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コメント数 1963
性別 男性

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521.  切られ与三郎 《ネタバレ》 
美しい!まず何よりも最初に出てくる言葉は美しい!これに尽きる。宮川一夫撮影のカメラの相変わらず美しさに、そして主演市川雷蔵と市川雷蔵を惑わす、誘惑する女、中村玉緒の美しくて可愛い女ぷりに眼を奪われる。全身傷だらけになりながらの市川雷蔵、あの三味線の見事な腕前と歌声、全編歌舞伎の世界を感じさせるいかにも日本的な味わい深さ、画面からほとばしるエネルギーと美しさ、この美しさよ!この美しさは日本映画にしか表現出来ないであろう!これまた狂四郎とは一味も二味も違う市川雷蔵の美しくてかっこいい代表作間違いなし! 
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-07-01 22:21:33)
522.  旅の重さ 《ネタバレ》 
これは一人の少女の眼から見た母への思いを手紙を通して伝えると共に自分が求めている男、理想とする父親探しの旅の物語だ!高橋洋子の映画デビュー作品とのこと、何という初々しさ、少なくともこの映画一本で高橋洋子という女優を私は忘れない。そのぐらい強烈な印象を残します。旅の途中で出会う色々な人達との交流、葛藤、三國連太郎演じる一座の親方、あの旅の一座を見ている時の高橋洋子の笑顔の素晴らしさ、また、旅先で出会った一人の女に誘惑され、身体を許してしまう姿がとても痛くて、苦しい上に切ない。四国の美しい風景、海、砂浜に裸で寝そべる高橋洋子も、倍以上歳の離れた男、高橋悦史とのやりとり、高橋悦史が食べているパンを後ろから美味しそうだとばかりにジュースを飲みながら見ている表情も、更に二人で逆立ちをする場面も強烈な印象を残します。高橋洋子が求めていた愛とは何か?父親の愛に飢えた少女の男への愛情表現も何とも不器用ではあるが、その不器用さが何とも言えない余韻、刹那さを残します。あっ!そうそう、これが同じく映画デビュー作となる秋吉久美子の可愛さも忘れられないぐらいの印象を残します。そして、映画や出演者と同じように吉田拓郎の名曲中の名曲「今日までそして明日から」も一度聞いたら絶対に忘れることは出来ないほどの印象を残します。映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツオトナ帝国の逆襲」の原恵一監督はもしかして?この映画の大ファンなのかな?「今日までそして明日から」のこのタイトルに相応しいこの作品は少女が大人への階段を一つ一つ登る。見つめながら自分探しと理想の男、理想の父親像を描いた青春映画の秀作の名に相応しい映画だと感じることが出来る。そして、この映画の成功はやはり高橋洋子、高橋洋子の存在なくして語れない。高橋洋子あってこその映画でもあるというのが私のこの映画の感想でございます。
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-06-30 23:18:19)(良:1票)
523.  妻として女として 《ネタバレ》 
凄いねえ!女の恐ろしさと男の駄目さ加減がここまで徹底して描かれているのがまずは何よりも凄い。そして、その凄さを表現して見せているのは二人の女優、高峰秀子と淡島千景、更にそんな二人の間でただただウロウロしているだけの駄目亭主ぶりの森雅之、妾である高峰秀子と正妻淡島千景の女同士の凄まじいバトルの間で何一つとして出来ずにいる森雅之の駄目ぷりが素晴らしい。こういう駄目男、そして、常に何かに対してイライラしている男のだらしなさを演技させるとより凄さを発揮するその名演技ぶり、成瀬監督らしい女の強さと弱さ、男のだらしなさを描く中で高峰秀子と飯田蝶子のやりとりの可笑しさが単なるドロドロした作品でない面白さを見せてくれている。この映画、高峰秀子の友達が皆、誰かしら男がいて愛人であるというのも面白い。また、水野久美の女スパイもこれまた似合いすぎだし、キャスティングの妙とでも言っていい面白さというものがある。星由里子の可愛さも印象に残るし、そんな星由里子が二人の女、高峰秀子と淡島千景に向って吐く捨て台詞における強烈なまでのパンチ、家を出た二人、弟と最後、映画でも観に行こうかと去っていく終わり方も成瀬監督ぽい。あの二人が観に行った?本当は観に行かなかったのかもしれない?が何の映画を観に行ったのか気になる。観る者に対し想像させる力をここで教えてくれているような感じがするのもこの映画の良いところではないだろうか!それにしても浮気は金がかかるけど本気は金がかからないなんて台詞が出てくるのを聞いたりすると、そういうものかな?と考えたくもなるし、これを観たら恐ろしくて私など浮気なんて絶対に出来なくなる。そういう色んなことも真剣に考えさせる力の持った作品だと思いました。現在、きちんとした奥さんがいるにも関わらず別の女と浮気中のあなた!若しくはこれから浮気しようなどと本気で思っているあなた!そういう方にこそ見せて女の恐ろしさを教えてやりたいと監督がまるで言っているようでもあり、いやはや、本当に怖い。怖い。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-30 22:02:01)
524.  くちづけ(1955) 《ネタバレ》 
これまた面白い、面白いというよりは良い映画、それも日本ならではの他国にはないであろう良さが感じられるオムニバス映画を見ることが出来た。第一話の「くちづけ」なるほどね。確かにこれは石坂洋二郎原作らしい雰囲気作り、既にユーカラさんが書かれているように同じ石坂洋二郎原作の「石中先生行状記」を思わせる青山京子と太刀川洋一のやりとり、そして、続く第ニ話「霧の中の少女」ではこれがこの三つの話の中でも一番好きです。何と言っても司葉子、司葉子、とにかく司葉子が可愛い。もう、本当に食べたくなっちゃうぐらい可愛い。あれ?他の作品でも同じこと言ってるような?だって、本当に司葉子のあの可愛さ、この司葉子を見ても何も感じない奴は男じゃないと言いたくなるぐらいの可愛さです。中原ひとみとのやりとりの微笑ましさ、微笑ましいと言えば飯田蝶子の婆ちゃんが最高です。みんなの前で歌声まで披露し、それをみんなで仲良く楽しそうに聞いてる姿も良い。温泉での会話も楽しい。ところでなんでまた小泉博なんだよ?ここだけが不満である。司葉子とフランキー堺だったら文句ないのだが、そんな中、ここでは何と他の作品では見ることの出来ないであろう司葉子の入浴シーンまであって、たまらんですわ。第三話のこれもまた如何にも成瀬映画って感じで良い。高峰秀子と上原謙で成瀬監督だからつまらないわけない。小林桂樹と中村メイコの会話も面白い。最後の方に出てくる八千草薫も可愛いなあ!とにかく一つ一つのお話が作品全体、温かさを感じるのと、可愛く感じる作りになっていて見ていて楽しい。それにしても司葉子のあの白いシャツからすら~っと伸びる細い腕と、スカートから時々、ちらっと覗かれる細い足、いや~もう、参った。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-30 21:57:51)(良:1票)
525.  グラマ島の誘惑 《ネタバレ》 
グラマ島と言うけど、グラマーな女性など出てきません。森繁久彌とフランキー堺のやりとりが変な笑いをかもし出している。無人島にだとりついた皇族、軍人、その他いかにも変人ぽい人達が沢山出てきて、あれやこれやと大騒ぎ!ただ、この作品、後半の展開、最後も何が何だかいまひとつ掴み所がないのが難点である。川島雄三監督らしいと言えばらしい、おかしな人物だけらけの何ともおかしな作品!
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-06-30 21:51:47)
526.  夜の流れ
大好きな川島雄三監督と成瀬巳喜男監督による共同作品で司葉子も出ている。前に一度、見たたけですが、両監督の持ち味という意味ではまずまずの出来である。相変わらず女を美しく撮ることに関して上手い二人の監督、司葉子のまぶしいほどの水着姿、それを堪能する。それほど特別面白味のある話ではないが、古き日本文化の香りと女優陣の華やかさ、美しさに眼を奪われることだけは間違いなく、もう一度、見れば7点になるかもしれない。そんな気がしてまいりました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-06-30 21:41:23)
527.  若き日の次郎長 東海道のつむじ風
マキノ雅弘監督による「次郎長」もので、これも面白いです。何と言っても中村錦之助の清水の次郎長の男らしさ、かっこいいです。こういう役をやらせたら天下一品と言っていいぐらいです。とにかく作品全体の雰囲気が良くて観ていて退屈するなんてことはないです。中村錦之助以外の役者にしてもみんな良い。ジェリー藤尾のとぼけた演技、そして渥美清のこれもまた何て言うのか?まるで寅さんのような男でして、可笑しくて可笑しくて、単なる時代劇ではない楽しさというものがこみ上げてきました。マキノ雅弘監督の他の作品もまだまだ観たい。そう思わせるそんな作品です。最後のシーンでみんなで歌いながら橋を渡るところが特に好きです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-28 22:22:32)(良:1票)
528.  昭和残侠伝 血染の唐獅子 《ネタバレ》 
ぐるぐるの兄貴に既に言いたいことを全部、書かれているので、私がこれ以上、述べることはほとんどないけれどって、まるで、ぐるぐるさんが花田秀次郎の頭みたいで、私が風間重吉みたいだ!おっと、ぐるぐる兄さんて勝手に呼ばせてもらいます。すいません!この映画、とにかく粋て言葉がぴたりとはまるそんな映画です。この映画の中の高倉健演じる花田秀次郎の頭と池部良が演じる風間重吉の二人が本当にかっこ良い。波紋にされた池部良が高倉健に対し、味方となりました。みたいなことを言うんたげど、男同士の義理と人情みたいなものが熱く語られているわけでして、とにかくこの熱い熱い人間ドラマの中にあって、藤純子の存在感とでも言うのか?女としての哀しさみたいなものに心を打たれる終りに何とも言いがたい余韻が残るそんな作品です。マキノ雅弘監督ならではの男と女の描き方とワッショイ!ワッショイ!そ~れ!て感じの本当に粋っていう言葉がぴったしのとにかくこれまた面白い作品でした。
[DVD(邦画)] 8点(2009-06-28 22:19:03)(良:1票)
529.  なみだ川 《ネタバレ》 
山本周五郎原作の話らしく人情味溢れるなかなかの作品になっている。妹思いの心優しき姉と妹の姉妹の物語に重点が置かれている。いかにも山本周五郎が書きそうな題材である。藤村志保って今まであまり目立たない感じの役柄しか知らない。見たことがなかった中でのこの姉の優しさと駄目な兄を持つことの苦しさ、好きな男とそうでない男に対しての心の揺れ具合を演じていてとても印象的である。後半の泣かせてやろうとばかりの演出や言葉というかことわざと言う方が正しいような気がするけどを間違えてばかりのあれは笑わせようという狙いなのか知らないけど、ちょっとしつこい。しつこすぎるのが難点ではあるが、三隅研次監督らしい美しさ映像美、ラストのひまわりの美しさなどなかなかの出来栄えではある。ところでやっぱり安部徹はここでも悪い奴だなあ!
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-06-24 20:08:39)
530.  ひき逃げ 《ネタバレ》 
怖い。女の恐ろしさ、矛盾している社会に対する思い、その両方が何とも恐ろしく描かれている。成瀬映画としては異色の作品である。成瀬映画において、人が死ぬ場面をここまでリアルにそして、直接的に見せるのは私は初めて見たような気がする。高峰秀子の息子が自動車に跳ねられる場面、今までの成瀬監督ならばあの場面は描かずに省略しているはずが、今作はその場面を見せている。他の成瀬映画とは明らかに違う。そして、この映画、二人の女、被害者の高峰秀子と加害者の司葉子、この二人が一緒にいる場面の恐ろしさ、子供を殺された恨みを果すべく家政婦として忍び込む女、高峰秀子、何度と出てくる電話の場面、司葉子の怯える姿とそれを見ている高峰秀子の眼差しに、女の怖さ、男には出させない女だけにしか出せない怖さ、恐ろしい部分を全て見せつけるこの容赦なしの演出などは成瀬映画を見ていながら何だか増村映画でも見ているかのような錯覚に陥る。小沢栄太郎のあの憎たらしい奴ぶり、自分のことしか考えてないような奴ぶり、こういう憎い男の本性を演じると本当に憎たらしいほど上手さを感じてしまう俳優である。そんな小沢栄太郎に良いようにされる佐田豊の何とも哀れな男、何だか黒澤監督の「天国と地獄」のあのタクシー運転手と重なって見えてきます。加藤武の警官、これも「天国と地獄」を思わせるし、黒沢年男についてはかなり浮いてしまっているし、司葉子の子供との死に顔の美しさの中には罪の意識から死ぬことで罪を償おうとした女としての悲しさが伝わってきて見ていて本当に辛い。辛いと言えばあのラストの高峰秀子、女の子を自動車から守ろうと必死になっている姿もとにかく辛い。この映画はサスペンスとしてよりも殺された子を持つ親の辛さ、そこに重点が置かれているように私は思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-14 10:05:02)(良:1票)
531.  中山七里(1962)
市川雷蔵主演の股旅物で原作は長谷川伸!股旅姿の市川雷蔵も悪くはない。しかし、何だか市川雷蔵という俳優の持っているニヒルさが足りない気がして物足りない感じがする。モノクロの映像の美しさ、市川雷蔵が想いを寄せる中村玉緒の可愛さなど見所であるが、やっぱり何か物足りない。殺陣のシーンの迫力もいまひとつなのと、それとあの橋幸夫の歌が突然、入ってくるのは違和感を覚える。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-06-07 16:05:24)
532.  
登場人物が水戸光子と小沢栄太郎の二人だけというこれまた二人だけとは珍しい。しかし、この二人きりの話なのにつまらなくないし、なかなか面白い。木下恵介監督としては珍しい感じのちょっとしたサスペンス風な味付け、オールロケという設定もこの作品の見所の一つであり、そして、何と言っても小沢栄太郎、この人の悪人ぶり、嫌な奴ぶりは徹底している。こういう嫌な奴を演じさせてこれだけの迫力を出せる俳優はなかなかいないと思う。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-06-03 22:12:07)
533.  人間蒸発 《ネタバレ》 
今村昌平監督、この監督の描く理想の女ってどんな女なんだ?この作品には何かその答えのようなものがあるようなないような?何とも複雑で色々考えさせられる。婚約者である大島裁(ただし)なる男がある日、突然姿を消した。その婚約者である女、早川佳江は今村昌平監督の要請を受け、俳優、露口茂と共に大島を捜すドキュメンリー映画への出演を承諾し、取材をしていくうちに大島は大人しい男であったり、気が弱い男であったり、またある者は仕事の出来ない男であったと色々な証言が出てくる。大島の過去、女絡みやらお金の問題やらが明らかになりはじめるに従って、どんどん話は面白くなっていく。しかもこの大島という男の蒸発の動機が解らないという所にこの作品の狙いがあるように感じるのである。当事者以外には解らないからこそそれを追求したくなるというものを逆手に取った所の上手さ、そして、大島の婚約相手の女である早川佳江が次第に婚約相手の大島よりも露口茂を好きになってしまう所の面白さ、面白いと言えば今村昌平監督自身がしばしば画面に写り、まるでその視線は何だかヒッチコックのように自分自身で楽しんでるようにすら思えてしまう所にこの作品の面白さがある。作られたドラマよりもドキュメンタリーの方がドラマチックであるんだとばかり言っているようにも思え、今村昌平監督が描く女はやはり普通じゃない。強い女の前には男なんて何も出来ないとばかり言っているような、師匠である川島雄三監督の影響を受けているような普通じゃないこと、ある意味、可笑しくて、馬鹿馬鹿しくて、人間なんて馬鹿な生き物の集団さとでも言っているようである。人が何故、蒸発するのかなんて誰にも解らない。自分の胸に聞け!常にそう言われているような今村昌平監督の人間観察の前に男の弱さ、男は女よりも弱い。だから大島は姿を消した。そう語りかけているようである。川島雄三監督ほどの軽快さ、陽気さとでも言うのかなあ?がまるで感じられないし、人間のドロドロした部分ばかりを描く為に好き嫌いはっきり分かれる監督だとは思うが、この監督の人間観察ぶりは師匠以上に鋭くそして、重たい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-26 22:32:10)
534.  千利休 本覺坊遺文 《ネタバレ》 
三船敏郎の利休、何か利休のイメージとは違う気がするけど、それ以外の俳優陣、奥田瑛二以外はみんな、気の荒そうな奴ばかりです。見るからに仲が悪そうな感じが役者の凄みある演技から伝わってくる。いつ斬り合いが始まってもおかしくないような人ばかりです。これだけの役者を揃えているわりにはミステリー的な要素は期待したほど感じられない。ただ日本的な映像の美しさには息を呑むほどの美しさを感じることは出来た。それにしても一人も女が出てこないというのは凄い。そんな映画、なかなかないと思う。もしかしたら初めて見たかもしれない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-05-18 21:05:43)
535.  利休
日本的って言葉がよく表現されているし、役者に関しても文句なしの二人、三國連太郎の利休と山崎努の秀吉、この二人の親しみから憎しみへと変わって行く様がきちんと描かれている。そういう意味では非常に良く出来てはいるものの、この二人を取り巻く他の者との駆け引き、ドラマ的、いや、映画的と言った方が良いかもしれない興奮という意味で観ると物足りなさが残る。全体的にまとまっていて、よく出来ているが、何かあと一押し、二押し的な要素に欠ける為につまないとは思わなかったが、特別凄いとも思えず、それなりに楽しめはしたものの物足りない。この同じ監督の映画なら私は「砂の女」の方が好きなのと、凄み、強烈さにおいても上であると思う。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-05-17 16:14:55)
536.  待ち伏せ
あの大傑作「無法松の一生」を撮った稲垣浩監督で出演者の顔ぶれが三船敏郎に石原裕次郎、勝新太郎に中村錦之助ってなんて豪華な、とても考えられないような個性溢れる役者勢揃いだことか!三船敏郎と石原裕次郎が1つの映画の中で一緒にいるなんて誰が想像出来る?それだけでも凄い事だし、そこに勝新太郎と中村錦之助だぞ!期待してしまうよ。しかし、何だか期待した程のワクワク感、ハラハラが感じられないのは何故だ?どことなく西部劇ぽい音楽と相変わらず、三船敏郎、勝新太郎は文句なくかっこいいし、中村錦之も二人に比べると出番は少ないのに貫禄十分で相変わらずの存在感、そんな中で石原裕次郎に時代劇てのはやはり違和感が残って仕方ない。女優陣では何と言っても浅丘ルリ子、この個性溢れる男達の中でも印象的な女性を演じている。寅さんシリーズのリリーに近い影のある女を演じていて、こういう女を演じさせるとピタリとハマルから凄い。そして、私が一番この中で見たい。見たかった俳優、それは渥美清である。渥美清と三船敏郎、渥美清と浅丘ルリ子、これぞ正に寅さんの世界だ。渥美清と石原裕次郎、渥美清と勝新太郎の共演なんて想像するだけで楽しい。渥美清と中村錦之助は「屈掛時次郎」で共演してるし、渥美清不在が残念です。それにしても三船敏郎、石原裕次郎、勝新太郎に中村錦之助、四人の共通点、四人共もう既にこの世にはいない。本物の映画スターがいた時代の夢のような共演作品として、後にも先にもこの四人が同じ映画に出ていた唯一の映画であるだろう作品です。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-05-16 23:19:55)(良:1票)
537.  ねらわれた学園(1981)
久しぶりに観る大林ムービー史上に残るであろう駄作であることこのうえない映画である。はっきり言ってどこから見ても駄作間違いなしであるが、好きか嫌いかと言われたら嫌いではない。むしろ愛すべき駄作である。冒頭のセピア色の映像、そして、作品全体に漂う不思議なまでの怪しい感じ、怪しいと言えば出てくる人物も怪しい人ばかり、その中にあっても後の大林映画の常連となる今は亡き、昨年亡くなった峰岸徹の怪しさ、こんなぶっ飛んだ役までも監督の期待に応えて演じている姿を観て、この映画の主題歌「守ってあげたい」となるような守ってあげたくなる映画俳優としての人生、しかし、そんな峰岸徹というこの俳優の存在無くして語れないこの映画と後の大林映画、やはりどんな失敗作であれ、私は大林宣彦映画を見捨てることなど出来ない。駄作であることを受け入れて愛してこそ本物の大林映画ファンであるのではないかと思います。それにしても峰岸徹の腹の変な絵には笑いが止まらない。今の日本映画には無い遊び心満点、下手にクソ真面目でお堅い映画なんかより例え出来は悪かろうが、私はこの映画のような遊び心を感じられる映画の方が好きである。但し、人に薦める映画ではない。同じ大林映画なら断然「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」をはじめとする尾道三部作を観ることを薦める。それだけは間違いありません。
[DVD(邦画)] 7点(2009-05-12 22:25:26)(良:3票)
538.  あの、夏の日 ~とんでろ じいちゃん~
大林宣彦監督による新尾道シリーズの一つとして公開当時、ガラガラの映画館で見たけど、他の尾道シリーズに比べるとどうしても見劣りしてしまいます。特別面白いとは感じなかったけどまあ、つまらなくはなかったし、大林宣彦監督らしいのどかな風景を観ることが出来て良かったとは思ってます。それと私もあの変な呪文がいつまで経っても頭に残って、離れません。
[映画館(邦画)] 6点(2009-05-07 22:48:33)
539.  竜馬暗殺 《ネタバレ》 
まずは一言!荒々しい!この作品の感想としてはとにかくこの一言に尽きる。冒頭からして男臭くて荒々しいのである。坂本竜馬、最初の登場シーンからしてとにかく男臭くて荒々しい。後ろ姿でふんどし姿、ケツを半分出したままの坂本竜馬、ここでこの坂本竜馬という人物像、ほとんどの方が頭に描いているような美しくてかっこ良く、二枚目な坂本竜馬像を覆してしまうほどの強烈な印象を残します。よれよれの服に女に弱く、だらしのない駄目男のような竜馬、同じように中岡慎太郎もこれまた女にだらしなく駄目な男の象徴のようなものを見せます。そんな二人の駄目男演じる俳優、原田芳雄と石橋蓮司のギラギラ感、本来、時代劇とは、侍とは何かっていうものをここで見せつけます。ただ見た目だけ美しくかっこ良く何でも見せようとする現在の時代劇とは大違いである。男たるもの、それが侍であろうが、一人の男として荒々しく女に弱い生きものであるという事を解り易く描いている。仲間だろうが、敵だろうが、よれよれの服を着ていることで誰が仲間で誰が敵なのか解らないような緊張感をあのギラギラした太陽とまるで真夏のような暑苦しさ漂うモノクロの映像により見ていて本当に暑苦しく思えるほどのこの監督の演出により役者も皆、ギラギラしている。松田優作の右太にしても何を考えているのか解らないほどの恐ろしさを感じるし、女にしてもそうである。桃井かおりの印象があまりにも薄く思えてしまうほどの強烈な印象を残す中川梨絵という女優の演技が怖い。男達を迷わす、狂わす女の怖さ、坂本竜馬と中岡慎太郎が殺された後のラストのええじゃないか♪ええじゃないか♪と聞えてくる大勢の人の中、血のついた顔で不気味な顔して消えていくシーンにはぞっとざられる。時代劇、活劇としての迫力やテンポという意味で不満もあるが、それにしても役者達の凄みのある演技があるからここまでの作品にし上がっていると思う。最後に幕末時代を駆け足に生き抜いていった竜馬の壮絶なまでの死に様に、そして、脇役でも輝る演技を見せている松田優作の若くしての死を思うと残念でならない。日本は坂本竜馬と松田優作というこの全くもって別の二人の人物を若くして失ったことは本当に大きな痛手であると思います。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-05-04 10:25:39)(良:1票)
540.  男なら夢をみろ
石原裕次郎と芦川いづみの共演作品お決まりのパターン、今回もまたいつものように石原裕次郎はやくざでありながらもどことなくやくざにはなれていない感じの好青年ぶりと不良ぽさを残したままいつまでも大人になりきれいない感じとの二つの顔が見られる。芦川いづみの視線の中にある石原裕次郎は男から見たらなんであんな男が良いんだろう?と思ったり、しかし、あれが石原裕次郎なら何故か許せてしまいます。この二人の作品を幾つも見ているけど、やっぱり石原裕次郎映画には芦川いづみが出てくると出てないとでは大違いである。芦川いづみが出てない石原裕次郎映画なんて私には考えられない。その逆は別に苦にもならない。それにしてもここでの芦川いづみも毎度ながら本当に可愛い。大して面白味のある作品でもないのに、芦川いづみがいる。それだけで良いのである。はっきり言ってこの映画の芦川いづみの演じている役を他の人が演じていたら、例えば吉永小百合だとどうなることか?まるで違った印象しか残らないであろうし、おそらく見てないだろう!最後にいつも感じることに石原裕次郎主演映画には石原裕次郎の曲をアピールするための策略みたいなものがあるのだが、そこまでしなくても石原裕次郎ほどのスターなんだから良いような気がするのだが?
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-05-03 20:52:12)
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