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1.  シリアの花嫁 《ネタバレ》 
舞台設定をのみこむのに多少時間が掛かりますが、一旦理解してしまえばこれが現実であることに強い違和感を覚えると同時に、映画が作られたことにひとつの希望を見たような気持ちにさせられます。また、花嫁一家のキャラクターがよく立っています。反イスラエル闘争の指導者の父、封建的な夫との関係の変化を望む長女、故郷を離れロシア人女医と子供を設けて8年ぶりに帰郷した長男、貿易商として世界を飛び回っている女たらしの次男、そしてテレビで見たことしかないコメディアンと結婚する25歳の次女。それぞれが家族の問題を抱えていますが、花嫁の踏み出す一歩のように足を前へ出すことで解決への糸口が開けてゆきます。人との間に一歩踏み出すことができるなら国との間も同じ、という時代をすぐそこに。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-05 22:58:10)
2.  戦場でワルツを 《ネタバレ》 
レバノン侵攻に従軍した元兵士が、心の奥底に封印された虐殺の記憶を探し求めて知人を訪ね歩くという筋です。本作は終盤の3分を除き全編特徴的なアニメーションになっていて、妄想を帯びたあいまいな記憶の残像と鮮明な現実感の両立に成功しています。砂塵を上げ砲撃する戦車や、砲弾により破壊しつくされた廃墟でのた打ち回る馬など、超現実的と言えるほどの不気味なリアルさがあります。ただアニメーションはFlashを使ったパソコンゲームのような質感であり、人を選ぶ映像だと思います(単純に好みの問題だと思いますが、私は苦手でした)。特筆すべきば冒頭、野良犬が街をさまよい、やがて黒い一群となってビルの隙間を疾駆するシーンで、『犬狼伝説』のエンディングの続きを見ているかのような錯覚を覚えました。+1点で5点献上。
[DVD(字幕)] 5点(2010-11-28 22:26:34)
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