41. ヴィーラ~踊るONE MORE NIGHT!
《ネタバレ》 今回のラジニ様は、聖人君子でもなければ一匹狼でもなく、歌唱コンテスト出場志望のただのどんくさい存在。しかも、野望達成のために、(相方主導の下ではあるものの)よこしまな手段ばかりとっている。しかし、コンテストはもちろんお約束のように優勝し、そこからああだこうだあって、いつものようにラジニ様に都合良く、2人の美女がそれぞれラジニ様に惚れるという展開・・・なんだけど、そこからのまとめ方がものすごい!!このまとめ方は、日本はもちろん、ハリウッドでもヨーロッパでも到底考えられん!!!もう、あっけにとられて呆然としてしまったんだけど、このラストの衝撃だけでご飯がおかわりできます。大体、もっともらしく決め台詞を言ってるお母さん、元はといえばあなたの一言が問題の始まりだったんでしょうが。などという突っ込みもする気がおきない自信満々ぶりと堂々っぷりが、これぞボリウッド。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-25 01:25:25) |
42. その名にちなんで
名付けという1つの行為に対してどれだけのドラマが展開されるのかと身構えてみていたら、それってほとんどオマケ程度じゃん!それだったらこのタイトルはいけません(邦題も)。やろうとしたことは、移民を基盤とする親子の二代間物語みたいなことなんだろうけど、アメリカとインドの違いを感じさせる描写がごく浅く、したがってその両者が融合する過程にもドラマがありません。かといって、親子のそれぞれの意思だったりそれを反映させる時間的経過だったりといったところも軸がはっきりしないので、そこに着目してもあまり面白みがありません。雰囲気だけで流れている音楽もマイナス。 [DVD(字幕)] 5点(2015-11-24 00:26:50) |
43. バーシャ!踊る夕陽のビッグボス
《ネタバレ》 出だしこそお約束の「心は清く正しく、みんなの信頼と尊敬を集めているラジニ様」なんだけど、今回は背景にちょっと暗い影が見え隠れしている。そう、今回の設定は、昔は敵のラスボス以上のワルであって、現在は正体を隠している状態だったのだ!したがって、後半に逆襲に転じてからも、ラジニ様らしからぬワルぶりの反撃が展開されるのだが、まあ、全体的には、流れに大きな違いはない。後半、回想シークエンスがやたら長くて(回想中の回想という二重構造も)、みんなが楽しみにしているヒロインとの恋愛沙汰が置いていかれ気味なのがやや難点。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-13 20:59:46) |
44. アルナーチャラム/踊るスーパースター
《ネタバレ》 主人公のアルナーチャラムが(すなわちラジニカーント様が)いかに格好良く偉大な存在であるかということを語るため「だけ」の冒頭15分(笑)。そこでこの映画のミラクルワールドに入り込んでしまえば、あとはラストまで存分にその熱さと濃さと仰々しさを堪能するのみ。絵に描いたような悪人ももちろん出てくるし、そもそも自分のとこの婆様の方が悪人よりもはるかに怖かったりするのだが、ハッピーエンドなのは分かりきっているので、何の不安もない。30日間で3億ルピーを使い切るという設定には、ハリウッド・コメディ的な要素を感じなくもないが、この作品の重量感と突進力の前には、そんなことはどうでもよくなってくる。ヒロインとの王道ロマンスはもちろんとして、途中から出てくるちょっと欧米チックな彼女(ただし、ダンスの際の速射砲のような動きと腰回りの綺麗なむっちりぶりは、やはりインドだ)も、それなりにラジニカーント様といい雰囲気になってしまう都合の良さ、アクションにおいては下手な香港映画もぶっ飛ぶ切れの激しさ(しかしラジニカーント様は決して危機には陥らない)、挙げ句の果てには、ラジニカーント様を神の福音の伝道者に見立てる黄金の展開。そのブレのなさがあまりにも美しい。 [DVD(字幕)] 7点(2015-09-28 23:32:05) |
45. デリーに行こう!
《ネタバレ》 インド映画なんだけど、ノリはボリウッドというよりも完全にハリウッド。アクシデントから見知らぬ男女が道中を共にするようになり、そこでさらにアクシデントが重なって云々、という王道パターンです。ちょっと違うのは、恋愛的要素はゼロであること、男は最後まで変な人であること(笑)、そして旅が終わった後の一幕でしょうか。洗練された好作品であることは間違いないのですが、インド映画なんだったら無茶な場面もいろいろ見たいなあ、などと勝手なことも思ったりして。 [映画館(字幕)] 5点(2015-09-24 00:18:04) |
46. 秘剣ウルミ バスコ・ダ・ガマに挑んだ男
《ネタバレ》 一応は偉人伝の文脈で捉えられることが多いバスコ・ダ・ガマという人物を、思いっきり残虐な悪役に設定した、アジアの視点からはなかなか興味深い作品。ただし、映画としてやっていることはごく単純な復讐決闘譚だったりして、それはそれでなかなか面白い。最後に現在のところに話を持ってくるのも意表を突くが、その後が若干長すぎか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-07-28 00:16:58) |
47. ヘルプ 心がつなぐストーリー
《ネタバレ》 前半は人間関係がちょっと分かりづらいのだが、それが整理されてきた中盤以降からは、全体が一体となってドラマが展開する。ただ、テーマへの突っ込みはやはり表層的で浅い。導入部と結実部分で視点が異なっているのも、それを象徴している。それを救っているのは俳優陣の達者な演技。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2012-10-16 00:42:02) |
48. ガンジー
伝記ものの場合、その人生を忠実に追おうとするあまり、あれもこれも盛り込みすぎて散漫になってしまうことが多いのだが、本作がそのようになっていないのは、現実に主人公が強い理念に即して一生を送っており、それを伝えることによって映画そのものにも理念が宿っているからだろうと思う。ガンジーの提示した自主独立の理念、無抵抗・不服従という手法は、今でもその普遍的な重要性を失ってはいない。ただし、映画としては、イギリスのもともとのインド統治政策の具体的な問題点が示されず、いきなりガンジーが運動に突入しているような印象を受けるので、その点で説得力が弱くなっている部分はある。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-13 14:37:50) |