1. 太陽に灼かれて
ロシア映画は初めてですがこれは名作だと思います。話自体は非常にゆったり進みますが、最後まで退屈せずに見られました。前半部でコトフ大佐とその家族の生活が美しい風景の中で牧歌的に描かれ戦車や戦闘訓練すらも村人は淡々と捉えています。しかし、後半でミーチャの正体が明らかになるにつれ画面に緊張感が漂ってきました。劇中に登場する巨大な気球と火の玉(偽りの太陽)が彼らを陥れる政治の影のメタファーになっているのだと思います。前半で登場する運転手をラストに持ってくるのもそういったコントラストを明示しているのでしょう。ラストはいつまでも余韻を残します。前半部は役者の演技でまとめていますが、特にナージャは映画に明るさをもたらす意味で「都会のアリス」のアリス同様、魅力的なキャラクターでした。 [ビデオ(字幕)] 9点(2004-12-15 17:01:13)(良:1票) |