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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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61.  バリア 《ネタバレ》 
4人に地図を渡したのがトラヴィスの仲間だとしたら、何故そんな回りくどい遣り方をしたのでしょうか。人を雇って送り込む方が手っ取り早い。城の出現と入城には、作中語られていないルールが存在すると推測されます。まず考えられるのが、城の秘密を知らない者が自発的に赴くという行為自体が城出現の条件になっていること。時間に余裕がある好奇心旺盛な若者なら、打ってつけと言うワケ。次に人数の問題。救出を考えるなら、送り込む人間は少ないほどいい。1人なら有無を言わさず代わればいいのだし、2人でも騙すのは容易。4人組を選んだ事にも意味があるのでは。この城はきっと“団体様のみ大歓迎”なのです。つまり男が単身で探し回っている限り、城には辿り着けないということ。親友が囚われてから早2年の月日が流れた。それが次元の狭間に存在する城で換算すると何年分に相当するのか。死にはしない(というか死ねない)のだろうけど、廃人になってしまう。早く同じ手順で罠を仕掛け、身代わりを送り込まないと。アンチエイジングに興味があるマゾ体質なら少しは良心が痛まない。自分ならエステティックサロンとSMクラブに潜入し、身代わりを探します。オマケでお肌キレイキレイになって、新たな世界に目覚めたりして。…とまあ、設定が面白いので不明部分を想像して楽しむ分にはイイのですが、純粋な物語としての出来はイマイチ。無駄に長く、作りこみが甘い。タレント本でもあるまいに、余白を取り過ぎです。『世にも奇妙な物語』の1篇で丁度いい感じ。あるいはリメイクで良くなりそうな映画です。
[DVD(字幕)] 5点(2011-01-07 19:31:09)
62.  THE 4TH KIND フォース・カインド 《ネタバレ》 
アビゲイル博士“本人役”の女優さんのインパクトが凄すぎます。彼女の病的な表情から目が離せない。役者さん本人の役作りは勿論のこと、色味を消した画作り等もお見事でした。彼女には個人的に“マジでDethする5秒前で賞”を差し上げたい。さて、それでは本題の物語の感想をば。実録映像とそれを元にした再現フィルムを併用したフェイクドキュメンタリーという手法は、なかなか手が込んでいます。この手法の長所は、“宇宙人拉致の現場を観客に見せない”という仕掛けをスムーズに実施できる事です。その結果、博士の妄想説の可能性を引き出せた。ただマズかったのは、見張りの警官が娘拉致の一部始終を目撃していたことです。アビゲイル側ではない人間の目撃証言は証拠として価値が高い。これで観客の中で、妄想説は99%打ち消されてしまった。あの場面は、“警官は意識を失い、ビデオカメラは砂嵐”という状況じゃなきゃいけない。もっとも、物語の本質は“事件の真相は何か?”という客観的事実の判断ではなく、“人は何を信じるか”という主観の方にあります。自分の経験を信じるというアビゲイル。目にしていない事は信じない保安官。経験してもなお、信じられるものしか信じない同僚博士。あなたはどのタイプに人間ですか?という問いかけです。ちなみに自分は、“許容範囲の余白はいつでも残しておきたい人間”ですかね。理想を言えば。面白かったですよ。自分が今まで観た同ジャンルの映画は『ブレアウィッチプロジェクト』『ノロイ』『クローバーフィールド』くらい。あ、あとダチョウの竜ちゃんシリーズ(笑)。その中では断然、実話っぽいです、コレ。純粋な人は間違って信じてしまう可能性があると思う。そういう意味ではタチの悪い映画です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-29 00:16:17)
63.  ディセント2 《ネタバレ》 
物語の基本構成(危機状況の作り方・話の組み立て)は前作の方が洗練されていると思います。ただ、前作は前半が上質なサバイバルサスペンスだったのに対し、後半はまるっきりB級モンスター映画。その落差に自分は落胆し、良い印象を持てませんでした。そこで続編となる本作。前作の余白「ぜんぶ主人公の妄想でした」という可能性を完全否定するデリカシーの無いアプローチに若干の反感を覚えたものの、結果この開き直りが吉と出た気がします。モンスターパニック映画として面白かった!それはひとえに徹底していたから。観客が生理的に嫌悪するであろう“痛い”“汚い”をとことん重ねました。精神は崩壊寸前、血と汗と糞が入り混じった臭気に意識は朦朧。観客を極限状態に追い込むことに成功しました。だからこそ、最後の最後で友情を取り戻したサラとジュノ、2人の心に共感できたのだと思います。絶望のサラが発した希望を繋ぐ雄叫びに震えました。前作と違い、作中で生還者が出たことも良ポイント。でも、あのオチはどうかと思います。後味の悪い映画は山ほどありますが、これほど脈略の無いのも珍しい。地底人の存在を隠しておくために、生還者を出す訳にはいかなかった。そんな続編製作への伏線が透けて見えるようです。そんなところに気が回るくらいなら、あのオッサンの素性について説明してくれよと言いたい。最後に味噌は付いたものの、後半の仕上がりは上々。後半失速した感のある前作よりも好印象でした。前作と本作、続けて観ると両方とも評価が上がるタイプの映画だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-20 18:00:04)(良:1票)
64.  トランスポーター3 アンリミテッド 《ネタバレ》 
フランクのシリアスフェイスの裏のお茶目な素顔、郷ひろみも真っ青の“ジャケット”アクション、タルコニ警部とのナイスコンビネーション等、シリーズのお約束は全て踏まえていました。車から離れたら爆発するというブレスレットのアイデアは面白く(車を乗っ取られて自転車で追走する件など緊張感満点!)、クライマックスのハチャメチャぶりも上々でした。人気シリーズの続編として正しいつくり。だけど、いつものように楽しくない。不思議とワクワクしません。何故かと考えてみましたが、これはどうもヒロインに問題がありそうです。そばかすだらけのダルそうな表情は、失礼ながら魅力的とは言えず、性格のほうもイマイチ掴み所がない。「正体不明の陰気なロシア女」という当初のキャラ設定が強過ぎて、折角のコメディ要素が打ち消されている気がします。これなら「うので~す」とか「パリスだじょー」みたいな能天気お馬鹿娘の方が、ムカつくけど愛せたかなと。やってる事は派手なのに、地味な印象の3作目でした。次回作での軌道修正を希望します。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-05 18:31:30)
65.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
映画ターミネーターシリーズの『1』と『2』で提示されたのは“未来は変えられる”という希望。一転『3』では“覆水盆に返らず”という絶望が描かれました。後味が苦く、また艶消しの意味合いの強い『3』ですが、前2作との整合性を考えるならば、この結末しか有り得なかったのも事実です。そこで、本作『4』。抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーが父親であるカイルを助け出すというお話。ポイントは、ターミネーターワールドの現在進行形の時間軸で『1』よりも“前”に起きたエピソードだということ。つまり“過去は変えられない”という真理は本作にも当てはまる訳です。どんな経緯があるにせよ、結局カイルもコナーも助かるのは既成事実。そんな先入観を観客に持たれているのは、サスペンスとしてはハンディキャップと言えるでしょう。でも、そこはそれSF大作の一大ブランド『ターミネーター』だけの事はある。見応えのある娯楽作品に仕上げてくれました。ただ、もうこの手のエピソードはもういいかなと。大河ドラマの隙間は十分埋まりました。終幕のナレーション“未来は変えられる”に価値を持たせるにも、次回作は『1』よりも未来のエピソードを希望します。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-12 19:25:35)(良:1票)
66.  落下の王国 《ネタバレ》 
子供の頃、歩道の色付きブロックを溶岩とマグマに見立てて歩いたことがあります。赤いブロックを踏んだらマグマに溶けて死ぬ。上手く行かなかった時の小さな敗北感は今でも思い起こすことが出来ます。お遊びとはいえ、負けは負け。想像の中の出来事でも、心が感じた喜びや悲しみはニセモノではありません。スタントマンのロイは「映画」の中に生きる人間。一般の大人に比べれば、空想の世界と現実の世界の距離は近い気がする。もちろん幼いアレクサンドリアも。2人にとって、創作話はただのお遊び以上の意味がありました。少女は仮面の男に、亡くした父親の姿を重ねていた。“物語”のエンディングで、彼女が泣いて仮面の男を助けて欲しいと泣いた気持ちは痛いほど分かりました。仮面の男の命を救う結末に筋書きを変えたロイ。彼自身もまた少女に命を救われた。作り話と同じように自分の人生の筋書も自分の意思一つで変えることが出来る。もちろんスタントの事故のように、思い通りには行かないかもしれないけれど、その時はまた新しい物語を書き直せばいい。力強い希望のメッセージが其処にはありました。どの場面を切り取っても、陰影が印象的で絵画のような美しさ。空想の世界を見事に映像化していたと思います。現実の世界も同様に美しいので、お話の世界との差異が曖昧ですが、本作の趣旨を考えればむしろ好都合だったと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2010-04-07 19:18:13)(良:1票)
67.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
最初のうちは、おバカな展開に戸惑いました。その場しのぎとはいえ、映画の中身を自家製のニセモノにすり替えるなんて、常人の発想じゃない。ただのバカじゃない大バカです。でも「人生万事塞翁が馬」。リメイクとして人気を博してしまうぶっ飛び加減が、不思議と心地よかった。ジェリーが言うように、確かにみんな(自分も含めて)、電磁波に脳みそヤラレちゃってるかもしれない。ただし、手始めが『ゴーストバスターズ』というヌルさは絶妙だし、ブレイクのキッカケがチンピラ兄ちゃんってとこは“らしい”と思う。荒唐無稽の中にも説得力が感じられるあたり、抜かりないです。ラスト。自主映画の上映会には映画の素晴らしさが溢れていました。映像や音響の迫力は、劇場鑑賞の魅力のほんの一部。映画の本当の目的は“みんなで観ること”だと知りました。そういう意味では、スポーツ観戦やコンサートと変わらない。ただし、映画はライブじゃありません。演者が目の前にいなくても、それと同等の感動を味わえるのは、製作に携わった人たちの想いがフィルムを通じて伝わってくるからだと思う。ちょっとした魔法です。映画を観た思い出が、自分という物語の1コマに変わるなんて素敵です。すいません。ちょっとキザでした。他人と感動を共有するのが嬉しいのは、人が孤独だから。自分の気持ちは自分にしか分らない。この気持ちを相手に伝える術がない。そんな不安と寂しさをいつも感じているから、周りが自分と同じ気持ちだと“想像”できるだけで、幸せなのだと思う。隣に人がいることが在り難い。そして暖かい。それが、映画がこの世に生まれた意味かもしれないと感じました。映画を観てこんなに優しい気持ちになれたのは初めてです。無性に泣けて仕方がなかった。みなさん、映画館に行きましょう。一緒に笑い、泣きましょう。そして最後に、シガニー・ウィーバー出演してくれてありがとう。
[DVD(字幕)] 9点(2010-03-23 19:19:03)(良:2票)
68.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
“アバターはイチローである”。自分は本作をそう結論付けました。『アバター』は言わずもがな最新3D映像が最大のウリ。その圧倒的な画力によって観客は異郷の惑星パンドラを体感します。世界の美しさに息を飲み、スピード感溢れる極上のアクションに酔い痴れます。本当に素晴らしい。ただ、脚本は普通だと感じました。良くも悪くもない。ナヴィたちは人間に比べて遥かに優れた能力と豊かな文明を有しています。主人公じゃなくても生まれ変わりたい。ミイラ取りが特上ミイラになっただけの話です。命を賭した主人公にその資格はありますが、冷静になれば結構身勝手ではないかと。ナヴィ=アメリカ先住民族と見立てられる設定ですが、ナヴィ=クジラと見ることも可能です。だとすれば主人公は、某エセ環境保護団体と変わらない。同種族間の侵略行為と異種族間の闘争では意味合いが全く違います。意思疎通が可能な人間とナヴィの関係は、丁度その中間くらいと捉えるのが正しい気がします。主人公の微妙なスタンスを把握しておかないと、人間が一方的に悪いと感じてしまう脚本なので注意が必要だと感じました。心情的にはナヴィを応援したいですが、主人公には最後まで人として生きて欲しかった。ただし、鑑賞中はそこまで思考が回らない。映像の感動に引っ張られて、物語も非の打ち所が無いように感じてしまう。ここで冒頭の結論に戻ります。イチローは国民的ヒーロー。それは彼がプロ野球選手として活躍したからで、人間性は関係ありません。本来は。でも現実にはそんな区別はなく、人間イチローが丸ごと素晴らしいと評価される。もちろん評価は総合点ですから、得意分野で点数が稼ぐのは構わない。本作の評価もそれと同じと考えます。世界興行収益の記録を塗り替え、観客を劇場に呼び戻した本作の功績は絶大です。この人気を一過性の流行に終わらせるか、映画復興の呼び水と出来るかは、後発の映画に懸かっている。ただし視覚効果のインパクトは必ず薄れます。爆発力があるほど、飽きられるのも早い。3D特需の今こそ、求められるのは良質な脚本だと思います。
[映画館(吹替)] 8点(2010-01-31 19:25:51)
69.  エイリアンVSヴァネッサ・パラディ
初めて観た時は、あまりのぶっ飛びぶりにさじを投げました。思えば自分も若かった(ウソ)。ただB級以下の映画をある程度鑑賞してから本作を観直したところ、印象はかなり改善されました。これは「良い」部類に入るB級映画。カメラワークは悪くないし、何よりノリがいい。ツクリモノ感ありありの「歯抜け犬」の悲しみのハーモニーに大笑い。驚愕のエンディングに放心状態。2度観てもコンチャ分身の術の意味は分らなかったですが、細かい事はどうでもいいと思えました。本作を『ピンチランナー』とか『デビルマン』といった正真正銘のトホホ映画と同列にしておくのは忍びないので、評点を大幅変更することにします。(2010年1月1日再鑑賞につき書き直し 2点→5点に変更)
[DVD(字幕)] 5点(2010-01-01 00:13:59)
70.  NINE -ナイン- (2005) 《ネタバレ》 
デニス・ホッパーは登場人物のうち最もネームバリューのある俳優。彼の登場するファーストカットも印象的です。TVの2時間サスペンスを見慣れた身としては、早い段階で彼に犯人当確マークを付けたくなってしまう。善人キャラも如何にも怪しいですし。でもまさかの早とちり。本当にただの神父だったとは。これが本作最大のサプライズでした。『CUBE』『SAW』以降の数多あるソリッドスリラーの中では、そつなく纏めた方だと思います。でも面白味には欠ける。もし自分が被験者だったら、とりあえず監視カメラを全部探し出して壊します。
[DVD(字幕)] 5点(2009-08-01 19:51:19)
71.  トゥームレイダー
アトラクションムービーとしての出来の良し悪しを問う映画にあらず。これはアンジェリーナ・ジョリー嬢のおっぱいを愛でる映画です。間違いない。久々に観返して確信しました。松坂大輔夫人の柴田倫世元アナは、かつてロケットおっぱいと称されていましたが、本物のロケットおっぱいはアフロダイAの事を言う。いやもとい、アンジェリーナ・ジョリー姫の事を言う。圧倒的な存在感、天然ものだけが持つナチュラルな揺れ、極上の一品です。個人的には小ぶりで形の良いおっぱいが好きなのですが、アンジーのおっぱいの前にはそんなポリシーも吹っ飛んでしまう。最高です。おまけにタンクトップ姿満載。無類の腋の下&二の腕フェチとしてはもう平謝りするしかありません。彼女より美形の女優やモデルは腐るほどいますが、彼女ほど魅惑的な女優は他にいない。メロメロでございます。右のおっぱいに+3点、左のおっぱいに+3点、濃厚な唇に+1点。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-30 22:07:16)(笑:1票)
72.  今日も僕は殺される 《ネタバレ》 
影のような悪霊はドラッグのメタファー。剣先のような腕は見たまんま注射針。主人公が見た悪夢は麻薬中毒による幻想との見方が一般的かと思います。再三再四その事を示唆する台詞や描写がありました。麻薬は日々自分自身を殺しているようなもの。止まる時計は、人生から奪われる貴重な時間を表しています。ラストはあのまま病院のベッドの上で…という方が物語として分かり易かったと思いました。物語の性質上仕方ないとはいえ、無限地獄を見せられるだけなので退屈してしまうのが難点。“何度も殺される”というアイデアの映画ならば、既出作品のほかに『Loop ループ』がオススメ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-20 13:28:45)(良:1票)
73.  ビッグ・トラブル(2006) 《ネタバレ》 
小さなトラブルが雪だるま式に膨らんでいく快感。女が牧師妻を斧で一撃したところで完全に物語の流れに乗れました。「これからどんなに(悪い方向へ)進んでいくの?!」とワクワク。善悪の価値基準が目まぐるしく変化するのも気持ちいいです。ガスが言う「娘の病気」が本当だったら?早とちりで殺してしまった男が犯罪者だったら?同じ罪でも罪悪感の度合い違ってくる不思議。人は絶対的価値観ではなく、相対的にモノを見ているという事が分かります。「情状酌量」が如何に危いものかも。主要人物がみな表の顔と裏の顔を持っているのも面白い。人の良さそうなオッサンがやり手のFBI捜査官で、絶対に犯罪を許さないと言っていた警官が夫の罪に目を瞑る。一体何が正しいのでしょう。主人公の口癖は統計の話。大多数の意見の指針。でも今起きている事態はレアケースの連続です。何を信じたらいいの?結局最期に犯罪者は全員死んで、何となく丸く収まった感があるのも皮肉なもの。みんなが振り回されたお金だって、結局はただの紙切れ。子供にとっては落書き遊びの道具でしかないってメッセージも気持ちいい。安易なギャグに走らず、虚無感と清々しさを同居させる後味も絶妙です。掘り出し物を見つけた気分。
[DVD(字幕)] 8点(2009-07-17 21:33:09)
74.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 
自分も御多分に洩れず『ショーン・オブ・ザ・デッド』が好きで本作を鑑賞したクチ。まず驚いたのが、サイモン・ペッグのキャラクター設定。あのしょぼくれショーンがスーパーエリートなんて!オープニングは『男はつらいよ』さながらの夢オチと疑いませんでした。でも本作のサイモンは正真正銘の堅物役。それがキッチリはまっているからお見事です。生真面目エンジェルとイイ加減なダニーの組み合わせが絶妙。次第にほぐれていくエンジェルの心。実は学習能力があるダニー。2人の関係が微笑ましくて羨ましくて。補い合い、成長し合う、理想のコンビだと思いました。『ショーン~』でみられた特徴的な連続カット割は本作でも健在。少々過多とは思いましたが、テンポよく物語のリズムを刻みます。賞賛したいのは計算され尽した脚本!丁寧に張られた伏線が、次々と回収されていく様に感心することしきり。劇中の歌詞も気が利いている。まるで有機的なパスワークでゴールを決めるサッカーのような美しさ。さすが英国。ホームランでどっかんどっかん笑いを取るアメリカンコメディとは一味違います。イチイチ下らなく、無闇にグロくて、やたらと大げさ。ラストの銃撃戦のバカバカしくも爽快なことといったらない。お婆さんの顔面を蹴り倒してスッキリする映画が何処にある?特定の作品というより、ポリスムービーやサスペンスホラー全般への愛に溢れたパロディ満載。顔が緩みっ放しでした。よもや傑作『ショーン・オブ・ザ・デッド』を超えるとは。観終えた瞬間また最初から観たくなるのは、パブで愉しむラガーと同じ。どうぞ思う存分酔い痴れてください。酔うほどに良さが分る映画です。ただ、パブ『ホット・ファズ』のおつまみ(もちろん豚皮!)は、結構グロ味がキツイので、苦手な方は鼻を、いや目をつぶってね。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-23 18:21:02)(良:2票)
75.  サラマンダー 《ネタバレ》 
設定や物語の合理性を問うと、正直厳しいです。でも、そこを曖昧にして気楽に観ればそんなに悪くないかと。サラマンダーの造型は悪くないし、困窮した人々の描写もきちんと出来ている。怪物討伐のスカイダイビングなんて破天荒具合もマル。それにサラマンダーを悪の枢軸国やテロリズムに置き換えてみるとなかなか面白いです。(以下余談)サラマンダーの繁殖について。ロンドン地下から出てきた最初の1匹から瞬く間に増えたという設定。ということは、1匹目は雄と雌、両方の役割を担っていたのではないかと推測されます。性変換するタイプの生物(魚に多い)の可能性がある。せっかく雄を殺した訳ですが、サラマンダーが再び繁殖するのは時間の問題では…。
[地上波(吹替)] 6点(2009-05-18 19:00:11)
76.  バイオハザードIII
Tウィルスにより死滅した文明。荒涼とした砂漠をひた走るタンクローリー。まるで『マッドマックス2』の世界観です。かの名作と比べてみると、本作に足りないものが見えてきました。それは“食と水”。飢えと乾きを伝えてこそサバイバルの緊迫感が伝わってくる。その処理が本作は甘いと感じます。困窮した様子が窺えません。例えば缶詰の配給場面。「君はキャットフード」と冗談をいう件は、ドッグフードを犬とジャイロが奪い合う『マッドマックス2』の有名シーンを思い起こさせます。どうせなら作品世界の空気感を見習って欲しかったところ。主役の能力を飛躍的に向上させたことも危機感を感じ難くしている要因のひとつです。ただ、本シリーズが目指す路線を考慮するなら、これくらいライトな仕上りで問題ないのかもしれません。ミラ・ジョヴォヴィッチも精悍な顔つきが出来るようになりました。これでアクションシーンが多ければ尚良かった。結末は随分風呂敷を広げた感じがしますが、続編は大丈夫なんでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-12 19:11:37)
77.  レイヤー・ケーキ 《ネタバレ》 
今一番カッコイイ俳優。男が憧れる男は誰か。ワイルド系で言えばジェイソン・スティサム。インテリジェンス部門で言えば、本作のダニエル・グレイグあたりか。どちらもフェロモン出まくり。イッツセクシー。いい男が演じると、物語に色が出ます。文字通り色男。本作はダニエル色に染まった映画でした。主人公の設定は、頭の切れるスマートな男。でも結構ヌけている。ヤル気まんまんで女を抱こうとしたところを拉致されたり、相棒にボコられたり。そもそも本当に抜け目無い男なら、ボスに疎まれたりしない。能ある鷹は爪を隠す事を知っています。見た目よりずっと情けない。でもそこが彼の魅力。ダメ具合にそそれらる。結末もお見事です。色男の末路はこう在るべし。ただサスペンスにしては、ドキドキ感は薄めでした。あまりにもダニエルがカッコ良すぎて、切羽詰った感が伝わってこなかったから。ところで主人公の名前の謎ついて。ラストのアナウンスまで自分は気づきませんでしたが、注意深く観ていた人は彼の名を知ることが出来たのでしょうか。もしそうなら、1点加算したい。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-31 20:58:11)
78.  えびボクサー 《ネタバレ》 
面白いかと聞かれると正直どう答えていいか困ります。気軽に人に勧められる映画ではありません。バカ映画には違いないでしょう。でも、そんじょそこらのバカ映画とは一緒にしたくない。そんな気持ちがある。観終わってじんわり沁みてきました。まず気に入ったのは、キワモノ設定に逃げていないこと。スベって当たり前。むしろ設定を免罪符にして、失笑路線に逃げているB級映画がなんと多いことか。でもスベリ笑いは狙うと寒い。それはもう凍える。危険な「スベリ」に安易に手を出して、火傷している人や映画ほど痛々しいものはありません。かく言う自分も霜焼けだらけです。その点、本作は真面目でした。冗談ではなくホントに。バカは真摯に取り組んでこそ光りかがやく。主人公のシャツを見れば分かる。一世一代のプレゼンショー。中年男のシュルダータイツ姿の味わいを知ってくれ!オヤジ最後のマイクアピール。そんな告白知らんがな。相棒の呟きは観客の心の声です。でも主人公の想いは胸に届きました。えびの世話を通じて、彼は必要とされる喜びを知った。使い捨てでは得られない温くもりを感じた。やっぱり100回のゴムより1回の生なんです。スミマセン。カッコ付け過ぎました。でも心意気はそう。それが愛でなくて何なのか。ちょいポチャ娘も成長しました。傷ついた分、大人になった。背伸びして染めた髪はもう元に戻して大丈夫です。ダメ人間はどこまで行ってもダメかもしれない。でも動き回れば何処かに辿り着く。そこは南の島かもしれないし、おデブいや失礼、ダイナマイトバディの腕の中かもしれない。もし今が最低だと思うなら、とりあえず全力で走ってみよう。そう思えただけで大収穫です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-07 23:13:36)(良:1票)
79.  ダブリン上等! 《ネタバレ》 
手持ちカメラの多用や、ハイセンスを装うクレジットは鼻につきます。監督に非はないけど、邦題のセンスもダサいです。でも脚本は上等でした。濃いキャラの面々をきちんと描き分け、絡んで団子にならないさじ加減で各人の人生の糸を交差させる。上手いと思います。身から出た錆で窮地に陥る者もあれば、アクシデントで人生を狂わされる人もいる。いずれにしても、思い通りにならないのが人生です。石を投げつけてくるクソガキは、“人生の落とし穴”あるいは“不確定要素”といったところでしょうか。彼が基点となって、それぞれの人生が動いていく。“女を殴る”最低の行為をしたチンピラにはキツ過ぎるお仕置き。自分勝手な連中にも罰が与えられました。銀行マンは終身刑ですか。ご愁傷さまです。でも結果的には、ほとんどの者が好転したと見て良さそう。バス運転手も車椅子の王様になりましたしね。ずっと自分と向き合うことを避けて来たヒゲ娘。ギブスで固められた心の傷。ずっと外す勇気が出なかった。それだけ重症だったのも理解できますが、腐らせてしまったらお終いです。痛みに耐えて、次ぎのステップに進まなきゃ。辛い目にあった彼女には、いっぱい幸せになってもらいたいです。一方、ソース男の方は納得がいかない。あれだけダダをこねて、迷惑かけて、最後にヨリを戻してハッピーって何?腹立たしい。いや羨ましい(笑)。でも、あの2人が上手く行くとは限らない。「禍福は糾える縄の如し」は実証済みです。人生ままならぬから面白い。でしょ?
[DVD(字幕)] 7点(2009-02-04 18:55:34)
80.  カプリコン・1 《ネタバレ》 
家族が人質にされるという状況、国家権力を相手にしていること、さらに自分達が生きていてはまずい状況に追い込まれたこと、蜘蛛の巣に絡み取られたような危機的状況であるはずなのに、3人の宇宙飛行士からはイマイチ緊張感が伝わってきません。これは、3人が当局側に少なからず仲間意識を持っていたこと、また当局の対応に詰めの甘さがあることに起因していると思います。(もっとも当局に用意周到さがあれば、こんな事態にはなっていないとも言えますが。)また、見せ場である逃走劇の部分に工夫が見られず、やや淡白に感じてしまいました。ひとひねり欲しかったところです。(でもドッグファイトは見ごたえあり。)つまり全体的なつくりにやや粗さを感じるのです。でも、設定の良さ、音楽の素晴らしさの印象の方がずっと強い。当局の隠ぺい体質にはリアリティがあり、まんざら荒唐無稽とも言い切れない設定が絶妙です。さらに秀逸な音楽が、緊張感を煽ります。短所を長所が打ち消すため、鑑賞後には満足感が残ります。多分本サイトでの高評価がなければ、自分は出会わなかっただろうと思う良作です。本サイトとレビュワーの皆様に感謝。
[DVD(字幕)] 7点(2008-11-26 01:16:20)
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