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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1.  神様メール
アイデアの奇抜さや、そのアイデアを観客に伝えるためのストーリーの整理の仕方など、この監督の手腕には恐れ入るのですが、『ミスター・ノーバディ』に続き、私との相性は良くありませんでした。 この監督はアイデアで引っ張る一発ネタ的な作風である割りには上映時間が長めだし、極端な設定から人類普遍のドラマを導き出すのかと思いきや、その核にはそれほど訴求力のあるメッセージがなかったりと、結局技巧を楽しんでいるだけという印象がしてしまいます。 比較すべき相手かどうか分かりませんが、例えばチャーリー・カウフマンのように、物凄く奇抜な設定やキャラクターを選択しながらも、見る者の共感を呼ぶような着地点を見出せる作風の方が、より万人受けするのではないでしょうか。
[インターネット(吹替)] 6点(2017-10-31 18:40:12)(良:2票)
2.  ハイネケン誘拐の代償
『ドラゴン/怒りの鉄拳』みたいなタイトルですが、ハイネケンは個人名。しかも犯罪被害者の名前であり、なんだかハイネケンさんが中心になって悪いことをしたかのような邦題はどうかと思いました。また、作品紹介を見ると誘拐されたアンソニー・ホプキンスが未熟な誘拐犯達へ心理攻撃を仕掛け、徐々に形成を逆転させるような内容を連想させられたのですが、こちらも映画の内容とは全然違いました。日本の配給会社によるおかしな売り方は、ちょっと問題だと思います。 本作は金がなくてバカをやってしまった若者達のドラマであり、犯罪サスペンスという要素はかなり薄くなっています。誘拐計画は驚くほどうまくいっているものの、何がきっかけとなって捕まるか分からないというプレッシャーと、素人集団ゆえに「自分以外の誰かがミスを犯しているのではないか」という不安から全員が徐々に精神をやられていき、人間関係が崩壊する様がなかなかリアルでした。主犯を除く全員が「金なんて要らないから元の生活に戻してくれよ」と思っているものの、一度しでかした過ちから逃れることはできないのです。捜査当局や被害者側のドラマはすべて捨て去り、加害者の視点のみで構成されていることからドラマは非常に分かりやすく、また、捜査当局にどの程度追い込まれているのかが分からないという点がスリルを高めていました。この構成は正解だったと思います。 ただし、会社をクビにされたにも関わらずハイネケンを慕い続けている父親や、妊娠した奥さん絡みのエピソードまでが落とされているという点はいただけませんでした。これらは、主人公の背景を理解するためには必要なパートだったと思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2017-01-09 19:22:50)(良:1票)
3.  その男ヴァン・ダム 《ネタバレ》 
『サンセット大通り』に『許されざる者』と、主演俳優自身のキャリアをモチーフにして作られた映画は数多くありますが、それらの企画は、あくまで現実を色濃く投影させた架空の役柄を演じるにとどまっていました。他方、本作ではヴァンダムがヴァンダム自身を自虐的に演じており、従来のメタ設定映画とは次元の違う企画だったと言えます。。。 本作で描かれるのは、自分の弱みをすべてさらけ出すヴァンダムという男の姿。虚構の世界ではスーパーヒーローを演じてきたが、現実世界ではチンケな強盗すらまともに倒すことができないという身も蓋もない事実を物語の基礎とし、「今の私は仕事でもプライベートでも完全に行き詰まっています」というヴァンダムの告白が随所に散りばめられています。全盛期におけるヴァンダムの粗野な態度やナルシスト発言を知る私にとって、それはかなり衝撃的な姿でした。特に驚いたのが中盤におけるヴァンダムの独白シーンで、自分がいかにして成功し、そして失敗したのかという彼の正直な告白には胸を打たれました。涙がこぼれそうにさえなりました。同時に、ここまでの長ゼリフを表情のアップのみでもたせてしまったヴァンダムの演技力の高さにも感銘を受けました。ドラマ畑の俳優であっても、ここまで見せられる実力者は限定されてくるのではないでしょうか。。。 また、本作については『ロッキー・ザ・ファイナル』との共通項も見いだせるのですが、『ロッキー~』がアクションスターとしてのスタローンのイメージの再構築だったのに対して、本作はアクションスター・ヴァンダムの完全破壊の領域にまで達しています。これをやってしまうと二度とアクション映画には出られなくなるかもしれないという、それくらいのリスキーな企画だったわけです。まさに企画と心中する覚悟で本作に臨んだヴァンダムの姿には、熱いものを感じさせられました。。。 ただし、問題もあります。『狼たちの午後』を思わせる強盗団の物語が妙によく出来ており、中盤以降はかなりシリアスになってくるので、この映画は悲哀溢れるコメディをやりたいのか、直球勝負のドラマをやりたいのかが見えなくなってしまうのです。どういう姿勢でこの映画を見ればいいのかを途中で見失ったために、後半部分ではドラマに感情が乗らなくなってしまいました。
[DVD(吹替)] 7点(2014-02-15 15:48:24)
4.  闇を生きる男 《ネタバレ》 
タイトルが示す通り、真っ暗闇の人生の中で孤独に生きる男が、そのとどめとも言える最悪の事件に巻き込まれて破滅へと向かうという、ポール・シュレイダーもかくやという暗い映画です。鍛えすぎてパツパツの体の上に、生気のない顔が乗っかっている男・ジャッキーが本作の主人公。このジャッキーが温厚そうな老人を容赦なく恫喝する場面から映画ははじまり、「これは何事か」と思わされるのですが、その後、ジャッキーがなぜこのような人格になったのかが明らかにされると、この男の悲惨な運命に同情せざるをえなくなります。。。 本作の理解に必要な情報として、牛成長ホルモンとホルモン・マフィアの2点が挙げられます。飼料を節約しながら食肉牛を大きく成長させたり、商品価値の高い赤身部分を増やすことを目的に、欧米諸国では牛にホルモン剤を投与するということが行われていました。しかし、人体への影響が懸念されることから規制の動きが活発化し、欧州では1981年に一切のホルモン剤の使用が禁止されたのですが、これに目を付けたのがマフィア達でした。いまだ合法とされるアメリカから仕入れたホルモン剤を畜産業者に提供し、利益をあげはじめたのです。禁止されている薬剤が密かに使用され、国民の健康を脅かしている。当局はホルモン・マフィアの捜査と食肉汚染の全容調査を開始するのですが、その過程において獣医検査官が殺害されるという事件が1995年に発生します。この一連の流れが、本作のモチーフとなっています。。。 主人公・ジャッキーは、人用ホルモン剤の投与によって成り立っている男です。外部から男性ホルモンを摂取することで男性性を維持し、強いコンプレックスによって攻撃性が定着した彼は、人為的に作り上げた男性性によって破滅へと向かいます。本来の彼はおとなしく、かつ冷静で正しい判断を下す男なのですが(ホルモン・マフィアと関係を持つことにもっとも慎重だった)、男性性をコントロールしきれなくなって起こした2、3のトラブルによって、その人生はどん底へと叩き落とされます。もし、クラブで会った男や自動車修理工に暴力を振るっていなければ、彼は幼い頃からの片思いを成就させて、幸せな人生を送れていたかもしれないのです。主題とドラマを完璧に一致させたこの設定は、本当に見事だったと思います。演技の質も極めて高く、必見のサスペンスドラマとなっています。
[DVD(字幕)] 7点(2013-02-15 13:40:59)
5.  デビルズ・ダブル -ある影武者の物語- 《ネタバレ》 
イラク戦争後に暴露されたフセイン一族の悪行三昧は戦勝国によるネガティブ・キャンペーンである可能性を否定できないし、おまけにこの原作を書いたのは亡命中のラティフ本人なので内容の客観性にも疑義があり、実話という触れ込みの本作についても話半分のつもりで鑑賞したのですが、それでも映画としては面白く仕上がっています。後述の通り脚本にはアラがあるのですが、安定した演出によってドラマとしてもサスペンスとしてもアクションとしてもそれなりにまとめられているのです。本作の演出を担当したのはリー・タマホリ。『007/ダイ・アナザー・デイ』を大ヒットさせたものの、続く『トリプルX/ネクストレベル』と『NEXT』が連続して失敗し、おまけに女装姿で売春(買春ではない)しているところを囮捜査官に逮捕されるという前代未聞のスキャンダルによってハリウッドから干された人物なのですが、ヨーロッパ資本を得ての5年ぶりの監督復帰作にして、相変わらず水準以上の腕前を披露しています。主演のドミニク・クーパーの演技も素晴らしく、観客が一目で判別できる程の高いレベルでウダイとラティフを演じ分けています。なぜ彼が、いかなる演技賞をも受賞できなかったのかと不思議になる程です。。。 問題があるのは脚本で、無難にまとめられてはいるものの、焦点を当てるべき対象を間違えたために意図した物語にはなりえていません。脚本家が夢中になったのはウダイによる悪行の数々なのですが、この物語の主人公はウダイではなくラティフです。掘り下げるべきはラティフの苦悩だったはずなのに、これが意外と適当に流されています。例えば、家族に危害が及ぶからと影武者役を渋々引き受けていたラティフが、家族を見捨ててでも国外へ逃げようと決意した心変わりの背景の描き込みが不足しているのですが、このために後半の展開に感情移入できないという事態が発生しています。一度は国外へ逃亡したラティフが復讐のためにイラクへ戻るという展開にしても、ラティフの心情の描き込みが不足しているために作り手が意図した程のカタルシスを観客に与えるに至っていません。
[DVD(字幕)] 6点(2012-08-12 03:52:22)
6.  戦場カメラマン 真実の証明
原題の”Triage”とは『選別』を意味するフランス語で、戦争や大災害が発生した場合にどの負傷者を優先的に治療するのか、どの患者を救急搬送するのかといった優先順位を決めることを指します。序盤の舞台であるクルドの戦場では、まさにこのTriageが克明に描かれます。医師が命の選別を行い、ある命を救うために別の命を切り捨てるという非情な現実。ヨーロッパ映画である本作には『プライベート・ライアン』や『ブラックホーク・ダウン』のようなインパクトある見せ場はありませんが、”Triage”というテーマを見つけてきたことで戦場の恐るべき一側面を描き出すことに成功しています。重傷を負った主人公が生かされるか殺されるかの瀬戸際に立たされるなどサスペンス要素も巧みに盛り込まれており、この監督さんの手腕には感心させられました。。。 主人公が命からがら帰国して以降は映画が中弛みするのですが、精神科医であるクリストファー・リーが登場すると突如として面白くなります。彼の含蓄ある発言は非常に興味深いし、クリストファー・リーの奥行ある演技からも目が離せなくなります。そして終盤に待っている大仕掛け。脚本に仕込まれたこのひと捻りが非常に効果的で、テーマを浮き立たせることに成功しています。日本では劇場公開されず、レンタル屋でも目立たない場所に置かれている本作ですが、見逃すには惜しい良作です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-08-01 00:30:41)
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