Menu
 > レビュワー
 > アンドレ・タカシ さんの口コミ一覧
アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
米国アカデミーで賞を獲った契機のリバイバルで久しぶりの劇場鑑賞。 同時に、久しぶりのレビューです。  「シン・ゴジラ」は当時の我が国の安全保障体系を皮肉った、やや後ろ向きの映画でしたが、その思想には共感しました。 その後、ロシアが仕掛けたアレを契機に、我が国も(やっと)「侵略」への対抗策を(少しは)マジで考える姿勢をカタチにしました。 未だ改憲に至らないのは、心地良さげな口上だけで存続している野党に賛同する方々も一定数はいることと、 長期政権に胡座をかいた与党のバカ者が原因と理解しています。 おっと、レビューから外れていますな。  本作を観て感じたことは「フィクション」と云うジャンルの意義でした。 ゴジラの存在自体がフィクションですが、現代の創作物はそれだけをテーマとして成立させるのが難しい。 1954年製作の「ゴジラ」は戦後10年後の銀座を破壊しましたが、本作のゴジラは終戦から3~4年後の銀座を破壊します。 この5~6年の差には意味があります。 戦後復興がある程度は体を成した日本と、暗中模索中の日本の差。 これまで、スポットが当たる機会が少なかったタイミングにゴジラをぶつけることで、 新たな葛藤が生まれ、それが新たな物語になりました。 絶望に絶望を上書きするような存在が本作のゴジラだったと思います。 そんな状況下で、戦争を生き延びた人たちの対応は様々でした。 家族がいるから、と云う理由で戦いを拒否する方々がいます。それがオーソドックスだと思います。 同時に、我々以外にはやる者がいないと、再び戦いに臨む方々もいます。 それは、ドラマを成立させるためのヒロイックな選択にも見えますが、 同種の思想で命を危険に晒す場に臨む方々が実際にいることは、現在のウクライナ報道を見ていると分かります。  「フィクション」の存在意義は様々ですが、あり得ないものや状況を設定することで、 それに対応する人たちの態度を切り分け、強調する道具でもあるとも思います。 映画の大半はフィクションなので、これまでに観た映画のほとんどは上記の理屈で成立しているのですが、 本作には改めてそれを強く意識させられました。 日本人が普遍的に持つ、敗戦に対する感情が刺激されたからかも知れません。  「シン・ゴジラ」でも言及しましたが、本作でも伊福部昭のゴジラ楽曲が大活躍していました。 唐突ですが、先日、70年万博の「太陽の塔」の内部に入る機会がありました。 岡本太郎芸術に感じた「時代を超えた本質感」を、伊福部昭のゴジラ楽曲にも感じました。 本質を担保しているものは後世に残る。 言語表現貧困でちょっと恥ずかしい言い方になりましたが、私はやっぱり伊福部音楽ファンです。  ともあれ、アカデミー賞受賞、おめでとうございます、 と心からの賛辞を送らせていただきます。
[映画館(邦画)] 8点(2024-03-17 21:59:10)(良:2票)
2.  (秘)色情めす市場 《ネタバレ》 
2022年ヴェネツィア国際映画祭クラシック部門で上映されることが決まったらしいです。そのニュースを見て、契約しているネットTVで検索したらリストアップされていたのでさっそく鑑賞。便利な世の中になったものですな。 私は♂ですが、こんなに勃起しないポルノ映画は初めてでした。 大阪・天王寺界隈でフリーの売春婦(「ぱんぱん」ってやつです)を営む女性とその周囲が描かれる。母親もぱんぱんで娘と客と奪い合う。弟は知的障害者。毎日どこで寝ているのかも分からないような生活ぶり。フツーに暮らしている者の目には悲惨な生活に映ります。でも、本人はそう思っていないし、映画もそんな方向で演出していない。「健気に」とも違うし「逞しく」とも違う。主人公は打たれ強いタイプだけど、それがテーマとも思えない。この時代、この街に、こんな生活をしている者たちがいた。敢えて云うなら強烈に時代を映した映画だと思いました。そう思案して、国際映画祭での上映が頷けました。 個人的には「丑三つの村」が田中登監督の代表作と思っていましたが、コチラの方が相応しく思えました。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-22 01:19:57)
3.  クロスファイア(2000) 《ネタバレ》 
登場人物全員が少しずつ頭が悪い。極端に悪い奴はいないが、みんな平等に仲良く頭が悪い。例えるなら、かつての社会主義国家が国民に不幸と貧乏を平等に分け与えているみたいである。で、女性主人公もその頭の悪い人たちの中に入ってしまうので、イマイチ盛り上がりに欠ける見応えでした。 宮部みゆき原作の最初の映画化が本作のようです。読み物としての作品数やレベルを考えると、満足に映像化された作品がほとんど無いことに驚きます。面白そうな原作を適当に映像化してしまう。宮部さんは邦画の悪しき慣習の被害者かもしれません。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-02-19 05:28:53)
4.  地獄(1999) 《ネタバレ》 
怪作。私的には大いに観るに値します。 序盤から大した必然も無くおっぱいがポロポロとこぼれます。期待感と失望感が共存する変なバランス。 作り込みと云う部分でかなり適当です。予算の関係とも言い切れないくらいにいい加減に見えました。水平が取れていないエンドロールなんて過去に見た記憶がありません。 でも、映画としての体裁を整えること以上に「変な映画を作ってやるぜ」って気概が強烈に伝わって来ました。終盤で意味不明に登場して鬼を斬り殺して去って行く丹波哲郎さんは、変な映画にするために登場させたように思えました。 現実に起こった事件で死刑判決を受けた受刑者たちをモチーフにしています。その受刑者たちを糾弾したかったのかと云うと、私にはそうは思えなかったです。その受刑者を想定して貰えれば、思い切った表現をしても許して貰える。そんな計算が見えます。地獄で責め苦に遭う悪人たちをフィクションで描くより、具体的な人物がイメージされる方が没入感が稼げる。さらに、溜飲を下げる鑑賞者がいることも計算しているのだと思います。そんな計算のうえで、好き勝手にやりまくった映画だと思います。 この監督さん、健さんの網走番外地シリーズを撮っていた方ですが、晩年は本作のようなキワモノを何作か創っています。それがこの方の本質だったのかは分かりませんが、コワいものなしのベテラン映画監督ってステキだと思いました。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-02-19 04:26:03)(良:1票)
5.  バイオハザード ディジェネレーション 《ネタバレ》 
「バイオ2」はかなり楽しませてもらったゲームだったので、後日談的な作品としては興味ありました。でも、どーってことなかったです。いや、実際のところ、何がやりたいのか不明瞭でした。「CGアニメが作りたかったのです」と言われたら「はい、そうですね」としか言えないw 後半、ずーっとGウィルス変異体との追いかけっこが続きます。実際の尺はそれほど長くなかったかもしれないけど、それしかやっていない印象が残りました。レオンにしろ、クレアにしろ、自分がコントローラーで動かしているなら追いかけっこも楽しめるけど、本作は他人がプレイしているゲームをそばで見ているよう気分にさせられました。つまんなーい。おかげで、作品全体がどーでもいいように思えてしまいました。
[インターネット(吹替)] 3点(2022-02-19 03:50:00)(良:1票)
6.  万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳- 《ネタバレ》 
原作は全部じゃないけど何冊か読んでいます。ホームズのような推理を鑑定士と云う立場で行う美女の快刀乱麻。主人公は沖縄の離島から上京するまでは「ありえないくらいのバカだった」と云うエピソードがなかなか可愛いのですが、本作では取って付けたように紹介されただけでしたね。 原作エピソードを幾つか持ち寄りキャラを紹介しています。それが舌足らず。なので、主人公が悩んでも活躍しても、イマイチ入っていけない印象でした。説明を要する人物をいきなり映画で見せるのはやっぱりキツいのかな、と。原作を知る私がそうなのだから、知らない人には見応えの薄い映画だと思います。言いたくないけど、題材としてはドラマ向きってことになるのでしょうか…。 もう30年ほど昔のことですが、ルーブルでモナリザを見ました。ホンモノだったと思いますが、たとえ贋作でも私にとっての意義は変わらなかったでしょう。見たことが私に何かをもたらしたかと聞かれると返答に窮しますからね。1970年の大阪万博で「月の石」を見たことがありますが、それと同じです。映画に訳すなら「死霊の盆踊り」を見たのも同義かな(笑)。
[インターネット(邦画)] 3点(2022-01-29 23:08:25)
7.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》 
劇場で鑑賞しましたが、サボっていたので今更のレビューです。このタイトルとは長い付き合いになるので、私的に総括したいと思います。 最初のシリーズには興奮しました。主人公はアムロに輪を掛けて内向的な性格だったけど、周囲のキャラが陰気を補完していたし、アクションは激しくカッコイイし、何より頻出するキーワードが謎めいていて、次回を見逃せない気分にさせられました。 しかし、ラスト25話・26話には不満が残りました。そこまでに撒き散らした謎が回収されず、主人公の内面描写で終了。興味を喚起しまくったうえで、鑑賞側が見たいものは提供しない。これ以上無いほどの「制作者のマスターベーション」でしょう。24話までのワクワク感とのギャップが整理できなかったファンは多いと思います。そんな鑑賞側の不満を、制作者は理解していたと思います。でも、あの時点ではあれが限界だったのでしょう。 「Air/まごころを、君に」には感謝しました。人類補完計画とは?の疑問に回答が与えられました。「ATフィールドは心の壁」なる台詞に、このタイトルの全てが集約されていると思いました。この台詞は、私が出会ったSFワードの中でも未だに屈指の輝きを放っています。 しかし、物語の進め方と終わり方はフツーでは無かった。病床のアスカに興奮して自慰行為に及びましたからね。最後、主人公はエントリープラグに座って悲鳴を上げるだけで何もしない。つまり、主人公らしくない。補完完遂後と思われる世界に動くものは無く、その荒涼とした風景に何を感じて良いかが分からなかった。主人公は生存していたが、ラストの台詞はアスカの「キモチワルイ」でした。やはりこの制作者はかなり特別な方だと思いました。屈折、あまのじゃく、へそ曲がり…、その辺りの形容詞が浮かびます。そして、そんな鑑賞側の違和感も、制作者は充分に理解していたと思います。でも、あの時点ではあれが彼の表現だったのでしょう。 そしてスタートした「新劇場版」。3~4作の連作が報じられていました。私は「今度は補完計画が失敗して終わるのだろう」と思いました。で、別に自慢じゃないのですが、その通りになりました。補完失敗を想像した理由は単純で、それがあまりに個人的な願望だったから。碇ゲンドウは彼の人生でただ一人、自分を受け入れてくれた女性を取り戻すことを期して計画を進めました。でも、そんな理由で地球人類70億の個性を無に帰すことを是として良い訳がない。現代や現在を全否定して終了する物語は、やはりあり得ない。 「制作者の作家性」と「好ましい物語性」の葛藤が新劇場版だったと思います。 「エヴァ」のテーマとは「ヒトのヒトの距離」です。この最終作へ至る道程を振り返ると、すごい数の距離を描いていたことに気付きます。その距離は時間と共に変化し、安定することはない。シンジとレイ、シンジとアスカの関係だけを取っても、接近と拒絶を繰り返していたことがよく分かる。そして、登場人物全員に言えることですが、良好な距離が少なかったことにも気付きます。けっこう常にギスギスしてましたよね。同時に、良好な距離が担保された時の安心感や満足感にも気付かされます。 制作者は「自分」の作品として、ヒト同士の距離の二面性を絵として残しておきたかったのだと思いました。碇ゲンドウと云う、小心で不器用な人物はおそらく制作者自身の投影で、人と良好な距離を作れない奴の代表。でも制作者はその態度を肯定している訳では無く、この最終作では、トウジ・ケンスケ・ヒカリ委員長と云う懐かしい面々を登場させて「好ましい距離感」や「好ましい物語性」へ配慮しました。そのうえで、シンジに主人公としての役割を与え、物語を完結させた。 その終わらせ方は、ここに至っては、私に取っては大きな問題ではなかったです。制作者の四半世紀に及ぶ葛藤が表現された作品。それが私にとっての「エヴァ」だったと思います。ありがとう、そして、さようなら、全てのエヴァンゲリオン。
[映画館(邦画)] 7点(2022-01-16 00:31:46)
8.  日本で一番悪い奴ら 《ネタバレ》 
面白かったです。 いわゆる「変な人」を扱った映画のひとつ。あんなことをしながら「治安を守るため」に働いていると本人は本気で思っていたようです。道警の予算で銃器を買い取り、摘発や押収扱いにして点数を稼ぐ。市井に流通する銃器数が減るのは確かだけど、密輸密売組織を肥えさせる見識はありません。登場人物たちの本気ぶりが滑稽に映る作品は、コメディとして上質です。 序盤、刑事部屋に「努力目標」のタイトルで映される摘発の点数表は興味深かった(ホンモノかどうかは分かりませんが…)。傷害にしろ過失にしろ強姦にしろ、人が死んでいる案件は一律18点。公然わいせつは1点。あれが組織内の出世の目安なら、ストーカーなどに身の危険を覚えて通報してもスルーされる理由が理解できます。 余談。30年ほど昔の話ですが、スピード違反で免停・罰金8万円を払わされたことがあります。そのとき、板橋警察署の交通課巡査がやったことを記しておきます。首都高速5号線の下の道路を走っていたときでした。ニッサン・スカイラインがバックミラーで急拡大しバンパーぎりぎりまで接近されました。気持ち悪くてアクセルを踏んで逃げました。すると再びぎりぎりまで接近されました。さらにアクセルと踏んだところでサイレンが鳴り、そこで初めて覆面パトカーだったことが分かりました。その場でも抗議はしましたが、アクセルを踏んだ私が悪いと決めつける態度で違反切符を切る太った巡査がもの凄く憎らしかったです。あれって、今なら完璧な「アオリ運転」として逆に提訴できる行為です。その当時で私と同年齢くらいの巡査だったので、もしかしたら組織内でそれなりに出世しているかもしれませんね。もしそうなら、自宅を突き止めてピンポンダッシュしてやりたいです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-01-08 20:20:59)(良:1票)
9.  ザ・ファブル
原作未読で鑑賞。劇中に共感できる人がいないので感動する類いでは無いけど、特に欠点も無い作品でした。幾つか感じたことにコメントを。 コメディを意識して造形された数人の人物像は面白かったです。過度な猫舌とか、過度な肝臓強度とか。あのイラストはとても味があり、殺し屋稼業とのギャップは成功していると思います。 風俗嬢をやれと脅されていたミサキさんですが、警察に通報することは考えなかったのでしょうかね。実害が出ない限り警察は動いてくれない、とよく云われますが、作中には通報に足る証拠があったように思えたのですが…。 「誰も知らない」でかわいい少年を演じた柳楽クンがこんなにスレた役が似合う青年に育つとは思っていませんでした。暫く前からその傾向はありましたけど、これも「成長」でしょう。 私の肝臓はひ弱でテキーラ2~3杯でギブアップですが、ヨーコさんとなら一緒に飲んでもてあそばれたいです。 殺し屋と云う人種はフィクションに頻出しますが、当たり前ですが私は実物を見たことはありません。しかも嘘みたいに強い。それは例えば会話が出来るライオンがジャングルを統べているようなもので、ファブル(=寓話)とはそんな意味なのでしょう。 鑑賞後に原作者を知りました。最近マンガから疎遠気味ですが南勝久は好きなマンガ家です。U-○EXTで3巻まで無料だったのでさっそく購入して後追い。(最近このパターンが多いw) 原作にある味わいは映画には出ていなかったですね。南氏のマンガの吹き出しは浪速漫才風のボケとツッコミの応酬ですが、映画の主人公は口数が少なすぎです。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-01-08 13:28:08)
10.  ウィーアーリトルゾンビーズ 《ネタバレ》 
この映画を愉しむには歳を取り過ぎたのかもしれない…と前置きしたうえで、腹立たしい映画でした。 全体から受ける印象が散漫で、テーマが見えません。バンドメンバーが「両親を亡くしても泣けない」云う設定がどこかへ辿り着くのかと期待したが特にナシ。それなりに生きてくよ、って感じ。私に読解力が無いのか、やはり歳を取り過ぎたのか…。 でもねぇ、これって日本だから通用する内容だと思うのですよ。私は世間知らずになるのが怖いと云う理由で、NHK-BSの「国際報道」を出来るだけ欠かさずに見ています。そのお陰で、世界には親が死んだら餓死するしか無い子供たちがゴマンといることを知っています。それを意識すると、本作は裕福な日本をくフワフワと描いた映画にしか見えません。少なくとも、私はリビアの難民キャンプにいる子供たちにこの映画を見て欲しく無い。日本が本当にフワフワと裕福かと云うと、そうとも言えないと思う。その意味で、現実から目をそらし続けるような映画でした。制作者に「テーマは何ですか?」と聞いてみたいです。 本作の監督が某最大手広告代理店で民間企業のアピールポイントを誇張する表現を常に考えている人種だと云うことも、私なりに本作を解釈(曲解?)する材料になっています。 ちょっと興奮気味にグチグチ言いましたけど、かなり嫌いな映画です。
[CS・衛星(邦画)] 1点(2021-12-19 09:28:44)
11.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 
ついに実現したジャイアント馬場とアントニオ猪木の一騎打ち。どちらが勝つのだろう。ファンの期待は不安を孕みながら膨らんで行く。不安とは、贔屓の敗北に失望したくないからだ。しかし、ゴングから5分後、タイガー・ジェット・シンの乱入で勝負は台無しに。馬場と猪木が対シンで共闘する。無言の共闘ではあるが、なぜが息がぴったり合っている。そして、シンを撃退。シンが上田馬之助に促され花道に消えた後、目的性が消失した時間帯、馬場と猪木はただ視線を交わし合うのであった…。 本作は昭和プロレスのストーリーをほぼ完璧になぞっていました。そーいう意味では、昭和の怪獣たちに適応したお話。実力的にはシンが最も強そうだったので、微妙な見応えが残りました。 はい、昭和プロレスのファンですよ、私。馬場と猪木は、スタン・ハンセンとブルーザー・ブロディに置き換え可。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-11-08 01:15:11)(笑:2票) (良:1票)
12.  天気の子 《ネタバレ》 
契約しているネットTVでの配信が始まりやっと鑑賞しました。 チコちゃんに「天気の子」ってなに?と問われたら「日本アニメに翻訳されたライ麦畑」と答えます。 そんなことを書いてみようと思いますが、「ボーっと生きてんじゃねーよ」を言われたらご勘弁w  家出した主人公が船中やネットカフェで読んでいた書籍がサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」です(最近出版された村上春樹翻訳バージョンでした)。米国での初版は1951年。 未読の方のために書いておくと、「ライ麦畑」は高校を放逐された未成年♂の主人公がニューヨーク近辺を彷徨う様を、主にその内面描写によって綴った青春小説です。日本で中二病と云う言葉が生まれる半世紀以上前に、中二病を描いた小説がアメリカにあった。それが、比較的歳を取ってから「ライ麦畑」を読んだ私の感想でした。主人公にはほとんど全く共感できず、腹が立ったくらいでしたよ。ひと昔前までは「反抗期」と云う言葉で括られていた態度ですけど、主人公が発する理屈が中二っぽいのです、コレが。本作で主人公が「ライ麦畑」を読んでいるのは、作者の照れ隠しだと思いました。「ライ麦畑のホールデンみたいな奴だけど、勘弁してね」って具合かな…。  「天気なんて狂ったままでいいんだ!」と主人公は叫びます。その結果なにが起こったかと云うと、東京の水没です。南極の氷が溶けない限り、あんなに海水位が上がるわけねぇだろ、と云うツッコミは脇に置くとして、その被害は甚大です。鉄道も地下鉄もビルも学校も、社会資本は全て使い物にならなくなり、何百万と云う人が家を失って難民になり、首都としての都市機能は消失したはず。呑気に船で通勤など出来る訳ないのです。例えば、幼児の水死体をひとつ浮かべるだけで本作の見え方は180度変わります。でも、それはしない。それが演出と云うものだから。  東京の水没よりも、意中の女性の方が大切だ。それは多分に意地悪な言い方で、彼らが天候を操作して災害をもたらした訳では無く、人柱になることを拒否した結果でした。で、ここが大事なのですが、もし私が主人公と同じ立場なら同様の判断をしたと思わされました。彼には東京水没は眼中に無く、と云うかそんなことを考える容量は無く、自分に身近な人の安否の方がよほど重要な要件でした。 「主人公と同じ判断をした」のは、主人公に共感したと云うことです。  「ライ麦畑」の主人公は、何をやっても、何を言っても、周囲の大人たちから全く理解されずに自分の中での完結度を高めて行きます。中二自己中を極めていくと言って良い。読者としての私が反感を覚えるほど面倒くさい奴でした。そして本作の主人公たちも、ほとんどの大人たちからは理解されず、状況は悪い方向へ転がります。客観的に、幾つも間違った判断をしているとも思います。でもそんな瑕疵より、好きな人と一緒にいたい想いや若者が持つ突破力や思い込みが発揮するパワーが、大人たちの常識や業務的ルールとの対比で、美点として抽出され強調される。ファンタジー設定で主人公を追い込み、ひとつの結論を出させる。その論調や結論に、大人の私が共感したのです。「ライ麦畑」には共感できなくても「天気の子」には共感できた。類似した中味に対してこの違いはなにか? 大げさに言うなら、日本アニメの力技。それが「日本アニメに翻訳されたライ麦畑」と云う意味です。キケンな映画なんですけどね(笑)。  この監督が20年ほど前に作ったデビュー作「ほしのこえ」のレビューを10年ほど前に書きました。私はそこに「この監督の個性とは、ハードSF的に設定を固めても表現したいのはティーンエイジが抱く感情だけ」と書きました。前作ではストーリーに人命救助を絡めたことで、社会性を持ったお話として個性が昇華されました。ひと皮剥けたのかなと思ったのですが、本作で元に戻りましたね。でも、それは悪いこととは思っておりません。良くも悪くも、個性がナンボの世界です。  あ、もうひとつ。朝、カーテンを引いて晴れていると、気分が高揚して前向きな気分になれる。それは年配の私にも実感。そのあたりを出発点にして映画を一本作ってしまうセンスは買いですね。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-07-04 17:54:43)(良:4票)
13.  ビブリア古書堂の事件手帖 《ネタバレ》 
原作を楽しく読ませてもらった者の感想として辛口です。私が楽しめた部分が映像化されていない、って意味ですけどね。 このタイトルはドラマになっていますが、ヒロインの激しいミスキャストぶりに幻滅して一話で見るのを止めた過去があります。そのヒロインを黒木華が演じるとのことで、これは期待しましたし、そこに関しては期待以上でした。口下手な感じが良く出ていましたね。ここはイイ部分。 ダメな部分は大きくは3つです。まず五浦大輔。彼は際立った能力を発揮するタイプでは無いけれど、誠実さと腕っ節の強さでヒロインをサポートする役回り。でも、その片鱗が少しもうかがえない能ナシ扱いでした。ラストの埠頭での役立たずぶりでそれが極まりました。 次に太宰の稀書を狙う男。稀書への執着と動機の描写がアンバランスでした。しかもその変質ぶりが13日の金曜日並みにしつこい。追いかけっこのホラーかよと思わせるほどに。そのしつこさがテーマがブレる要因のひとつになっていました。この男、詐欺・放火・強盗傷害・殺人未遂ですが、事件後に逮捕される様子も無く気持ち悪かったです。 最後にミステリ要素のカットです。このタイトルの特長は栞子が古書の知識を動員する洞察にあります。推理力とコミュ障キャラのギャップが愉快なのですが、本作では冒頭で五浦の出生の秘密に気付くだけでした。その後は妹から他者の感情を解さないと責められるだけでこれと云った活躍がありません。これはとても残念でした。 五浦の祖父母のエピソードをストーリーの展開にリンクさせて丁寧に見せました。このエピソードは五浦の出生にダイレクトに関わっていることだけど、五浦自身の陰が薄いので悲恋自体は私にはあまり響かなかったです。祖母のお腹の子を「ウチの子だ」と宣言するごうら食堂の親父の心情の方がよほど重たかったです。文学青年との不倫が太宰の人生や作品に通底する要素であり、作品の背景に古書や文学をイメージさせることには役立っていたと思います。でもまぁ、ここに力を入れたがために、そぎ落とした部分が大きすぎじゃないの、と云う意見です。 原作がある作品のどの部分を映画のテーマに据えるのか。私は自分が最も面白いと思った部分がそれになるものと思っておりますが、ズレることが多いです。本作も中盤あたりまでは良かったのですが、終わってみればかなりズレた作品になっておりました。
[映画館(邦画)] 4点(2018-11-17 23:48:15)(良:1票)
14.  太陽(2015) 《ネタバレ》 
ハイテクが出てこない邦画SF。裸電球がやけに明るく映るような山間の集落が舞台。内容を吟味して咀嚼するのに、そこそこのカロリーを必要とする作品でした。細かい設定に幾つか疑問が浮かんだけど、そこに突っ込むと長くなるので省略。 SF的にデフォルメされた格差社会における生き方テーマでした。主人公は集落に住む若者男女二人。主人公をはじめ、その周囲の人たちのスタンスがみんな違う。登場人物たちには全て意味が持たせてある訳だけど、そのことがストーリーを散漫にしている感もあり。鑑賞側に問題意識を投げたエンディング。個人的にはもう少しガツンと来る主張が見たかったです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2018-04-24 02:13:36)
15.  CUTIE HONEY TEARS
キューティってイメージじゃない。笑顔が少ないからです。ハニーと云うよりビターって言葉が浮かびました。ルックスは申し分無いのですけどねぇ。ストーリーも典型的なお涙頂戴邦画でがっかりします。「キューティーハニー」としては落第点です。 こんなマガイモノを見ると、1970年代に健康的なお色気を全肯定し、それを味付けと云うよりテーマ的に扱った原作を描いた永井豪はやっぱり天才だったんだと改めて思いました。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2018-04-24 00:55:07)
16.  GANTZ:O 《ネタバレ》 
原作で最も盛り上がったシークエンスだった(と私が思っている)大阪・道頓堀の妖怪編。そのCGアニメ化でほぼ原作通りの流れ。特に期待せずに見始めたけど、うん、楽しめました。なんだか安心して観ている自分がいて、それは恐らく実写版で痛い目に遭ったからなのでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2018-03-31 23:06:35)
17.  夜は短し歩けよ乙女 《ネタバレ》 
原作は私のお気に入りの一冊です。その映画化は原作の内容をなぞってはいますけど、鑑賞後に受ける印象はかなり違うものに仕上がっていました。森見登美彦の「四畳半」とこの「乙女」は全く違うテーマを持った作品だと思いますが、本作はTVアニメ「四畳半」のノリの延長上にあり、それはそれでアリなのですけど、若い男女がひとつのカップルに落ち着くまでの互いの心情の機微が大味になっていて残念でした。大味と云うより、ドタバタ劇の付加要素でしか無かったですね。あくまで原作を読んでいる者の感想で映画としてはそれなりにまとまってはいますが、私は残念な気分でした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2018-03-31 21:54:09)
18.  チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜 《ネタバレ》 
酷い教師だなぁと思いましたよ。おそらく誰の目にもそう映る脚本にしてフックを作り、そこをプラスへ解放することをテーマにした作品でした。それを鵜呑みにできれば分かりやすい感動譚です。 でも、私には納得しにくいものが残りました。オリンピックで4連覇した方が受けたパワハラが時事ネタになっています。それに触発された訳ではありませんが、本作の教師の言動も生徒の誰か一人が「パワハラを受けていた」と発言した途端に、美談が醜聞に変わる可能性を秘めた際どいものだったと思えるのです。 あくまで本作を観る限りの感想で、映画的な演出として序盤に「酷さ」が強調されていたと思います。結果としては成功談ですし、その結果ゆえに素晴らしい指導法だったと解釈もできます。でも、教師が「際どい指導」をやることに不安を覚えます。 本作を観て勘違いしたバカな教職員がホンモノのパワハラを堂々とやりかねない。オーソドックスな指導法では同じ結果にたどり着けなかったのだろうか? 気難しいことを言ってるようですが、そう感じたんだから仕方無い。気持ち悪いものが残っています。 広瀬すずは確かに買いですね。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2018-03-24 23:32:47)
19.  アップルシード アルファ 《ネタバレ》 
10年ほど前に同監督が同名の作品を作っています。本作はその前日譚的な内容。10年前の作品は楽しめた記憶があるのだけど、コチラは退屈でした。作品からテーマ性を覚えるところが無く、CGアニメの技術力を確認しているだけと云う印象を持ちました。巨大兵器のスケール感や重量感は上手いと思いましたけど、ストーリーに面白味が無いとダメですね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2018-03-06 00:28:24)
20.  何者 《ネタバレ》 
主人公は周囲の人を落として相対的に自分の尊厳を保ちたかった。それは矮小なプライドで、主人公がそれに気付くことが本作のテーマだったと思います。現代的な青春映画、ってところでしょう。 そんなお題目より、私は匿名性と記名性でテキストの性格が変化するところに引っ掛かりを覚えました。それは本作と云うより、原作読後に強く感じたことです。主人公がツイッターにアップしていた「批評」は独りよがりな部分はあるけど、批評とはそんなものだと思います。このサイトのレビューだって彼のツイートと同類です。でも、それは世間的に許容されている。批評が過激な批判にならない限りは、ある程度の放言が許されるのがネット上の匿名コミュニケーションだと思います。ところが、その匿名性が消えた途端に批評は「悪口」に様変わりします。特に近い距離にいる人に対する批評は嫌味や中傷と受容される。面と向かって大声で他者を批判する習慣が薄い日本人にとって、彼がやっていたことは不道徳な行為のようです。でも、発言者の素性が知れた途端に発言内容の意味性が変化するって不思議だと思いませんか? 感じたことを誰に対してどこまで口にすれば良いのか。あるいは事なかれを装い無言が良いのか。コミュニケーションの難しさの本質的な部分に触れている作品だと思います。レビューから逸脱気味ですが、そんなことが気になった作品でした。 もうひとつ余談。学生時代、コンパの席などで将来の志望が話題になったとき、私は「何になるかは分からないけど、何者かにはなりたい」と言っていたことを思い出しました。私が云うところの「何者か」はジャンルは限定しないけど、そのジャンルでは一目置かれる人物って意味でしたね。大望(でも無いかw)を抱くのは若者の特権。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-03-06 00:07:35)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS