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青観さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 1963
性別 男性

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481.  サンダカン八番娼館 望郷 《ネタバレ》 
田中絹代のこの存在感と凄み、とても今の女優(果たして女優と言えるかどうかも分らんが奴ら)には出せない凄さに圧倒されられる。自分の昔、娼婦として働いていた時の話を栗原小巻演じる調査員に語る場面の演技にはこれぞ女優と言える凄まじさを見ることが出来る。また田中絹代ともう一人、高橋洋子の初々しさ、貧しくも一生懸命生きる姿、初めて本当に自分が女として一人の男を愛し、そんな男への気持ちを表す姿がこれまた何とも切ない。金はいらないから泊まってけよと誘う所のあの女としての気持ち、そこには娼婦であることをも忘れ一人の女である姿が見られる。全体的に見ると話のテンポがいまひとつな気がしてならないものの、出演者、女優陣は勿論のこと、脇役の男優の演技、存在、中でも小沢栄太郎のあの嫌らしさ、傲慢な親父ぶり、こういう役を演じてこれほどまでにハマる男は他にいるだろうか?によってなかなか見応えのある作品にはなっている。女が生きていくには男の力が必要、女が強くなる為には男を獲物として何とかしなくてはならないというような何んだか女の恐ろしさもこの作品からは感じることが出来る。女の強さと弱さ、それはあの最後の方の田中絹代の絶叫と涙、更に栗原小巻演じる調査官が自分にも子供がいるからと言って涙ながらに頭を下げる場面に現れているようにも思えてならない。いずれにしても俳優陣の素晴らしい演技無くして語ることの出来ない作品だと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-28 22:27:41)(良:1票)
482.  お國と五平
これは成瀬作品としては珍しい時代劇風な始まり方で、時代劇風メロドラマと言える内容も成瀬映画としては特別凄い作品でもないし、そこそこ楽しめる程度の出来もお國役の木暮実千代の色っぽさ、大人の女の色気十分に木暮実千代ファンなら木暮実千代を見ているだけでも見て損はない作品だと思います。成瀬作品らしい女の強さ、男のだらしなさという意味においても他の多くの傑作と比べるとやはり弱い。それでも何度も言うように木暮実千代のあの美しさ、やはり女優を美しく撮ることに関してこの監督さんは本当に上手い。そう思わずにはいられなくなるぐらいこの映画の女性像、画き方などは見事である。話そのものは特に凄い話が展開されるわけでもなく、時代劇としてもメロドラマとしても中途半端な感じはするが、こんな成瀬映画でも画面構成の美しさだけは相変わらずだとも思えるほどとにかく美しい映画です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-28 18:05:00)
483.  眠狂四郎 女妖剣 《ネタバレ》 
久しぶりの「眠狂四郎」シリーズの拝見と行こうということで選んだのがこれです。久しぶりとはいうものの私自身このシリーズを観るのはこれがまだ二作目でして、まだ狂四郎映画の良さ、面白さをはっきりとは解ってはいませんが、これだけは解る。市川雷蔵の狂四郎はスケベでありながらもクールであり、その辺が単なるスケベではないということ!ここらが私とは大違いである。あっ!いやはや、私はけして、そんなにスケベじゃないけど、だからといって女の裸が嫌いではないし、むしろ大好きである。おっと、私のことはどうでも良くて、いや、待てよ?男でスケベじゃない奴なんてこの世にいるのかな?、女の裸に興味のない奴なんているのかな?いたら一度、そいつの顔を拝見してみたいものです。すいません。そんなことよりもこの映画を見ての感想をきちんと書かないといけない。市川雷蔵狂四郎に忍び寄る女どもがどいつもこいつも本当に魔性の女全開であれだけ誘われてもまるで何もなかったかのようにして「私は無頼の徒だからお前も平気で斬れる」と言って斬りまくる市川雷蔵の狂四郎の態度、こんなことを言える男が果たして他にどれだけいるか?それにしても市川雷蔵という人物そのものがまるで狂四郎であるかの如く思えてならないあの乾いた空気、男の色気といやらしさを醸し出しているにも関わらず、また、これだけの女の裸を見せられてもいやらしさというものをさほど感じない作品になっている。それはやはり市川雷蔵が狂四郎だからであろう!
[DVD(邦画)] 6点(2008-09-27 23:14:22)
484.  遊び 《ネタバレ》 
えっ?たった一人しかコメントないの?増村映画って川島映画と並んでコメントが少ない。書かれている人の数の少なさといったらない。もっと評価されていいこの監督とこの監督の作品群の中にあって、これは増村保造監督の監督デビュー作品とのことで、後の増村映画に多く見られる危険な男達とそんな男に惹かれていく女の哀しさがここにも見られる。主演の二人、特にヒロインを演じている関根恵子の若さ、初々しさが輝る。話としては増村作品にしてはまだまだ若尾文子主演の幾つかの作品に見られるような力強さという意味では弱い気がするものの、男と女の二人の気持ち、不器用な男とそんな男を愛してしまった女の青春模様が描かれている。ラスト、お互いの愛を確かめあった二人がボートにしがみつくようにして去っていく終わりに二人の未来、幸せが待っているようなそんな余韻を残したまま終わるというこの映画、何だか川島雄三監督の「洲崎パラダイス赤信号」に通じるものがある。あちらに比べると作品全体、重苦しいし、出来としては劣る。それでもこの監督も余韻の残し方に関しては上手い。監督デビュー作から既にその後の増村映画の元になっているスタイルが感じられる作品にもなっている。それにしてもこの監督の女性像って何だろう?ていつもながら考えさせられる。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-27 10:31:10)(良:1票)
485.  あゝ声なき友
寅さんこと渥美清の命日にあたる2012年8月4日の昨日改めて再見!以前観た時はあまり面白く感じられなかった。今回再び観てもそれほど面白いとは感じない。しかし、何だろう?俳優渥美清という人の演技を観るとこの人の演技は演技というよりもまるで渥美清そのものが映画の主人公のように思えてきてならないのである。要するに演技していても演技していないような錯覚を覚えずにはいられなくなる。この映画の渥美清演じる男には他の渥美清、寅さんで見られるような哀愁漂うものが感じられない。それだけに何か歯痒い。それは監督が山田洋次監督でないからかもしれないし、喜劇と悲劇は紙一重という言葉があるとすればこの映画には悲劇的要素はあっても喜劇的な要素なんて全くない。だって監督がシリアスな映画ばかりの今井正監督だからというのもあるであろう。「青い山脈」というユーモアの効いた青春映画も撮ってはいても今井正監督と言えばどうしてもシリアスな映画というイメージが離れない。イメージという意味では渥美清の持つイメージからは想像出来ない映画として印象に残る映画です。好きとか嫌いとか面白いとか泣けるとかいうような映画ではないけど、それでも一流の監督によって一流の俳優が一流の演技によって見応えある映画になっている。改めて渥美清がいない現在の日本映画における大きな損失を感じたまま観終わった。寅さんのようにまた見たい。何度も見ては笑い、泣き、共感出来る映画でないけど観るに値する映画としていつまでも心に残りそうなほどの映画です。もし、この脚本のまま山田洋次監督が撮っていたらどうなったかなあ?全く違う映画、良い意味での別の映画になっていたかもしれないし、いやいや、やっぱり今井正監督で良いのかもというような気持ちにもさせられる。 (2012年8月4日再見)
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-21 11:54:41)(良:1票)
486.  紀ノ川 《ネタバレ》 
困った。どうするえぇ?書きたいこと、言いたいことを全部放浪紳士チャーリーさんに書かれていて何を書けば良いのか困ってしまうえぇ!あの流れる紀ノ川の水の美しさ、舞台となっている和歌山県のこの風景の美しさ、そして、司葉子の美しさと娘、岩下志麻の美しさ、何もかもが本当に美しいでのし!あの音楽にしても美しい上に何とも力強くて、それはまるでこの映画の主人公、司葉子演じる花の人生そのもののようであり、旧家のお嬢さんが代議士の妻へとなる姿などは本当に司葉子の人生そのままのような気がしてならない。そんな司葉子と岩下志麻の親子を見るとついつい、別の物を思い浮かべてしまう。それは何もこの二人に限ったことではなく、昔の日本映画ばかり見ているからか?横溝正史原作の話を想像してしまう。更に所々で使われる言葉使いの「のし」だの「よし」に「何々してえぇ」だのって、まるで増村監督の「華岡青洲の妻」みいだと思ったら何と原作者が同じである。これにはびっくりさせられるえぇ!同じ原作者の話でもあちらほどドロドロしてないし、見やすいという点ではこちらの方が見やすいと思うが、増村作品ほどのえぐい感じと力強さ、女同士の戦い、例えば今作では司葉子が岩下志麻が自転車に乗って楽しんでいるのを見つけて叱り付ける場面にしても「華岡青洲の妻」の高峰秀子と若尾文子の二人ほどの凄みはない。そういう話なので仕方ないかもしれないけど少し物足りなさも残る。しかし、一本の作品として見るとなかなかよく出来ている。主人公の生い立ち、老いて行く心理というもの、それは紀ノ川の流れる水のように人生とは速く進むもの、誰だっていつかは必ず老いて行くものであるというようなものを美しい映像と俳優陣の素晴らしい演技で見せてくれている。中村登監督、この監督は「古都」でも解るように日本の四季の美しさを描かせたら間違いなくトップクラスに入る監督であるとこの映画を見て改めて思いました。最後に年老いた司葉子の花が歩く場面、あれでもっと身体を曲げて、前屈みで歩くとまるで「悪魔の手毬唄」の老婆(青池リカ)を思ってしまうのは私だけかのし?何か「のし」の使い方やはり違ってるかもしれんえぇ!←多分、この「えぇ」の使い方も違うなあ?
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-09-15 12:10:12)(笑:1票)
487.  大地の子守歌 《ネタバレ》 
増村映画に常に付きまとう女の苦しみ、痛み、傷ついても傷ついても、直向きに生きる少女おりん、原田美枝子の演技力、この当時若干16歳にして、この迫力、昨今の女優気取りのタレントなどとは大違いである。これが女優の演技だ。おりんが発する「この馬鹿たれが~」は自分に対する思いと自分をこのような世界、女郎へと引きずり込んだ男、佐吉への恨み(叫び)、また、自分を置いて死んでしまったばばあに対する思い、自分の事を何も解ろうとしない周りの連中への叫び、素直な気持ちの現れだと見ていて感じる。おりんがもう女になどなりとうないという気持ちが何とも痛い。牧師に対し船に乗せてくれというあのおりんの姿に少女としての本当の意味での女としての悲しみが滲み出ていて泣けてくる。眼が見えなくなったおりんが船を漕ぐあの姿にもおりんの悲しさ、切なさが現れてる。それにしても女優に対しとことん演技というものを追及する増村保造監督の演出の凄さ、今、これだけ女優に対し凄まじい演出を追及する監督はいないのではないだろうか!
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-09-14 14:04:39)(良:1票)
488.  妻の心
成瀬映画の中で三船敏郎が見られる。滅多にない光景である。そんな三船敏郎の黒澤映画では見られない別の魅力がここでも観られるだけで嬉しかったりもする。しかも、三船敏郎だけでなく千秋実の姿まで観られて、それに成瀬映画の常連加東大介とまるで「七人の侍」でも観ているような感覚にもなり、そういう意味でも貴重であり、嬉しい。話としては相変わらず成瀬映画らしくて、男の駄目ぷりと女の強さが描かれている。主演の高峰秀子に関しては文句なしです。妻の気持ち、心の病、苦しみの中で女としての葛藤をけして、大げさに演じることなく見せる上手さ、高峰秀子あればこそ成瀬監督の持ち味が発揮され、その反対のことも言えるのである。女優陣に関してもう一人、暗くなりがちな中で笑顔が魅力的杉葉子もこれまた良い。成瀬映画としてはドロドロした凄みというもの、メロドラマとしての凄さもあまり感じられないし、物凄い傑作でもないものの、相変わらず映し出される風景の美しさには眼を奪われそうになるぐらいの良き日本の姿がこの作品にも見られる。そういう美しさを見るたげでも見る価値十分である。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-13 14:29:50)
489.  悲しき口笛 《ネタバレ》 
美空ひばりの初主演映画てことらしいけど、これは凄い。何が凄いって?映画としての完成度や面白さ以上にまずは何と言っても美空ひばりの歌唱力の凄さ、上手さに驚かされる。とても12歳とは思えない大人顔負けの既にもうこの時から後の大物歌手としての貫禄みたいなものが見られるのが凄い。しかも、ただ歌が上手いだけでなく子供らしく演技しているのもこれまた驚きである。見た目は明らかに子供、体型は完全な子供なのに中身は大人である。しかし、それでいながら子供らしさを全く失ってないところも凄い。初めて菅井一郎と津島恵子の二人と出会う場面でのあの子供らしさ、二人に拾われる形で共に生活をしていく中で見せる表情から何まで子供なのに大人のようである。それでいて、子供らしく二人に対して接する姿などはやはり子供そのものである。津島恵子が踊るシーン、ここで歌う美空ひばりの東京ブギブギも楽しい。話が進むに連れて何だか湿っぽくなったりと不満もあるものの、そんな中でもやはり美空ひばりのあの存在感はただ者ではない。麻薬密売グループに連れ去られた津島恵子を追う時の涙、ラストの酒場でのタキシード姿に帽子、そして、映画のタイトルにある「悲しき口笛」を歌う場面などは日本版マレーネ・デートリッヒのようである。美空ひばり演じるミツコを探し求めていた兄との再会シーンでの「お兄ちゃん~~~」の絶叫、涙などは正しく子供そのものであり、これは美空ひばりの存在無くして有りえない映画と言って過言ではない。ところで、徳大寺伸と津島恵子の二人を見ていたらまた川島雄三監督の「とんかつ大将」が見たくなってしまった。そういや、美空ひばりも川島雄三監督の「お嬢さん社長」に出ていたなあ!
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-09-13 10:19:12)
490.  魚影の群れ 《ネタバレ》 
この映画を一言で表すなら「壮絶」て言葉で表したい。緒形拳と佐藤浩市の二人の男のもたらす一騎打ち、漁師としてのプライドをかけた男とそんな男を慕う男の闘い、愛する女の為になら頭を下げ、どんなことにも耐え、少しぐらいのピンタも耐えて見せる男、そして、二人の男に関係する女、父親への愛と愛する青年への愛、待つ女を見事に演じて見せてる夏目雅子の存在があればこその作品になっていると言っても過言ではないぐらい夏目雅子という一人の本物の映画女優の存在が大きい。緒形拳と佐藤浩市が船に乗ってマグロを釣りに行く。あの釣り糸が間違って佐藤浩市の顔へと行く場面の凄まじいことといったらないぐらい漁師という職業の厳しさ、辛さが物凄くリアリティーを持って伝わってくる。半端じゃないぐらいの映像的な力強さ、それはオープニングのあの長回しからしてこの監督らしい力強いショットとして現れている。夏目雅子が自転車に乗って坂道を下ってくるシーンにおいても映画的な力を感じることが出来る。夏目雅子というこの女優の持っている魅力、男に対する態度、待つ姿、そして、やはりあの日傘、夏目雅子に日傘、森崎東監督の「時代屋の女房」の中でも日傘姿の彼女が映し出されるが日傘がこれほど似合う女優は果たして他にいるだろうか?ただ見た目が可愛いだけでない、きちんとした演技力を持っているこの女優の若くしての死は本当に不幸である。映画史において各年代事に必ずその時代を映し出す本物の女優がかつての日本映画にはいた。少なくともこの映画が撮られた1980年代において最も女優らしい、それでいて、誰でも親しみの沸くことの出来る女優は夏目雅子で決まりである。この映画は男と男の格闘であると共に女も女で男達と共に何かに向って戦いを求めているような感じがしてならない。いずれにせよ、夏目雅子がいる。彼女がいるといないではここまでの作品になったであろうか?僅か27年という短い人生においてまた短かった映画人生において夏目雅子の代表作であると共にこれもまた若くして亡くなった相米慎二監督の代表作の一つであると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-09-06 14:29:25)(良:2票)
491.  セックス・チェック 第二の性 《ネタバレ》 
おっと、放浪紳士チャーリーさん、これまた偶然ですなあ!私もこれ借りてきたばかりで今さっきまで観てました。ところで5点とはかなり厳しいですね。そういう私も増村映画の中の特に傑作だとは感じませんがそれでもなかなか面白かったのでこの点数ですが、それにしてもこのキャスティングの何たる濃い人達、これもまた増村映画らしく、しかもこんな変態映画を撮るなんてのもこの監督しかいないと思うぐらいここでもやはり変態映画になってます。安田道代のあの肉体はどう見ても女なのにそれをセックスチェックしてみたら男であったなんて、どう考えても有りえないし、やはり変態映画らしく、緒形拳の鬼コーチにお前は男なんだから男らしくやれとまあ、何から何まで増村タッチ全開、昼間は陸上の特訓、夜は夜でひたすらセックスしまくりと、こんな鬼コーチぶり、変態男ぶりの緒形拳にレイプされてしまう小川真由美もこれまた何とも怖い。緒形拳の変態コーチ、狂気こそ人間の狂気であると言ってるような何だか本当にこの監督の変態性を見せ付けられたような気がする。
[DVD(邦画)] 7点(2008-08-31 14:51:33)
492.  黒の試走車(テストカー)
相変わらず増村映画に出てくる男達はいつもギラギラしていて、常に冷静さを失っていて感情を表に出す姿が炎々と描かれる。しかも、決まってハイテンションである。中でも高松英夫のテンションの高さはここでも異常なぐらいである。会社の為とはいえ他人を犠牲にし這い上がろうとする連中きりの役員達、ライバル会社との駆け引きの中で男達に関わってくる女達とのドラマという意味で今作は増村監督にしては普通な感じでこの監督らしいしつこさがちょっと弱く思える。田宮二郎と船越英二の使い方も何だか勿体無く思えるのと終わり方も何だかいまひとつな気がしてならない。モノクロの画面から伝わってくる人間の身勝手さ、他人はどうなろうと自分さえ助かれば何もかも上手く収まるんだとまるで現代の社会に対する警告、皮肉のようなものは見ていても感じることは出来る。そういう意味においては見応えはあるものの、やはり増村作品らしい何かこう見終わった後にまた見たくなるようなもの、余韻のようなものがさほど感じられなかった。
[DVD(邦画)] 6点(2008-08-31 14:36:11)
493.  快盗ルビイ 《ネタバレ》 
小泉今日子の大ファンである友達と観に行きました。小泉今日子の可愛さは永遠のものです。今でもあの時の可愛さ、忘れません。勿論、今でもとても41才(バカボンのパパと同じ歳とはとても思えない。)には見えない可愛さを意地しているところが凄い。そんな小泉今日子の前にただただ言いなりになって泥棒を手伝う三枚目を演じている真田広之だが、見た目は二枚目だが、三枚目を演じる時の方が魅力的であり、そういう役を演じる方が断然、良く見える俳優である。少なくとも「たそがれ清兵衛」のようや役よりも三枚目のどこにでもいそうなサラリーマン風な男を演じる方が私は良いと思う。この作品ははっきり言えば一昔前のアイドル映画であり、けして、傑作とは言えないが、作品全体のいかにも昭和60年代風な感じが同じ時代を生きてきた者としては見ていても楽しい気持ちにさられるのと明から雰囲気を楽しむそんな映画である。この映画を観て映画にも雰囲気というものはとても大切であるということを教えてもらった気がします。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-27 21:55:44)(良:2票)
494.  喧嘩太郎 《ネタバレ》 
石原裕次郎と芦川いづみコンビの作品を観るのはこれで何本目だ?こう幾つも観てると二人が一つの作品の中に出ていると話の面白さよりも石原裕次郎がどれだけかっこ良いか?そして、芦川いづみがどれだけ可愛いか?いや、可愛いのはもう見るまでもなく、そんなことは見る前から解ってることだ!芦川いづみがどれだけ可愛いかなんてそんな当たり前のことよりもどれだけ出てくるか?で満足度が変わってくる。今作にしても石原裕次郎に対する芦川いづみの目線が何とも良いのである。毎回思うことだが芦川いづみが石原裕次郎の男らしさ、好青年ぶりをどれだけサポートしているか?その逆で石原裕次郎が芦川いづみを今度はどれだけサポートし、ただでさえ可愛い芦川いづみをより一層、可愛く見せるか?それは単なる見た目だけの可愛さではなく、女らしさ、つまりは女として一人の男をどれだけ自分の為に尽くす男へと見せることが出来て、その上で男を優しく見守ることが出来、それでいて、ここぞという時にはしっかりと怒ることが出来るか?この作品など石原裕次郎演じる男は会社には遅刻してばかりの上にやたら喧嘩ぱやくて、色んな女にも手をだそうとしたり、誘われたりと、男の立場から見ると単なるバカで女たらしに見えるはずなのに、それがどうして?やはり芦川いづみの存在がかなり大きいのだ!彼女のような女性を前にしたら例えその女性が警察官だろうが私は気にしません。そういう女性を演じれるのがこの芦川いづみという女優なのである。二人がはしゃいで終わるラストには二人の未来、これから先の希望のようなものも見えて終わり方としてはこれで良いのだ!いつまでも引っ張らずに終わらせてこそ余韻というものが心に残る。作品としてはとにかく滅茶苦茶な感じで石原裕次郎の暴れぷり、上司の東野英治郎の侘しい感じとこの二人の同じ職場の連中の腹の立つことなど欠点も多く、むしろ欠点の方が多く感じるし、本当にどうしようもなく思えてならないが何度も言うように石原裕次郎を見る芦川いづみ、とにかくイチにも二にも石原裕次郎映画には芦川いづみがいてこそ、石原裕次郎という俳優の魅力がより発揮される。それだけは絶対です。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-08-26 21:21:15)
495.  マルサの女 《ネタバレ》 
この作品、公開当時、学生だった私は学校サボってガラガラの映画館で観たのを覚えてます。しょっぱな看護婦さんのおっぱいを吸っているおじいちゃんが映し出されるのを見て、良いなあ!羨ましいなあ!なんてアホなことを思いつつ観てました。そんな中で脱税する者、それを捕まえる者、脱税の手口を徹底的に見せてくれていて楽しむことも出来た。この映画が公開された年、1987年ていうと確か世の中はバブル最盛期であったはず。正しくこの時代に撮られたことが作品全体に物凄いリアリティを感じる。その一方で映画的な興奮というと果たして如何なものかと?いう不満も残る。そうは言うものの、面白いことは面白いので低い点数は付けられない。伊丹十三というと俳優としてもなかなかのもので大変癖があってその癖が苦手な人はとことん苦手かもしれないが、私は結構好きである。監督としての伊丹十三よりも俳優としての伊丹十三の方が私個人としては好きであるが、監督としての才能、眼の付け所もその時代にきんと対応していてなかなかのものである。そんな伊丹十三というこの監督としても才能のある一人の死は大変な不幸であり、惜しまれる。今も生きていたら間違いなく今の時代にあった作品を次から次へと発表してくれることであろう!
[映画館(邦画)] 7点(2008-08-25 22:38:51)(良:1票)
496.  社長行状記
やっぱりこのシリーズは三木のり平がいるといないとでは大違いである。この作品を観て改めてそう思った。日本を代表する名喜劇役者勢揃いの「社長」シリーズにおける三木のり平、三木のり平がいるだけで話そのものなど大して面白くもなく、どれを観ても同じようなパターンであったりと、それはまるで「男はつらいよ」シリーズを観るのと同じである。内容はどれもこれも似たようなもので、マンネリも良いところである。しかし、そのマンネリこそが「男はつらいよ」シリーズと同じで安心感というものが作品全体に漂っている。森繁久彌にいつも叱られてばかりの三木のり平がとにかく良いのです。まるでチャップリンやキートンを思わせるような感じや太鼓持ちのような腰の軽さがあればこそのこのシリーズ、三木のり平あってこその「社長」シリーズ!社長の浮気現場に必ず邪魔しにやってくる三木のり平が私はとにかく好きで、好きでたまらない。脇を固める俳優陣の中にあって、一段と面白いのが三木のり平なのです。三木のり平の面白さの前には他の喜劇俳優や特にフランキー堺も霞んで見える。小林桂樹と奥さん役の司葉子も流石に三木のり平の前には歯が立たない。いずれにしても三木のり平いてこその「社長」シリーズの中の一つであることは間違いない。
[DVD(邦画)] 6点(2008-08-19 21:32:06)
497.  愛妻記 《ネタバレ》 
フランキー堺と司葉子の二人が夫婦だなんて、あぁぁぁ、良いなあ!もう、それだけで半分以上の点数はやりたくなる。そして、二人のやりとりを見ているだけでも物凄く楽しい。フランキー堺と最初に出逢った司葉子がくしゃみをする場面における司葉子の何と可愛いこと、可愛いこと、あの「くしゅん」てくしゃみの仕方、女としての可愛さにとにかく司葉子、司葉子、本当に司葉子が可愛い。フランキー堺とのやりとりがとにかく微笑ましい。仕事で帰りの遅いフランキー堺を待ちながら寝てしまう司葉子のあの首筋、寝顔を見ているだけであぁぁぁぁ、なんて可愛いんだろうと思ってしまう。そんな司葉子がフランキー堺のことをノートに「バカ、バカ」と書きつづけてるのも良いなあ!私も司葉子になら「バカ、バカ」て言われてみたい。本当にそう思う。フランキー堺が司葉子の鼻にキスした時の司葉子のくすぐったそうな表情も良い。布団に隠れ、顔を出す時の司葉子もこれまた物凄く可愛い。フランキー堺に司葉子、この二人のやりとりだけでも見ていて物凄く楽しい。タイトル通りの愛妻家であるフランキー堺も司葉子の魅力同様、ここでもフランキー堺という俳優の持っている人柄の良さが見られる。ラストの二人で空を見ながら富士山の話をする場面に二人の夫婦が本当に愛し合っているのがよく解る。この二人の共演て言うと「社長」シリーズや「駅前」シリーズがあるけど、あちらは二人共脇役、今作では二人が主役であって、二人揃って主役である作品となるとそうはない。滅多に見れない二人揃って主役のこの作品、とにかく二人の夫婦の絆、愛情のようなものを何ともコミカルに描いているのも良い。二人が出ている作品でこんな良い話の作品がまだあったとは知らなかった。フランキー堺と司葉子ファンにとっては間違いなく楽しめるはずだと自信をもってお奨めしたいが、この作品ってビデオ化されてるのかな?あぁぁぁぁ!それにしても司葉子の何と言う可愛さ、この司葉子を見ても可愛いとも何とも感じない奴は男じゃないと言いたくなるぐらい司葉子の魅力でいっぱいの作品です。食べちゃいたくなるぐらいの司葉子の可愛いさ、これを見たら司葉子ファンは益々、司葉子が好きになること間違いなしです。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-08-14 11:04:42)(良:2票)
498.  居酒屋ゆうれい
うわっ!平均点低いなあ!しかし、私はこの作品好きです。日本人に生まれてきて良かったと思えるいかにも日本的な雰囲気、あのセット、そして、何といって主演の二人、萩原健一と山口智子の人情味溢れる夫婦、そのコミカルさの中にある夫婦としての絆のようなものに、また、そこに集まってくる人達のあの楽しそうな顔付き、更に忘れてはならないゆうれい役の室井滋のゆうれいも見ていて楽しい。こういう心温まる人達が集まる居酒屋、その雰囲気などどこをとっても日本映画ならではの人情ものに仕上がっていて私は好きです。こんな居酒屋だったら、こんな気持ちの良い人達の集まる居酒屋だったら、例えゆうれいが出てこようが私は気にしないと思う。この映画はとにかく出ている人達が皆、本当に楽しそうに演じているのが良い。「居酒屋」と「ゆうれい」という組み合わせの妙、どこをどうとっても日本映画らしい映画!こういう人情話、喜劇がもっと見たい今日この頃、見るからにさほどお金はかかってないのは解るけど、金などかけなくても面白い映画は撮れるんだよという監督の気持ちも伝わってきて、そういう所も含めて好きな作品でもある。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-11 20:21:48)(良:2票)
499.  さくら隊散る 《ネタバレ》 
本日8月の6日に合わせるようにして借りてきた。我々日本人にとってけして忘れることは出来ない。忘れてはならない日、それが今日という日である。今から遡ること六十三年前の今日、8月6日、アメリカ軍によるB29三機が広島を襲った日である。広島に落とされた原爆の被害者の数は十四万人を超えると聞いた。その中に忘れられない名前がいる。第二次世界大戦中に全国を巡演し、移動演劇隊として活躍していたさくら隊のメンバー達、九人の中に園井恵子という一人の女優がいた。阪妻主演の「無法松の一生」で見せたあの気品溢れる燐とした美しさ、優しさに満ちた吉岡夫人、私は絶対に忘れることは出来ない。被爆から十五日後の二十一日、僅か三十二歳という若さで亡くなった園井恵子というこの女優、誕生日が8月6日というのも何とも皮肉な運命、宿命を感じる。この作品は事実であるからこそ伝わる重み、悲しみ、苦しさ、生前の仲間、同じさくら隊の人達を知る俳優仲間の証言と再現ドラマをリアルに描いている。被爆者達のもがき苦しむ姿の何と痛々しいこと。眼をそむけたくなるシーンばかりで見ていて本当に辛いし、怖い。事実だからこそのこの重苦しさ、これほどまでに恐ろしさを感じる戦争映画、原爆をテーマにした作品を見たことは今までなかったぐらい、本当に怖かった。本日8月6日、あの原爆投下から六十三年目の本日、観るに辺り、ここに犠牲となった大勢の方々に心よりご冥福をお祈りすると共に今もあの原爆の被害によって苦しんでいる被爆者の方々の為にも二度とこのようなことは起きてはならない。絶対にあってはならないと心より平和への願いを込め、手を合わせたいと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-08-06 22:29:53)(良:1票)
500.  斬る(1968)
これは確かに似ている。黒澤明監督の「椿三十郎」と似たストーリー、しかしながら雰囲気は「用心棒」に近い。時代劇ではあるけど西部劇のような雰囲気を全体から感じる。「椿三十郎」や「用心棒」に比べると確かに出来としては劣るような気がするし、仲代達矢にしても三船敏郎のような侍としてのオーラがないし、緊張感という意味でも弱い。しかし、作品全体がコミカルなところなどは監督が喜劇を撮らせて上手い岡本喜八監督らしさを感じる作りになっていて、これはこれで一本の映画としてなかなかの出来にあることは間違いない。少なくともやたら評判の時代劇で山田洋次監督が撮った「たそがれ清兵衛」よりはずっと面白いし、好きです。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-08-02 21:08:22)
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