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コメント数 1963
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621.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 
もう直ぐ10月2日、世界で最初に全身麻酔の薬を作り、乳がんの手術を成功させた一人の男、華岡青洲の命日てことらしいけど、そんな訳で借りてきた。これは本当に物凄い女と女の戦いだのし!我が息子を愛するためにと息子の実験台になろうとする母、そんな母に対して自分こそ実験台にと訴える嫁、この二人の戦いが壮絶!の一言ではとても済まされないのし!とにかく主演の二人の女優、高峰秀子と若尾文子の演技が凄いでのし!大石先生とはまるで別人の如く、どこまでも嫁に対して厳しく接する姿には人間として、母親としてのプライド、嫁の加恵(若尾文子)への嫉妬、これは間違いなく女同士のバトル!しかし、そこにあるのは単なる嫉妬を超えた愛情の裏返しとでも言うべきか?二人の演技の凄さも当然のことながら市川雷蔵もこれまた素晴らしでのし!すいません!のしって言葉が頭から離れなくなりそうです。ひたすら医者としての使命を全うし、目的のためなら容赦なしに二人に薬を飲ませて実験を行なうというその凄まじさ、冷酷さ、こういう冷酷な人間こそまるで男の身勝手さを表しているようで、女の愛情だけでなく男の身勝手な部分まで同時に描ききるという恐るべき演出、それにしてもあの薬の実験によって、酔っ払ってしまった猫、あんな映像を容赦なしに描く。それこそ増村保造っていうこの監督の凄まじさを感じる。好き嫌いはともかく人間の持っている悲しさ、身勝手さというものを何だか見せつけられてしまったみたいで、とにかく色々と考えさせらる凄い映画だ!一度は見て損のないそんな作品だと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-28 21:53:55)(良:3票)
622.  女が階段を上る時
えっ?団令子って亡くなっていたんだ!知らなかった。川島雄三監督の作品によく出ている女優さんで個性的な女優さんです。それはそうと、これはかなりドロドロしているなあ!まあ、そのドロドロ感こそ成瀬巳喜男監督の得意とする分野なのかもしれない?と何だか見ているうちに思えてきてならない。マダム役の高峰秀子、相変わらず見ている側に対してまるで自分がお客さんになっているように本当に感情移入させるのが上手い。話としてはかなり湿っぽいものの、これはこれでなかなか面白く、特に高峰秀子と一緒になれば幸せになれたはずなのにと思ってしまう加東大介が良い味を出している。それに比べるとやたら冷たい仲代達矢は、う~ん?
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-24 21:52:40)
623.  赤いハンカチ
日活映画が活気づいていたと言われている時代の映画の一つで、石原裕次郎の代表作でもある。そして、そんな石原裕次郎作品は今までにも沢山、見ているけど、私としては石原裕次郎よりも何と言っても芦川いづみ目当てに見ているのだが、今回はそんな芦川いづみは出てません。そして、もう一人、石原裕次郎映画に多く出ている北原三枝も出ていない。しかし、この映画は石原裕次郎の代表作として挙げて良いと自信を持って言える。それは何故か?ヒロイン役の浅丘ルリ子が抜群に良いからです。この時代の日活アクションものにありがちな決まりきった展開も、浅丘リル子の存在があればこその作品として、舛田利雄監督の切れのある演出も冴え渡り、ヨーロッパ映画のような独特な雰囲気を醸し出し、少なくとも私にとっては今まで見た舛田利雄監督の作品の中で一番の作品です。三人の複雑な男女の関係、三人が互いに憎しみ合いながらも惹かれ合うという話そのものはそれほど新鮮味を感じないが、石原裕次郎と二谷英明の二人の男を心から受け止める女を演じて見せた浅丘ルリ子、この映画の成功は一にもニにも浅丘ルリ子という女優があってこそのそんな作品だと思います。浅丘ルリ子という女優さんは男の気持ちを理解し、時には喧嘩もするけど、その一方で男に対して優しさを見せる。そういう役を演じさせたら抜群に上手い。それは「男はつらいよ」シリーズのリリーを見ていれば解る。とにかく石原裕次郎と並んでこの作品、浅丘ルリ子の代表作として挙げられる作品だと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-24 10:58:17)
624.  女の園 《ネタバレ》 
日本映画史に名を残す二人の高峰、W高峰、三枝子と秀子の競演に久我美子、岸恵子とこれまた凄いメンバー、更には名優、阪妻こと阪東妻三郎を父に持つ、これまた父同様、名優と言っていい、田村高廣の俳優デビュー作品らしいこの映画、なんやタイトルからは想像を絶するドロドロした内容も2時間以上という長さも全く感じないままどんどんどんどん物語に引き込まれていく。どこまでも徹底して嫌な女を演じている高峰三枝子の凄まじさ、そんな下で自分達の自由を奪おうとする厳しい制度に対して、真っ向から構えて見せる女達、高峰秀子、久我美子、岸恵子、いずれも素晴らしい。特に高峰秀子が素晴らしい。神経をすり減らしていくあの姿は見ていて何とも哀しい。こういう役を演じるとこの女優は本当に上手いと改めて感じたと共に作品全体に漂う正しく「女の園」に相応しいこれは女達の心の葛藤を鋭く描いている。木下恵介監督の時代を読み取る力を見せ付けられた思いです。これも間違いなく木下恵介監督の代表作の一つと言えよう!
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-23 13:19:52)(良:2票)
625.  ある殺し屋 《ネタバレ》 
小料理屋の主人でありながらもその裏では殺し屋という市川雷蔵扮する男がどう見ても殺し屋には見えないというそんな大きな欠点を良い意味で上手く利用し、そして、あのアパートの室内から見える外の景色、ギラギラした雰囲気、シャープな映像、何もかもが宮川一夫カメラマンの手にかかれば、ここまで見事に映し出されるのには頭が下がる。話そのものはそれほど面白いという感じはしないが、俳優陣の好演、特に脇を固める俳優陣、中でも野川由美子のあばずれ女ともう一人、成田三樹夫のお調子の良さ、ラストで全てを持っていてしまうあの台詞、市川雷蔵の台詞の真似をああもあっけらかんと言うなんて、私もついつい「お前は寅さんか!」て突っ込み入れてしまいました。それにしてもこの映画、いくら「殺し屋」てタイトルにもあるように殺し屋の映画だからって、お墓の前でしかも、あんなにも沢山、お金持ってるのに住んでる市川雷蔵の殺し屋、そんなんで良いのか?
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-21 22:39:03)
626.  警察日記
森繁久彌も三國連太郎も本当に上手い。そして、また警察姿もよく似合う。そんな二人がとても優しき人間味に溢れる警察官を好演している。東北の田舎町ののどかな風景も観ていて何だか癒される。特に凄い出来事が起こるわけでもなく、ただただ町の住民と触れ合う姿を描いているだけなのに、やかましい音楽で何か訴えようとする今の邦画にはない何かがこの作品を観ると伝わってくる。映画にうるさい音楽など不要ということがよく解る。この映画の中で描かれている警察の日常、働く姿など、今の警察にはない。感じられない優しさが見られる。子役の一人、二木てる美の上手さには驚きが隠せない。弟の別れのシーンで見せる切ない表情なんて、本当にお見事としか言いようがない。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-17 20:20:47)
627.  時代屋の女房
これはもう、イニシャルKさんのおっしゃる通りの映画で、個人的にはこの作品の夏目雅子が一番好きですし、これこそ彼女の残した作品の中でもナンバーワンだと思います。話そのものよりも、とにかく夏目雅子という女優を語る上でこの作品を語らずして他のものを先に語るなんてことは私には出来ません。ラストの傘を差してる時のあの笑顔は絶対に忘れることなど出来ない。もっと長く生きていたらと思うと本当に残念です。あんな女優さんは二度と出てこないだろう!
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-17 14:15:15)(良:1票)
628.  お嬢さん(1961)
お嬢さんて、確かにその通りなんだけど、今とは時代が違うのか?今時のお嬢さんとはタイプの違う二人のお嬢さん、若尾文子と野添ひとみ、この二人の会話が何ともぶっ飛んでいて面白くは観られるし、二人ともそれぞれ魅力的ではあるが、話の展開がどうにも出来過ぎているのと、ラストもえっ?終りなの?というあっけなく終わってしまってちょっと物足りなさが残る。まあ、それなりに楽しめるし、悪くはないけど、期待したほどの作品ではなかった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-09-16 11:52:14)
629.  秀子の車掌さん 《ネタバレ》 
成瀬巳喜男監督、こんなにも微笑ましい作品がまだあったとは知らなかった。高峰秀子の初々しさ、そんな高峰秀子の車掌さん、おこまさんと運転手の藤原釜足、この二人を中心に山梨県は甲府街道の田舎町ののどかな風景を背景に描かれる何とも微笑ましい作品!二人が働くバス会社の社長がなんてたって、面白い。かき氷にラムネをかけて食べてばかりの社長の変な人間性が物凄い。また高峰秀子のおこまさんと藤原釜足のバスの運転手の二人が東京から来た小説家の先生に観光案内の文章を書いてもらおうとお願いに行くのだが、その時の小説家の観光案内所の読み方がなんだかお経でも読んでるみたいで、笑える。それにしてもこの映画の高峰秀子、何という可愛さだろう!そして、この映画、作られたのが昭和16年って、確か太平洋戦争の最中、戦争の真っ最中にも関わらず、どこにも戦争の匂いが感じないのが良い。一時間にも満たないこの作品、私は気に入りました。この映画もDVD化してくれないかなあ!
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-09-16 09:25:02)(良:1票)
630.  あいつと私(1961) 《ネタバレ》 
石原裕次郎と芦川いづみのコンビで石坂洋二郎原作と言うと真っ先に「陽のあたる坂道」を思い出しますが、これもやはり雰囲気は似ている。石原裕次郎の演技とは思えない。何かそのまんまのような感じと、それよりも何もやはりこの作品でも芦川いづみですよ。田代くみ子とは全然、違うものの、またしても可愛い。怒ってても可愛いのだからたまりません。この当時の時代背景、雰囲気もなかなか出ていて、良いものの、何か物足りない。途中でデモのシーンが出てくるけど、あのシーンにおける芦川いづみを一人置いてデモに参加する男二人、なんて奴らだ!なんだかこのキャスティングだと私はどうしたって川島雄三監督の作品を思い浮かべてしまう。それともう一つ、石原裕次郎のあの変な歌、どうにかしてほしい!
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-15 15:06:04)
631.  河内カルメン 《ネタバレ》 
これは内容としてはかなりドロドロした内容も、作品全体の雰囲気がミュージカルぽくて、暗さをあまり感じない。主演の野川由美子の可愛さ、抜群です。あの関西弁も良いです。好きな男に対し、とことん尽くすのに裏切られ、それでも最後まで愛し抜く女のどこか悲しさ、やるせなさが伝わってきます。どんどんどんどん可愛くなっていくのが観ていてよく解る。こういう女に男は弱いもんです。男の心の中を覗いているような野川由美子の演技の凄さに、そして、この映画、大阪のあの街の雰囲気、橋から見えるギラギラした川の映像も凄くリアルで、人間がそこにいるって感じが十分伝わってきます。タイトルにもあるカルメンの音楽もこれまた合っている気がする。
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-14 21:19:56)
632.  ソナチネ(1993)
北野武監督の映画には常に死が付きまとう。これにしてもそうで、少ない台詞と映像の力で見せる。この辺が他の日本のタレントや芸人が撮るどうしようもない作品とは明らかに違う。多くを語らない。しかし、映像だけで迫る力強さがある。この映画が凄いのは、暴力映画によく見かける。付きまとう暴力的な描写が少ないこと。そして、主演の北野武にしてもやたら感情を剥き出しにするわけでもなければ、何か凄い爆発を見せるわけでもなく、ただただ静かに、不気味に笑っているようなあの顔付き、人間の心の中には常に暴力があるんだよ!それを感情的にしないことで、返って不気味さを増す。そんな静けさこそこの映画の恐ろしいところです。好みで言うならば「キッズ・リターン」が北野武監督映画では断然だが、恐ろしさという意味ではこれこそ北野武監督の中でも一番だと思うぐらい本当に見ていて恐いそんな雰囲気を最後まで感じたし、間違いなくこれも監督北野武の代表作として挙げられる作品だと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2007-09-13 19:32:03)(良:1票)
633.  続・悪名 《ネタバレ》 
面白い!前作に負けないぐらいの面白さ!勝新の身体全体から溢れ出すオーラ、スターの貫禄十分の「座頭市」と並ぶシリーズ作品として見応え十分!やくざの道から足を洗いたくてもやはりそこは男にしか解らない事情というものがある。相棒の田宮二郎演じるモートルの貞が殺されるシーンにおける宮川一夫撮影監督の映像美、人が殺されるシーンにおいて今の邦画では観ることの出来ない美しさを感じる素晴らしいショット!こんな映像、今の日本で撮れる人はいるだろうか?
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-10 22:50:12)
634.  秋津温泉
岡田茉莉子の映画出演百本目となる記念の作品てことらしいけど、この映画の岡田茉莉子の美しさは現代の日本の女性には欠けている。いや、欠けているというよりは欠けてしまった。失われてしまったと言った方が良いかもしれない美しさ、それはただ単に外見から溢れ出る美しさだけでない内面的な美しさ、人間の持っている感情表現の仕方にしても見せ方にしてもそう、上手く説明出来なくて申しわけありません。とにかく全てにおいて美しい。そんな岡田茉莉子ともう一人、これは確かにミスキャストかもしれない長門裕之の二人の互いの気持ち、お互い好きなくせにそれをなかなか言い出せない二人、相手のためになら死ねるという二人の気持ちが秋津温泉の地を背景にして、何とも美しい映像と共に見せる。話としての暗さ、最後も何か納得いかない結末ではあるけれど、美しい四季の香りと美しい音楽によって描かれていて、この映画はそんな美しい映像だけでも見ていて損はないと思う。それにしてもこの映画の岡田茉莉子の美しさときたら、言葉で表すのが難しいぐらいの美しさだし、岡田茉莉子という女優には温泉がよく似合う。そんなイメージを抱かせるそんな作品です。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-09 14:49:23)(良:1票)
635.  理由(2004)
何とそれにしてもよくぞこれだけ多くの出演者を使いながらもきちんと一本の映画として完成させてしまう辺り流石は大林宣彦監督である。今の日本映画でこれだけ多くの人に出てもらうようお願いしても出てもらえる監督は他にはいないだろう!これも大林宣彦監督の人脈あってこそ、東京の下町で起こったある殺人事件の背景にあるのは家族の絆、大林宣彦監督らしいどこか優しさ、温かさを感じる作りに共感出来る反面、やはり少し長いのと説明過ぎるのも気になった。それでも観ていて退屈とは感じない。下手な監督が撮るとこうはならない。それと東京の下町の映像のリアルさ、人が生活しているという感じがして、その辺は同じ東京を描いてる「三丁目の夕日」とは全くもって対照的!何のリアリティも感じない「三丁目の夕日」より断然、リアリテイを感じる。そして、この映画の中で語られる一つの殺人事件から生まれる人間愛、伊藤歩が赤ん坊を抱いてる姿がとても印象的な上に悲しくもある。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-08 17:20:11)(良:1票)
636.  女系家族
これはまた何ともえげつない。人間の持っている金に対する欲望、本性丸出しの凄まじい戦いに見ていて恐ろしいほどの恐さを感じる。父の遺産相続についてああだこうだと色々文句を言っては何とかして自分だけ良い思いしてやろうとばかりに思っている連中、そんな中で若尾文子のしたたかさ、彼女の前には他の全員、何もすることすら出来ない。ただただ呆然とする以外ないのだ!この作品は何と言ってもお互いの感情を剥き出しにして、化かし合いをしている姿が面白く、そして、やはり若尾文子です。あれだけ色々とえげつないことされながらも最後はそれを利用して一番良い所を持って行ってしまうのだから!それにしてもこの作品の若尾文子の美しさ、何とも言えないあの色っぽさ、それでけでも観ていてゾクゾクさせられる。
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-06 22:17:25)(良:1票)
637.  めし
相変わらず成瀬巳喜男監督の描く世界には人間が生活している空気というものがあって良い。ごく当たり前のことのようだが、そういう当たり前のことを描くのには余計な描写やうるさい音楽や無駄な台詞はいらない。流石はこの監督はその辺のことがよく解っている。平凡な暮らしをしている夫婦の間に東京からやってきた夫の姪が入ってくることで二人の関係がどこかおかしな方へと進んでいく中で、原節子の見せる表情がこの作品のピリピリした空気に合っている。この映画は空気を感じて見せる映画だと思う。あの綺麗な空の下で生活している夫婦の感情を「めし」というタイトルで表すなんて、いかにもこの監督らしい。それにしてもどうしてこんなにも女性の心理を描くのがこの監督は上手いんだ?いつもながら感心させられる。
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-01 12:50:32)
638.  驟雨 《ネタバレ》 
やったあ!これもまたまた観ることが出来た。成瀬作品と溝口作品なら以前、CSで放送した際に全てビデオに録画してあるという親戚に借してもらって、今朝、早くから観たけど、いやあ、笑える。笑える。これも見たいのに、近所のレンタル屋にはない。何故だ?そんなことよりもまずは原節子が上手い。しかも、思い切り笑わせてくれる。姪の香川京子が汽車の中で夫に日本地図を無理やり書かされ、折角書いたのに夫には「キュウリか?」と馬鹿にされたと言われ、それを聞いていた原節子が今にも噴出しそうなのを堪えながら「酷いこと言うわね」ていうシーンがやたら可笑しくて笑い過ぎて涙出てきた。参った。参った。原節子には本当に参った。他にもこの映画でも同じ成瀬監督の「おかあさん」同様、香川京子が可愛い。夫の口調を真似する所のあの可愛さときたら忘れらなくなりそうです。そのぐらい本当に可愛い。二人の女優の演技を見ているだけでもやたら笑えて、清々しい気持ちになれる。その他では男優陣に眼を向けると小林桂樹が抜群に良い味を出している。相変わらずひょうひょうしていて見ていて楽しい。作品全体を包み込む何ともユーモラスな会話とやりとりにまたまた成瀬巳喜男監督にやられた。あぁぁぁ、これもDVDで欲しい。とにかく楽しくて楽しくて、あっという間に終わってしまった気がする。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-09-01 10:12:19)(良:1票)
639.  噂の女
おっと、これまた皆さん、かなりの評価をしているみたいですね。うん!確かに相変わらず観ていて感じるのは、溝口健二監督の女性の心理状態に対しての映し方、複雑な気持ちのゆれ、その他色々と上手い。いや、上手すぎる。でも、何だか私としては溝口健二監督作品としては平均的な感じ、ちょっと物足りない。それでも面白かったことは否定は致しません。田中絹代と久我美子の二人が親と娘であるにも関わらず同じ男を愛してしまうという何ともドロドロした複雑な関係のドラマも下手な監督が撮るとただのドロドロしたものに終わるところを溝口健二監督は単なるドロドロしたままでは終わらせないところは流石です。それでも個人的好みからしたらこのぐらいの点数が妥当かな?
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-30 21:41:58)
640.  おかあさん(1952) 《ネタバレ》 
成瀬巳喜男監督作品の中でも一番、観たかったこの映画のDVDが何と私のよく行く本屋さんでたったの千円で売られているのを見つけて、迷わず買ってきた。他にも小津・溝口といった日本を代表する監督のものもあったので買ってきた。そんな中で、観た。観た。もう、何もかもが懐かしくて、懐かしくてたまらん。懐かしさを描くのに、懐かしいと感じるのには普遍性が必要です。そんな普遍性、どこにでもあるような一般庶民の生活をただただ描いているだけで、こんなにも懐かしく、気持ち良く、すっきりと泣けるなんて、この映画を観て感じたことは、必要以上に語らなくても過剰な音楽などなくても、ただアイスキャンディや公園、遊園地といった描写を映すだけでこんなにも良い映画は撮れるんだというお手本のような作品です。田中絹代の母親、いかにも戦後間もない頃の母親って感じが漂う素晴らしさ、娘役の香川京子もこれまた素晴らしい。病死した父親に代わって母親の仕事を手伝う加東大介演じる木村への「べぇ!」てやる時の表情、障子の隙間に隠れてみたり、そっと顔を出す仕草も二人の子供達と遊ぶ時の姿も何かもが観ていて気持ちが良い。叔父さんの家に行くこととなった妹と母の妹の男の子と遊園地で遊んでるシーン、三人に手を振る母親田中絹代の優しげな顔つき、何もかも見ていて本当に癒される。ラストの方で男の子と相撲をとっている田中絹代の表情、それを障子の隙間からそっと隠れるようにして見ている香川京子、あぁぁぁぁ、何て何てこったあ!もう、完全にやられた。それにしてもこの映画に出てくる二人の子供の健気なこと。それだけでもヤバイぐらいなのに、その他の大人達の人間味溢れる演技の前にこんなにも気持ち良く泣ける作品を描けるこの監督さん、病み付きになりそうです。当然のことながら文句なし満点!満点以外は有り得ん!
[DVD(邦画)] 10点(2007-08-26 12:48:00)(良:1票)
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