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皮マンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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1.  イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 《ネタバレ》 
自分を大物アーティストと勘違いした愚鈍な男の見苦しい振る舞いを、超のつくほどクールな作家が白けながら映し出す。「土産物屋を通って退場」という本作のタイトルは、クソ高い入場料の美術館(公立なのに)に行くたびに感じていた苦々しい思いを代弁してくれているようで実に気持ちいい。しかし本作の内容は単にアートと金儲けを巡る問題というだけの単純なものではなく、芸術とは何かという根源的な問いまでをも含んでいる。そんな大テーマを大上段に構えること無く、笑いながらこれほど深く考えさせられるドキュメンタリーはオーソン・ウェルズの「フェイク」以来。なにしろ監督がはじめにつけようとしたタイトルは「クソのような作品をバカに売りつける方法」だ。素晴らしい!
[DVD(字幕)] 10点(2017-08-13 14:54:48)
2.  わらの犬(1971) 《ネタバレ》 
フィクションとは思えないくらいはまったキャスティングと悪魔的に良く練られた人物配置。暴力が徐々にエスカレートしていく過程を驚くほどのリアリティをもって描き出す。無軌道な若者に説教できそうな唯一の人物、脚の不自由な村の指導的立場にある人格者を誤って撃ってしまった時から破滅に至る道は後戻り出来なくなった。上手い!!この作品の中で女はトラブルを拡大させるための道具として利用されているに過ぎないので、この出来にして女性陣の評判はすこぶる悪い。小さい時から暴力を己の感性に刻み込んできた男連中でなくてはこの作品に深く移入することは出来ないのだろうか。
[地上波(字幕)] 10点(2011-09-26 13:33:09)
3.  2001年宇宙の旅
監督自らが「一度観ただけでは理解できないよ」なんて馬鹿野郎な発言をしている作品などよほどのことがなければ到底認められない。しかーし!これがそのよほどのことなのだよ。ただ観るものではなくて体験する映画。わけわからんと憤っておられる方もいらっしゃいますが、宇宙の彼方にふっとばされるなんて体験をした当人はわけわからなくって当然じゃありませんか。主人公から極力個性を排除してあるのもキューブリックの作風云々というより観客の参加を容易にするための配慮ではないかと(優れたRPGがそうであるように)。あの至福の映像ドラッグ体験はその後観たどんな映画もかなえてくれません。脳内麻薬ドバーの快感がくせになっちゃって10回くらい劇場に足を運んだが、実家のある田舎のボロい小屋で観たときには映写機の光量不足のせいか、スクリーンに映る星の数が10分の1くらいだったので驚いた!
10点(2004-07-22 13:02:20)(笑:2票) (良:2票)
4.  フロッグ 《ネタバレ》 
漫画家楳図かずお氏の著作に「追われる者の視点で描けば恐怖漫画になり、同じことを追う者の視点で描くとギャグになる」という鋭い指摘があります。本作はある意味そのことを体現したような構造になっており、知らずに観ていると驚かされることになります。かくいう私も予備知識の無い状態で観て「ぬるいホラーだな」と前半で鑑賞を止めそうになったものの後半が始まって数多くの伏線が回収される度に目からウロコがどんどん落ちていき思わず居住まいを正しました。 頭の良い制作者もいるものだと感心していたら間をおかず「アンテベラム」という本作の意外性を数倍パワーアップしたような超名作に出会い至福の映画体験を立て続けに味わうことになりました。これだから映画鑑賞は止められません!
[インターネット(字幕)] 9点(2024-01-15 17:42:13)
5.  嗤う分身 《ネタバレ》 
あんないい雰囲気のボロい地下鉄が実在しているのだろうか? あまりにも美しいシーンが頻発するのでゾクゾクした。物語は正統派ドッペルゲンガーもので特に目新しい点はない。しかしビジュアルと音楽のセンスの良さが突出しており、難しいことを考えずに雰囲気にぼーっと浸るだけで充分満足できる。キリコの絵画やリンチの「イレイザーヘッド」想わせる耽美的で不吉な画に、脳天気な60年代ジャパニーズポップスがからむタランティーノ的な音楽趣味。その組み合わせが上質な不条理感を観る者の脳内に生成させる知られざる傑作です。
[インターネット(字幕)] 9点(2020-11-20 08:33:52)
6.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 
「ストーカー」風味の「スペースバンパイヤ」といった趣の作品。「個」のない蟻のような存在の主人公が、人間の個々性に触れて己との違いに衝撃を受ける物語。一見アートフィルム的な難解風の肌触りで若干の忍耐力がいる。しかし観客を煙にまく意図はみじんもなく、話がストレートに伝わるように出来ている。しかもその描くところはありていな価値判断を超えたとても奥深いものだ。主人公の異星人(?)は人類の命がけの博愛主義的な行為には全くの無関心・無感動。身を挺して人助けをした者をなんのためらいもなく殴り殺して溶かしてしまう。そのスタンスは彼女が蟻のような、あるいはボーグのような集合意識を持つタイプの生命体だと考えれば充分納得がいく。しかし顔の変形した異形の男を取り込んださいに彼の個人的な強い想いに触れて打ちのめされてされてしまう。全体に奉仕するために産まれてきた存在が彼らにとって餌にあたる生き物のナイーブさに気が付いた時の衝撃。そんな彼女の視点から我々人類が他の生物にとってどのような存在なのかということを考察せずにはいられない・・・・・スカーレット・ヨハンソンはリュック・ベッソンの「ルーシー」とそっくりな演技を求められる役所でありながら、作品の持つベクトルは正反対だ。片や「哲学的なふりをしたバカ映画(ルーシー)」。片や「有名女優のヌードに頼ったふりをした哲学的な文学作品(アンダー・ザ・スキン)」と、まるでスカヨハに “人智を超えた存在を感じる演技をさせること” を課題とする映画学校の作品を観るようだ・・・・・ところでこの作品にぼかしを入れる我が国の後進国性に毎度のことながら心底あきれてしまう。こんな愚劣なことがまかり通っている社会に所属していることが恥ずかしい。わずかなセリフもほとんど意味が分からなくて良いタイプの映画なので、ぼかしなしの輸入盤で観るのがお勧め。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-04-24 11:45:13)
7.  華麗なる恋の舞台で 《ネタバレ》 
徹底した自己中の金持ち中年女が主役。むやみにちやほやされてつけあがってるイヤ~な奴。そんな彼女が恋敵の若い女を陰湿な罠にはめて、こっぴどく恥をかかせる。それでいてなんらかの報いを受けるわけでも無い。そんな最低な話なのに、ああそれなのに、この爽やかな後味は一体なんだろう!?
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-24 10:17:47)
8.  ウィッカーマン(1973) 《ネタバレ》 
あなた信じられますか!?島ひとつがまるごとフリーセックスなんだよ。誰にも干渉されずにやりたい人はやり放題なんだよ。じじいがパブでエロソング大合唱なんだよ。よそ者さえすぐに受け入れてくれるんだよ。まさにパラダイスでしょう!?民宿に泊まったら手伝いの宿のおぼこい娘っ子が夜中に「抱いてくれ」ってんで、隣の部屋であばれるんでっせ。「若い娘は白く、そして赤い 私が見せるものをどう思う?」なんてありがたい歌を歌いながら全裸でエロダンスを踊るんでっせ、旦那。ところがところが主役のバカ警官は「結婚するまでは童貞でいるんだ」とか寝ぼけたこと言いながら彼女のお誘いに応えようとしないの。脂汗をたらしながら必死で我慢するのよ。あほらし。それからも仕事のことばっか考えてちっとも島民に心を開こうとしないのよ。あ~信じらんない~。彼は敬虔なクリスチャンちゅうことらしいが、宿の彼女の与えてくれるものこそ無償の愛そのものじゃないの。ばっかみたい。そんなことも分からない堅物のくそたわけはひどい目にあえばいいな、と思っていたら最後に焼き殺されたのでとってもスッキリした。神よ救い給え!とかいいながら焼き豚状態〜ははは。あまりにも爽快で島民と一緒に歓喜の歌を歌いたいくらいだったよ!ドラキュラ役者としか認識していなかったC.リーの溌剌とした演技といいブリティッシュトラッドを基調にしたスコアの美しさといい大変な収穫だった。なにより価値観の逆転を誘うその内容は芸術が果たすべき使命をしっかり全うしていて爽やかなことこのうえなしだ。
[DVD(字幕)] 9点(2008-12-02 17:36:56)(良:1票)
9.  1000日のアン
リック・ウエイクマンの変なアルバムでプログレファンにはお馴染みの、ヘンリー八世の妻を描いた脚本中心の重厚な歴史劇。アンは凜々しく、女性映画として「ブーリン家の姉妹」より誠実な作品の印象。但しその舞台はハリウッドアメリカンな空気感の王宮で、英語赤点の私にも台詞回しがクイーンズ・イングリッシュにほど遠いことが分かった。セックスの為には後先を考えない、あなたや私みたいな人が王様なので非常に共感でき、あまり馴染みのない世界観のわりに話にはすっと入っていける。彼は王様なのに宗教屋との付き合いがあって、性的に自由なんだか不自由なんだか引き裂かれたような状態。めんどくさ。アン・ブーリン役の女優さんは線の細い外見とは裏腹に、強気で野心的な女を演じきったたいへんな熱演。終盤に、激高した夫にきつ〜いビンタをされて一瞬も怯まないという奇跡的なシーンがある。ハリウッドの大作史劇としては今まで観た作品の中で最も面白かった。ところで(皆さんここからいつもの豊満談義が始まりますよ〜)ヘンリー八世はアンとセックスしたくてしたくて国が滅茶苦茶になるのだが、例によってアンはちっとも肉感的ではない。実際肖像画なんかを見ても細身なので、王様は私ら庶民が性欲を煽られる 尻が大きく・二の腕が太く・下腹の出た 豊満なタイプなんかには飽き飽きしているのかもしれない。しかしヘンリーのように「あの女じゃなければいけない」とピンポイント的に的を絞るのはいかにも素人だ。なびかなかった時はいかに王といえどもあのように苦しむことになる。ヘンリーちょっとマゾ入ってませんか。あげくセックスを取引の道具に使うような、貞淑の皮を被った不感症のゲスい女を摑むことになる。ああいうあなたや私のような性欲最優先の男には、「股の緩い女=いい人と感じる」という「やらせる優先」の回路を脳内に儲けておけば幸せに暮らせるよ、とアドバイスしてあげたかったです。
[DVD(字幕)] 8点(2017-07-09 09:00:13)
10.  アドレナリン(2006)
ただひたすらバカとエロをやるためだけのくだらない設定。すごいテンションで突っ走る、説教臭さの微塵も無いその振り切れた姿勢は賞賛に値する。浅いフェミニズムなんかを入れてアカデミー賞をもらって喜んでいる「マッドマックス」のジョージ・ミラーはこの監督の爪の垢を飲めばいい!
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-12 19:50:37)
11.  レット・イット・ビー
レット・イット・ビーはそのタイトルがポールの代表曲のものであることが示すように、彼が主役のドキュメント・フィルムである。「一度原点に帰ってライブバンドとしてのビートルズを世間に知らしめてやろう」。もともとこの企画自体が、かような思いを持ったポールが主導して進められたものらしい。その経緯をそのまま表すように「真面目にやれ」とメンバーに檄を飛ばすポール。確かに作曲家、マルチプレイヤーとしての才能には絶大なものを感じる。素晴らしい喉も披露してくれる。しかしジョンはカメラの前でわざとらしく張り切ってみせる彼に当惑しているように見える。ポール作の「トゥ・オブ・アス」「ロング・アンド・ワインディングロード」「レット・イッ・トビー」等は名曲とはいえ歌詞はオフコースもかくやというほどの通俗。そのうえこのえげつないとも言える張り切り様はヨーコと知り合って浮世離れが加速しつつあった当時のジョンには耐え難いものがあったのではないだろうか。すでに作曲者としてのピークを過ぎてしまったジョンが絶好調のポールになんとかかんとか付き合っている様子が窺えて興味深い。他にも見所はいろいろある。ジョージが自作「アイ・ミー・マイン」をメンバーの前で初披露するのだが、照れてしまいなかなか始めないところをリンゴに強く促されてしまう。ポールとは真逆の奥ゆかしさが可愛い。ジョージのリンゴに対するコード指南のシーンなども二軍同士仲良しっぽくて実にほほえましい。そのジョージにも容赦なくギターの指図をして「はいはい、あなたの仰せの通りに弾きますよ」と言わしめてしまうポール。お山の大将状態が止まらない。スタジオ内では重苦しい空気が漂うシーンが多いせいもあって最後のルーフトップセッションでの開放的な、和気藹々としたプレイに何か救われる思いがしてしまう。ここらへんの構成の妙がこの無計画なドキュメンタリーの救いかな、とも思うがいずれにせよビートルズのファン以外は全く楽しめない作品なのだろう。
[映画館(字幕)] 8点(2008-06-17 14:41:12)
12.  未来惑星ザルドス
ガキだった公開当時11PM(という深夜番組があったの)で紹介していたのを見て、そのアダルトさにどうにも股間がざわついたのが懐かしい。登場人物が映画の狂言回しを自称したり「これでこの映画も終わりだな」という手塚ギャグのような自己言及があったりするのが面白い。全体を覆う哲学的ムードもわけわからんなりにミョーな説得力がある。“野生人”ショーン・コネリーも“不感症”シャーロット・ランプリングもばっちりはまったみごとなキャスティング【閑話休題:グラマー好きのオレはあんなガリでは到底勃起いたしませんよ!誰にも訊かれていませんがこれだけは断言させていただきます!!まあ、勃つ勃たないは相手の体型や年齢等の外形的条件よりもやる気が最重要でメスが本気で発情していて“お互いの快楽のためにはどんな恥ずかしいことでもします”という心意気さえあれば大抵はなんとかなるものですが。今はバイアグラやレピドラやシアリスなどの素晴らしい勃起改善薬が簡単に手に入る夢のような世の中なので助かります。それにしてもバイアグラが開発されてから認可発売までの素早さといったら!あれはどうも身体には悪そうですぜ。世界中のおっさん方が「死んでも良いからチ○ポを立たせたい」と必死こいてると思うとまだまだ人類も捨てたものじゃないなぁ、としみじみ心が温まる想いです】。ベートーベンの楽曲もザルドスというネーミングの正体も小気味良い。ただ友人3人にむりやり見せたのだがみんながみんな映画が2/3程進んだ時点で寝てしまうのだ。なんでだ?。難解なだけで中身なしというのとは違うと思うんだけどなぁ。たしかに地味ちゃ地味だからなぁ。なんかハリボテっぽいからなぁ。
[映画館(字幕)] 8点(2005-02-25 21:55:46)
13.  ウォッチメン
アメコミヒーローものでありながらアメリカ史(というか共和党)を問い直すというポリティカルな内容が良い。ひとりになりたいDr.マンハッタンが火星でまで行ってすねるのが笑える。ひたすら殴るだけのアクション・シーンと冗長なセックスは残念。ラスト近くにオリジナル・アウターリミッツのオープニングが登場する。本作と基本プロットに近いところがある第3話「ゆがめられた世界統一」に対するオマージュかと思うのだが確証はない。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-05-05 19:35:23)
14.  ラッシュ/プライドと友情
監督さんはそもそもF1にそんなに興味ないんじゃなかろうか。レースシーンの音をないがしろにしていることがそれを感じさせる。F1のサウンドって「プライベートライアン」並の情熱を持って描く価値があると思うんだけどな。レース自体もF1ならではの戦略は描かれなくて取り上げられるのはウエット時のタイヤ選択が少しであとはサシの競り合いばかり。でもとりあえず楽しめるのはドラマチックな事実を脚色過多にならずに描いているからかしら。音楽はちょっと押しつけがましいけど総じて健全なスポ根ドラマという印象でした。
[映画館(字幕)] 7点(2014-02-24 21:32:31)(良:1票)
15.  銀河ヒッチハイク・ガイド(2005)
最近起承転結の“起”ばかり派手で、“承”以降がもちっとも盛り上がらない映画が多いような気がする。残念ながらこの作品もそういうタイプと言わざるを得ない。オープニングタイトルからガイドブックの紹介までの冒頭15分のテンションの高さが次のウォゴン人との絡みで一気に下がってしまいその後多少持ち直すもせいぜい3割くらいだ。超超コンピュータや落下する鯨など乗れるエピソードもちょこちょことはあるのだが、緩急のリズムが悪いというか散漫というか、いちいち乗り切るタイミングをはずされたまま終わってしまう。普通なら「期待させやがってなんだよ」と、悪印象が残るパターンだ。しかし!冒頭の素晴らしさ、特にタイトルバックで流れるイルカの唄の楽しさは尋常なものではなく、その一点でも本作は私にとって唯一無二の宝石のような存在になってしまった。エンディングでも繰り返されるその楽曲のせいで結局全ての不満を許せてしまう一一こんな作品は他にない(次点:大巨獣ガッパ)。
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-28 12:54:37)
16.  チキ・チキ・バン・バン
無闇と楽しいテーマ曲とはうらはらに不気味な童謡の世界に迷い込んだような内容が不安をあおる変な映画。ご家族向け健康路線というのにはちょっと無理のある不健全な香りがすばらしい。わけても倒錯感の漂うのがオルゴール人形の唄と振り付け。ほんの数分間とはいえここが異常なくらい出色の出来で“キモかわいい賞”をさしあげたい。真っ赤ッカなほっぺのなんとチャーミングなことか!それまで全く自覚することができなかった自分の中のピグマリオン・コンプレックスの存在に気づかせてくれたことに感謝。
[映画館(字幕)] 7点(2004-09-17 17:32:20)
17.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
面白い。カンバーバッチはアスペルガーぽい人物を良く演じているし、脚本も演出も音楽もそつがない。物足りないのは暗号解読の世界の魅力を伝えてくれないことと、時間の解体をした作劇法がムードを高める以上の意味がないこと。良くも悪くもきちんとした職人仕事という印象で名画とまでは言えない。監督にもそれほど大きな野心は無いのだろう。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-11-22 23:42:29)
18.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 
安心して観られる完成されたフォーマット、確かな美的感覚、良く練られた脚本とまったく楽しめないというわけでもない。しかしここは残念だった点を書かせてもらう。 ●主要アクションはボンドが“追う”ことばかり。何度も繰り返されて飽きる ●敵もボンドも身体を張るタイプで両者のコントラストがない。ダニエル・クレイグと正反対のタイプの敵との対決が見たい ●アクションシーンはキレが悪い。「女王陛下」を筆頭とするピーター・ハント&ジョン・グレンの神編集を少しは見習って欲しい(アクションを論理的に見せるとはどういうことかよくわかる) ●敵の目的のスケールが小さく理に落ちすぎてつまらない。誇大妄想的な夢、意外性といったものがない ●敵の目的がしょぼいせいもあってかミステリー要素がほとんどない ●全体のトーンは非情風なのに大事故を起こす地下鉄の車輌は客が乗っていない回送車だったりして日和る所はしっかり日和っている ●冗長。議事堂での銃撃戦でさらっと終わればよかったのでは ●スコアは特に耳に残る旋律もなく、主張の感じられない今風のもので、創造性、ケレン味共にジョン・バリーの足元にも及ばない ●結局最後までアバンタイトルのバイクシーン以上には盛り上がらない。長い尺のわりに何か消化不良のまま終わってしまう……  等々。つまるところありていなマッチョ同士のノンストップアクションといった趣の作品に堕しており、007シリーズならではの高揚感は得られなかった。特に最近の傾向ともいえるやたら暗い画面はもうほんとに勘弁して欲しい。ライムスター宇多丸氏がTBSラジオの番組内コーナー“シネマハスラー”でこの作品を年間ベストと言っていた。氏の評論は好きだが今回の評価に対しては「宇多丸それでいいのか?」と思わざるを得ない
[映画館(字幕)] 6点(2012-12-17 11:44:02)(良:2票)
19.  ゴーストライター
見終わってからよく考えると主人公の行動が不自然だったり、ヤマがなかったり、結局あまり新味のない話だったりと、手放しで褒めることはできない。しかし見ている最中は語り口の上手さ、音楽の良さ等あってぐいぐい引き込まれる。「序盤中盤でこの調子なら、ラストにはどんな素晴らしいカタルシスが待っているだろう」とワクワクしていたら何のひっかかりもなくさらっと終わってしまった。テクニックはあっても熱いものがないのは、監督のお歳を考えると仕方のないことなのかもしれない。 ピアーズ・ブロスナンの大統領がはまり役なのと雨音や靴音など効果音が心地良いのに驚いた。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-26 11:20:03)
20.  八点鐘が鳴るとき
本作は007シリーズのヒットに当て込んで企画されたらしい。公開年は「ダイヤモンドは永遠に」と同じ年なので、後追いとしては遅い方だと言えましょう。で、あのサイコ役者っぽいアンソニー・ホプキンスがスーパースパイとして成立するのだろうか、との興味で見てみたが結果は悪夢。まるで「サンダーボール作戦ブリキの太鼓版」。驚くほど頭が大きくて手足の短いホプキンスがボンドのまねごとをしてもまったくさまにならなっていない。運動神経もイマイチのようで特にアクションシーンのダサさは悪い冗談のよう。更に致命的なのは音楽が凡庸きわまりないことだ。インスピレーションのかけらもないなんともありきたりな楽曲ばかり。007シリーズのスコアを多数作曲したジョン・バリーがいかに作品の質を高めたかという点については常々感じていたことだが、その圧倒的な偉大さを再認識した。この作品は007シリーズというはっきりとした比較対象と比べてみて初めて楽しめる。特にアクションと音楽が素晴らしい「女王陛下の007」と比較すると同工作品の最高と最低が味わえる。他にも、カーアクションの代わりにヘリの飛翔するさまが実に活き活きと撮られていて、監督のメカ愛を感じる。女には興味ないようだ。これがMか、これがフェリックスか、とパラレルワールドのような感覚を味わうのは面白い。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-27 16:47:51)
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