラス・ケイジの ウェザーマン 《ネタバレ》 
主人公は、ウェザーマンとして成功しています。十分な収入も得ている。社会一般から見れば成功者です。しかし彼は自分のことを認めていない。カンペを読むだけの簡単な仕事で、お金をもらっていると自身を卑下している。そのことが私生活の問題にまで繋がっています。ファーストフードを投げつけられるのも同じこと。全ての原因は、彼の自信の無さにある。しかし彼はそのことに気付いていません。もっとも彼に同情の余地はある。彼の父親はあまりに立派過ぎた。息子にとって父親は超えなくてはいけない壁。そのプレッシャーはよく分かります。でも彼は勘違いをしている。彼は既に父親を超えている。彼よりも上手に天気予報を伝えられる人はいない。そのことは父親も指摘しています。普通のドラマであれば、彼が自信を獲得し、家族が再生するまでを描くでしょう。しかし本作は違う。家族は再生することなく、主人公も自信を得ることなく終了します。「消防隊の後ろだが、スポンジ・ボブの前だ」そう自分を慰めることで精一杯。ゆるゆるの現状肯定で終わります。感動はありません。でも現実はそんなもの。誰もが自分に自信を持てるわけじゃない。だったら、とりあえず今の自分を認めるところから始めるしかない。それでも一歩前進です。ヒントはアーチェリー。最初は娘の付き合いで始めたのに、いつの間にか腕を上げています。彼が「ハロー・アメリカ」に採用されたのも運が良かったからじゃない。継続は力になっている。息子のカウンセラーを殴りに行った彼の行動には、迷いがありませんでした。変化の兆しは見える。ドラマチックに変わらなくていい。ちょっとずつ変われればいい。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-07 18:31:21)(良:2票)
358.  カオス(2005) 《ネタバレ》 
『トランスポーター』シリーズで一躍名を上げたジェイソン・ステイサム。今、最高にセクシーでダンディーな中年男。彼の魅力はその渋い雰囲気と、格闘系アクション。本作では一方の売り、アクションをほぼ封印しています。しかし満足。彼には、佇まいでその場の空気を締める力がある。正直演技は上手くないような気がしますが、この雰囲気は役者として得がたい財産だと思います。今後も目が離せません。そのステイサムとコンビを組む新米刑事もなかなかいい。若者の青さと、ステイサムに負けない利発さを発揮しています。彼が後半の主役。24時間の間に彼が成長していく様は爽快でした。カオス理論を持ち出すのはいささか大げさだと思いますが、サプライズありの面白いお話でした。難点はステイサムがもはやビッグネームだということ。オチを悟られないようにするために、もう一工夫あっても良かったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-05 00:08:20)(良:2票)
359.  ホステル 《ネタバレ》 
本作はラストの展開に尽きます。一般的なこの手のホラーは、殺人鬼から逃げきることが最終目的。多少相手に反撃しても、それはあくまで逃げるための手段。それくらい被害者の気力は弱りきっています。心が折れている状態。しかし本作の主人公は違いました。逃げる途中でも憎い相手を殺すチャンスを逃がさず、しっかり復讐。能動的に行動しています。これは良ポイント。ゾクゾクしました。やられっぱなしじゃ腹が立ちますもん。酷い目にあった挙句に、命が助かって有難いなんて変な話です。このあたりのフォローは良かったと思います。ただ、話題のショッキングシーンについては、全然思ったほどではありませんでした。やはりレンタル版ゆえ、大幅なカットが成されているのでしょうか。でも物足りないくらいで、自分にはちょうど良かったかもしれません。『ホステル』だとイマイチ雰囲気が出ないので、邦題は『地獄の竜宮城』に変えては如何でしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-02 16:46:02)
360.  レディ・イン・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 
率直に言えば、随分とお手軽に映画にしたなという印象。わが子に聞かせるために監督自身が創作した御伽話がベースとのこと。確かにそんな感じ。基本的に思いつきのお話なので、設定のワキは甘い。「何故、海の精は命をかけて人間世界を変えようとするの?」「何故ナーフを襲う化け物がいるの?」子供に聞かれるとお父さん(監督)は困ると思う。「どうしてだろうね」と優しくかわすか「どうしてもだ!さっさと寝ろ!」と逆ギレするくらいしか無いのではないかと思う。ご都合主義のオンパレード。特に荒唐無稽な話を住民たちが信じていく過程を省略したのは手抜きだと思います。おそらく人心掌握もストーリーの不思議な力のひとつなのでしょう。でもそれならば、作中で説明するべき。何でも「ファンタジーだから」で逃げられるものではありません。世界を変えるキッカケとなる“器”を、監督自身が演じているのも寒い。どんだけ自信家なんだと思う。完成度という尺度で本作を測るなら、決して褒められた作品だとは思いません。でも、自分はキライじゃありません。“大筋の”発想は結構好き。次々と役割に住人たちが当てはまっていく様は爽快だし、“世界を変えよう”というメッセージ性も悪くない。ですから、脚本だけ練り直してセルフリメイクしたら、上質なファンタジーに生まれ変わると思う。ストーリー役のブライス・ダラス・ハワードの透明感は相変わらず素晴らしい。そして何より本作を憎めないのは、もし自分が子供だったら、こんな面白い御伽話を聞かせてくれるお父さんを、大好きだと思うから。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-20 18:04:57)(良:2票)
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