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皮マンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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1.  フロッグ 《ネタバレ》 
漫画家楳図かずお氏の著作に「追われる者の視点で描けば恐怖漫画になり、同じことを追う者の視点で描くとギャグになる」という鋭い指摘があります。本作はある意味そのことを体現したような構造になっており、知らずに観ていると驚かされることになります。かくいう私も予備知識の無い状態で観て「ぬるいホラーだな」と前半で鑑賞を止めそうになったものの後半が始まって数多くの伏線が回収される度に目からウロコがどんどん落ちていき思わず居住まいを正しました。 頭の良い制作者もいるものだと感心していたら間をおかず「アンテベラム」という本作の意外性を数倍パワーアップしたような超名作に出会い至福の映画体験を立て続けに味わうことになりました。これだから映画鑑賞は止められません!
[インターネット(字幕)] 9点(2024-01-15 17:42:13)
2.  嗤う分身 《ネタバレ》 
あんないい雰囲気のボロい地下鉄が実在しているのだろうか? あまりにも美しいシーンが頻発するのでゾクゾクした。物語は正統派ドッペルゲンガーもので特に目新しい点はない。しかしビジュアルと音楽のセンスの良さが突出しており、難しいことを考えずに雰囲気にぼーっと浸るだけで充分満足できる。キリコの絵画やリンチの「イレイザーヘッド」想わせる耽美的で不吉な画に、脳天気な60年代ジャパニーズポップスがからむタランティーノ的な音楽趣味。その組み合わせが上質な不条理感を観る者の脳内に生成させる知られざる傑作です。
[インターネット(字幕)] 9点(2020-11-20 08:33:52)
3.  トレイン・ミッション
「劇団通勤電車」という体の犯罪集団が、一人のおっさんをドキドキハラハラさせるため?に 心を込めてびっくりイベントを仕掛ける。 このミッション犯人側からみたらまずインポッシブルですよね。 成功確率0パーセントなのによくあそこまでがんばった! しかしやっぱり何のため??? これほど意味なしで回りくどい方法に固執する面白悪人は怪人二十面相以来じゃないでしょうか。 主人公は小林少年のその後だと思えば納得… できねえよ!
[インターネット(字幕)] 2点(2019-03-21 16:14:25)
4.  インターステラー 《ネタバレ》 
冒頭で語られる植物の疫病のため人類窒息というプロット。なのに重要な酸素供給源であるはずの海藻類がどうなっているのか全く語られないのでこれは怪しいと思ったら、案の定ハードSF風味のトンデモ映画でした。アポロ計画風の原始的な打ち上げのブースターと、未知の惑星を縦横に飛び回るスタートレック並の高性能探査機が同居する世界観が、図らずもその科学考証のいい加減さを視覚化してしまっている。相対性理論と不確定性原理の統合とか特異点とかそれらしい科学用語が沢山出てくるが、ただの雰囲気とご都合主義に利用されるだけで、それらがどういう理屈でどう話に絡んでいるのか観客にきちんと理解させる気はないように見えるし実際よくわからない。パーみたいな単なる悪人が出てきたり陰謀論が語られたり自己犠牲によるお涙頂戴と、重苦しい文学性のありそうな雰囲気もSF的プロット同様のお安さに溢れている。更にとってつけたようなサスペンスもテキトー。ブラックホールに落ち込むというえらい難儀な事態のはずなのに何が起こったか不明のままハッピーエンド方向に収束。ここらへんディズニーのバカSF「ブラックホール」と一緒。そういえば子分のロボットもビンセントみたいだ。ぶっ壊れたのが出てくるし。一事が万事この調子のラフさで、誠実さに於いて同じマコノヒー氏出演の傑作ハードSF「コンタクト」の足元にも及ばない。「ソラリス」に影響を受けたとか監督が言ってるらしいが笑わせるにも程がある。
[ブルーレイ(字幕)] 2点(2017-09-25 06:49:29)(良:1票)
5.  イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 《ネタバレ》 
自分を大物アーティストと勘違いした愚鈍な男の見苦しい振る舞いを、超のつくほどクールな作家が白けながら映し出す。「土産物屋を通って退場」という本作のタイトルは、クソ高い入場料の美術館(公立なのに)に行くたびに感じていた苦々しい思いを代弁してくれているようで実に気持ちいい。しかし本作の内容は単にアートと金儲けを巡る問題というだけの単純なものではなく、芸術とは何かという根源的な問いまでをも含んでいる。そんな大テーマを大上段に構えること無く、笑いながらこれほど深く考えさせられるドキュメンタリーはオーソン・ウェルズの「フェイク」以来。なにしろ監督がはじめにつけようとしたタイトルは「クソのような作品をバカに売りつける方法」だ。素晴らしい!
[DVD(字幕)] 10点(2017-08-13 14:54:48)
6.  1000日のアン
リック・ウエイクマンの変なアルバムでプログレファンにはお馴染みの、ヘンリー八世の妻を描いた脚本中心の重厚な歴史劇。アンは凜々しく、女性映画として「ブーリン家の姉妹」より誠実な作品の印象。但しその舞台はハリウッドアメリカンな空気感の王宮で、英語赤点の私にも台詞回しがクイーンズ・イングリッシュにほど遠いことが分かった。セックスの為には後先を考えない、あなたや私みたいな人が王様なので非常に共感でき、あまり馴染みのない世界観のわりに話にはすっと入っていける。彼は王様なのに宗教屋との付き合いがあって、性的に自由なんだか不自由なんだか引き裂かれたような状態。めんどくさ。アン・ブーリン役の女優さんは線の細い外見とは裏腹に、強気で野心的な女を演じきったたいへんな熱演。終盤に、激高した夫にきつ〜いビンタをされて一瞬も怯まないという奇跡的なシーンがある。ハリウッドの大作史劇としては今まで観た作品の中で最も面白かった。ところで(皆さんここからいつもの豊満談義が始まりますよ〜)ヘンリー八世はアンとセックスしたくてしたくて国が滅茶苦茶になるのだが、例によってアンはちっとも肉感的ではない。実際肖像画なんかを見ても細身なので、王様は私ら庶民が性欲を煽られる 尻が大きく・二の腕が太く・下腹の出た 豊満なタイプなんかには飽き飽きしているのかもしれない。しかしヘンリーのように「あの女じゃなければいけない」とピンポイント的に的を絞るのはいかにも素人だ。なびかなかった時はいかに王といえどもあのように苦しむことになる。ヘンリーちょっとマゾ入ってませんか。あげくセックスを取引の道具に使うような、貞淑の皮を被った不感症のゲスい女を摑むことになる。ああいうあなたや私のような性欲最優先の男には、「股の緩い女=いい人と感じる」という「やらせる優先」の回路を脳内に儲けておけば幸せに暮らせるよ、とアドバイスしてあげたかったです。
[DVD(字幕)] 8点(2017-07-09 09:00:13)
7.  アドレナリン(2006)
ただひたすらバカとエロをやるためだけのくだらない設定。すごいテンションで突っ走る、説教臭さの微塵も無いその振り切れた姿勢は賞賛に値する。浅いフェミニズムなんかを入れてアカデミー賞をもらって喜んでいる「マッドマックス」のジョージ・ミラーはこの監督の爪の垢を飲めばいい!
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-12 19:50:37)
8.  エクス・マキナ(2015) 《ネタバレ》 
折角大真面目に裸の女を複数出せるプロットなのにどうしてわざわざあんな貧相な女ばかり並べるのか?豊満大好きの私にはまったく理解できない!彼女らはセックス・マシーンでもあるのにあんな子供みたいな体型じゃ、おにんにんはチューリングしないよ!俺が監督なら全盛期の(一番太っていた頃の)クリスティーナ・リッチか、全盛期の(最も太っていた頃の)レニー・ゼルヴィガーみたいな娘をキャスティングするところだがなあ。プロトタイプ一人くらい尻のでかいグラマーさんを作ってみましょうよ!〜ホントお願いしますよダンナ!……とはいえ意外にハードSFの本作。「AIが地球を支配した未来に於いて、絶滅した人類は創造主ではなく進化の一過程と捉えられるだろう」という、アシモフ先生の未来予想まんまの台詞があって教養を感じさせる。但しロボット三原則は不採用でしたが。はずし技はなかなか気が利いていてアンドロイドが強くなかったり、AIを疑わせる奴がただの人間だったりする。センス・オブ・ワンダーの感じられない安い美術に目をつぶる割り切りは必要だが、「赤ちゃんよ永遠に」あたりを思い起こさせるバッド・エンディングも心地よい好小品だ。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2016-12-27 10:29:16)(笑:2票)
9.  サンシャイン 2057 《ネタバレ》 
物語性不足もはなはだしい。おおまかなストーリーは東宝作品「妖星ゴラス」のアバンタイトル=隼号突入のエピソードみたいなもの。到底2時間持たせるような内容ではない。前任のイカロス1号が謎の救出信号云々〜の月並みなエピソードが挟まれているが、ストーリーを盛り上げることに一切貢献していない。それどころかホラー調になってSF作品としての焦点をぼやかしてしまっている。ミッション変更の瀬戸際に立った乗組員たちが「多数決ではなく、科学者としての正しい選択をしよう」という耳を貸すべき台詞が出てくるが、その後の選択の根拠というのが全く科学者らしからぬ「爆弾2個ならミッション成功率2倍!」などという丸八真綿のCM(ご存じない方はyoutubeで見てみてね)並のトンデモさでタメにする脚本ここに極まれりの感があった。真田広之は何を考えているのかさっぱりわからない。特攻賛美のようなヒロイックな演出も鼻につく。名作「スラムドッグ・ミリオネア」の奇跡的脚本をみごとにまとめ上げたスマートな監督とは思えない凡作だ。
[ブルーレイ(邦画)] 2点(2016-08-12 11:55:39)
10.  オデッセイ(2015)
意外にもエレガントな仕上がりで狙いは判るが若干退屈した。何か実感の伴わない夢の中の出来事のような印象。主人公は始めから人格者であって、あのすさまじい経験によって特に成長するわけでもない。よってラストの講義のシーンにぐっとくるものがない。あそこが蛇足に見えてしまうのは失策ではないか。但しクールな科学啓蒙映画として観るとそのベタつかなさが小気味よいとも言える。よって作品自体はそこそこ評価できる。それにしても劇中の楽曲に訳詞を付けていないのはまったくどうかしている。サウンドより歌詞が重要な本作の場合は著作権料を払ってでも付けるべきだ。更に、邦題を「オデッセイ」にした愚かさ・傲慢さにはほとほとあきれた。これを提案した者も許可した者もちょっと足りないのではないか。国内での無神経な処理二点、しなければいけないことをしないこと・すべきでないことをしていることが折角の力作をぶち壊しにしている。日本版関係各位の猛省を望む。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2016-06-21 16:46:45)(良:3票)
11.  007/スペクター 《ネタバレ》 
「知り合い同士のいざこざ」的ストーリー。またあんたか、ってトムとジェリーじゃないんだからさ〜。そのスケール感の無さと反比例するようにやたらと世界中をうろうろするボンドだが、核となる舞台の印象がなくてどうにも座りが悪い。秘密兵器等のガジェットに頼りすぎないのはいい。しかしあの飛行機がらみのアクションシーンの冗談みたいな展開はどうなんだ?あの手のマンガ的アクションはロジャー・ムーアあたりに任せておけばいいのであってダニエルボンドにはいかにも不似合いだ。それでいて列車内での殴り合いなんかにはまた渋好みの光るものがあったりする。一体リアリティラインはどこらへんに設定されているのよ?スペクターの目的は情報インフラを牛耳ることで、そこから何をしたいってわけでもないのがこれまた拍子抜け。もっと頭を使えよブロフェルド!珍奇でばかばかしい計画立てろよ!俺はあんたのアホみたいな犯罪計画を楽しみにしてるんだよ!拷問椅子もゴールドフィンガーのゴージャスさを少しは見習えよ!あれじゃ歯医者の椅子だろうが。それやこれやで全体に統合失調症的な印象。なんか過去の資産を食いつぶすばかりで新たな驚きが無いのがヒジョーに残念でした。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-04-11 10:44:58)(良:1票)
12.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
面白い。カンバーバッチはアスペルガーぽい人物を良く演じているし、脚本も演出も音楽もそつがない。物足りないのは暗号解読の世界の魅力を伝えてくれないことと、時間の解体をした作劇法がムードを高める以上の意味がないこと。良くも悪くもきちんとした職人仕事という印象で名画とまでは言えない。監督にもそれほど大きな野心は無いのだろう。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-11-22 23:42:29)
13.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 
「ストーカー」風味の「スペースバンパイヤ」といった趣の作品。「個」のない蟻のような存在の主人公が、人間の個々性に触れて己との違いに衝撃を受ける物語。一見アートフィルム的な難解風の肌触りで若干の忍耐力がいる。しかし観客を煙にまく意図はみじんもなく、話がストレートに伝わるように出来ている。しかもその描くところはありていな価値判断を超えたとても奥深いものだ。主人公の異星人(?)は人類の命がけの博愛主義的な行為には全くの無関心・無感動。身を挺して人助けをした者をなんのためらいもなく殴り殺して溶かしてしまう。そのスタンスは彼女が蟻のような、あるいはボーグのような集合意識を持つタイプの生命体だと考えれば充分納得がいく。しかし顔の変形した異形の男を取り込んださいに彼の個人的な強い想いに触れて打ちのめされてされてしまう。全体に奉仕するために産まれてきた存在が彼らにとって餌にあたる生き物のナイーブさに気が付いた時の衝撃。そんな彼女の視点から我々人類が他の生物にとってどのような存在なのかということを考察せずにはいられない・・・・・スカーレット・ヨハンソンはリュック・ベッソンの「ルーシー」とそっくりな演技を求められる役所でありながら、作品の持つベクトルは正反対だ。片や「哲学的なふりをしたバカ映画(ルーシー)」。片や「有名女優のヌードに頼ったふりをした哲学的な文学作品(アンダー・ザ・スキン)」と、まるでスカヨハに “人智を超えた存在を感じる演技をさせること” を課題とする映画学校の作品を観るようだ・・・・・ところでこの作品にぼかしを入れる我が国の後進国性に毎度のことながら心底あきれてしまう。こんな愚劣なことがまかり通っている社会に所属していることが恥ずかしい。わずかなセリフもほとんど意味が分からなくて良いタイプの映画なので、ぼかしなしの輸入盤で観るのがお勧め。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-04-24 11:45:13)
14.  グランド・ブダペスト・ホテル
制作者のひとりよがり。観客おいてけぼり。監督の肥大したナルシズムに圧倒される。楽しげな雰囲気があって序盤は期待値が上がるものの、最後まで見るとオチもひねりもなくたいして面白い物語ではない。なぜあんな又聞きを重ねる形式をとるのか不明。要はスタイルに走りすぎているのではなかろうか。
[ブルーレイ(字幕)] 2点(2015-01-16 09:59:25)
15.  ウォッチメン
アメコミヒーローものでありながらアメリカ史(というか共和党)を問い直すというポリティカルな内容が良い。ひとりになりたいDr.マンハッタンが火星でまで行ってすねるのが笑える。ひたすら殴るだけのアクション・シーンと冗長なセックスは残念。ラスト近くにオリジナル・アウターリミッツのオープニングが登場する。本作と基本プロットに近いところがある第3話「ゆがめられた世界統一」に対するオマージュかと思うのだが確証はない。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-05-05 19:35:23)
16.  ラッシュ/プライドと友情
監督さんはそもそもF1にそんなに興味ないんじゃなかろうか。レースシーンの音をないがしろにしていることがそれを感じさせる。F1のサウンドって「プライベートライアン」並の情熱を持って描く価値があると思うんだけどな。レース自体もF1ならではの戦略は描かれなくて取り上げられるのはウエット時のタイヤ選択が少しであとはサシの競り合いばかり。でもとりあえず楽しめるのはドラマチックな事実を脚色過多にならずに描いているからかしら。音楽はちょっと押しつけがましいけど総じて健全なスポ根ドラマという印象でした。
[映画館(字幕)] 7点(2014-02-24 21:32:31)(良:1票)
17.  007/ロシアより愛をこめて
妙な点をふたつ指摘したい。まず覗きネタがやたらと出てくること。ボンドの逗留するホテルでの盗聴器探し、イスタンブールの地下水道での潜望鏡による覗き、ボンドとロマノヴァの睦言を聴くMたち、別室でそれをこっそり聴くマネーペニー。極めつけはボンドがマジックミラー越しにSEXシーンを盗撮されてしまうという大ネタまで、作品全体は覗き趣味に貫かれている。殺し屋を仕留める照準器内の映像もこれに入るかもしれない。スパイの本懐は覗きってか?もうひとつ女性観の歪みっぷり。登場する若い女はみんなすげー発情していて、どんどん男に色目を使う。一人の男を奪い合って衆人環視の中でキャットファイトまでする。ヒロインのロマノヴァにしても一発キメられてからは、急に居丈高になったボンドのいいなりで主体性というものがない。女はみんな性奴隷ってか。かと思うとイけてないお婆さんはこれまた極端な女丈夫でレズでヒステリーでどうにも喰いようが無いといった扱い。そんな彼女に最後はメイドのコスプレをさせる倒錯っぷり。かように古くさくオヤジくさい女性観は今観るとあきれもするが、ある種振り切れていてそこが見所でもある。脂ぎったおっさんの妄想を煮染めたような007シリーズだが、2作目の本作にしていきなりその性的強迫観念が頂点を極めた感がある。ヘリコプター及びボートチェイスのシーンは苦労して撮っているわりにいずれもオチがおざなりで、とってつけたような印象なのが残念 。何故かシリーズ最高傑作と見る向きもあるようだが、私には標準的な出来のように感じられる。
[映画館(字幕)] 5点(2013-08-06 08:46:48)
18.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 
ゲイルはなぜ彼女に調査を依頼したのか?結局事は彼のシナリオ通りに運んだのか?どうも根本的なところで腑に落ちない印象が残る。死刑を免れたいのなら早く証拠のビデオを提出すればいいし、免れたくないのならジャーナリストと危ういゲームをすべきじゃない。作劇上の都合が先に立って、論理的整合性がないがしろにされているのではないか。そもそも冤罪の可能性を訴えたいのなら、全力で無罪を主張しなくては効果が無い。あの作戦では死刑になっても自業自得と言われるのがオチだろう。ビデオ内で活動家の女性が自殺するシーンは、それに先だってジャーナリストが内容を予測して述べてしまっているので、得られるべきカタルシスがない。監督は観客の感情を操るのも不得手なタイプとみた。
[DVD(字幕)] 3点(2013-07-30 13:03:33)(良:2票)
19.  アバター(2009)
キャメロンのセンスの無さが大爆発した大恥かき作。機械類からパンドラの風景からキャラのデザインから登場人物のメンタル面まであらゆる事象が既視感のある何かの寄せ集めで異世界感、未来感、センスオブ・ワンダーはゼロ。リアリティラインもぐちゃぐちゃ。ストーリー、絵、演出、音楽(映画に求められる全部だ)のダサさ陳腐さは度を超しており、見続けるには強い精神力が要る。幼児的心性の監督がやりたい放題やった結果のありえない作品としてアール・ブリュット的な価値はあると思うが媚びが強すぎて私は嫌いだ。TUTAYAの100円レンタルで平面で見て本当に良かった!こんなこっ恥ずかしい絵が飛び出してきたらと思うと恐怖すら感じてしまう。
[ブルーレイ(字幕)] 0点(2012-12-18 10:58:56)(笑:2票) (良:2票)
20.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 
安心して観られる完成されたフォーマット、確かな美的感覚、良く練られた脚本とまったく楽しめないというわけでもない。しかしここは残念だった点を書かせてもらう。 ●主要アクションはボンドが“追う”ことばかり。何度も繰り返されて飽きる ●敵もボンドも身体を張るタイプで両者のコントラストがない。ダニエル・クレイグと正反対のタイプの敵との対決が見たい ●アクションシーンはキレが悪い。「女王陛下」を筆頭とするピーター・ハント&ジョン・グレンの神編集を少しは見習って欲しい(アクションを論理的に見せるとはどういうことかよくわかる) ●敵の目的のスケールが小さく理に落ちすぎてつまらない。誇大妄想的な夢、意外性といったものがない ●敵の目的がしょぼいせいもあってかミステリー要素がほとんどない ●全体のトーンは非情風なのに大事故を起こす地下鉄の車輌は客が乗っていない回送車だったりして日和る所はしっかり日和っている ●冗長。議事堂での銃撃戦でさらっと終わればよかったのでは ●スコアは特に耳に残る旋律もなく、主張の感じられない今風のもので、創造性、ケレン味共にジョン・バリーの足元にも及ばない ●結局最後までアバンタイトルのバイクシーン以上には盛り上がらない。長い尺のわりに何か消化不良のまま終わってしまう……  等々。つまるところありていなマッチョ同士のノンストップアクションといった趣の作品に堕しており、007シリーズならではの高揚感は得られなかった。特に最近の傾向ともいえるやたら暗い画面はもうほんとに勘弁して欲しい。ライムスター宇多丸氏がTBSラジオの番組内コーナー“シネマハスラー”でこの作品を年間ベストと言っていた。氏の評論は好きだが今回の評価に対しては「宇多丸それでいいのか?」と思わざるを得ない
[映画館(字幕)] 6点(2012-12-17 11:44:02)(良:2票)
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