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1.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 
この演出にする為にこの話を選んだのか、この話だからこの演出にしたのか。 どちらにしても役者の台詞が全編歌になっているという映画としては希有な演出方法にバッティングさせないという意味では本作ぐらいの話が調度良かったのではないかと思います。  発想としては特徴的ですが造りとしては余り丁寧さを感じる事が出来ませんでした。 冒頭のタイトルバックの俯瞰の映像でカメラの存在を感じさせる雨垂れを見て「初っ端から結構雑だなぁ」と思ってしまいましたし、シークエンスが変わる場面々々でも編集のタイミングが抜群に悪い所があるので全編歌っているミュージカルなのにテンポの悪いものになってしまっています。(後半になると幾分改善されてきます)  作中で歌われている曲も主役の2人が駅で別れるシーンのものが良かったぐらいで、その他の曲は殆ど印象には残りませんでした。 勿論私がフランス語を殆ど分からないという理由も有りますが(サルとサバぐらい…)、メロディーというより台詞に対して音程を不自然に上下させているだけではないかという所が多々あったと思います。  また、映像ではセットや衣装の色に拘っていたと思うのですが、それらを強調させたいが為にべったりとした正面からの工夫のない光の当て方になっていたので、奥行きの感じられない教育テレビの人形劇の様な安っぽい画になってしまい色見だけが無駄に散らかっていた印象でしたし、壁紙と衣装をシンクロさせても、そのアイデア以上の効果を感じる事は私には出来ませんでした。 ラストのガソリンスタンドでの雪と建物の白と夜空の黒に差し色の様に原色をポイントで配した画は唯一非常に美しかったです。  最終的な印象としては、音楽と映像による演出を軸にした作品だと思うのですが、それが活かされているシーンがあまり無く実験的な試みとして終わってしまっていて演出というレベルにまで具現化されてはいない様に思いました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-06-24 21:55:59)
2.  パリ、テキサス 《ネタバレ》 
オープニングで流れる音楽にいきなり痺れます。 作品は初見とは言えサントラは手元にあったので結構聴いていたのですが、やはり空っぽで荒涼とした大地の画に重なるとライ・クーダーの音数を極限まで削ぎ落としたリゾネーターギターは一層冴え渡り素晴らしさを再認識させられます。 しかし、本作の内向きな人間模様やテキサスの荒野にはしっくり来ますが、ヒューストンやロスのような直線を用いて水平と垂直からなる人工物で満たされた街には若干の違和感を覚えてしまいます。  このライ・クーダーの音楽を始めとしてジョン・ルーリーがちょこっと出ていたり、サム・シェパードが脚本を書いていたり、ロビー・ミューラーが撮っていたりしますし、出てくる俳優さんも数は少ないのですが皆作品に馴染んでいて気持ち良く見る事が出来ました。 特に主演のハリー・ディーン・スタントンが全編を通しての気弱で後ろ向きな雰囲気を交えながら病的にも見える喋らない前半と息子と元妻に会ってからの不安と喜びが混在する後半を悲壮感を漂わせながらも抑え気味で見せる演技には好感が持て適役だったと思います。  4人それぞれの想いで見ている8mmのシーンは当然とはいえかなり切なくなってしまいます(幸せに溢れている内容のようですが5年前ということはトラヴィス夫妻の関係はほぼ破綻していたとも言えるのですが…)。 そんな切なくなるシーンを受けているので対比としてメイドさんと父親作りをしている姿には笑ってしまいます。 『リッチな父親』が出来上がり車道を挟んでトラヴィス親子が家に帰るシーンは微笑ましくて本当に良かったのですが、トラヴィスがハンターの方に近づいて行くカットはストーリー的にも映像的にも重要だったと思うので、他のカット同様もう少し印象的なカメラアングルにして貰いたかったです。 とは言え、この連続する3つのシークエンスの流れや親子の距離感の詰め方等の演出は見ていて非常に心地良かったです。  マジックミラー越しに再開したジェーンに思わずまた嫉妬してしまうトラヴィスの姿は悲しすぎます。 過去と何ら変わっていない自分が彼女とハンターと3人で幸せに暮らしている未来が想像できないトラヴィスは2人の元を自ら去って行ってしまいます。 2人の元から逃げたとも取れますし自分自身とも対峙せずに自分の人生から逃げたとも取れます。 解決法としては自分自身を変えて物事を前向きに考えられるようにすれば良いのですが、それが出来ないトラヴィスのラストを十分理解出来てしまう私には彼の行為が私にとってのリアリティー以外の何物でもないように感じてしまいました。  ハッピーエンドではないですが納得出来てしまう本作は私自身の弱い部分を抉られるような辛辣ささえ感じますが、決して気分を害したり二度と見たくないようなものではなくその対極に有る作品となっています。 この世界が完全ではないのは人間が不完全だからだという事を情景として静かに見せてくれる映画だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2015-09-16 02:12:09)
3.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 
タイトルの原題は主役のモンコの為に有りますが邦題はダグラスの為に、そして内容的にはダグラス中心と言っても良いくらいです。 冒頭のメインキャストの登場シーンの順番や各人への時間配分等をみても作品に対してのダグラスの重要性は明らかだと思います。 イーストウッドに思い入れを持っている人には面白く無いかもしれませんが、別段そうでない私にはこの構図は非常に面白かったです。  イーストウッドをメインにしてリー・ヴァン・クリーフを完全な脇役にしても成り立つくらいイーストウッドの存在感と渋さは確立されていた印象でしたが、敢えて2人を立たせる事によりお互いに対する新たな緊張感が加わるのと同時に若干の人間味のようなものを感じて作品に厚みが出来たと思います。 容姿もキャラクターもそれ程違わない2人がお互いの存在を潰し合わずに擁立出来た理由は調度良い演出と脚本だと思います。 勝手にポーターに荷造りさせたり、足踏んだり、帽子を撃ったり、作戦から逸脱したりと先に仕掛けてくるのはいつもモンコですがダグラスがそれをしれっと往なしつつ力を見せつける様は見ていて心地良かったです。  また、この演出と脚本の調度良さは勿論作品全体にも及んでいて2人が渋すぎるのに重くなり過ぎずに、ガンファイトが多くても軽くなり過ぎない等と話自体が結構丁寧に作られている事を認識させられます。 2人の賞金稼ぎが存在するだけで不安定で破綻確定な設定ですがインディオを仕留める彼等の目的を別のものにしたお陰で収まりの良い纏まり方になっていますし、それに付随して出てくる途中の話や小物等もかなり効果的だったと思います。  出演者のカッコ良さ、的確な演出と脚本、そして音楽の使い方と楽曲自体も素晴らしかったです。 100年以上前のアメリカが舞台の話を50年以上前にイタリア人が映画にして日本人の私が今見て喜んでいます。 単純に『良いものは良い』という事だと思いますし、色々な壁を超えて楽しませて貰えて何となく嬉しくなってしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-13 18:58:00)(良:1票)
4.  U・ボート 《ネタバレ》 
連合国側からの戦争映画ばかりを見てきたのでこのような作品は新鮮で良かったです。 戦争やナチスを肯定する気は更々有りませんが、ハリウッド映画では見慣れないヨレヨレの服を着て無精髭を生やしたドイツ兵が感情を露わにして必死に生存を懸けている姿は心を動かされるのと同時に、戦勝国の解釈によるヒロイズムやセンチメンタリズム的な作品を少し考えさせられるきっかけにもなりました。  潜水艦映画特有の時間と空間の『制約』を最大限に使って静と動を上手に表現していたと思います。 閉鎖空間のストレスからくる人間関係の縺れ等はほぼ描かれておらずに、悪化する情況に対する各登場人物の絶望感をメインにしているので見ている側にもそれらの感情がダイレクトに一人称となってのしかかってきます。 登場人物同士の関係で言えば直近の敵の攻撃でパニックに陥り職場放棄して艦長の信頼を失っていたヨハンがジブラルタルでは自分の責任を果たして浸水を止めた事を報告に来た時に「良くやった、濡れた服を脱げ」と肩を叩いて見せた大袈裟ではない艦長の嬉しそうな表情には涙が出そうなくらいこちらも嬉しくなってしまいました。 また、航行中に偶然トムセンの艦に出会った時に艦長が子供のように嬉しそうに手を振っている姿は冒頭の潜水艦乗組員4万人中3万人が帰還しなかったというテロップの意味を考えさせられる印象的なシーンだったと思います。  映像的には1981年制作には見えない程画質が荒かったです。 おそらくナイトシーンと艦内の暗い所での撮影がメインの為にフィルムの感度が高かったせいだと思いますが映像からは60~70年代制作作品に見えてしまいます。  私自身もかなり作品に入り込んでいたのでジブラルタルの海底で修復を終え再浮上できた時とエンジンが掛かった時には「やった~」と、シーンが変わって昼間の海を堂々と浮上航行している時には「助かった~」と自然に声が出てしまいました。  前述した様に潜水艦映画の『制約』を上手く使っているのと同時に本作は戦犯国(この表現自体疑問ですが)制作の『制約』もあったように感じます。 それは軍上層部批判(これはそんなでも有りませんが)と戦闘シーンの少なさとラストのプロットだと思います。(勿論勝手な想像ですが) 個人的な感想ですがもう少しこの艦自体が戦果を上げても良かったのではないかと思いました。 だって映画ですし、そうした事によって歴史が変わる訳でもないですし。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-06 20:35:39)
5.  バグダッド・カフェ 《ネタバレ》 
 ホリー・コールの「コーリング・ユー」は持っていますが、やはり、こちらのジェヴェッタ・スティールの方が格段に良いです。遠くの方で虚空に向かって歌っているような、無機質にも聞こえるが凛とした歌声は作品にも合っているし、単体でも素晴らしいです。   フェルナンド・ボテロの絵から抜けだしたようなドイツ人のおばさんと、全方向に見境なく攻撃する黒人のおばさん(夜中に布団たたきで干してある布団を叩いたりはしませんが…)の友情のお話でしょうか。  この2人が作品を通して、徐々に魅力的に成っていきます。   舞台が砂漠という事もあり、殺伐さと気だるさの中で、微妙で不安定な人間関係がゆっくりと繋がって好転していくのは心地良かったです。  作品後半は人間関係が好転しすぎて、俗っぽく成ってしまったように感じました。前半の雰囲気にもう少し浸っていたかったです。  そんな時に、彫師の姉御が「慣れ合いすぎ…」と言って出て行ってしまいます。思わず私は「ですよねぇ~、この後あなたがメガフォン取ってくれませんか?」と、劇中の人にパラドックス的な事を思ってしまいました。  百円ライターを透かして見ているような世界や、感度の違うフィルムを使って撮っているアナログチックな映像の効果、個々のカメラアングルの切り方など、見ているこちらの意識をほぼ持って行かれるくらいにセンスが良かったです。  主人公のジャスミンが「手のひらは白いのね」と、ブレンダの娘のフィリスに聞き「カワイイ?気に入っているの」と、言うシーンは、ちっちゃな仲良しの子供同士の他意のない会話のようで特に印象に残りました。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-11 15:22:00)(良:1票)
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