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コメント数 1963
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561.  日本一の男の中の男 《ネタバレ》 
植木等主演による日本一シリーズはこの作品も見ていると余計な事など忘れて楽しめよ!例え会長だろうと部長だろうと上司に対しても言いたい事は包み隠さずにズバズバ言う。その気持ちの良さといったらない。造船会社の営業マンからいきなりストッキング会社への転勤なんて、えっ?全く別の世界なのにまるで関係ない。頭の回転の凄さと行動力がこの植木等演じる主人公の凄さを物語っていて、初めての世界に入った日に不快指数ゼロと笑ってる姿は正にそのままである。植木等を見てるとそれだけで不快指数ゼロになるのだ。叱られても平気、常に笑ってる主人公を見てるだけで嫌な気持ちを全て忘れさせてくれる力がある。植木等の演じるキャラクターはどこか寅さんと似てる。ただ寅さんのような笑いながら泣けるというような感動はほとんど無い。いや全く無い。それも寅さんとは違う魅力である。植木等主演映画には世の中の嫌な事を全て洗い流してくれるから時々見たくなるのだ。植木等主演映画の等のような人間がこの世には必要だと思います。  
[DVD(邦画)] 7点(2014-02-02 12:28:22)(良:1票)
562.  四谷怪談[前篇/後篇](1949)
木下恵介監督が怪談話を撮る。とても考えられないぐらいです。例えるなら小津監督が時代劇を撮るぐらい考えられない気持ちであるが、だってこの作品木下作品てよりは黒澤明監督や溝口健二監督の映画みたいな雰囲気を醸し出している。しかしながら木下恵介監督、この怖い話を単なる怪談話てよりは人間の悲しみ、哀れみとでも言うべきか?役者の演技力による力も大きく、特に田中絹代がやはり凄過ぎるによってドラマチックな愛憎劇として描く事に成功している。上原謙の怯える表情、杉村春子の相変わらずの嫌な女ぷりやらも強い印象を残す。木下恵介監督てやはりどんな映画でも標準以上の映画にしてしまう凄さがあるなあて思った。全体的にやや長いかな?て思うけど今時の時代劇にはない迫力と面白さを感じる事はできた。 
[DVD(邦画)] 7点(2014-01-25 15:55:28)
563.  日本侠客伝 白刃の盃
長門裕之が敵対している相手の組に騙されて(罠にはまり)殺されるパターンはマキノ映画によくあるパターンでそんな相手の悪さをどう処分して見せるか?天津敏はいつも通り徹底的に悪人で見ていてこいつを高倉健がどうするか?マキノ監督らしく殴り込みシーンの迫力十分です。高倉健もやはり義理人情に厚い男としてとにかく格好良い。所々泣かせようとしてるのが見え見えで気にはなるが義理人情を大切に描くマキノ監督ならではの作品になっている。高倉健とマキノ雅弘監督のコンビはやはり最強のコンビだ。  
[DVD(邦画)] 7点(2014-01-05 12:48:11)
564.  八甲田山 《ネタバレ》 
まず始めによく撮ったな!て思うほどの凄さを感じずにはいられない。この時代だからこそ撮れた映画だ。何と言っても俳優の力量が今とはまるで違う程の凄い本物の映画俳優と言える顔ぶれが沢山です。高倉健と北大路欣也との対比の描き方、北大路欣也の神田大尉のリーダーとしての資質の弱さがよく現れる「天は我々を見放した」に応える様に次々と雪の中倒れて行く人達、一方で高倉健の徳島大尉のリーダーとしての資質の強さがもたらす人間としての強さが自分と自分に着いてくる人達を助けることになる。そしてもう一人忘れてはならない三国連太郎の山田少佐の自らの過ちを認める場面は今の日本人、特に政治家に大きく欠けているように思えてならない。これはそんな偉そうな大人達に自分さえ良ければ他人はどうなっても構わないという考え方しか持てない人間に見せるべき映画だ。全体的に長く感じる上に画面全体暗過ぎる難点があるが人間とは何か?命とは何か?を大いに考えさせられ映画として、面白いつまらないは別として一度は見て損のない映画だ。
[DVD(邦画)] 7点(2013-12-23 14:04:38)(良:2票)
565.  伊豆の踊子(1974)
吉永小百合の伊豆の踊り子よりもこっちのが好きだし、楽しめたのはやはり山口百恵の初々しさ、更にそれを引き立たせる他の出演者、三浦友和が相手ならまあ仕方ないかて思いたくもなるぐらいであって、そして原作のイメージに近い雰囲気が映像ともよくマッチしていて単なるアイドル映画になってないのが好感が持てる。この映画のラストは山口百恵の行く末を暗示しているようにも感じられなくはない。さほどファンでもなければ山口百恵の全盛期をあまり知らない私からしてもちょっと切なさが残る映画だけに当時、山口百恵のファンが見たらどう感じていたのか?という思いが残る映画として、印象に残る。それ程までに山口百恵の為の映画と言えるかもしれない。  
[DVD(邦画)] 7点(2013-12-10 22:20:10)
566.  はだしのゲン(1976) 《ネタバレ》 
犬飼多吉と杉戸八重が夫婦って凄い。何だかまるで本当に飢餓に苦しむ人間の姿が見ていて痛たまれなくなる。屁をしたぐらいで非国民扱いされ、だったら人間皆、非国民だ。三国連太郎演じる父親が天皇陛下の為に、国の為に死ななくてはならんのかていう叫びこそが戦争そのものに対する強烈なメッセージになっているのがよく解る。そんな父親を支える左幸子の母と子供達、どんなに非国民扱いされ、辛かろうが前を向いて生きようとするこの家族の絆、家族愛がきちんと描かれていて心に残る。それにしても三国連太郎と左幸子はやはり名優の中の名優だ。 天皇陛下に捧げる手紙のシーンを見て、渥美清の拝啓天皇陛下様を思い出した。そういやあの映画にも左幸子出てたなあ。 
[DVD(邦画)] 7点(2013-10-20 10:28:55)
567.  ちいさこべ
山本周五郎の原作には困ってる人達、特に幼い子供を見捨てることなんかできないというものが感じられる作品が多く、この作品なんか正しく山本周五郎らしい話になっていて、それは山本周五郎自身が幼い頃に水害により家を失った過去があるように自身がそういう苦い経験があるからこそ描けると言って良い。ここでは家事により家を失い、親のいない孤児の為に力になろうとする中村錦之助演じる大工の棟梁としての人助けに苦しみながら子供だけでなく自分の下で働く仲間思う姿は人間としての本来あるべき姿である。孤児員達の動き回る姿を見せながら人々に何かを訴えかけてるような山本周五郎の話らしい作品になっているし、特に江利チエミの人物像は山本周五郎の作品によく見られる母性愛としての強さ、愛の深さがよく現れている。主演の中村錦之助の棟梁のような気っ風の良さと義理人情に厚い男がを見事に演じられる俳優が果たしているかな?て考えてしまう。一心太助シリーズで魅せる義理人情に厚い男が本当に似合う。まるでどことなく渥美清に似てる。全体的に長い。もう少し短く纏められたら良いのにと思ってしまうのだが見て損のない作品にはなってる。この映画に派手な時代劇物を期待してはなりません。山本周五郎作品にそういう派手さを求めないで見れば楽しめる作品です。  
[DVD(邦画)] 7点(2013-08-15 18:43:47)
568.  クレージー大作戦
これは見ていてドリフのコント、8時だよ全員集合でよく見られたようなハチャメチャな展開とルパン三世みたいだ。ハナ肇が最初は正義感溢れる良い奴が残りのクレージーキャッツメンバーにまんまと丸め込まれて一緒になって悪事の手伝いすることになる。メンバー全員によるジャズ演奏での場面での風船を使ってのコントなんか本当にドリフのコントみたいだし、植木等と野川由美子のやりとりなんかルパンと峰不二子みたいだし、また作品の舞台が清水てのも良い。あれもこれもとかなり欲張り過ぎな感じもするがまあ、良いだろう。この映画の突っ走っしるようなクレージーキャッツメンバー全員のハチャメチャさはこんな時代(今は暗いニュースきり)だから見て嫌な事なんか忘れてしまいたくなる。そうさせるだけのパワーがこの映画にはある。
[DVD(邦画)] 7点(2013-07-20 16:00:27)
569.  愛の讃歌 《ネタバレ》 
寅さんより前にまるで寅さん見ているような感じにしか思えないようなこの映画を撮っていた山田洋次監督。伴淳三郎が放つ台詞がもう寅さんの原型です。ご苦労様!いやあ、渥美清の顔が自然に浮かんでくるし、タコ社長こと太宰久雄、ここではタコ社長ほど愛嬌はなく、どちらて言うと無愛想で愛嬌は感じられないが食堂に居る。何だかそれだけで寅さんみたいだ。更に親子喧嘩して出て行く息子を見送る賠償千恵子、これなんか晩年の作品で賠償千恵子(さくら)が博(前田吟)と喧嘩して出て行く吉岡秀隆(満男)を見送るみたいだし、色々な意味で二年後に始まる寅さんのパターンがここで完成されてる。渥美清不在が物足りなさを感じるし、山田洋次作品としてはけして上位に入る作品じゃない。それでも寅さんの原型を見る事ができる作品として、どこをどう見ても山田洋次作品だと思わずにはいられないという意味で山田洋次ファンは勿論、寅さんファンなら楽しめる作品になってる。脇役の中ではやっぱり小沢昭一が可笑しい。いるだけで楽しめる。最後に舞台が瀬戸内海、やっぱり山田洋次監督はダウンダウンヒーローズでも感じたように木下恵介作品が好きなはずです。
[DVD(吹替)] 7点(2013-07-03 21:50:50)
570.  僕達急行 A列車で行こう 《ネタバレ》 
森田芳光監督が亡くなってから随分経つ。今更ながら最後の作品を見て感じたのはこの映画を見ると人間頑張れば何とかなるさ。全てが前向きなのが良い。同じ趣味を持つ2人の男、この2人の主人公の名前を含めて登場人物皆、電車の名前が付けられてるというこだわりと同じ趣味を共有出来る仲間って良いなあ。それがどんなにマニアックな趣味でも同じ趣味を持つことで得られる楽しさを見せてくれている。そして何よりも他人の趣味、楽しみ方、価値観に対して一切否定してない所が良い。人は皆、何かしら自分なりの趣味や人生の楽しみ方を持っているはずです。それを映画という最高の武器を持って見せてくれたことが何よりも嬉しい。作品的にはそんなに凄い映画でもなければ森田芳光監督の初期の頃の「の・ようなもの」や「家族ゲーム」で見せた才気はほとんど感じないし、物足りないて言えば嘘になる。しかしそれでも最後の映画がこんなほのぼのとした優しい映画であることが嬉しいし、その一方でまだまだもっと森田芳光作品が見たかったという何とも寂しい気持ちにもなる。当たり外れがこれほど激しい監督はあまりいないと思うが、そんな森田芳光監督が私は憎めないし好きですし、本当に惜しい人を亡くしたなあて改めて思った。
[DVD(邦画)] 7点(2013-06-24 22:37:08)(良:1票)
571.  女経
大映映画の看板女優三人、若尾文子、山本富士子、京マチ子それぞれを美しく、しかも怪しくて、そんな女に騙される男の馬鹿さがこの映画の面白さである。相変わらず若尾文子の美しくて男を虜にする魅力とまた山本富士子の何を考えてるか分からないミステリアスな雰囲気、京マチ子の怖さと女優それぞれを三人の別の監督さんが魅力的に映し出してる。一つ一つの終わり方が妙な感じではあるし、続きをもう少し見ていたいという不満もあるがこの三人の女優を見ると昨今の日本の女優には無い魅力が感じられて、そういう意味ではなかなか見応えのある作品になってる。個人的には私も2つ目の話が一番好きです。  
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-04 22:14:13)
572.  人間の約束
日本を代表する名優の1人である三國連太郎が亡くなってから一週間が経とうとしている。三國連太郎と息子佐藤浩市の親子共演て言うとやたら「美味しんぼ」ばかりが取り上げられるけどあんなものより他に取り上げるべき映画はあるだろ!て言いたい。この映画を取り上げないでどうする?三國連太郎が亡くなるまでこの映画の主人公のような感じだったて話を聞き、何だかとても痛たまれない気持ちになる。人間は必ず老いていく。人間を人間として扱って、最後まで約束を果たす役割をこの映画の重い内容により考えさせられる。どんなことになろうとも人間として扱ってこそ、人間なのだというメッセージがこの映画の主題であると感じる事ができる。最後にもう一度だけ言わせてもらうが三國連太郎と息子佐藤浩市親子共演作の代表作は間違っても「美味しんぼ」なんかではない。あんなものを取り上げるぐらいならこの映画をもっと取りあげて1人でも多くの方に見せるべきだ。  
[DVD(邦画)] 7点(2013-04-20 20:57:27)(良:1票)
573.  日本一のゴマすり男 《ネタバレ》 
オープニングから軽快に歌いながら走り出す植木等を見てると嫌な事など全て忘れて気楽にやろうではないかて気持ちにさせられる。新人としての初出社の日にいきなり一仕事してしまう凄さこそこの映画の中等の素晴らしさである。出世の為なら何でもする。やたら誉めて誉めて誉めまくる時には徹底的に誉めてと本当にゴマスリしながらもミスしたら謝る。係長との釣りの場面や課長とのゴルフの場面での何とも調子の良いこと。この調子の良さとご気楽さが主人公の前向きな植木等の笑顔を見て楽しむ為のシリーズ映画である。日本一シリーズの植木等みたいに生きられたらどんなに楽しいかなと毎回毎回思わせながら見てます。  
[DVD(邦画)] 7点(2013-04-07 09:45:29)(良:1票)
574.  みな殺しの霊歌 《ネタバレ》 
加藤泰監督のシャープな映像美、そこに山田洋次監督が構成に加わっているという点に注目して観るとこの二人の監督さん、間違いなくフランス映画が大好きでたまらないというような気持ちと男と女の身勝手さ、犯罪に手を染めてしまう者の過去、加害者と被害者のそれぞれの過去というものが人間の持つべき勝手な部分とが恐ろしく描かれていて何とも考えさせられる。見ていてもけして、楽しい。面白いなんて気持ちにはなれない。サスペンス映画という一応、形式上はそうかもしれないけど人間は如何に駄目な生きものなのか?ということを言いたいような内容である。犯人役の佐藤允の演じる川島にとっては自分に対して唯一、愛情を注いでくれる優しい女性である春子(倍賞千恵子)は妹のような存在だったに違いなく、倍賞千恵子の春子ってもう明らかにこれは翌年に撮られて寅さんシリーズのさくらを意識せずにはいられません。春子の過去、両親を失ってるという点、山田洋次監督が脚本に加わっていることでその他にも寅さんに出てくる俳優が何人も出てきたりとこれで渥美清がいたらと思わずにはいられなくなります。それにしても音楽の使い方が「男と女」そのまんまみたいなのはどうなのか?あの映画もけだるい感じがしたけどこの映画も犯罪映画であり、日本映画だけどフランス映画独特のけだるさが全編に漂ってまいります。
[DVD(邦画)] 7点(2012-09-08 18:26:12)(良:1票)
575.  新選組(1969)
三船敏郎映画出演丁度100本目となる今作を見て改めて思った。三船敏郎は演技で見せる俳優なんかではない。黒澤映画を見ていれば解るがとにかく男臭くて常にギラギラしていて、演技というよりも存在感、眼力で観る者を威圧する圧倒的なそのオーラこそがこの俳優の持ち味であり、大きな魅力であることが解る。今作においてもけして上手いとは言えないが、いや、むしろ下手だがそれを全て許してしまえるほどの圧倒的な存在感、三船敏郎がいるだけで緊張感が漂う。凄いことである。三船敏郎に負けまいとここで出てくる他の俳優陣、特に男優陣のそれぞれの演技力、中でも三國連太郎の上手さはずば抜けており、どの役者をも超えている。この映画の中で三國連太郎が演じている芹沢鴨という男、こういう豪傑な役柄が本当に似合うし、そういう役柄を演じている時の表情がとにかく凄い。「釣りバカ」シリーズでのすーさんしか知らない人がほとんどだとは思うけど、三國連太郎の演技力を眼にすればこの俳優の凄さが知ってもらえるばずである。作品そのものの出来栄えは凄いとは思わないもののとにかく俳優陣が皆、圧倒的な凄みで見せつける。今時、これほどの熱い演技で見せてくれる俳優陣が果たしているか?この二人以外にも小林桂樹と北大路欣也に中村錦之助、田村高廣と男優の演技を見るだけでも観るに値するほどである。三國連太郎と中村錦之助と言うと「宮本武蔵」での共演も印象的であり、この二人がまた共演しているというのも「宮本武蔵」ファンとしては嬉しく思う。男優に比べると女優の存在感はいま一つの中で司葉子が圧倒的な良い。美しさの中に男達を支える優しさを持つ良い女を演じさせるとよく似合う。これを見ちゃうと他の新選組なんてアホらしくて見てらんないぜ!てなっちゃいます。
[DVD(邦画)] 7点(2012-08-14 21:53:54)
576.  続・新悪名
「座頭市」の勝新も好きだけどこの「悪名」シリーズにおける朝吉も好きである。単なるヤクザぽいだけの男でなく、義理と人情に厚く、正義感の固まりのようなこの男の正義ぷりがここでもまた見られる。今回は孤児との交流という今までにはない新たなる悪名シリーズにおけるこのタイトル通りの映画である。ちょっとじめじめしずきなのが気にはなる分、他の悪名シリーズよりは辛い点数にはしてみるものの勝新という俳優の持っている人間的大きさ、映画スターとしての魅力を感じることが出来るという意味ではこれもまた「座頭市」の市と並ぶ朝吉というキャラクターは勝新を語る上で外すことは出来ない。何故「座頭市」シリーズほど多く撮られなかったのかという疑問に関しては市という人物象、スケール感が余りにも大きく偉大過ぎるからだと私は思っている。それだけにこのシリーズがさほど多くの映画ファン、それも邦画ファンの間に見られていないだろうということが残念である。
[DVD(邦画)] 7点(2012-07-14 21:59:25)
577.  女の一生(1967) 《ネタバレ》 
「女の一生」この映画の場合だと岩下志麻は勿論のこと、左幸子も左時枝にも当てはまる。夫に裏切られ、息子は息子でどうしようもない駄目男である。父親に負けないぐらいの駄目息子に悩まされながら生きている岩下志麻演じる主人公の姿が何とも痛くて、悲しい。自分だけが辛い人生を送ってきたとばかり思っていた時、かつて夫が眼の前で犯した罪、その被害者である左幸子演じる親友に息子(田村正和)の嫁(左時枝)の事を見舞いに行くことを説教する場面は例え、それが息子にとって本当に相応しい相手だろうか?自分の息子が知らない女に奪われることのやるせなさ、悔しさのようなものを堪えながら二人で死を迎えようとする嫁の最後を見送ろうとする決意に女としての一生、母としての一生を捧げるような感じがして、それは亡くなる嫁も同じであり、そういう女としての生き様みたいなものがよく描かれている。ラスト、息子の亡くなった嫁の子供、孫を二人で抱きながら歩くシーンに女としての嬉しさみたいなものを感じます。ドロドロとした内容なのにそれを単なるドロドロした話として見せない野村芳太郎監督の手腕と山田洋次と森崎東という寅さんコンビによるシナリオの上手さにより女の一生というタイトルに相応しい作品になっている。同じタイトルで同じ内容だと思われる増村保造監督によるもう1つの方も見たい。凄く見たいが増村映画なら何だかもっとドロドロした恐ろしい女の一生が待っているようにも思えてならない。二つの映画を比べてみたいという気持ちにさせられるし、もう一人いた。川島雄三監督と若尾文子のコンビでこの映画も見たいけどそれは敵わぬ夢に終わってしまっている。色んな意味でこの映画は監督と出演者によっては様々な女の一生が見える気がする。
[DVD(邦画)] 7点(2012-06-02 10:01:40)
578.  大鹿村騒動記 《ネタバレ》 
この映画、同じ県に住む者として劇場で観たかったが観に行けなかったのだが、やっと観れた。はっきり言って原田芳雄の遺作としては何か物足りなさが残るし、タイトルに騒動とある割にはそんなにも騒動が起こるのか?どんちゃん騒ぎ的な要素もない。そういう意味では物足りない。しかし、観ているとそれとは別にあの美しい山、美しい空の色、景色の美しさ、同じ信州に住む者として自慢出来るほど美しい。そんな美しい景色の中でそれぞれ色んな人間の持っている人間的な匂い、感覚、そういうものが見える。都合の良いように記憶を忘れ、同じように都合良く記憶を感じとる貴子(大楠道代)という女、そんな貴子に対しても他の人たちと同じく接しようとする原田芳雄をはじめとする岸部一徳他、男達の人間的な芝居と優しさ、勿論、松たか子演じる女性的な雰囲気、匂いとでも言うべきか?も印象に残る。大勢の観客の前で影清という名の歌舞伎の芝居を披露する場面、それを観て拍手し、楽しんでいる観客との見せる側と観る側とのコミュニケーションこそが人間が持つべき真の姿であるように感じるし、色んな意味で人と人との繋がりの素晴らしさをこの映画は俳優達の素晴らしい演技によって感じさせてくれる作品になっている。この映画が最後の作品となってしまった原田芳雄のご冥福をお祈りすると共に三國連太郎と佐藤浩市との親子共演も見所の1つであり、三國連太郎の出番こそ少ないけど印象的な優しい顔つきは一度観たらいつまでも忘れることなど出来ないぐらい本当に優しくて良い表情している。日本映画を長い間支えてきた名優三國連太郎さん、いつまでも長生きしてください。
[DVD(邦画)] 7点(2012-01-19 23:07:51)
579.  3-4X10月 《ネタバレ》 
北野武監督作品第二作目も北野武らしい。いや、北野武というよりはビートたけしらしい馬鹿馬鹿しい笑いを描いている。例えばオープニングからしてもそうである。草野球の最中にただ一人だけ仮設のトイレから出てくる冴えない男の登場の仕方といい、やくざに巻き込まれるまでの流れ、更に最初に代打で出てきて一度もバットを振らずに三振の汚名返上とばかりにもう一度代打で今度は大きな逆転ホームランも前のランナーを追い越してアウトで逆転ならずに敗戦。ここらは予想通りではあるが、たけしらしい。更にそんな男が初めてのデート中、二人をからかっている奴等が止まっている車に追突。監督武というよりもビートたけしらしい馬鹿馬鹿しさである。ビートたけしの子分、渡嘉敷の指を詰めるのも将棋の駒ってのも如何にもたけしが思いつきそうな感じである。沖縄での場面、置いてけぼりを喰らう二人のシーンや事務所に乗り込んで銃を撃っても弾が出ず、その後の彼女のデート中の車の中で発射やら空港内で前の乗客の荷物にどさくさに紛れて持ち歩いていた銃を投げ入れるというようなアホらしさ、そうそう、海でのシーンの静けさ、最初から最後まで全く音楽無しなのも新鮮である。うるさい音楽なんて無い方が映画に集中出切るんだぜ!とでも言っているような演出である。最後も草野球の場面で閉める。しかもここでまたトイレから出てくる男、野球とヤクザ、何の関係もないような中でそれぞれの見せ方が面白い。面白い映画なんだけどどうにも女性に対して殴る。蹴るシーンが多過ぎるのが気になる。作品全体の色、静かな中で感じられる殺気やら馬鹿たけど何とも憎めない登場人物、北野武(ビートたけし)は岡本喜八監督の初期の頃の映画に出てくる可笑しな人達の様にこの映画は明らかに岡本喜八監督の「「ダイナマイトどんどん」の影響を受けているそんな映画だと思いました。
[DVD(邦画)] 7点(2011-12-19 20:00:45)
580.  三匹の侍
私は今まで五社英雄監督の映画を観て面白いと思ったことは一度もない。この監督の女性に対する画き方が嫌いであるのとカメラワークも最悪、監督自らが酔いしれているようで駄目。監督自ら酔うのではなく観る者を酔わせるぐらいでなければならない。今回、これが監督デビュー作品とのこと。なるほどこれはなかなか面白い。三匹の侍のそれぞれの個性、かっこ良さ、丹波哲郎、長門勇、平幹二郎の全く違う性格が力を合わせて悪い奴を倒す。モノクロの画面から伝わるエネルギー、役者の演技で見せるというよりは魅了する作品とでも言うべきか、本当にどの俳優もかっこ良い。対する女優陣に関しても魅力的、中でも桑野みゆきの素晴らしさ、彼女一人いるだけで作品に与える影響、男達に与える影響の強さを画面を通しても伝わってきます。本当は8点にしても良いと思ったけどやはりここでもこの監督の女性に対するいたぶり方、この監督は後の映画の多くに共通して見られる女性を痛めつける描写があるのが7点止まりにしてしまった。それでもこの映画に関しては脚本による力も大きく、他のどの五社英雄監督作品よりも面白い。監督デビュー作であって五社英雄監督のベスト作品だと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2011-12-02 21:04:04)
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