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601.  仁義なき戦い 《ネタバレ》 
役者の力量、エネルギー、熱い感情等、全て昨今の日本映画にはないものを感じることができる。あの時代だからこそ撮れた映画であって、この顔ぶれだから成り立つ映画でもある。菅原文太のラストの台詞がこの映画を物語っていると言ってもいいぐらい痺れる。山守さん、まだ弾が残っとるがよ。この台詞を真似したい。使いたい。まだやるべき仕事があるのに帰ろうとする先輩に、〇〇さん、まだ仕事は残っとるがよ。と言ってやりたくなることが時々ある。タイトルに偽り無し!正に仁義なき戦いである。ドキュメンタリータッチでのヤクザの戦い、これを観てヤクザに憧れを持つなんてのは間違いであるが故に、ヤクザ社会の恐さ、人としての仁義、更に広島=ヤクザの街、という誤解を招いてしまいそうな作品でもある。
[DVD(邦画)] 7点(2010-08-15 22:43:18)(良:1票)
602.  ごろつき(1968) 《ネタバレ》 
何と高倉健こと、健さんがキックボクサーとしてリングの上に上がる。試合をする。勿論、勝つ。それだけならスポコンものだけど、そうはならない。何しろ監督はマキノ雅弘監督であるからして、単なるスポコン映画で終えるはずがない。この映画では高倉健と菅原文太の東映映画を代表するスター二人が共演、しかも、どちらも主人公の如く、描く。マキノ映画的なお決まりの展開の中、二人が何と流しでの音楽を歌う場面が用意されていて、これはマキノ映画ファン、いやいや、マキノ映画ファンだけでなく、東映ファンへのご褒美なのか?菅原文太がギター片手に演奏する。それに乗って歌う健さんの「網走番外地」と「昭和残侠伝」の「唐獅子牡丹」といったこれはどう考えてもマキノ映画=高倉健映画であることを意識しているとしか思えないし、正直、B級映画的な感じだけど、そんなことはもうどうだって良いとしか思えなくなるのである。高倉健と菅原文太が共演していることの方が大きい。ところでこの頃のヤクザ映画はそこに人情やら義理などが交じり合い、良い意味で後の単なる暴力的なヤクザものとは一味も二味も違う魅力がどの作品にも感じられる。これまた如何にもマキノ雅弘監督的な映画です。
[DVD(邦画)] 7点(2010-08-09 21:00:07)(良:1票)
603.  侠客列伝 《ネタバレ》 
マキノ映画に任侠、そして、高倉健に鶴田浩二と若山富三郎、更には藤純子、もうある意味、これぞマキノ!マキノ映画としての正にオールスター映画的な作品である。更に「忠臣蔵」を思わせるような展開の中で相変わらず男と男の義理、人情を大切にする男の世界をマキノ雅弘監督は熱く描いていると同時に待つ女の悲しさも描く。任侠ものとしての形を崩さずに男と女のメロドラマとしても描く所など如何にもマキノ映画て感じです。高倉健は文句なしにかっこ良いとして、鶴田浩二と若山富三郎の二人の悲壮感みたいなものが強く感じられる作品になっている。最後の殴り込みのシーンは相変わらず凄さを感じさせるし、色んな意味で手堅い。その手堅さにマンネリを覚えるものの、それは贅沢な注文かもしれない。鶴田浩二の死なせ方や若山富三郎の死に方にも不満も残る。不満も残るけど、それでもマキノ映画らしい映画としての面白さ、それはちょっした所で、例えば長門裕之の藤純子演じる芸者への想いを歌う所の「惚れて~♪惚れていていて~惚れられていて♪」を見せる辺りの演出などは同じマキノ雅弘監督の「次郎長三国志」シリーズでの石松と投げ節のお仲さんを連想させられるし、マキノ映画ファンへのサービスみたいなものが感じられて微笑ましく、微笑ましいと言えば若山富三郎の登場シーンがまるで勝新「座頭市」みたいで面白い。
[DVD(邦画)] 7点(2010-08-08 14:11:19)
604.  必死剣 鳥刺し 《ネタバレ》 
久しぶりに重厚で格調高い本格時代劇を観た気がする。冒頭の歌舞伎を思わせるシーンからして、何やらテレビとは違う。映画的な雰囲気が十分に感じられ、主演の豊川悦司と敵対する吉川晃司も違和感こそあるものの、そこは平山秀幸監督による演出、演技指導によってか難なくこなしているようでその違和感も見終わる頃にはどうでもよく感じてしまった。藤沢周平原作の時代劇に出てくる女性はどれもこれも待つ女としての美しさ、可愛さに満ちている。ここでの待つ女は池脇千鶴が演じているが自分が愛している男が命を削っての壮絶な戦いに出向いて、最後は壮絶なる死を遂げる姿を知らないまま、赤ん坊を抱きながら必ず自分を迎えに来てくれるものだと信じて待っているその姿が何とも悲しい。タイトルにもある「必死剣 鳥刺し」についてもあの壮絶な戦いの中で死んで行く男としての人生の結末の儚さ、最後の最後で自分を陥れようとしていた男、その代表格である岸部一徳演じる津田を見事なまでに斬って見せる兼見三左エ門の執念は同じ男として見習うべきものがある。物事は最後まで諦めてはならぬということをこの映画の主人公の姿を見ているとそう思えてならない。それにしてもラストの戦いの場面の壮絶さ、何もあそこまで血を大げさに見せるほどやらんでもいいのに。平山秀幸監督、間違いなく黒澤明監督の「椿三十郎」の影響を受けているだろう!あれは白黒だから良いのに、カラーであこそまでやられると流石にちょっとやりすぎだと言いたくもなるし、そういう意味での不満などもあっての7点てことですが、本格派の大人の時代劇としては久しぶりに観ることが出来て良かったと思います。
[映画館(邦画)] 7点(2010-08-01 21:56:43)
605.  新・夫婦善哉
森繁久彌が亡くなってから早いものでもう八ヶ月が過ぎ、何だかんだとしているうちにもう1年が直ぐそこまで来ようとしている。前作から八年という月日の長さをさほど感じないほどここでも主演の二人、森繁久彌と淡島千景の名コンビが絶妙のコンビ(演技力)で見せる。見せる=魅せると言っても良いほど息がぴったしなのは流石である。話そのものは前作よりも喜劇的な要素が多く、映画としての完成度、出来栄えも前作よりは落ちる。それでも日本映画界の歴史において、少なくとも名優五人の中に必ず入れたい。入るであろう森繁久彌の駄目な男でありながらもその駄目ぷりが憎めない。そんな男を演じさせたら渥美清と並ぶこれぞ名優の名優たる名演技の前にはただただ頭が下がる。前作にはなかった。居なかった喜劇俳優である「社長シリーズ」や「駅前シリーズ」などの森繁久彌を語る上で絶対に避けて通れないシリーズでも共演、更に川島雄三監督の傑作「喜劇・とんかつ一代」でも見事な名喜劇ぶりを見せてくれている三木のり平が見られるというだけでも私には何だかとても嬉しく思えてならない。映画そのものは前作の方が上であることは見た人なら必ず解る。だから私も前作に8点付けてる者としては今作は7点である。しつこいようだけど、森繁久彌と三木のり平が一緒の作品に出ている。これだけで観て良かった。はっきり言えば前作にあった喜劇の中にも感じられるような作品、例えれば川島雄三監督の作品を見ているような何とも言えないしみじみした味わいが影を潜めているし、他にも不満もあるものの、とにかく何度も何度も言うように森繁久彌と三木のり平が同じ映画の中にいることが私には大きいのである。改めて森繁久彌と三木のり平、もう二人共この世には居ない。それでも昔の邦画が大好きな私には今はもう居なくても私の心の中では行き続けているし、それはこれからも一生変わらない。贅沢な悩みとして言わせて貰えれば、ここにもう一人、フランキー堺がいればと思ってしまう。「社長シリーズ」「駅前シリーズ」以外でももっともっとフランキー堺も入れての三人共演の映画が沢山、観たいし、日本映画は撮って欲しかった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-07-29 22:20:18)(良:1票)
606.  木曜組曲 《ネタバレ》 
同じ屋敷で生活する五人の女流作家のうちの一人が謎の死を遂げる。その謎解きという意味では誰が何を企んでいるのか?その真相についての解き方、これが楽しめるか楽しめないかでこの映画の評価は大きく変わってくると思います。私には派手なサスペンスには無い品の良さ、そして、女優陣が繰り出す疑惑の行動などを見て楽しむことが出来た。全体的に説明臭い台詞で通すというのはマイナスであるが、それでもこの映画には雰囲気作りの上手さがある。浅丘ルリ子演じる重松時子の謎の死の真相をどのようにして、解いていくのか?という興味、他の四人の中ではやはり原田三枝子がダンドツに良い。全ては自分が犯人である。とばかり言い切る彼女の心意、女の怖さ、執念深さ、時子への恨み、同じ女流作家としてのプライドの高さなど色んなものが感じられる。ミステリーとしての弱さや緊張感という意味でもあと一押し足りない気もしなくもないが、私はこの映画は人間の怖さ、特に女って怖いということを改めて教えられた作品として楽しむことが出来た。それにしても四人が一緒にテーブルを囲んで食事しながら人殺しの話をしているのを観ると折角の美味そうな料理がと思ってしまい、そういう意味でも怖い映画でした。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-24 13:28:49)
607.  転々 《ネタバレ》 
良いなあ!何が?散歩に付き合うだけで百万円貰えるとか納豆味の靴下とか塩味の靴下とかその他所々で真面目なようでふざけているような何とも不思議な笑いが醸し出す雰囲気が良い。そして、見ていて最近、歩いてないなあ!私のような田舎暮らしの人間にとっては歩くという行為が年々、薄れていく中でこの映画を見ているとたまには車の生活から離れて遠くまで歩きたい。目的地なんて決めずにとことこ散歩してみたい。そう思わせるだけの魅力がこの映画にはある。出演者の顔ぶれに眼を向けると、何とも個性的な面子きりでそれもまたこの映画の魅力かもしれない。面白いことは面白いけど、映画的なスリリングに満ちた面白さではなく、個性的な人物によるそういう面白さであって、ストーリー的な面白さはほとんど無い。後ろ向きに歩くと若返れるという発想、悪くは無いけど、でもそれって、ある程度の年齢を重ねた人間に向けての発想て気がして、若者に向けての未来への励ましとは大きく違って見える。どうせなら若者よ後ろを振り返り、後ろ向きに歩くより前を向いて歩こうという方が私には共感出来る。面白いことは面白い作品だけど、ちょっと吹っ切れない何かが残る。ところで気になって仕方ないことが二つほどあるのだが、まず一つにあの時計屋のご主人、オダギリジョーと三浦友和の二人を追いかけて来る際、きちんと店の鍵をかけてきたのだろうか?次に吉高由里子の変な歌、何て歌ってるのかよく解らなかった。それが気になって仕方ない。最後にもう少しだけ!岸部一徳を街で見かけると本当に良いことあるのかな?あるんだろうなあ!でもって岸部シローだったらロクなことが起きないと感じてしまうのは私だけか?きっと他にもいるはずである。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-22 21:35:09)(笑:2票)
608.  ハナ肇の一発大冒険 《ネタバレ》 
山田洋次監督と言えば「男はつらいよ」から入った。私自身が初めて観た山田洋次作品が「男はつらいよ」であるからして、ハナ肇のことを「社長さん」「社長さん」と呼びつづける倍賞千恵子を観たり、聞いてるとどうしったて「男はつらいよ」シリーズが観たくなってしまって仕方がない上にタコ社長(太宰久雄)とさくらで会話をしている錯覚を覚えてしまう。正直、ハナ肇を「社長さん」て呼ぶ倍賞千恵子に最初のうちはかなりの違和感を覚える。それでも観ているうちに段々とその違和感が無くなっていき、まるで「寅さん」でも観ているような不思議な面白さやら、またまた車での旅の途中で警察官が検問していたりするのを観るとこれまた同じ山田洋次監督作品である「幸福の黄色いハンカチ」を思わせるし、車の中でハナ肇と倍賞千恵子が「次郎長三国志」の歌を口ずさむのを見てるとこれまた「次郎長」ファンである者としては、そんな場面を見せてくれてたりと、色んな意味でまた別の楽しみ方が出来たりと、後半やや湿っぽくなってしまうのは勿体無いものの、作品全体のこの雰囲気は山田洋次作品だなあ!て気がして、とにかくこれもまた私には楽しむことが出来たので良しとしたい。最後に出てくる倍賞美津子を見て、私もイニシャルKさんと同じく倍賞美津子の寅さんでのマドンナ見たかった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-19 11:19:29)(良:1票)
609.  金田一耕助の冒険 《ネタバレ》 
映画的に判断すると、こんなのは映画じゃないよ。単なるおふざけだ!とお怒りになる人もいるだろうし、それでも敢えて言いたい。やたらお堅いだけでクソ真面目で面白くも何ともない映画よりもどんなに出来は悪くても、滅茶苦茶でも、遊び心に満ちている映画の方が私は好きだし、そういう意味で言うとこの映画には大林宣彦監督が映画が本当に大好きで、大好きでたまらないんだなあ!という映画への愛情が感じられて、だから私はこの映画が例え、駄作であれ、嫌いにはなれない。金田一耕助というこの人間味のある人物、犯人に対しても優しいのである。そこがこの金田一耕助という人物の魅力である。それがあの最後の方のシーンでの金田一耕助の叫び「世界中、捜したって私一人ですよ。犯人の気持ちを思いやる探偵なんてね。」こんなことを言える金田一耕助が私は好きである。ここに金田一耕助という人の愛情、優しさ、それを見せる大林宣彦監督の優しさ、この映画は確かに滅茶苦茶と言えば滅茶苦茶である。ローラースケートで走る金田一耕助やら他の大勢の若者やら、訳の解らないほどのスーパーマンの登場だの、推理物としての滅茶苦茶さ、何から何までぶっ飛んでいる。キャストにしてもまさかまさかの三船敏郎と三橋達也のツーショット、東千代之介もこんなんでありなのか?岡田茉莉子にしてもえっ?だの、田中邦衛のアホらしさ、金田一耕助のデートを邪魔しようとして、馬鹿みたいに回転させられたりと、とにかく全てがもう滅茶苦茶である。その滅茶苦茶さも全て許してしまいたくなる映画への愛でいっぱいである。はっきり言って駄作である。しかし、しつこいようだが、この映画は大林監督らしい遊び心と愛がつまっている。だからどうしても嫌いにはなれない。それにしても川島雄三映画が大好きな私には三橋達也がこんな面白い使われ方を見せてくれているとは、大林宣彦監督に感謝です。それと、田中邦衛と松田(熊谷)美由紀が共演してるのを観るとこの映画の後にテレビドラマ「北の国から」でも共演しているのを思い出してしまい「北の国から」をまた最初から観たくなってしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-27 21:36:35)(良:1票)
610.  幸福な食卓 《ネタバレ》 
頭の良い人ほど何かに怯え、自分というものが解らなくなり、他人には理解出来ない行動をするものであるというのがこの映画の父親、兄貴を見ていると思わずにはいられなくなる。何だか一件、普通そうな家庭だけど、全く普通でない家族構成という所がこの映画の面白い所であるがタイトルからは想像できないとても幸せとは無縁の環境の元、普通の女子高校生らしくふるまう少女、中原佐和子の姿には学校で偶々、隣の席となったことから仲良くなり、やがては恋心を抱く相手の男、勉学とのやりとり、勉学の口調を真似して見せる姿やらその他にも何だかちょっしたことなのに、それが心地良く思えたり、時には切なく感じたり、色んな意味で青春映画的な楽しさとほろ苦さが感じられる作品にもなっているし、佐和子が勉学の死後に言う「なんで死にたいと思っている人が生きて、死にたいと思ってもいない人が死ぬの」みたいな台詞を聞いて、本当にそう思う。何とも心に突き刺さる言葉である。佐和子が勉学へあげるつもりでいたマフラーを弟へと手渡す勉学の母、ここで勉学の弟が勘太郎?貫太郎かな?(どっちにしてもかんたろうであることは確かである。)だということが明らかにされた瞬間、えっ?大浦勘太郎?勘太郎は星野だろうよ!て思ったのは私だけだろうか?最後の佐和子が歩く。歩く。そして、振り向く。また前を見て歩く。前を見て生きよう!というメッセージの象徴のような終わり方である。出来ればあのラストは音楽一切無しの方が私は良い。どうも近年の邦画の悪い癖、音楽で盛り上げようという狙いが見て取れて残念です。それでも見て良かったと思うし、話題性だけで内容の無い大ヒット作品では味わえない良さを感じられる点を評価しての8点に近い7点でことで、こういう作品こそもっとヒットして欲しい。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-15 22:07:49)
611.  木村家の人びと
このタイトルから「犬神家の一族」的なものをついつい思い浮かべてしまう。ところがまるで違う内容のこちらはドロドロなんて全く無縁のほのぼのとした話で、それはそれで良いのたげれど、映画的なドラマとしての面白さはあまり感じられない点が少し物足りないけれど、こういう雰囲気の作品も私は結構、毛だらけ、おっと、それは別の映画である。結構、好きなので点数は甘めの7点を付けたくなる。家族全員がこつこつとお金を貯める。ただそういう内容なので、退屈だと感じる人がいてもけして、不思議でないし、むしろそういう人の方が多いかもしれない。私にはこの何の盛り上がりも無ければ、映画的興奮も感じられないそんな作品なのだが、それでも楽しむことが出来たのはこの手の作品が好きだからである。要するに好きか?嫌いか?面白いか?つまらないか?なんてものは人それぞれなのだということをこの映画を見て改めて映画の好みは人によって大きく違う。色んな好みがあって、当たり前!その当たり前なことを見て楽しむ。それが映画本来の正しい見方ではないかと思う次第でありまして、で、何が言いたいんだよ?お前は?て思われるかもしれないけれど、この何てことのない家族の物語を見て、家族って改めて大切だということを教えられた気がする。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-05-16 21:35:25)
612.  マヌケ先生 《ネタバレ》 
大林宣彦監督の子供の頃の映画が好きだった少年の頃の作品です。そんな大林宣彦監督、やはり大人になっても変わらずに少年の心を持ち、今でも変わらず映画が好きなのが解る。作品全体のノスタルジックな雰囲気、映像美、どこをどう切り取っても大林映画としか言いようのないぐらい大林宣彦監督のどの作品にも共通する懐かしさでいっぱいにさせられる。大人になった監督自身を投影し、そして、演じている三浦友和が故郷、尾道へ向う列車の中で出会った谷啓とのやりり、三浦友和が頼んだ最後の一つしかないお弁当を分けてもらう谷啓が笑えるし、これは喜劇なのか?それともファンタジーなのか?という部分で少し引っ掛るし、色んな部分で引っ掛るものが感じられるのはマイナスだけど、大林宣彦監督自身がジョン・フォード監督の映画が好きなのと木下恵介監督の「青い山脈」が好きだというのが解るシーンを観ると、監督の映画に対する思いが伝わってきて、そういう意味でもこれは完全に大林映画ファンへ向けての作品であることが解る。尾道の風景を見ているだけでも見て良かったと思えるし、尾道映画が好きな人は一度はどうぞ!と言いたくなるぐらいの作品でもある。最後に観ていたらやたらとチョコレートが欲しくなってしまった。そういう意味でもどこか甘い。甘さの残る映画でもある。けれど、その甘さこそがこの映画の魅力であって、大林映画の魅力でもある。大林映画の助監督を務め、何本かの作品で脚本を書いている内藤忠司による監督作品で、大林宣彦監督作品に関係のある俳優も大勢出ていて、そういう意味でも大林映画的な作品と言えるでしょう。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-05-09 11:22:05)
613.  冷飯とおさんとちゃん
中村錦之助と木暮実千代の二人の会話が何とも可笑しくて笑える一番最初の話がやはり一番面白かった。更に小沢昭一もやはりその場にいるだけで何故か面白い。この最初の話をもっと見たい気がする反面、その後の二つ目の話は何だか妙に湿っぽくてあまり好きにはなれない。最後の話は役者で見るという意味では大好きな三木のり平が見られるだけでも見て良かったと思えるし、トータル的な事を考えると如何にも山本周五郎原作らしい善意に満ちた話、人情的ドラマとして3時間近いこのオムニバス形式もさほど長さと言うものを感じずに見られたし、そして、やはり主演の中村錦之助はどんな役でも難なく演じている。改めて映画スターとしての中村錦之助を見る事が出来て良かったと思う。最初の話だけでも良かったのにという不満が残るので7点てことにして、8点は付けられないものの、なかなか見所のある作品にはなっている。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-29 22:25:07)(良:2票)
614.  マルサの女2 《ネタバレ》 
確かに1作目のような見終わった後の爽快感は無い。むしろそれ以上に後味の悪さの方が上である。しかし、これこそが現実なんだ!結局は泣き寝入りすることになってしまうというその正しい者よりも悪人の方が勝つなんて、どう考えたって間違っているし、絶対におかしい。けれど、そんなおかしなことが起こり得るのが世の中の実態であるということを伊丹十三監督は描きたかったに違いない。少なくとも私にはそう思えてならないのである。世の中の全ての矛盾に対する怒り、許せない者、あってはならない現実、それを有りのままに見せ付けられることになる。正しく間違いだらけの世の中の象徴のような映画である。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-26 23:11:44)
615.  地球防衛軍 《ネタバレ》 
何と盆踊りのシーンでスタートしたかと思えば、早い展開で次から次へと怪獣映画ならではのシーンが沢山、出てきて、いやはや、その展開の早さに驚かされる。驚かされると言えば眼の前に怪獣が迫ってきてるのに入浴なんぞしている白川由美の江津子に、早く着替えて逃げなさいと私も言いたい。一言言いたいと言えばうわぁ、なんてチープな感じのまるでどこから見ても「ゴレンジャー」としか思えないミステリアンをはじめとする人達のあのかっこを見てると、懐かしさなあ!「ゴレンジャー」更に更にミステリアンが物凄く女好きなのが良い。色んな意味で突っ込み所満載でいて、それでいて、だれることもなく、楽しめる映画になっている点を評価しての、この点数!出来としてはけして、傑作だとは思わないけれど、昨今のCGばかりに気を取られ、中身の無い駄目ハリウッドSF大作なんかよりは何倍も楽しめる。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-04-13 22:03:59)
616.  秋立ちぬ
成瀬巳喜男監督が子供映画をというのは珍しい。子供が出てくるというものは成瀬映画には他にも沢山、ある。しかし、子供の視線から大人を見つめて描くというものはあまりないように感じられる。そんな中でもどこか成瀬映画ならではの空気、張り詰めた中にも子供が健気にしている場面などを見ると、ドロドロしすぎてなくて、子供映画としての空気というものが見えて、そういう意味では安心して見ていられる。物凄いドラマが展開されるかというと、そういうものを期待してしまうと物足りないし、私もそういうものを求めてしまうのがこの監督の映画においての期待であったりもする。安心して見られる反面で他の成瀬映画の傑作の多くに比べてしまうと物足りない気もしなくもないが、子供を描かせても成瀬巳喜男監督は巧みに見せてしまう上手さというものを感じられるそんな映画になっている。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-04-11 12:00:14)
617.  座頭市と用心棒
確かに色んな部分で問題点、不満もある。しかし、それよりも日本映画史上に残ること間違いない二人の時代劇スターである「座頭市」と「用心棒」を一つの映画の中で戦わせてしまおうなんて発想が凄い。それも全ては勝新太郎と三船敏郎という今は亡き昭和を代表する映画スターの二人だからこそ可能なのである。岡本喜八監督が全ての映画ファン、それも邦画ファンへに向けてのプレゼントであると思えば多少の無理難題や欠点も大目に見てやろうではないか!と私は思う。それに黒澤明監督への岡本喜八監督からの尊敬のようなものも感じられる。そういったものを全て受け入れて見たい。そう思うことでこの映画に対する評価は違ってくると私は思う。何度も言うように勝新太郎と三船敏郎の存在感、この二人が同じ映画の中で対決するなんて発想は普通では思いつかないし、例え、思いついても普通は気を使い過ぎて撮ろうなんて考えないであろうものだが、それを一つの映画として、二人の俳優は勿論のこと、脇を固める俳優全てに対してもきちんとした役を与え、疎かに描こうとせずに見せてくれる岡本喜八監督の素晴らしさ、欠点が全く無いかと言うと嘘になるだろうし、それでもやはりこんな素晴らしい企画を実現させて見せてくれた岡本喜八監督に一言「ありがとう」と言いたい。勝新太郎と三船敏郎の二人を見て、改めて現在の日本映画のスター不足と時代劇としての凄みの無さを思い知らされることになる。日本は本当に惜しい俳優を二人も失ってしまったものです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-04-03 23:09:06)
618.  思えば遠くへ来たもんだ
武田鉄矢主演の熱血教師が主人公の映画で、田舎臭さが漂う映画作りが田舎で生まれ、田舎で生活している私にとっては良い意味で田舎の良さというものが感じられて、それだけでも観て良かったと思えるし、話としての面白さは特別に凄く面白いというようなものはない。しかし、監督が「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」のシナリオを書いている朝間義隆というだけあって、安心して見ていられる。この安心感はやはり「寅さんシリーズ」で長年、培ってきたからであろうし、そういうものが感じられ、武田鉄矢にしても金八先生みたいにやたら説教臭くというものが無く、そういう意味でも同じ武田鉄矢なら金八先生よりもこの映画の青田喜三郎を選ぶ。それとこの映画、大山のぶ代が出てきて、何だか昔の「ドラえもん」だと(今のドラえもんも私は好きだけど)いう懐かしさやら、色んな意味で懐かしさを感じたり、出来としては良い映画だとは思えないし、何度も言うように凄い映画でもないけれど、今のやたら銃をぶっぱなしたり、凄い特殊技術で人を殺して見せたりするハリウッドの長大作に見られる。そういうものが無いのも良い。最後にもう少し!「刑事物語」も未見の私としては是非、一度観てみたい。武田鉄矢には田舎がよく似合う。以上!
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-03-07 11:56:29)(良:1票)
619.  空の大怪獣ラドン
流石に五十年以上も前の作品だけに昨今のCG全盛の大作のような迫力はない。しかし、ミニチュアのセットの素晴らしさはけして、CGなんかでは表現出来ないものがこの映画にはある。ラドンが出てくるまでのちょっした緊張感、空を飛ぶラドン、巨大生物であるラドンの遭遇シーンに手作り映画としての恐ろしさが感じられる。やはり映画は素晴らしいセット、人間の手によって作られた怪物としての醍醐味、確かに今の映画よりは映像美では劣るかもしれないけど、それ以外の所は全てで上回っている。最初の「ゴジラ」と同じ監督によるカラー映画としての怪獣映画である今作、カラーである為に白黒映画で感じられたような恐ろしさは無い分、劣るけれど、これはこれでよく出来ている。少なくとも平成の「ゴジラ」シリーズよりは圧倒的に上だし、面白い。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-01-24 22:05:50)(良:1票)
620.  武士道残酷物語
えっ?何?これって時代劇だよね?て感じのスタートに最初はびっくりさせられたし、とまどいも感じられた。こんな風に時代劇を語るなんてその語り口がこれまた斬新であり、意表を付かれた思いでいっぱいです。ところが、時代劇調な語りが始まってからというもの、モノクロの画面から漂う凄みともう一つ、中村錦之助の一人で7役をこなすその芸達者ぶりに流石は中村錦之助である。やはりこの俳優、ただ者ではないというものがひしひしと伝わってきて怖かった。日本人としての誇りやら精神、7代にも渡る一家の武士道としての魂のような恐るべき迫力、日本人である以上、日本人としての誇りだけは捨てるな!持ちつづけろ!と今井正監督が訴えたい気持ちがこの映画からどんどんと伝わってくる。ただはっきり言うと、けして、面白いとか爽快とか時代劇としてのカタルシスなどはこの作品には全くない。あるのはただひたすら重苦しく、武士道とは何か?というテーマに乗っ取った内容なのでチャンバラ活劇だけを求める人は全く楽しめないと思うので、そういう人は観ない方が良い。だから人にお薦めすることの出来る映画ではない。それにしても今井正というこの監督さんはどんなジャンルであれ、観る者に何か考えさせたり、引き込ませる上手さを持った監督であることがこれを観ると改めて感じられ、名監督と言われるのが解る。
[DVD(邦画)] 7点(2010-01-14 21:49:14)
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