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皮マンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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21.  アドレナリン(2006)
ただひたすらバカとエロをやるためだけのくだらない設定。すごいテンションで突っ走る、説教臭さの微塵も無いその振り切れた姿勢は賞賛に値する。浅いフェミニズムなんかを入れてアカデミー賞をもらって喜んでいる「マッドマックス」のジョージ・ミラーはこの監督の爪の垢を飲めばいい!
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-12 19:50:37)
22.  プロメテウス 《ネタバレ》 
映像美には所々見るべきものがあるが、その内容はグズグズ。アンドロイドの性能が全体のメカ描写の中で突出しており、まともなSFとして見ることができない。人間と見分けの付かないアンドロイドは1作目に於いては「びっくり」に必要な要素として許容されるかもしれないが今回はそうはいかない。じじいが乗ってる現在と変わらない4輪デザインの車椅子とあのアンドロイドが共存する世界って発達のバランスが無茶苦茶じゃない?人工の脚とかいくらでも出来そうなもんだけど。怪しい惑星に着いたら、目的地はそこから徒歩15分くらいの近場で探検感はゼロ。あんな隣駅に行くくらいの行程ならいっそ「転送!」でいいんじゃね?物語中盤から一人の女性が突然超人っぽく活躍し始める唐突なシナリオ。そして極めつけは彼女のあの切腹描写。あんなグロテスクで不快なシーンこの作品に必要なんですかね?ちゅうかやっぱりエイリアンがそうだったようにこれも宇宙を舞台にしたホラーなわけ?だったら「人類の起源」なんて大上段に構えたテーマなんか匂わせないで欲しいよ。さらにトドメの「バンゲリスみたいなサウンドで」と注文して作らせたとおぼしきテーマ曲の安さ。いくら真似しても本物には到底及ばない底の浅〜いサウンド。監督、作曲者共に志の低さがモロバレだぞ!
[ブルーレイ(吹替)] 0点(2016-11-01 10:06:26)
23.  完全なるチェックメイト
面白い!社会性を犠牲にしながら特殊な能力を身につけた人物を描ききっています。今ならアスペルガーか自閉症スペクトラムと統合失調症の共存と診断されるのでしょう。知人にこのタイプの人がいて色々驚くことが多いのですが、彼の主観を疑似体験できて大変参考になりました。ロシア人とのチェス頂上対決は要点をうまく押さえて再現しており、ルールを知らなくても充分局面の変化と緊張感が伝わるように出来ています。ドキュメンタリー作品「ボビー・フィッシャー 世界と闘った男」と併せて観ると面白さが倍になるよ。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-09-28 08:21:59)
24.  選挙 《ネタバレ》 
いくらなんでもここまで脂ぎった不快な人達が不快な行動をし続けるのを2時間見るのは正直言って辛い。おまけに連中の喜ぶ結果も不快で不快で一瞬たりとも救いがない。それこそが現実というのは間違いないが、長年生きてきて嫌というほど思い知っていることなので今更確認させられる意味もない。監督の提唱する観察映画は素材が全てなんだね。爽やかな人しか登場しない同監督の傑作「精神」を観てこの不快感を中和することにしよう。
[DVD(邦画)] 0点(2016-08-23 08:45:49)
25.  サンシャイン 2057 《ネタバレ》 
物語性不足もはなはだしい。おおまかなストーリーは東宝作品「妖星ゴラス」のアバンタイトル=隼号突入のエピソードみたいなもの。到底2時間持たせるような内容ではない。前任のイカロス1号が謎の救出信号云々〜の月並みなエピソードが挟まれているが、ストーリーを盛り上げることに一切貢献していない。それどころかホラー調になってSF作品としての焦点をぼやかしてしまっている。ミッション変更の瀬戸際に立った乗組員たちが「多数決ではなく、科学者としての正しい選択をしよう」という耳を貸すべき台詞が出てくるが、その後の選択の根拠というのが全く科学者らしからぬ「爆弾2個ならミッション成功率2倍!」などという丸八真綿のCM(ご存じない方はyoutubeで見てみてね)並のトンデモさでタメにする脚本ここに極まれりの感があった。真田広之は何を考えているのかさっぱりわからない。特攻賛美のようなヒロイックな演出も鼻につく。名作「スラムドッグ・ミリオネア」の奇跡的脚本をみごとにまとめ上げたスマートな監督とは思えない凡作だ。
[ブルーレイ(邦画)] 2点(2016-08-12 11:55:39)
26.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
これはがんばって45分しか持たない内容だろう。荒っぽい脚本のどんでん返しのための純粋どんでん映画。こういうものを未体験のウブな人には楽しめるのかもしれない。しかし制作年からいってあまたの類似作品のある手垢の付きまくったどんでん手法であり、まったく新味がない。どんな画作りも許されるこの設定なら悪夢の見せ方に美学が欲しいがそれもなく、あるのは必然性を感じない陳腐なゴア描写ばかり。囚人の造形もダサすぎて見るに堪えない。本作と共通する構造を持つ「怪人カリガリ博士」のエレガントな不思議さ・異様さ・不気味さ・色っぽさを少しは見習って欲しい。1962年で既にあれだけのものが作られているんだぞ。
[DVD(字幕)] 1点(2016-07-26 09:55:08)
27.  スティーブ・ジョブズ(2015)
ジョブズの人格障害者っぷりがよく分かるいい作品だった。重厚な台詞劇。一人の変人の人生を三幕物の舞台のように組み立て直した大胆な構成も見事。時代の変化を16ミリ→35ミリ→デジタルと画質の違いで表す仕掛けのスマートさにも驚いた。ボンダイブルーのiMacも懐かしいね!しかしこのような一般的な見所をどうでもよくしてしまうのは、なんといってもケイト嬢の腰の太さである(また始まった)。台詞も重厚なら身体も重厚。顔なんかは痩せてだいぶ直線的になってしまったが、腰回りのボリュームは不思議としっかり維持している。実は見始めて「台詞回しがケイト嬢みたいだが顔が違うよな〜」なんて思っていたのです。しかし若干アンバランスさを感じさせる女優の腰の太さに魅入られ、透視能力を使って服の中を見ていて彼女と確信できた次第。だいたい女はカラダしか見ていないうえに彼女は化けるのが上手いんで別人に見えるんだよ。ケツの格好が分かるような服は一切着ていないしバックショットもほとんど無いのだが、それでもわかる尻の大きさはベースになっている骨の太さ、骨盤の大きさからくるものだろう。やはり最後まで女の記号としての拠り所になるのは脂肪ではなくてコツよのぅ(持論)。まああと30キロくらいは脂肪を纏ってくれた方が望ましいとはいえ、今の尻だけでも充分持ちます!あんたいい女だよ!
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-07-15 08:38:54)
28.  エンジェル ウォーズ
アニメ「少女革命ウテナ」からの影響が感じられる。ウテナでの学園を精神病院に置き換えると主要登場人物の配置に多くの共通点が見いだされる。また「世界を変えるのは自分を変えるために戦うこと」というテーマから、スタティックなドラマ部分に幾度かの決闘が挟み込まれる構成からラストのオチに至るまでウテナにそっくりだ。これはインスパイアド・バイ〜くらいのクレオジットは入れて欲しいレベルではないか。但しウテナが日本アニメ界の隠れた金字塔として世界に誇るべき深みと文学性を持っているのに対して、本作にはそれらの重みがほとんどない。折角いただいた深いテーマもとってつけたようで、残るのは殺戮シーンの殺伐とした印象ばかりだ。この 深さ1:脳天気さ9 といった不自然な割合は、本作の制作者がオリジナルを生み出す苦労をしていない安易な模倣者であることの証左だ。しかも引用元を想起しないくらい劣化させている。ただあばれるだけでバリエーションに乏しい戦闘シーンはひとつにして、脚本をブラッシュアップすることにもっと力を注いで欲しかった。たとえ借り物とはいえ普遍的で重要なテーマを扱っているのは間違いないのだから
[DVD(字幕)] 2点(2016-07-13 11:02:55)(良:1票)
29.  オデッセイ(2015)
意外にもエレガントな仕上がりで狙いは判るが若干退屈した。何か実感の伴わない夢の中の出来事のような印象。主人公は始めから人格者であって、あのすさまじい経験によって特に成長するわけでもない。よってラストの講義のシーンにぐっとくるものがない。あそこが蛇足に見えてしまうのは失策ではないか。但しクールな科学啓蒙映画として観るとそのベタつかなさが小気味よいとも言える。よって作品自体はそこそこ評価できる。それにしても劇中の楽曲に訳詞を付けていないのはまったくどうかしている。サウンドより歌詞が重要な本作の場合は著作権料を払ってでも付けるべきだ。更に、邦題を「オデッセイ」にした愚かさ・傲慢さにはほとほとあきれた。これを提案した者も許可した者もちょっと足りないのではないか。国内での無神経な処理二点、しなければいけないことをしないこと・すべきでないことをしていることが折角の力作をぶち壊しにしている。日本版関係各位の猛省を望む。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2016-06-21 16:46:45)(良:3票)
30.  007/スペクター 《ネタバレ》 
「知り合い同士のいざこざ」的ストーリー。またあんたか、ってトムとジェリーじゃないんだからさ〜。そのスケール感の無さと反比例するようにやたらと世界中をうろうろするボンドだが、核となる舞台の印象がなくてどうにも座りが悪い。秘密兵器等のガジェットに頼りすぎないのはいい。しかしあの飛行機がらみのアクションシーンの冗談みたいな展開はどうなんだ?あの手のマンガ的アクションはロジャー・ムーアあたりに任せておけばいいのであってダニエルボンドにはいかにも不似合いだ。それでいて列車内での殴り合いなんかにはまた渋好みの光るものがあったりする。一体リアリティラインはどこらへんに設定されているのよ?スペクターの目的は情報インフラを牛耳ることで、そこから何をしたいってわけでもないのがこれまた拍子抜け。もっと頭を使えよブロフェルド!珍奇でばかばかしい計画立てろよ!俺はあんたのアホみたいな犯罪計画を楽しみにしてるんだよ!拷問椅子もゴールドフィンガーのゴージャスさを少しは見習えよ!あれじゃ歯医者の椅子だろうが。それやこれやで全体に統合失調症的な印象。なんか過去の資産を食いつぶすばかりで新たな驚きが無いのがヒジョーに残念でした。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-04-11 10:44:58)(良:1票)
31.  こわれゆく女 《ネタバレ》 
雰囲気のある個性的な作品ということは認める。しかしあまり面白くないのはなぜだろうか。ドラマの本質は「葛藤」にある、という説を聞いたことがあるが、その論に沿って考えるとこの作品に於いては「いかれた奥さんがいました〜どうしましょう」が葛藤の全てだ。彼女の壊れっぷりは全体を通じて大きな変化がなく、事態の進展や起承転結が感じられない。そのあまりの動きの無さが物足りなさの原因と思われる。同趣向であるキューブリックの「シャイニング」もジャック・ニコルソンが始めから狂っているように見えるという同じ弱点を抱えているが、あっちは最後に彼が大暴れするのでそれなりのカタルシスがあった。本作もグダグダのパーティの件で彼女がぶち切れてなにもかも破壊してくれればスッキリしたのではないか。とはいえ女優の体当たりの演技のみが見所というワンテーマ推しという、ある意味潔い作品とは言えるかもしれない。ちなみに共演のピーター・フォークはどうかといえば、何をどう頑張っても彼はコロンボにしか見えないので熱演されても違和感が増すばかり。レナード・ニモイのスポックといい、優れた役者がひとつの役柄にイメージが固定されるのを警戒するわけだ。これは受け手の勝手な事情であり誰の責任でもないが。
[DVD(字幕)] 5点(2015-12-25 17:55:15)
32.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
面白い。カンバーバッチはアスペルガーぽい人物を良く演じているし、脚本も演出も音楽もそつがない。物足りないのは暗号解読の世界の魅力を伝えてくれないことと、時間の解体をした作劇法がムードを高める以上の意味がないこと。良くも悪くもきちんとした職人仕事という印象で名画とまでは言えない。監督にもそれほど大きな野心は無いのだろう。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-11-22 23:42:29)
33.  マッドマックス 怒りのデス・ロード
珍奇でいかれてておもしれー。なにあの太鼓とギタリスト積んだ音楽隊みたいなクルマ!ばっかみたいでいかすー。しかし女性がみんなスレンダーなモデル体型なのはなんで?(毎度こればっか)。「女は子供を産む為の道具」なんて言うのなら乳と尻は巨大でなくては納得できないよ。一瞬出てくる子育て女はみんなフェリーニ好きのするような超グラマーなので当然その視点はあったはず。ああそれなのに、結局監督はクルマにしか興味がないのね。いい女といえば「モーターショーのコンパニオンみたいな娘」ということしか思いつかないのね(反吐)。リビドーは全てクルマ関係に投入ってか。ヒロインも特に女である必然性を感じ無いキャラだし、到底本気とは思えないフェミ視点と、あまりに有り体でダサい女の趣味が「ぶっ飛んだ世界を見物」という全体の価値を著しく削っているのが残念至極!
[映画館(字幕)] 6点(2015-11-05 12:35:41)(良:1票)
34.  巨大アメーバの惑星
これ見たかったんだよ。大昔(30年くらい前)雑誌スターログかなんかで「コオモリグモ」の写真を見ていらい、おおいに気になっていたわけ。しばらく馬鹿高いソフトしかなかったのが、最近低価格のDVDが出たので買ってみた。覚悟していたとはいえ、いや〜、ひどい映画でした。人類初の火星探検というミッションのリアリティがまったくない。宇宙船のインテリアがいやに広い普通の四角い部屋。宇宙服を収納しているのがアメリカの高校にあるみたいな普通のロッカー。そこで肩書きだけは科学者なのに顔つきに知性のかけらも感じられないような人たちが、うだうだと女子隊員を口説いたりしている。緊張感のないこと甚だしい。火星上陸直前にする準備といえば実験器具や武器をただ磨くだけ。その手の科学考証の駄目さに目をつぶるとしても、映画の文法を無視した素人くさい演出と編集には本当に驚いた。窓から火星の景色を見て隊員が「不自然な静けさだ」とか「何者かに監視されているような気が」とかだらだらだらだら言っているのに、決してそれがどんな風景か観客である我々には見せてくれない。これにはほんっとにイライラした。ここらへんの映画の中盤で萎えきって、楽しみにしていたコオモリグモもなんもかんもどうでもよくなってしまったよ!
[DVD(字幕)] 2点(2015-10-29 14:17:29)
35.  13F 《ネタバレ》 
画、配役、脚本、演出のどれをとっても"これぞB級SF"。レーザー光実写を使った安いSFガジェットはほとんどTV番組「新・アウターリミッツ」のよう。過去作からの拝借が度を超しており、驚くほど「ダークシティ」「ブレードランナー」「トータル・リコール」「トロン」に似たプロットとイメージが連続する。特に「ダークシティ」は本作の前年の公開のせいかモロに影響を受けた感がある。女優をジェニファー・コネリーに肉薄するいい女に撮っているのはナイスな影響。残念なのは、ひとつのクライマックスともいうべき「世界の果て」のイメージの情けなさで、作り手の想像力の貧困さを露呈する結果になっている。ここは本作よりはるかに思い切りの良い「ダークシティ」に遠く及ばない。1930年代のアメリカの再現(これは良い感じ)に手間をかけすぎたせいか、SF映画に肝心の"センス・オブ・ワンダーを感じる画作り"がおろそかになったようだ。総じて過去作のごった煮以上のものがなく、この作品ならではのオリジナリティをプラスできていないという印象。
[DVD(字幕)] 4点(2015-10-29 14:12:13)
36.  記憶の棘 《ネタバレ》 
パーソナリティ障害のダメ人間を描ききった大傑作。悪魔的なまでに人間心理の深い部分に触れているのだが「分かる人には分かる」といった描き方なので一般ウケはよくないかもしれない。外見とはうらはらに未成熟で馬鹿な主人公アナが、異常に思い込みの強い少年の大胆な行動に翻弄される。婚約者、母親、姉妹の振る合いを見る限り社会的にはともかく心理的にはみな上手く大人になれていないタイプ。そんな親と環境に自分自身でいることを否定されて育ってきたとおぼしきアナも終始思い込みだけで行動している。気持ちに余裕が無く自分をケアすることに手一杯で人の立場を斟酌できない彼女を「私の話わかりづらいわよね(原語ではsorryの一言だが)」という短いセリフでさりげなく表現する知的な脚本がたまらない。子供に暴力を振るう婚約者の本性(彼の幼児性の現れだ)を見てもその問題を直視せずにごまかしてしまうアナの愚かさ。最後に至って少年だけははっきり成長するのに、そんな彼女と周りの大人は誰一人として成長できずに終わるという考えさせられるプロット。脚本、配役、演技、カメラ、演出、編集、どれをとっても申し分なしの100点。無駄なカットがないうえに行間に語らせる非言語的コミュニケーションの巧さ、?と思うシーンも後にはその意味がきっちり読み取れるようになっている構成の妙が素晴らしい。登場人物の心のありようを丁寧に読み解いていくと心理劇としての矛盾もほぼ見あたらなく細部までしっかり構築されている。本筋に関係ない部分は大胆に見る者に判断を任せており、監督の「客の理解力を信じている」姿勢が嬉しい。そしてこの映画を読み解くのにオカルト的解釈はまったく必要ない。更に素晴らしいのが複雑な心の動きを役者の表情と音楽で伝えきるセンス。心臓の鼓動を元にしたテーマ曲は画面と丁寧にシンクロしており、時に現実音と錯覚させるトリックが付されている。対位法を多用しているのも心地よい。ここらへんはPV出身の監督のキャリアが最大限活かされているように思える。エンドクレジットでかかる子供のコーラス曲は名曲で「銀河ヒッチハイクガイド」のテーマ以来の衝撃をうけた。生涯で最高クラスの一本。
[DVD(字幕)] 10点(2015-04-29 12:19:59)
37.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 
「ストーカー」風味の「スペースバンパイヤ」といった趣の作品。「個」のない蟻のような存在の主人公が、人間の個々性に触れて己との違いに衝撃を受ける物語。一見アートフィルム的な難解風の肌触りで若干の忍耐力がいる。しかし観客を煙にまく意図はみじんもなく、話がストレートに伝わるように出来ている。しかもその描くところはありていな価値判断を超えたとても奥深いものだ。主人公の異星人(?)は人類の命がけの博愛主義的な行為には全くの無関心・無感動。身を挺して人助けをした者をなんのためらいもなく殴り殺して溶かしてしまう。そのスタンスは彼女が蟻のような、あるいはボーグのような集合意識を持つタイプの生命体だと考えれば充分納得がいく。しかし顔の変形した異形の男を取り込んださいに彼の個人的な強い想いに触れて打ちのめされてされてしまう。全体に奉仕するために産まれてきた存在が彼らにとって餌にあたる生き物のナイーブさに気が付いた時の衝撃。そんな彼女の視点から我々人類が他の生物にとってどのような存在なのかということを考察せずにはいられない・・・・・スカーレット・ヨハンソンはリュック・ベッソンの「ルーシー」とそっくりな演技を求められる役所でありながら、作品の持つベクトルは正反対だ。片や「哲学的なふりをしたバカ映画(ルーシー)」。片や「有名女優のヌードに頼ったふりをした哲学的な文学作品(アンダー・ザ・スキン)」と、まるでスカヨハに “人智を超えた存在を感じる演技をさせること” を課題とする映画学校の作品を観るようだ・・・・・ところでこの作品にぼかしを入れる我が国の後進国性に毎度のことながら心底あきれてしまう。こんな愚劣なことがまかり通っている社会に所属していることが恥ずかしい。わずかなセリフもほとんど意味が分からなくて良いタイプの映画なので、ぼかしなしの輸入盤で観るのがお勧め。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-04-24 11:45:13)
38.  昼下りの情事 《ネタバレ》 
彼女は病的な嘘つきではないですか。あらゆる関係者に嘘をつきまくっている。若くて美人ならウソも可愛いってか? 女とか若いとか、表面的な属性をとっぱらってみると、この人品性・品格最低の部類だと思うけど、そんなことはどうでもいいの? その手の人物に気を許すといずれとんでもないめにあうぞ。上昇志向と虚言癖がくっついてそのうち「 なんとか細胞はあります!」とか言い出しそう。そんなやばい人が大金持ちと結婚してハッピーエンドなんて映画作ってアタマ大丈夫? ワイルダーさん!
[DVD(字幕)] 0点(2015-01-12 00:26:08)(笑:1票)
39.  エスケイプ・フロム・トゥモロー 《ネタバレ》 
一歩外に出ると女の尻しか眼に入らない極めて健康なオヤジである自分としては、ヒジョ~にリアリティのある作品。実際何度か訪れたディズニーランドでも当然前を行く尻の大きな女しか見ていなかった。あの性的抑圧と倒錯バイアスが強烈にかかる場所では著しく性欲が増大してしまうのだ。ホントはあなたもそうでしょ? 舞台を架空のテーマパークに設定するような逃げをうたず、ゲリラ撮影で一見無菌に見える夢の国の毒を描く監督の志は、ハリウッド的定型内に収まって安閑としている凡百の制作者達にはおよそ考えられないほど高いものだ。ロケ場所をディズニーランドに限定しながらドキュメンタリーではなく、完成まで全て秘密裏に進めた苦労を知ると本当に頭が下がる。役者も無名ながら驚くほど上手い。音楽も良い曲ばかり。監督が残念がっている稚拙な合成処理も変性意識を感じさせて結果オーライ。ここまできっちりやるとさすがのうるさいディズニーも納得するのか、訴訟は起こしていないようでソフトも普通に売っていて大変めでたい!ひとつだけ残念なのは(例によって)主人公の好み。彼はどうしてあんな痩せた女を追いかけ回すのだろう。二人とも肉体的にあまりにも未成熟で〈若い・今風美人〉という記号しか感じられない。彼女達がティンカーベルとなってそのラストを飾るが、ティンクは成熟した女の象徴だ。よって絶対にばーんと腰の張った安産型のグラマーなタイプでなくてはいけない。これはピーターパンという暗喩に満ちた物語の大きなポイントのひとつなのでいいかげんに扱われては困るのだ。変態ウォルト・ディズニーはその点はしっかり押さえていた。R15指定でエロがテーマの本作よりお子様向け本家アニメのティンカーベルの方が数段エロいというこの矛盾。笑える
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2015-01-03 09:01:40)
40.  魔法にかけられて
この設定にして彼女を何故ディズニーランドに連れて行かない!?最高の就職先ではないか。
[DVD(字幕)] 6点(2014-10-19 09:26:26)
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