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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1.  その女諜報員 アレックス 《ネタバレ》 
イギリスにおける公開初日の興行成績がまさかの8,600円という通常ではありえないコケ具合で話題になったアクション映画ですが、確かにこれは酷い出来でした。 まず、敵も味方も優秀なのか優秀じゃないのか、強いのか弱いのかがさっぱり分かりません。完璧な武装と下準備、洗練された行動で登場しながらも、仲間割れで自滅するマヌケな強盗団。殺し屋集団が迫ってきているという逼迫した状況で固定電話を使ってしまい、リダイヤルで電話をかけた先を特定されて先回りされるという主人公のバカさ加減。序盤ではただ逃げるだけでさほどの強さを見せなかった主人公が、中盤になると自信満々に殺し屋集団への反撃を開始するという展開の唐突さ。このご時世に空港をブツの受け渡し場所に指定し、案の定厳重なセキュリティに捕まってしまう敵の愚かさ。そして、敵味方ともに、相手にとどめを刺さなかったり、ベラベラといらんことを喋ったりしている内に形勢逆転されることが多く、どちらも優秀な工作員に見えないという脱力感。監督はジェイソン・ボーンや007を意識して本作を撮っている様子でしたが、それらの作品の登場人物とは比較にならないほどのお粗末ぶりでした。 また、尺詰めすぎで人間関係が生煮え状態となっています。主人公・アレックス、強盗仲間のケヴィン、そしてケヴィンの妻・ペニーは過去に三角関係にあったという設定が置かれており、この緊急事態において恋敵だったアレックスとペニーが共闘するという展開を迎えるものの、そもそも旦那が犯罪者ということすら知らなかったペニーがいかにしてこの緊急事態を認識し、憎悪の対象でしかなかったアレックスとの共闘関係を結んだのかという感情の推移がまるで整理されていないため、感情移入が難しくなっています。これならば三角関係という設定はないほうが話の通りがよかったと思います。 さらには、そもそもの物語にリアリティを感じません。ダイヤ強盗に入ったら偶然に米国諜報機関の機密情報が記録されたマイクロチップまで盗んでしまったことが事の発端なのですが、なぜダイヤとマイクロチップが一緒に保管されていたのか、米国諜報機関がなぜケープタウンの銀行に機密情報を隠していたのか、そもそもこのご時世に諜報機関がマイクロチップの争奪戦なんてやるのだろうかなど、おかしな点があまりに多すぎます。さらには、マイクロチップに記録されていた陰謀の正体も「何の利益があってそんな悪だくみをするのか」と首をかしげるような内容であり、総じて説得力がありません。 とまぁ、とにかく悪いところだらけの作品なのですが、唯一の救いはオルガ・キュリレンコが美しく魅力的に撮られていることです。監督は本作をシリーズ化する気マンマンだっただけに、作品の要となるキュリレンコを観客から受け入れさせることに全力を注いでおり、この点だけは成功しています。ヌードや濡れ場はないものの、バスローブ姿で戦ったり、下着姿で拷問されたり、足やお尻のショットがやたら多かったりと、何気ないところでエロさを出してきます。また、戦う女だけに終始しかめっ面なのですが、洗車中の車を盗むシーンでニコっと笑った一瞬の表情が悶絶級にかわいかったり、子供を庇いながらの格闘では優しい表情を見せたりと、キュリレンコの良いところがちゃんと押さえられています。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2017-01-09 18:24:55)
2.  チャッピー
登場した時にはロクでもないチンピラだと思ったカップルが、チャッピーと共同生活を送ることで親らしくなっていきます。この辺りは『ツォツィ』を思い出したのですが、南アフリカではこういう話がウケるんでしょうか。チンピラカップルを演じたのは南アフリカで人気のヒップホップグループ「ダイ・アントワード」の二人であり、それぞれ実名で出演しています。 まずチャッピーをかわいがるのはヨーランディで、「チャッピーちゃん」と言って彼に愛情を注ぎ、絵本を読んでモラルを教え、彼の精神的な支柱となります。他方、ニンジャはチャッピーをスラムに連れて行き、強くなければ生きていけないということを教えます。舞台がヨハネスブルグだから「銃の撃ち方を覚えろ」とか「車を盗んで来い」って話になるんですが、これが日本であれば、「頑張って勉強して良い大学に入れ」と同じようなことなのでしょう。ニンジャはニンジャなりの処世術をチャッピーに教えているのです。 本作は貧困の映画でもあります。チャッピーへの教育、特にニンジャによる教育はメチャクチャなのですが、ニンジャが生まれ育った環境では犯罪者として一流になることこそが生き残る術だったのです。だから、本質的には悪人ではない彼が犯罪者をやっているし、彼はチャッピーにもその生き方を教えて、犯罪者が再生産されていくわけです。ただ犯罪者を捕まえるだけではなく、犯罪をしなくても生きていける社会を作ることこそが、犯罪をなくすためには重要なのです。 監督の手腕は相変わらず絶好調。SFキャラの擬人化や、生命と機械の境界が取り払われていく様の演出は見事なもので、『エイリアン5』への抜擢も当然のことと思います。クライマックスの戦闘のテンションの高さも素晴らしく、ドラマ性と娯楽性が高いレベルで融合した良作だと思います。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2015-09-25 18:42:55)
3.  第9地区
有名な話ですが、本作の元となったのはTVゲーム『HALO』の映画化企画です。『HALO』の実写CMで高い評価を受けたニール・ブロムカンプが監督に起用されていたものの、ピーター・ジャクソンとマイクロソフトが条件面で衝突して『HALO』は頓挫。しかし、せっかく集めた人材や、重ねてきた芸術的協議を捨てるのは惜しいということで、急遽、ブロムカンプの短編映画を長編化したのが本作だったというわけです。突貫工事で製作された本作なので、その生い立ちに起因する作りの粗さみたいなものは随所に現れています。。。 まず、基本設定に光るものがありません。本作の元ネタは1988年の『エイリアン・ネイション』だと考えられるのですが、元ネタを上回るアイデアを提示できていないため、SF映画としてのサプライズには乏しいと感じました(B級映画『エイリアン・ネイション』に見向きもしなかった評論家先生達は、本作を「斬新だ!」と言って絶賛したようですが…)。ディティールについても同様で、宇宙船の燃料を浴びたことでヴィカスの変身が始まるということの原理がよくわからないし、怠け者ばかりのエビ星人の中でクリストファー・ジョンソンだけが行動力と科学知識を持っていることの理由も説明されません。意図的に説明を省いている部分もあれば、そうでない部分もあり、全体として見ると設定が煮詰めきれていないように思います。さらに、SFを通して人種問題を語るという姿勢も、何だか青臭く感じました。SFはしばしば現実社会の写鏡として利用されますが、本作の主張はストレート過ぎて説教臭くなっているのです。。。 ただし、「観客の心を容赦なく刺激する」という点において、本作は確実に成功を収めています。主人公が徹底的にいじめられ、その後、凄まじい反撃をする。アクション映画の基本中の基本を守ることで、驚くほどエモーショナルな物語に仕上がっているのです。また、エビ星人の描き方も秀逸。最初は気持ち悪く感じていたエビ星人に対して、中盤以降は愛着を覚えてしまうという不思議。架空のキャラに魂を吹き込むという点において、本作は突出しています。その他、メカ描写や銃撃戦の迫力には目を見張るものがあったのですが、これらについては『HALO』で積み重ねてきた知識や技術が十二分に活かされています。手持ちの技術・人材で出来ることは何かという点を冷静に分析していたピーター・ジャクソンは、さすがの采配でした。
[映画館(字幕)] 7点(2013-10-12 02:28:44)(良:2票)
4.  逃走車
低予算でもそれなりの映画が作れるということもあって、ワンシチュエーションでのサスペンスアクションはここ数年多く製作されていますが、たいていは盛りの過ぎたスターが出演するVシネマです。そこに来て、現役のスターであるポール・ウォーカーが製作までを兼任し、さらには自身の出世作を連想させるカーアクションを中央に据えた映画とくれば、ジャンルの中でも頭一つ抜けた出来を予感させるところですが、これが完全に期待はずれの駄作でした。。。 本作の脚本はネタの詰め込みがとにかく甘く、エンドロールを含めて85分というコンパクトな上映時間でありながら、中弛みをするというどうしようもない事態を引き起こしています。劇中に起こるイベントの数が少なすぎるのです。また、巻き込まれた主人公の動機付けが弱いために、ダメ男が正義に目覚めるというドラマとしての感動も薄くなっています。さらには、社内の様子しか映さないという監督の試みも完全に裏目に出ており、視点が固定されてしまったためにカーチェイスの迫力は半減しているし、俯瞰ショットを使えないために、主人公がどれほどの包囲網の中にいるのかもよく伝わってきません。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2013-09-30 01:03:04)
5.  ジャッジ・ドレッド(2012)
大風呂敷広げすぎて失敗したスタローン版の反省からか、今回は舞台も物語も徹底的にシンプルにまとめています。無駄を削りすぎて『ザ・レイド』とまったく同じ話になってしまったのはご愛嬌ですが、アクション映画のアプローチとしてはこれが正解。スタローン版と比較すると格段に面白くなっています。『28日後…』のアレックス・ガーランドが脚本を書いたことでハリウッド大作とは一味も二味も違う雰囲気が出来上がったし、キャラ設定やセリフ回し等の基本的な部分もかなりしっかりとしています。本作のドレッドはとにかくカッコいいのです。圧倒的に不利な状況に置かれても、慌てず騒がず冷静に状況を見極めながら行動を決定し、クールに振る舞いながらも内面には激しい怒りを煮えたぎらせている。理想的なダークヒーローぶりではありませんか。相棒を人質にとられるに至り、「俺こそが法だ。敵方についた者は容赦なく処刑する」と数万人の住民に対してたった一人で宣戦布告をする場面なんて、かっこよすぎて死ぬかと思いましたよ。彼に対する大悪党「ママ」もよく作り込まれていて、ドレッドの敵として十分な存在感や威圧感を放っています。マンガ映画としては本当によく出来た映画だと思います。。。 一方で残念だったのは、本作を象徴するような印象的な見せ場を作れなかったという点です。アクション映画としてのアベレージは高いのですが、「これは!」という突出した見せ場がなかったので、やや物足りなさを感じてしまいました。ただし、これは本作のプロダクションを考えれば仕方のない部分でもあります。スタローン版の大失敗の影響からか、本企画についても映画会社は投資に慎重モードとなっており、本当にギリギリの予算しか与えられていなかったのです。これについては、現在企画中の続編できっちり答えを出していただきたいところです。 
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-06-11 00:37:58)(良:1票)
6.  ツォツィ
子供との触れ合いによって悪党が人間性を取り戻すというベタ中のベタとも言える内容なのですが、変な小細工に走らず王道を通した点は良かったと思います。さらには、チンピラと赤ちゃんの接点の持ち方も非常に現実的で好感を持ちました。赤ちゃんの世話は基本的に近所のシングルマザーに任せっきりで、ツォツィは最後まで赤ちゃんに馴染まないのです。ご存知の通り赤ちゃんの世話は本当に大変で、何も知らないチンピラが見よう見まねで出来るものではありません。そういう現実を踏まえた本作の構成には、「なるほどな」と感心させられました。ツォツィはこの赤ちゃんに愛着を覚えたのではなく、赤ちゃんという異質な存在に触れたことで物事の見方が変わり、そのことが彼の人間性に影響を与えたに過ぎません。この映画はそういう微妙な温度感をうまく表現できており、全体としてはベタな構造をとりながらも独自性を打ち出すことに成功しています。。。 ただし、問題もあります。多くの方が指摘されていますが、そもそもツォツィが赤ん坊を連れ帰った動機が不明確だし、彼を援助することとなるシングルマザーの心境も不自然です。彼女も母親なのだから、我が子を誘拐された母親の辛さは痛いほどわかるはず。ならば一刻も早く赤ん坊を母親の元に返そうと考えるはずなのですが、彼女は数日にも渡って赤ん坊を手元に置いてしまいます。さらには、ツォツィとギャング仲間の関係も意外なほどサラっと流されていましたが、過去の自分と決別することが本作のテーマなのだから、かつての社会とどう折り合いをつけるのかという点も本作の重要なファクターだったはず。その他、赤ん坊を奪われた夫婦のドラマや、ツォツィに迫る警察の捜査網など、多くの要素が省略されています。ドラマの視点を分散させないようムダを省いた構成とした監督の意図は理解できるのですが、全体としては描写が不足しているように感じます。枝葉の部分にこだわることで核となるドラマが引き立つということもあるわけで、この点について本作はバッサリやりすぎたように思います。
[DVD(吹替)] 5点(2013-03-18 00:52:10)(良:1票)
7.  ホテル・ルワンダ
これはすごいです。非常に政治的な映画なのですが決して説教臭くはなく、紛れもない感動作なのですが押し付けがましい感動やあざとい泣かせはなく、恐るべき完成度の傑作です。多くの社会派映画のように作り手の大声の主張があるわけでもないのにここまで考えさせられる映画ってすごいことですよ。この映画が描こうとするのは部族問題の難しさや虐殺の恐ろしさ、人間の勇気と残酷さなどという「定番」のものだけではないのがすごいところ。他国の惨状を見捨てるということがどういうことなのかも肌で感じさせるのです。石油も宝石も出ないルワンダなどに関わりたがらなかった西欧諸国の怠慢が虐殺を拡大し、最初から最後まで国連は無力。結局ツチ族自身の手によって止められるまで虐殺は続いたのですが、これは西欧だけではなく日本にとっても重い教訓ではないでしょうか。虐殺などという不条理の起きうる国がこの世界にはまだ存在しているのに「うちの国は平和主義なので国際貢献は後方支援だけで」などという鎖国状態の平和主義がいかに無責任なことか、交戦権も与えず戦地へ兵を送り出すことがどれほど危険で残酷なことか、これを見れば一発でわかります。「武器を持たない、使わない=立派なこと」という簡単なことではないのです。とまぁこの映画を評すると必ず政治的な話になってしまいますが、映画としての出来も非常に高いです。オリバー・ストーンのようにアジビラの如く主張するわけでもなく、スピルバーグのようにこれでもかと衝撃的な残虐シーンを見せるわけでもないのに、ここまで心に残り、考えさせられる映画を作るというのは大したものです。展開も終始ダレることなく、実にうまいタイミングで次々と危機が訪れる構成も、不謹慎かもしれませんがハラハラさせられました。要するに、社会派映画としても娯楽作としても非常に良く成立しているのです。これぞいい映画の見本ですね。
[DVD(字幕)] 9点(2006-09-03 00:40:18)
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